Storage Foundation for Oracle® RAC 7.3.1 設定およびアップグレードガイド - Linux
- 第 I 部 SF Oracle RAC の設定
- SF Oracle RAC の設定の準備
- スクリプトベースのインストーラを使った SF Oracle RAC の設定
- SF Oracle RAC の自動設定の実行
- 第 II 部 インストール後の作業と設定作業
- 第 III 部 SF Oracle RAC のアップグレード
- 第 IV 部 Oracle RAC のインストールとアップグレード
- Oracle RAC をインストールする前に
- SF Oracle RAC インストーラを使った、または手動による Oracle RAC のインストールの準備
- Oracle RAC のユーザーとグループの作成
- OCR と投票ディスク用ストレージの作成
- Oracle RAC 11.2.0.1 のプライベート IP アドレスの設定
- Oracle RAC 11.2.0.2 以降のバージョンのプライベート IP アドレス設定
- Oracle RAC のインストール
- Oracle RAC の自動インストールの実行
- Oracle RAC のインストール後のタスクの実行
- Oracle RAC のアップグレード
- Oracle RAC をインストールする前に
- 第 V 部 ノードの追加と削除
- SF Oracle RAC クラスタへのノードの追加
- Veritas InfoScale インストーラを使ったクラスタへのノードの追加
- 手動によるクラスタへのノードの追加
- SF Oracle RAC 応答ファイルを使ったクラスタへのノードの追加
- 新しいノードで Oracle RAC 11.2.0.2 以降のバージョンの IP アドレスを設定する
- SF Oracle RAC クラスタからのノードの削除
- SF Oracle RAC クラスタへのノードの追加
- 第 VI 部 ディザスタリカバリ環境の設定
- 第 VII 部 インストールの参考情報
- 付録 A. インストールスクリプト
- 付録 B. インストール用のチューニングパラメータファイル
- 付録 C. サンプルインストールと設定値
- 付録 D. 設定ファイル
- 設定ファイルの例
- CP サーバーの設定ファイルの例
- 付録 E. セキュアシェルまたはリモートシェルの通信用の設定
- 付録 F. 自動ストレージ管理
- 付録 G. テストデータベースの作成
- 付録 H. 高可用性エージェントの情報
- 付録 I. SF Oracle RAC 配備シナリオ
- 付録 J. RDMA 上での LLT の使用
- RDMA 上の LLT の設定
- RDMA 上の LLT のトラブルシューティング
アプリケーション間のより高速の相互接続のための LLT での RDMA 機能のサポートについて
LLT および GAB では、InfiniBand およびイーサネットメディア (RoCE) 上で RDMA 技術を使用したアプリケーション間の高速相互接続がサポートされます。ハードウェアの RDMA 機能を利用し、既存の LLT 機能もサポートするために、LLT では設定済みの RDMA リンクごとに 2 つのチャネル(RDMA と非 RDMA)が維持されます。RDMA および非 RDMA チャネルはノード間のデータ転送が可能で、LLT ではこれらのチャネルを使用するための CFS、CVM などの別の API がクライアントに提供されます。RDMA チャネルでは、ハードウェアの RDMA 機能の利用によってより高速のデータ転送が提供されます。RDMA チャネルは、クラアントがこのチャネルを使用できるときは主にデータ転送に使用されます。非 RDMA チャネルは UDP 層の上に作成され、LLT ではこのチャネルは主にハートビートの送受信に使用されます。非 RDMA チャネルの健全性に基づいて、GAB ではクラスタのクラスタメンバーシップが決定されます。RDMA チャネルの接続管理は非 RDMA チャネルからは分離されていますが、RDMA チャネルに対する接続操作および切断操作は非 RDMA チャネルの状態に基づいてトリガされます。
非 RDMA チャネルが起動していても、RDMA 層のいくつかの問題が原因で RDMA チャネルがダウンしている場合、非 RDMA チャネル上のデータ転送のパフォーマンスは RDMA チャネルの問題が解決されるまで低くなります。システムログには、RDMA チャネルの起動時またはダウン時にメッセージが表示されます。
LLT では、オペレーティングシステムによってインストールされた Open Fabrics Enterprise Distribution(OFED)層とドライバがハードウェアとの通信に使用されます。RDMA 上の LLT は、1 つのノード上で動作するアプリケーションが、RDMA が有効なネットワークを介して接続されている別のノードで動作するアプリケーションのメモリに直接アクセスすることを可能にします。それとは対照的に、非 RDMA のネットワークを介して接続されているノードでは、アプリケーションは別のノードで動作するアプリケーションへの直接読み込みまたは直接書き込みを行うことができません。CFS、CVM などの LLT クライアントは、アプリケーションでの読み込みおよび書き込み操作を完了する前にデータの中間コピーを作成する必要があります。これにより遅延期間が増え、場合によってはパフォーマンスに影響を与えることがあります。
RDMA ネットワーク上の LLT により、アプリケーションでは中間コピーを作成しなくてもネットワーク上の別のノードのアプリケーションに読み込みと書き込みを行うことができます。これにより、遅延が減り、スループットが増え、CPU ホスト使用率が最小化されるため、アプリケーションのパフォーマンスが向上します。LLT および GAB のクライアントである Cluster Volume Manager と Cluster File System では、RDMA 機能上の LLT を特定の使用例で使うことができます。