Veritas NetBackup™ Vault™ 管理者ガイド
- Vault について
- Vault のインストール
- 推奨する実施例
- Vault のための NetBackup の構成
- Vault の構成
- Vault の構成について
- [Vault 管理のプロパティ (Vault Management Properties)]の構成について
- [全般 (General)]タブ ([Vault 管理のプロパティ (Vault Management Properties)])
- [代替メディアサーバー名 (Alternate Media Server Names)]タブ ([Vault 管理のプロパティ (Vault Management Properties)])
- [保持マッピング (Retention Mappings)]タブ ([Vault 管理のプロパティ (Vault Management Properties)])
- [レポート (Reports)]タブ ([Vault 管理のプロパティ (Vault Management Properties)])
- Vault の作成について
- プロファイルの作成について
- プロファイルの構成
- メディアの Vault 処理および管理
- Vault セッションについて
- Vault セッションの監視について
- Vault 処理を行うイメージのリストについて
- メディアの取り出しについて
- メディアの取り込みについて
- コンテナの使用について
- 追加ボリュームの Vault 処理について
- 通知スクリプトの使用について
- 元のイメージまたはコピーの並列作成
- レポート
- Vault の管理
- メニュー方式のユーザーインターフェースの使用
- トラブルシューティング
- 付録 A. ディザスタリカバリ
- 付録 B. Vault のファイルおよびディレクトリ構造
ディザスタリカバリについて
ここでは、データのリカバリ、NetBackup と Vault の使用およびオフサイトストレージの場所からのメディアの再呼び出しについて説明します。また、ディザスタリカバリのための準備に関する一般的な情報についても説明します。
『NetBackup トラブルシューティングガイド UNIX、Windows および Linux』のディザスタリカバリに関する項を参照してください。
データのバックアップは、すべてのデータ保護方針 (特に、ディザスタリカバリを支援するための方針) に必須です。定期的にデータのバックアップをとり、特定の時間範囲内でそのデータをリストアすることは、リカバリを行う際の重要事項です。どのようなリカバリを実施するかにかかわらず、バックアップによって、致命的なシステム障害が発生した場合のデータの損失を回避できます。また、バックアップイメージをオフサイト (遠隔地にある保管場所の) ストレージに保管することによって、オンサイトメディアが破損した場合や、障害が発生して施設やサイトが被害を受けた場合のデータの損失を回避できます。
リカバリを正常に実行するには、データを追跡して、バックアップされた時点を確認する必要があります。この時間を知ることにより、リカバリできない情報を組織内で判断できます。データのバックアップは、組織のリカバリポイント目標 (RPO: Recovery Point Objective) を達成できるようにスケジュールを設定します。RPO とは、それ以前のデータの損失を許容できない時点を示します。組織で許容できるデータの損失が 1 日分である場合、1 日 1 回以上バックアップを行うようにスケジュールを設定して、障害が発生する前日の RPO を達成する必要があります。
組織で、リカバリ時間目標 (RTO: Recovery Time Objective) が設定されている場合もあります。RTO とは、リカバリにかかると想定される時間を示します。リカバリ時間は、障害の種類とリカバリに使用される方法の相関関係で決定されます。組織でリカバリが必要なサービスの種類およびその期限に応じて、複数の RTO を設定することもできます。
高可用性技術を使用すると、障害発生ポイントに非常に近い (または障害発生ポイントと同じ) リカバリポイントの設定や、リカバリ時間の大幅な短縮が可能になります。ただし、RTO および RPO を障害発生ポイントに近づけるほど、リカバリを行うために必要なシステム構築および維持にかかるコストが増大します。組織のリカバリ計画を作成する際には、様々なリカバリ方針のコストおよび利点を分析する必要があります。ディザスタリカバリ計画をよく検討することによって、Vault およびオフサイトに格納するテープのバックアップに対して、組織のディザスタリカバリ目標に適した構成を行うことができます。