Veritas NetBackup™ CloudPoint インストールおよびアップグレードガイド

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Product(s): NetBackup (9.0)
Platform: Linux
  1. 第 I 部 CloudPoint のインストールおよび構成
    1. CloudPoint のインストールの準備
      1.  
        配備方法について
      2.  
        CloudPoint を実行する場所の決定
      3.  
        クラウドでの CloudPoint の配備について
      4.  
        システム要件への準拠
      5. CloudPoint ホストのサイズの決定に関する推奨事項
        1.  
          クラウドプラットフォームでの CloudPoint のサイズの決定に関する推奨事項
      6.  
        CloudPoint をインストールするインスタンスの作成または物理ホストの準備
      7.  
        Docker のインストール
      8.  
        CloudPoint データを格納するボリュームの作成とマウント
      9.  
        インスタンスまたは物理ホストで特定のポートが開いていることの確認
    2. Docker イメージを使用した CloudPoint の配備
      1.  
        CloudPoint のインストール
      2.  
        CloudPoint が正常にインストールされたことの確認
    3. CloudPoint クラウドプラグイン
      1.  
        CloudPoint クラウドプラグインを構成する方法
      2. AWS プラグインの構成に関する注意事項
        1.  
          AWS プラグイン構成の前提条件
        2.  
          CloudPoint の AWS アクセス権の構成
        3.  
          CloudPoint に必要な AWS アクセス権
        4.  
          クロスアカウントの構成を作成する前に
      3. Google Cloud Platform プラグインの構成に関する注意事項
        1.  
          CloudPoint で必要な Google Cloud Platform アクセス権
        2.  
          CloudPoint の GCP サービスアカウントの構成
        3.  
          プラグイン構成のための GCP サービスアカウントの準備
      4. Microsoft Azure プラグインの構成に関する注意事項
        1.  
          Microsoft Azure でのアクセス権の設定
        2.  
          Azure のスナップショットについて
    4. CloudPoint ストレージアレイプラグイン
      1.  
        CloudPoint ストレージアレイのプラグインの構成方法
      2. NetApp プラグインの構成に関する注意事項
        1.  
          NetApp プラグインの構成パラメータ
        2.  
          NetBackup アクセスの専用 LIF の構成
        3.  
          NetApp ストレージでサポートされる CloudPoint 操作
      3. Nutanix Files プラグインの構成に関する注意事項
        1.  
          Nutanix Files プラグイン構成の前提条件
        2.  
          Nutanix Files プラグインの考慮事項および制限事項
        3.  
          Nutanix Files ファイルサーバーでサポートされる CloudPoint 操作
        4. Nutanix Files の NetBackup 問題のトラブルシューティング
          1.  
            Nutanix Files のバックアップジョブが、スナップショットのインポート操作およびエクスポート操作の失敗のためにエラーになる
          2.  
            Nutanix Files のバージョンがサポートされていない場合にプラグインの構成が失敗することがある
      4. Dell EMC Unity アレイプラグインの構成パラメータ
        1.  
          サポートされる Dell EMC Unity アレイ
        2.  
          Dell EMC Unity アレイでサポートされる CloudPoint 操作
      5. Pure Storage FlashArray プラグインの構成に関する注意事項
        1.  
          サポート対象の Pure Storage FlashArray モデル
        2.  
          Pure Storage FlashArray モデルでサポートされている CloudPoint 操作
      6. HPE RMC プラグインの構成に関する注意事項
        1.  
          RMC プラグインの構成パラメータ
        2.  
          サポート対象の HPE ストレージシステム
        3.  
          HPE ストレージアレイでサポートされている CloudPoint 操作
      7. Hitachi プラグインの構成に関する注意事項
        1.  
          Hitachi プラグインの構成パラメータ
        2.  
          サポート対象の Hitachi ストレージアレイ
        3.  
          Hitachi アレイでサポートされる CloudPoint 操作
      8. InfiniBox プラグインの構成に関する注意事項
        1.  
          InfiniBox プラグインの構成パラメータ
        2.  
          InfiniBox アレイでサポートされる CloudPoint 操作
      9. Dell EMC PowerScale (Isilon) プラグインの構成に関する注意事項
        1.  
          Dell EMC PowerScale (Isilon) プラグインの構成の前提条件
        2.  
          Dell EMC PowerScale (Isilon) プラグインのサポート対象の CloudPoint 操作
      10. Qumulo プラグインの構成に関する注意事項
        1.  
          Qumulo プラグインの構成の前提条件
        2.  
          Qumulo プラグインの考慮事項および制限事項
        3.  
          Qumulo プラグインのサポート対象の CloudPoint 操作
    5. CloudPoint アプリケーションエージェントとプラグイン
      1.  
        Microsoft SQL プラグインの構成に関する注意事項
      2. Oracle プラグインの構成に関する注意事項
        1.  
          Oracle データベースのデータとメタデータファイルの最適化
      3.  
        MongoDB プラグインの構成に関する注意事項
      4.  
        インストールと構成の処理について
      5.  
        Linux ベースエージェントのインストールの準備
      6.  
        Windows ベースエージェントのインストールの準備
      7.  
        CloudPoint エージェントのダウンロードとインストール
      8.  
        Linux ベースのエージェントの登録
      9.  
        Windows ベースのエージェントの登録
      10.  
        CloudPoint アプリケーションプラグインの構成
      11.  
        元のドライブのシャドウコピーを格納するための VSS の構成
      12.  
        クラウド資産に対する NetBackup 保護計画の作成
      13.  
        NetBackup 保護計画へのクラウド資産のサブスクライブ
      14. スナップショットのリストアについて
        1.  
          SQL AG データベースをリストアするためのプロセス
      15.  
        Microsoft SQL Server のリストアの要件および制限事項
      16.  
        Oracle のリストアの要件および制限事項
      17.  
        MongoDB のリストアの要件および制限事項
      18.  
        SQL AG データベースをリストアする前に必要な手順
      19.  
        SQL データベースの同じ場所へのリカバリ
      20.  
        代替の場所への SQL データベースのリカバリ
      21. SQL Server スナップショットのリストア後に必要な追加手順
        1.  
          SQL Server のディスクレベルのスナップショットを新しい場所にリストアした後に必要な手順
      22.  
        SQL AG データベースをリストアした後に必要な追加手順
      23.  
        Windows インスタンスが CloudPoint ホストとの接続性を失った場合、SQL スナップショットまたはリストアおよび個別リストア操作が失敗する
      24.  
        元のディスクがインスタンスから切断されていると、ディスクレベルのスナップショットのリストアが失敗する
      25.  
        MongoDB スナップショットのリストア後に必要な追加手順
      26.  
        Oracle スナップショットのリストア後に必要な追加手順
      27.  
        AWS RDS データベースインスタンスをリストアした後に必要な追加手順
    6. CloudPoint のエージェントレス機能を使用した資産の保護
      1.  
        エージェントレス機能について
      2.  
        エージェントレス構成の前提条件
      3.  
        ホストユーザーアカウントへのパスワードなしの sudo アクセス権の付与
      4.  
        エージェントレス機能の構成
    7. NetBackup でのボリュームの暗号化
      1.  
        NetBackup でのボリュームの暗号化のサポートについて
      2.  
        Azure でのボリュームの暗号化
      3.  
        GCP でのボリュームの暗号化
      4.  
        AWS でのボリュームの暗号化
  2. 第 II 部 CloudPoint のメンテナンス
    1. CloudPoint のログ
      1.  
        CloudPoint のログ記録のしくみについて
      2. Fluentd ベースの CloudPoint ログ記録のしくみ
        1.  
          CloudPoint fluentd 構成ファイルについて
        2.  
          fluentd 構成ファイルの変更
      3.  
        CloudPoint ログ
    2. CloudPoint のトラブルシューティング
      1.  
        CloudPoint の再起動
      2.  
        CloudPoint ログ記録のトラブルシューティング
      3.  
        エージェントホストが突然再起動された場合に CloudPoint エージェントが CloudPoint サーバーへの接続に失敗する
      4.  
        Windows ホストでの CloudPoint エージェント登録がタイムアウトまたは失敗することがある
      5.  
        DR パッケージが消失した場合、またはパスフレーズが失われた場合のディザスタリカバリ
      6.  
        エージェントレスログファイル名が変更される
    3. CloudPoint のアップグレード
      1.  
        CloudPoint のアップグレードについて
      2.  
        サポート対象のアップグレードパス
      3.  
        アップグレードのシナリオ
      4.  
        CloudPoint のアップグレードの準備
      5.  
        CloudPoint のアップグレード
    4. CloudPoint のアンインストール
      1.  
        CloudPoint のアンインストールの準備
      2.  
        CloudPoint のバックアップ
      3.  
        CloudPoint プラグインの構成解除
      4.  
        CloudPoint エージェントの構成解除
      5.  
        CloudPoint エージェントの削除
      6.  
        CloudPoint のスタンドアロン Docker ホスト環境からの削除
      7.  
        CloudPoint のリストア

システム要件への準拠

CloudPoint ホストの要件

CloudPoint をインストールするホストは、次の要件を満たしている必要があります。

CloudPoint ホストのサイズの決定に関する推奨事項を参照してください。

表: CloudPoint ホストのオペレーティングシステムとプロセッサの要件

カテゴリ

要件

オペレーティングシステム

  • Ubuntu 16.04 および 18.04 Server LTS

  • Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 8.2 および 7.x

プロセッサアーキテクチャ

x86_64、AMD64、64 ビットプロセッサ

表: CloudPoint ホストのシステム要件

CloudPoint がインストールされているホスト

要件

アマゾンウェブサービス (AWS) インスタンス

  • Elastic Compute Cloud (EC2) インスタンスタイプ: t3.large

  • vCPU: 2

  • RAM: 8 GB

  • ルートディスク: 64 GB の SSD (GP2)

  • データボリューム: スナップショット資産データベースに対する暗号化があるタイプ GP2 の 50 GB EBS (Elastic Block Store) ボリューム。このサイズは開始時の値として使用し、必要に応じてストレージを拡張します。

Microsoft Azure VM

  • 仮想マシン形式: D2s_V3 標準

  • CPU コア: 2

  • RAM: 8 GB

  • ルートディスク: 64 GB SSD

  • データボリューム: スナップショット資産データベース用の 50 GB プレミアム SSD。ストレージアカウントの種類 Premium_LRS。ホストキャッシュを読み取り/書き込みに設定します。

Azure クラウドで RHEL インスタンスに CloudPoint を配備する前に、次の操作を行ってください。

  • Red Hat Subscription Manager を使用して Red Hat に RHEL インスタンスを登録する

  • RHEL インスタンスのデフォルトの LVM パーティションを拡張して、必要な最小ディスク領域の要件を満たすようにする

Google Cloud Platform (GCP) VM

  • 仮想マシンタイプ: n2-standard-4

  • vCPU: 2

  • RAM: 16 GB

  • ブートディスク: 64 GB 標準永続ディスク、Ubuntu 16.04 Server LTS

  • データボリューム: 自動暗号化があるスナップショット資産データベース用の 50 GB SSD 永続ディスク

VMware VM

  • 仮想マシンの形式: CloudPoint サポート対象オペレーティングシステムを搭載した 64 ビット

  • vCPU: 8

  • RAM: 16 GB 以上

  • ルートディスク: 標準永続ディスクを備えた 64 GB

  • データボリューム: スナップショット資産データベース用の 50 GB

物理ホスト

(x86_64 / AMD64)

  • オペレーティングシステム: 64 ビット CloudPoint サポート対象オペレーティングシステム

  • CPU: x86_64 (64 ビット)、シングルソケット、マルチコア、8 個以上の CPU 数

  • RAM: 16 GB 以上

  • ブートディスク: 64 GB

  • データボリューム: スナップショット資産データベース用の 50 GB

ディスク容量の要件

CloudPoint はホスト上の次のファイルシステムを使用して、インストール時にすべてのコンテナイメージとファイルを保存します。

  • / (ルートファイルシステム)

  • /var

/var ファイルシステムは、コンテナのランタイムにさらに使用されます。CloudPoint のインストールまたはアップグレード先のホストに、次のコンポーネント用の十分な空き容量があることを確認します。

表: CloudPoint コンポーネントの空き容量に関する考慮事項

コンポーネント

空き容量の要件

CloudPoint Docker コンテナ

10 GB

CloudPoint エージェントとプラグイン

350 MB (構成する各 CloudPoint プラグインおよびエージェント用)

さらに、CloudPoint は CloudPoint データを格納するために個別のボリュームも必要です。このボリュームを作成して CloudPoint ホストの /cloudpoint に確実にマウントします。

表: CloudPoint データボリュームの空き容量に関する考慮事項

ボリュームのマウントパス

サイズ

/cloudpoint

50 GB 以上

CloudPoint ホストのサイズの決定に関する推奨事項を参照してください。

CloudPoint エージェントとプラグインのサポート対象アプリケーション、オペレーティングシステム、クラウド、ストレージのプラットフォーム

CloudPoint は次のアプリケーション、オペレーティングシステム、クラウド、ストレージのプラットフォームをサポートしています。

これらの資産は、CloudPoint の構成方法、CloudPoint クラウドまたはストレージエージェントとプラグイン (旧名はオフホストプラグイン) を使用するかどうか、CloudPoint アプリケーション設定プラグイン (旧名はオンホストプラグイン) を使用するかどうか、または CloudPoint エージェントレス機能を使用するかどうかにかかわらずサポートされます。

表: サポート対象アプリケーション、オペレーティングシステム、クラウド、ストレージのプラットフォーム

カテゴリ

サポート

アプリケーション

注意:

  • Oracle データベースアプリケーションは、GCP (Google Cloud Platform) クラウド環境ではサポートされません。

    これは、これらの製品とサービスを所有している会社によって課せられた制限であり、現在の CloudPoint の範囲外です。

  • CloudPoint では、ext2 ファイルシステム上のアプリケーションとの整合性を確保したスナップショットはサポートされません。

  • CloudPoint では、GCP クラウド環境の Microsoft SQL Server の作業負荷はサポートされません。

サポート対象資産のオペレーティングシステム

  • Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 7.x

    Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 8.2

  • Windows Server 2012、2012 R2、Windows Server 2016

メモ:

CloudPoint エージェントは英語以外のオペレーティングシステムではサポートされません。

クラウドプラットフォーム

  • アマゾンウェブサービス (AWS)

    アプリケーションを保護する場合、アプリケーションは t2.large 以上の仕様の AWS インスタンスタイプでホストされている必要があります。現在、CloudPoint では t2.medium 以下のインスタンスタイプで実行されているアプリケーションはサポートされません。

    t2 シリーズのインスタンスは、AWS によって推奨されるデバイスの命名規則に従っている場合にのみサポートされます。

    詳しくは、次のリンクを参照してください。

    Microsoft Windows ベースのアプリケーションを保護するには、t2.xlarge または t3.xlarge 以上の仕様のインスタンスタイプを使用します。

  • Microsoft Azure

    アプリケーションを保護する場合、アプリケーションは D2s_V3 標準以上の仕様の Azure 仮想マシン形式でホストされている必要があります。

    Microsoft Windows ベースのアプリケーションを保護するには、B4ms または D4s_V3 以上の仕様の仮想マシンを使用します。

    メモ:

    CloudPoint Azure プラグインは Premium_LRS、Standard_LRS、StandardSSD_LRS のタイプのディスクをサポートします。

    その他のすべてのディスク形式は、スナップショットのリストア操作中にデフォルトで Standard_LRS になります。

  • GCP (Google Cloud Platform)

    アプリケーションを保護する場合、アプリケーションは n2-standard-4 以上の仕様の GCP 仮想マシン形式でホストされている必要があります。

ストレージプラットフォーム

注意:

CloudPoint が NVMe EBS ボリュームを使用する AWS Nitro ベースの Windows インスタンスを検出して保護できるようにするには、AWS NVMe ツールの実行可能ファイル ebsnvme-id が、AWS Windows インスタンスの次の場所のいずれかに存在することを確認します。

  • %PROGRAMDATA%\Amazon\Tools

    これは、ほとんどの AWS インスタンスのデフォルトの場所です。

  • %PROGRAMFILES%\Veritas\Cloudpoint

    この場所に実行可能ファイルを手動でダウンロードしてコピーします。

  • システムの PATH 環境変数

    システムの PATH 環境変数で、実行可能ファイルのパスを追加または更新します。

    NVMe ツールが、記載されている場所のいずれかに存在しない場合、CloudPoint はそのようなインスタンスのファイルシステムの検出に失敗することがあります。

    ログに次のエラーが示されることがあります。

    "ebsnvme-id.exe" not found in expected paths!"
CloudPoint タイムゾーン

CloudPoint を配備するホストのタイムゾーン設定が、要件に従っており、パブリック NTP サーバーと同期していることを確認します。

デフォルトでは、CloudPoint は CloudPoint のインストール先のホストに設定されているタイムゾーンを使用します。ログのすべてのエントリのタイムスタンプは、ホストマシンのクロック設定に従います。

プロキシサーバーの要件

CloudPoint を配備しているインスタンスが、プロキシサーバーの背後にある場合、つまり、CloudPoint インスタンスがプロキシサーバーを使用してインターネットに接続する場合は、CloudPoint のインストール時にプロキシサーバーの詳細を指定する必要があります。CloudPoint インストーラは、プロキシサーバーの情報を、CloudPoint コンテナ固有の一連の環境変数に格納します。

次の表に、CloudPoint インストーラに提供する必要がある環境変数とプロキシサーバー情報を示します。この情報を手元に用意してください。CloudPoint のインストール時にこれらの詳細を入力する必要があります。

表: CloudPoint に必要なプロキシサーバーの詳細

CloudPoint インストーラによって作成される環境変数

説明

VX_HTTP_PROXY

すべての接続に使用される HTTP プロキシ値が格納されます。たとえば、"http://proxy.mycompany.com:8080/" です。

VX_HTTPS_PROXY

すべての接続に使用される HTTPS プロキシ値が格納されます。たとえば、"https://proxy.mycompany.com:8080/" です。

VX_NO_PROXY

プロキシサーバーをバイパスできるホストが格納されます。たとえば、"localhost,mycompany.com,192.168.0.10:80" です。

プロキシサーバー経由で外部と通信する必要がある CloudPoint サービスは、CloudPoint のインストール時に設定された事前定義済みの環境変数を使用します。