Veritas InfoScale™ 7.3.1 SmartIO for Solid-State Drives ソリューションガイド - Linux
- SFHA Solutions SmartIO の概要
- SmartIO 機能の使用: 使用例
- VxVM ボリュームで動作しているアプリケーションの SmartIO 読み込みキャッシュについて
- VxFS ファイルシステムで実行しているアプリケーションの SmartIO 読み取りキャッシュについて
- FSS によってエクスポートされた SSD デバイスでの SmartIO キャッシュについて
- VxFS ファイルシステムで実行しているアプリケーションの SmartIO ライトバックキャッシュについて
- VxFS ファイルシステムの読み取りキャッシュとライトバックキャッシュに対する複数の SmartIO キャッシュ領域について
- VxFS ファイルシステムの Oracle データベースの SmartIO キャッシュについて
- VxVM ボリュームのデータベースの SmartIO キャッシュについて
- SmartIO の管理
- トラブルシューティングとエラー処理
- 付録 A. コマンドリファレンス
VxFS ファイルシステムで実行しているアプリケーションの SmartIO ライトバックキャッシュについて
Storage Foundation and High Availability Solutions は、VxFS (Veritas File System)ファイルシステムで実行しているアプリケーションのソリッドステートドライブ(SSD)でライトバックキャッシュをサポートします。このシナリオでは、アプリケーションの読み込みと書き込みは可能なかぎりキャッシュから行われます。
メモ:
SmartIO ライトバックキャッシュは、SF Oracle RAC 環境では現在サポートされません。
SmartIO を使うと writeback モードで書き込みキャッシュを行うことができます。writeback モードでは、通常は SSD にある SmartIO キャッシュにデータが書き込まれるとアプリケーションの書き込みの成功が返ります。後で、SmartIO はキャッシュをフラッシュしてディスクにダーティデータを書き込みます。ライトバックキャッシュは、ユーザーデータの同期書き込みの遅延を改善します。ディスクにダーティデータをフラッシュするときに書き込み順序が順守されないことがあります。
ライトバックキャッシュは読み込みキャッシュのスーパーセットです。ライトバックキャッシュが有効な場合は、読み込みキャッシュは暗黙に有効になります。 可能であれば読み込みはキャッシュから行われ、ファイルシステムはキャッシュにファイルデータを透過的にロードします。読み込みキャッシュとライトバックキャッシュの両方が同一のファイルで同時に有効になることがあります。
writeback キャッシュモードにすると書き込み処理速度は速くなりますが、ディスクコピーが常に最新であるとはかぎりません。キャッシュデバイスが失敗した場合は、writeback モードでキャッシュに保存したファイルがディスクに一部しか存在しないことがあります。SmartIO には、デバイスがオンラインに戻ったときにキャッシュデバイスからデータをフラッシュする機構があります。SFCFSHA (Storage Foundation Cluster File System High Availability)をインストールすると、キャッシュリフレクションを使ってデータ損失から保護することもできます。
SFCFSHA では、writeback モードのキャッシュを有効にすると、SmartIO はファイルシステムレベルでライトバックデータを他のノードの SSD キャッシュにミラー化します。キャッシュリフレクションと呼ばれるこの動作は、ノードが失敗した場合にライトバックデータの消失を防ぎます。ノードが失敗した場合には、他のノードは損失ノードのミラー化ダーティデータを再設定の一環としてフラッシュします。キャッシュリフレクションでは、保留中のダーティデータが原因でノードが失敗してもライトバックデータは失われません。
ローカルマウントの場合にはキャッシュをミラー化しないと、ノードに失敗した場合のファイルのディスクコピーが不完全または古くなる可能性があります。
マウントポイントでライトバックキャッシュを有効にすると、そのファイルシステムで条件に合う同期書き込みをキャッシュに保存します。SmartIO は、次のような基準を使って書き込みがライトバックキャッシュの条件に合うかどうかを判断します。
書き込み要求を PAGESIZE で調整する必要がある(4 K の倍数)
書き込み要求が 2 MB 以下
書き込むファイルがマップされていない
管理者が writeback モードのキャッシュを明示的に無効にしていない
これらの判断を行う SmartIO 機能に役立つ情報を追加して、キャッシュに保存するデータをカスタマイズすることもできます。