Storage Foundation 7.3.1 設定およびアップグレードガイド- Solaris

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Product(s): InfoScale & Storage Foundation (7.3.1)
  1. 第 I 部 Storage Foundation の概要および設定
    1. Storage Foundation の概要
      1. Storage Foundation について
        1.  
          Veritas Replicator Option について
      2.  
        Veritas InfoScale Operations Manager について
      3.  
        Veritas SORT (Services and Operations Readiness Tools) について
    2. Storage Foundation の設定
      1.  
        インストーラを使った Storage Foundation の設定
      2. SF の手動設定
        1. Veritas Volume Manager の設定
          1.  
            設定デーモンの開始と有効化
          2.  
            ボリューム I/O デーモンの起動
          3.  
            vxinstall を使った Veritas Volume Manager の設定
        2. Veritas File System の設定
          1.  
            ファイルシステムモジュールのロードとアンロード
          2.  
            vxtunefs コマンドの権限と Cached Quick I/O
      3.  
        SFDB の設定
  2. 第 II 部 Storage Foundation のアップグレード
    1. Storage Foundation のアップグレード計画
      1.  
        アップグレードについて
      2.  
        サポートされているアップグレードパス
      3. SF のアップグレードの準備
        1.  
          アップグレードの準備
        2.  
          バックアップの作成
        3. VVR が設定されている場合のアップグレード前の計画
          1. 以前の VVR バージョンからのアップグレードの計画
            1.  
              接続プロトコルとして IPv6 を使うための VVR の計画とアップグレード
          2.  
            各国化環境で VVR を使うための追加設定
        4.  
          ファイルシステムが正常にマウント解除されていることの確認
        5.  
          アレイサポートのアップグレード
      4.  
        インストールバンドルを使ったフルリリース(ベース、メンテナンス、ローリングパッチ)と個々のパッチの同時インストールまたは同時アップグレード
    2. Storage Foundation のアップグレード
      1. 製品インストーラを使った Storage Foundation の 7.3.1 へのアップグレード
        1.  
          製品インストーラを使った Storage Foundation のアップグレード
      2. Volume Replicator のアップグレード
        1. レプリケーションを中断しない VVR のアップグレード
          1.  
            セカンダリ上の VVR のアップグレード
          2.  
            プライマリ上での VVR のアップグレード
      3.  
        言語パッケージのアップグレード
      4.  
        SFDB のアップグレード
    3. 応答ファイルを使用した SF 自動アップグレードの実行
      1.  
        応答ファイルを使った SF のアップグレード
      2.  
        SF をアップグレードするための応答ファイルの変数
      3.  
        SF アップグレードの応答ファイルサンプル
    4. ブート環境のアップグレードを使用した SF のアップグレード
      1.  
        ZFS BE(ブート環境)のアップグレードについて
      2.  
        ブート環境のアップグレードのサポート対象アップグレードパス
      3. Solaris 11 システムでのブート環境アップグレードの実行
        1.  
          プライマリブートディスクでの新しい Solaris 11 BE の作成
        2.  
          Solaris 11 で BE をアップグレードするためのインストーラを使った SF のアップグレード
        3.  
          Solaris 11 の BE の SF アップグレードの完了
        4.  
          Solaris 11 BE アップグレードの検証
        5. Solaris 11 システムの BE の管理
          1.  
            Solaris 11 システムでのプライマリ BE への復帰
      4.  
        Volume Replicator(VVR)環境の Live Upgrade について
    5. アップグレード後のタスクの実行
      1.  
        オプションの設定手順
      2.  
        自動アップグレードが失敗した場合の VVR のリカバリ
      3.  
        DAS ディスク名をリセットして FSS 環境のホスト名を含める
      4.  
        ディスクレイアウトバージョンのアップグレード
      5.  
        VxVM ディスクグループのバージョンのアップグレード
      6.  
        変数の更新
      7.  
        デフォルトディスクグループの設定
      8. ASL のアップグレード
        1.  
          使用できる ASL がないストレージアレイの JBOD サポートの追加
        2. EMC PowerPath ディスクの DMP の有効化
          1.  
            外部ディスクの auto:simple への変換
          2.  
            定義済みディスクの auto:simple への変換
          3.  
            powervxvm ディスクの auto:simple への変換
      9.  
        QuickLog からマルチボリュームサポートへの変換
      10.  
        Storage Foundation のアップグレードの確認
  3. 第 III 部 設定後のタスク
    1. 設定タスクの実行
      1.  
        ルートユーザーのルートロールへの変更
      2.  
        言語パッケージのインストール
      3.  
        クォータの切り替え
      4.  
        ネーティブデバイスの DMP サポートの有効化
      5. SFDB ツールの認証の設定について
        1.  
          SFDB ツール認証のための vxdbd の設定
  4. 第 IV 部 設定およびアップグレードの参照
    1. 付録 A. インストールスクリプト
      1.  
        インストールスクリプトオプション
      2.  
        postcheck オプションの使用について
    2. 付録 B. セキュアシェルまたはリモートシェルの通信用の設定
      1.  
        製品インストール前のセキュアシェルまたはリモートシェル通信モードの設定について
      2.  
        パスワードなし ssh の手動設定
      3.  
        installer -comsetup コマンドを使用した ssh および rsh 接続の設定
      4.  
        pwdutil.pl ユーティリティを使用した ssh および rsh 接続の設定
      5.  
        ssh セッションの再起動
      6.  
        Solaris 用の rsh の有効化と無効化

powervxvm ディスクの auto:simple への変換

VxVM 4.0 とそれ以前の特定のリリースでは、EMCpower ディスクは永続ディスクアクセスレコード(darec)によって powervxvm スクリプトを使って定義でき、simple ディスクとして認識できます。EMCpower ディスクが powervxvm を使って使用されている場合、VxVM 7.3.1 にアップグレードする前に、auto:simple 形式に手動で変換する必要があります。

VxVM から powervxvm の要件として無効化されているコントローラまたはデバイスある場合、そのようなコントローラやディスクは有効にされる必要があります。これは、Veritas DMP が PowerPath メタノードとそれらのサブパス間の関連付けを判断するために必要となります。auto:simple への変換後、powervxvm スクリプトは役に立たなくなるため、起動スクリプトから無効にする必要があります。

次の例にこの手順を示します。ls コマンドでは、永続ディスクアクセスレコードへの EMC ディスクのマッピングが表示されます。

# ls -l /dev/vx/rdmp/
crw-------   1 root     root     260, 76 Feb  7 02:36 emcpower0c

# vxdisk list
DEVICE       TYPE            DISK         GROUP        STATUS
c6t0d12s2    auto:sliced       -            -          online
emcpower0c   simple          ppdsk01      ppdg         online
# vxprint
Disk group: fdg
TY NAME     ASSOC      KSTATE  LENGTH   PLOFFS STATE TUTIL0 PUTIL0
dg ppdg     ppdg       -       -        -      -     -      -
dm ppdsk01  emcpower0c -       2094960  -      -     -      -

EMCpower ディスク(powervxvm を使用して定義される)を auto:simple 形式に変換するには

  1. ディスクグループ内のすべてのボリュームを停止し、デポートします。
    # vxvol -g ppdg stopall
    # vxdg deport ppdg
  2. すべての EMC PowerPath ディスクを VxVM から削除するには、vxdisk rm コマンドを使います。
    # vxdisk rm emcpower0c

    ここで vxdisk list コマンドを使うと、EMC PowerPath ディスクは表示されなくなっているはずです。

    # vxdisk list
    DEVICE       TYPE            DISK         GROUP        STATUS
    c6t0d12s2    auto:sliced       -            -          online
  3. このデバイス用のパーティションテーブルエントリを取得するには、vxprtvtoc コマンドを使います。
    # /etc/vx/bin/vxprtvtoc -f /tmp/vtoc /dev/vx/rdmp/emcpower0c
  4. パーティションタグを変更し、VTOC を更新するには、vxedvtoc コマンドを使います。
    # /etc/vx/bin/vxedvtoc -f /tmp/vtoc /dev/vx/rdmp/emcpower0c 
    # THE ORIGINAL PARTITIONING IS AS FOLLOWS:
    # SLICE     TAG  FLAGS   START  SIZE
      0         0x0  0x201   0      0
      1         0x0  0x200   0      0
      2         0x5  0x201   0      17675520
    
    # THE NEW PARTITIONING WILL BE AS FOLLOWS:
    # SLICE     TAG  FLAGS   START  SIZE
      0         0xf  0x201   0      17675520
      1         0x0  0x200   0      0
      2         0x5  0x201   0      17675520
    
    DO YOU WANT TO WRITE THIS TO THE DISK ? [Y/N] :Y 
    WRITING THE NEW VTOC TO THE DISK #
  5. 適切なアップグレード手順を実行し、VxVM 7.3.1 にアップグレードします。
  6. VxVMをアップグレードしたら、vxdisk list コマンドを使って auto:simple 形式への変換を検証します。
    # vxdisk list
    DEVICE       TYPE            DISK         GROUP        STATUS
    c6t0d12s2    auto:sliced       -            -          online
    emcpower0s2  auto:simple       -            -          online
  7. ディスクグループをインポートし、ボリュームを開始します。
    # vxdg import ppdg
    # vxvol -g ppdg startall
    # vxdisk list
    
    DEVICE       TYPE            DISK         GROUP        STATUS
    c6t0d12s2    auto:sliced       -            -          online
    emcpower0s2  auto:simple     ppdsk01       ppdg        online