NetBackup™ アップグレードガイド
- 概要
- NetBackup 10.3 の変更について
- アップグレード計画
- プライマリサーバーのアップグレード
- メディアサーバーのアップグレード
- NetBackup の MSDP のアップグレード
- クライアントのアップグレード
- VxUpdate を使用した NetBackup 配備の管理
- 付録 A. 参照先
Windows システムでのサイレントアップグレードの実行
サイレントアップグレードを実行すると、リモートアップグレードを実行する場合と同様に、対話形式での入力が不要になります。NetBackup サービスをローカルシステムではなく特定のユーザーで実行する場合、NetBackup のサイレントインストールはサポートされません。
サイレントアップグレードを実行するには、最初に該当する NetBackup スクリプトを修正する必要があります。スクリプトの修正後に、そのスクリプトを実行してサイレントアップグレードを開始できます。
このスクリプトはアップグレードを開始できるようにすべての NetBackup サービスを終了します。他のシステムプロセスで NetBackup ファイルに対するハンドルが保持されていることをスクリプトが検出すると、アップグレードは失敗します。実行中の NetBackup プロセスを特定するには、次の場所にある NetBackup Install
ログファイルを確認します。
%ALLUSERSPROFILE%\Veritas\NetBackup\InstallLogs
特定した各プロセスを手動で停止したら、再びアップグレードスクリプトを実行できます。
メモ:
Windows 2012/2012 R2/2016 Server Core システムでは、この手順で NetBackup のみをアップグレードできます。
NetBackup サーバーソフトウェアをサイレントアップグレードする方法
- NetBackup をアップグレードするシステムに管理者としてログオンします。
- ESD イメージ (ダウンロード済みファイル) が存在する場所に移動します。
- Windows エクスプローラを開き、
X64
ディレクトリの内容を、ハードドライブの一時ディレクトリにコピーします。インストールしたいプラットフォームの形式と関連付けられたディレクトリを選択します。 - ソースファイルが読み取り専用であるので、コピーされたファイルの権限を変更して、インストールまたは更新できるようにします。
コピーされたファイルが存在する一時ディレクトリで、変更する適切なスクリプトを選択します。
プライマリサーバーをアップグレードするには、
silentprimary.cmd
を編集します。メディアサーバーのアップグレード時:
silentmedia.cmd
次の行をインストールの必要に応じて編集します。
SET ADDITIONALSERVERS=media1,media2,media3
このホストと通信する追加の NetBackup プライマリサーバーおよびメディアサーバーの名前を入力します。後で NetBackup をインストールするサーバーの名前を含めます。
他のサーバーがこのホストと通信しない場合は、スクリプトからこの行を削除します。
SET ABORT_REBOOT_INSTALL=0
この行では、再起動が必要になった場合のアップグレードの続行方法を指定できます。次の設定から選択します。
0 (デフォルト)
デフォルトでは、再起動が必要であると判断された場合でもサイレントアップグレードは中止されません。この設定を 0 のままにした場合、次のタスクの 1 つを選択します。
アップグレードの完了後にインストールログを調べて再起動が必要かどうかを確認します。
文字列 in use がログ内に表示されれば、システムを手動で再起動する必要があります。
アップグレードの完了後に自動再起動を強制します。
自動再起動を強制するには、スクリプトを実行する前に、サイレントインストールのコマンドスクリプト (silent*.cmd) から次のオプションを削除します。
REBOOT="ReallySuppress"
警告:
強制再起動はユーザーに警告なしで起きます。アップグレードは取り消されず、システムが元の状態にロールバックされることもありません。
1
再起動が必要であると判断された場合にアップグレードを中止するにはこの設定を選択します。
この設定を選択すると、再起動が必要な場合はアップグレードが取り消されてシステムが元の状態にロールバックされます。
SET LICENSE=TEMP_PRODUCTION | license_file_path | EVALUATION
NetBackup 8.1.2 より前のバージョンからのアップグレードでは、VEMS または評価用ライセンスからダウンロードした本番用ライセンスのみがサポートされます。8.1.2 より前のバージョンから NetBackup をアップグレードする場合は、一時的な本番用ライセンスを使用できません。
VEMS からまだライセンスをダウンロードしていない場合は、TEMP_PRODUCTION を使用できます。詳しくは、https://www.veritas.com/support/en_US/article.100058779 を参照してください。
SET ALLOW_PRE_90_UPGRADE=value
このフィールドはプライマリサーバー専用です。この値は、9.0 より前のリリースの NetBackup からのアップグレードを続行できるかどうかを判定します。アップグレードの続行を許可する場合は 1 を指定します。アップグレードには、無制限の有効期限変換プロセスが含まれます。0 を指定すると、プライマリサーバーをアップグレードできません。
NetBackup 9.0 以降のバージョンでは、2038 年より先の有効期限がサポートされています。NetBackup の以前のバージョンとの互換性を確保するために、無制限の有効期限が設定されたすべての項目は、新しい無制限の有効期限の値を反映するように更新されます。この変換によって、アップグレードを完了するために必要な時間が長くなる場合があります。詳しくは、次の記事を参照してください。
https://www.veritas.com/content/support/en_US/article.100048600
SET ECA_CERT_STORE=cert_store_string
このフィールドは、メディアサーバーのみに表示されます。このフィールドを使用して、Windows 証明書ストアの外部証明書の場所を指定します。このフィールドは、「store_name\issuer_DN\subject」という形式で指定します。このフィールドは、Windows 証明書ストアから外部証明書を使用する場合に必要です。
SET ECA_CERT_PATH=path
このフィールドは、メディアサーバーのみに表示されます。このフィールドを使用して、外部証明書ファイルのパスとファイル名を指定します。このフィールドは、ファイルから外部証明書を設定する場合に必要です。
SET ECA_TRUST_STORE_PATH=path
このフィールドは、メディアサーバーのみに表示されます。このフィールドを使用して、トラストストアの場所を示すファイルのパスとファイル名を指定します。このフィールドは、ファイルから外部証明書を設定する場合に必要です。
SET ECA_PRIVATE_KEY_PATH=path
このフィールドを使用して、秘密鍵を示すファイルのパスとファイル名を指定します。このフィールドは、ファイルから外部証明書を設定する場合に必要です。
SET ECA_CRL_CHECK_LEVEL=value
このフィールドは、メディアサーバーのみに表示されます。このフィールドを使用して、CRL モードを指定します。このフィールドは必須です。サポートされる値は次のとおりです。
USE_CDP: 証明書に定義されている CRL を使用します。
USE_PATH: ECA_CRL_PATH で指定されたパスにある CRL を使用します。
DISABLED: CRL を使用しません。
SET ECA_CRL_PATH=path
このフィールドは、メディアサーバーのみに表示されます。このフィールドを使用して、外部 CA 証明書に関連付けられている CRL のパスとファイル名を指定します。このフィールドは、ECA_CRL_CHECK_LEVEL が USE_PATH に設定されている場合にのみ必要です。該当しない場合は、このフィールドを空のままにします。
SET ECA_KEY_PASSPHRASEFILE=path
このフィールドは、メディアサーバーのみに表示されます。このフィールドを使用して、キーストアにアクセスするためのパスフレーズを含むファイルのパスとファイル名を指定します。このフィールドは省略可能で、ファイルから外部証明書を設定する場合にのみ適用されます。
SET INCLUDE_JAVA_GUI_AND_JRE=value
NetBackup Windows メディアサーバーのインストールでは、NetBackup Java GUI と JRE パッケージのインストールは省略可能です。このオプションは、Java GUI および JRE パッケージをインストール、アップグレード、または削除するかどうかを指定します。このオプションでサポートされる値は、次のとおりです。
INCLUDE: NetBackup をインストールまたはアップグレードする際に Java GUI と JRE を含めます。
EXCLUDE: NetBackup をインストールまたはアップグレードする際に Java GUI と JRE を除外します。既存の NetBackup Java GUI および JRE パッケージがすべて削除されます。
MATCH: ホスト上の既存の構成を照合します。Java GUI および JRE コンポーネントがすでにあるホストは最新バージョンに更新されます。コンポーネントは他のすべてのホストについて除外されます。
- スクリプトを保存して実行します。
- 次の場所にあるインストールログを確認します。
%ALLUSERSPROFILE%\Veritas\NetBackup\InstallLogs\
このログには、Java GUI と JRE のオプションインストールについての情報が含まれています。
インストールログを検索し、次のエラーが表示されているかどうかを確認します。
Return Value 3
を含む文字列。重要なログメッセージは次のように色分けされます。
黄色 = 警告。
赤 = エラー。
- バイナリが正常にインストールされました。インストール後の手順に進みます。詳細情報を参照できます。
NetBackup 10.3 へのアップグレードのインストール後の手順を参照してください。