NetBackup™ アップグレードガイド
- 概要
- NetBackup 10.3 の変更について
- アップグレード計画
- プライマリサーバーのアップグレード
- メディアサーバーのアップグレード
- NetBackup の MSDP のアップグレード
- クライアントのアップグレード
- VxUpdate を使用した NetBackup 配備の管理
- 付録 A. 参照先
NetBackup 8.1 での MSDP のアップグレードの考慮事項
NetBackup 8.1 での MSDP の指紋アルゴリズムの変更により、アップグレードパスの計画時に MSDP 環境を検討する必要があります。指紋アルゴリズムが刷新されるため、NetBackup 8.0 以前のホストは NetBackup 8.1 の MSDP にアクセスできません。NetBackup ジョブの失敗は、この条件を計画しなかったことによるものである可能性があります。
8.1 MSDP ストレージサーバーのメディアサーバーリストに 8.0 以前のサーバーが含まれる場合、アルゴリズムが刷新されたことにより不具合が生じる可能性があります。8.1 と 8.0 のサーバーの共通のメディアサーバーが 8.0 のサーバーである場合、ジョブが失敗する可能性があります。Client Direct を使用する場合、クライアントを 8.1 にアップグレードする必要があります。アップグレードしない場合、Client Direct リストアでエラーが発生する可能性があります。これらの不具合は、8.0 以前のホストが 8.1 のサーバーにアクセスできないことが原因です。
MSDP 環境の一部として複数のメディアサーバーが存在する場合、アップグレードを計画するときに次に示すオプションを検討します。
アクセス権を相互に共有するすべての MSDP メディアサーバーをアップグレードします。これらの MSDP ディスクプールへの Client Direct を使用するすべてのクライアントをアップグレードします。
このオプションでは、環境で中断が発生することはありません。
環境で Client Direct を使用できて設定を変更しない場合、Client Direct を使用して MSDP メディアサーバーとクライアントをアップグレードします。
選択した共通メディアサーバーが NetBackup 8.1 サーバーではない場合、リストア、検証、インポート、最適化複製が失敗するリスクがあります。古いクライアントで Client Direct を使用する場合、Client Direct リストアでエラーが発生する可能性があります。この不具合は、アルゴリズムが変更されたことにより発生します。
環境で Client Direct を使用できる場合、Client Direct を使用して MSDP メディアサーバーとクライアントをアップグレードします。アップグレードされるストレージサーバーが NetBackup 8.1 サーバーのみ含むように、クレデンシャルを持つメディアサーバーリストを修正します。
この処理によって、アップグレードされないサーバーがアップグレードされるサーバーにアクセスする権限が効果的に無効になります。アクセス権限の変更により、以前設定された操作が動作を停止するリスクがあります。このオプションを選択する場合、すべてのメディアサーバーがアップグレードされた後、変更を戻せるように、設定変更を詳細に書き留めてください。
複製ジョブが 8.1 MSDP から 8.0 以前の MSDP に複製する場合、以前の MSDP のストレージユニットを作成します。その新しいストレージユニットの[メディアサーバー (Media Servers)]リストを 8.1 ホストに制限します。ストレージライフサイクルポリシー (SLP) が管理する複製ジョブが 8.0 以前の MSDP ホストから 8.1 MSDP ホストに複製する場合、それらのジョブを変更する必要があります。複製ステージの[代替読み込みサーバー (Alternate Read Server)]を 8.1 メディアサーバーに設定します。