Veritas NetBackup™ Appliance 管理者ガイド
- 概要
- NetBackup Appliance の監視
- NetBackup Appliance Web コンソールから行う NetBackup Appliance の管理
- ストレージの構成概要
- Copilot の機能と共有の管理について
- Show コマンドを使ったストレージ領域情報の表示について
- アプライアンスのサポート対象テープデバイスについて
- アプライアンスに対するホストパラメータの構成について
- [管理 (Manage)]>[アプライアンスのリストア (Appliance Restore)]
- [管理 (Manage)]>[アプライアンスのライセンス (Appliance License)]
- 移行ユーティリティについて
- NetBackup Appliance のソフトウェアリリース更新
- EEB のインストールについて
- NetBackup 管理コンソールとクライアントソフトウェアのインストールについて
- 管理 (Manage) > 追加サーバー (Additional Servers)
- [管理 (Manage )] > [高可用性 (High Availability)]
- NetBackup Appliance シェルメニューを使った NetBackup Appliance の管理
- NetBackup Appliance の設定について
- [設定 (Settings)] > [通知 (Notifications)]
- [設定 (Settings)]>[ネットワーク (Network)]
- [設定 (Settings)] > [認証 (Authentication)]
- トラブルシューティング
- 重複排除プールカタログのバックアップとリカバリ
NetBackup Appliance シェルメニューを使用した NetBackup Appliance ソフトウェア更新のインストール
次の手順を実行して、アプライアンスのアップグレードを開始します。
メモ:
アップグレードは、常に管理者ユーザーアカウントを使用して実行します。管理者以外のユーザーアカウントを使用してアプライアンスをアップグレードしないでください。
メモ:
STIG 機能が有効になっているアプライアンスをアップグレードするか、このアプライアンスに EEB をインストールする必要がある場合、午前 4 時から午前 4 時半の間には計画しないでください。このベストプラクティスに従うと、AIDE
データベースと監視対象ファイルの自動アップデートの中断を防ぐことができます。自動アップデートが中断されると、アプライアンスで複数の警告メッセージが生成される可能性があります。
メモ:
アプライアンスリリース 5.3 以降、STIG 機能はデフォルトで有効になっています。バージョン 5.3 にアップグレードすると、アップグレード前に STIG が有効でなくても、STIG が自動的に有効になります。アップグレードのプレフライトチェックと Appliance Upgrade Readiness Analyzer ツールでは、STIG のパスワードコンプライアンスはチェックされません。アップグレード前またはアップグレード中に、パスワードの変更を求めるメッセージは表示されません。
NetBackup Appliance シェルメニューを使用してダウンロードしたリリース更新をインストールするには
- 次の更新とアップグレード前のタスクがすでに実行されていることを確認します。
必要なアップグレード前の更新がすべて完了した。5.3 アップグレードより前に必要な更新の一覧全体については、次の記事を参照してください。
https://www.veritas.com/content/support/en_US/article.100052181
アップグレードスクリプトは、アップグレード中に必要に応じて NetBackup サービスを停止し、再起動します。アップグレード中のジョブの中断を回避するには、アップグレード前にすべてのジョブを手動で停止または一時停止し、すべての SLP を一時停止する必要がある場合があります。
Support > Test Software コマンドが実行され、Pass の結果が返されている。
- IPMI コンソールから NetBackup Appliance シェルメニューにログインします。
メモ:
SSH セッションの代わりに、IPMI コンソールからシェルメニューを使用してログインすることをお勧めします。IPMI コンソールは、Veritas Remote Manager インターフェースとも呼ばれます。Veritas Remote Manager へのアクセスおよび使用方法について詳しくは、『NetBackup Appliance ハードウェア取り付けガイド』を参照してください。
- Appliance Upgrade Readiness Analyzer ツールの最新版をダウンロードして実行済みであることを確認します。Analyzer ツールで
Pass
の結果が生成されてから、次の手順に進む必要があります。 - ソフトウェアリリース更新をインストールするには、次のコマンドを実行します。
Main_Menu > Manage > Software > Install patch_name
patch_name はインストールするリリース更新の名前です。このパッチ名がインストールするパッチであることを確認します。
- プレフライトチェックを監視し、エラーメッセージや警告メッセージが表示されていないか確認します。
Check failed メッセージが表示されなければ、アップグレードを開始するための次の手順に進みます。
Check failed メッセージが表示されたら、アップグレードはできません。報告されたエラーを解決します。アップグレードスクリプトを再度実行し、エラーが解決されたかどうかをプレフライトチェックにより検証します。
Check failed メッセージで RHEL バージョンのサードバーティプラグインが見つからないと表示された場合は、プラグインを適切なベンダーから入手する必要があります。
警告メッセージが表示された場合は、メッセージを読んでアップグレードを続行する前に問題を解決することをお勧めします。警告メッセージがアップグレードの続行を妨げることはありません。
- リリース 5.0 以降では、コールホームの設定テストが実行されます。コールホームが無効になっている場合は、コールホームテストが実行されるように機能の有効化を求めるメッセージが表示されます。テストが失敗した場合は、プロキシサーバーも有効にできます。次の警告メッセージが表示されます。
警告:
アプライアンスは、ベリタスコールホームサーバーに接続して、ハードウェアとソフトウェアの遠隔測定をアップロードできません。コールホーム情報をベリタスに提供すると、NetInsights Console を使用してサポートのエクスペリエンスと推奨事項が改良されます。コールホームを有効にし、システムが正しい名前解決またはプロキシサーバー設定によりベリタスコールホームサーバーに必ず到達できるようにすることをお勧めします。
この警告を無視して、次の手順に進むことができます。
- すべてのプレフライトチェック項目にパスしたら、アップグレードを開始する前に、アップグレード中にエラーが発生した場合のアップグレードプロセスの対応方法をまず選択する必要があります。次のプロンプトが表示されます。
If an error occurs during the upgrade, do you want to
immediately enforce an automatic rollback? [yes, no]
自動ロールバックをただちに適用するには、yes と入力します。
アップグレードプロセスを一時停止し、エラーを調査するには、no と入力します。
- すべてのプレフライトチェック項目にパスした後、アップグレードプロセスを開始するために、CA 証明書とホスト ID ベースの証明書を信頼する必要がある場合があります。
CA 証明書を信頼して配備するには、次の操作を実行してください。
次に示すように、CA 証明書の詳細を確認して yes と入力して、CA 証明書を信頼します。
To continue with the upgrade, verify the following CA certificate detail and enter "yes" to trust the CA certificate. CA Certificate Details: Subject Name : /CN=nbatd/OU=root@abc.example.com/O=vx Start Date : Jul 14 12:59:18 2017 GMT Expiry Date : Jul 09 14:14:18 2037 GMT SHA1 Fingerprint : 31:E9:97:2E:50:11:51:7C:D6:25:7F:32:86:3D: 6B:D5:33:5C:11:E2 >> Do you want to trust the CA certificate? [yes, no](yes)
プライマリサーバーのセキュリティレベルが[最高 (Very High)]である場合、次に示す画面で認証トークンを手動で入力して、ホスト ID ベースの証明書をアプライアンスに配備する必要があります。
>> Enter token:
メモ:
新しいバージョンへの次回のアップグレードの前にアプライアンスに有効なホスト ID 証明書が存在しない場合、次回のアップグレードには再発行トークンが必要です。
プライマリサーバーのセキュリティレベルが[高 (High)]または[中 (Medium)]である場合、認証トークンは必要ありません。ホスト ID ベースの証明書はアプライアンスに自動的に配備されます。
セキュリティ証明書について詳しくは、『NetBackup セキュリティおよび暗号化ガイド』の「NetBackup のセキュリティ証明書」の章を参照してください。
- アップグレードプロセス時に、SSH を使用してログインし、AIM ウィンドウを起動してアップグレードの状態を確認できます (再ブートプロセス時を除く)。
アップグレードの状態を調べるには、次の手順を実行します。
SSH セッションを使用してログインし、AIM ウィンドウを起動してアップグレードプロセスを監視します。次のコマンドを入力します。
Main_Menu > Manage > Software > UpgradeStatus
IPMI コンソールを使用してログインし、AIM ウィンドウを起動します。次のコマンドを入力します。
Main_Menu > Manage > Software > UpgradeStatus
IPMI コンソールを使用してアップグレードプロセスを監視します。すべての更新が正常にインストールされると、ログインプロンプトが表示されます。
- アップグレード後のセルフテストで問題が検出された場合、[AIM]ウィンドウにアップグレードの状態が[一時停止 (Paused)]として表示されます。他の SSH セッションおよび電子メール通知にも、この状態が示されます。
[一時停止 (Paused)]の状態をクリアするには、次のタスクを実行します。
V キーを押すと[詳細 (Verbose)]ビューに切り替わり、ログが表示されます。エラーに Unique Message Identification (UMI) コードがある場合は、そのコードをベリタスのサポート Web サイトで検索し、詳細情報を確認します。
[AIM]ウィンドウで報告される問題の解決を試みます。
シェルメニューを使用する必要がある場合は、SSH セッションから NetBackup Appliance シェルメニューにログオンします。AIM ウィンドウが表示されたら、S キーを押してウィンドウを閉じます。
IPMI コンソールの AIM ウィンドウに戻ります。
問題の解決を試みた場合、A キーを押してセルフテストを再試行してください。問題を解決できない場合、ベリタスのサポートに問い合わせるか、R キーを押してアプライアンスを以前のソフトウェアバージョンにロールバックします。
- アップグレードが完了すると、AIM ウィンドウにアップグレードの結果の概略が表示されます。
ディスクプールがオンラインに戻ると、アプライアンスは自己診断テストを実行します。テスト結果については、次のファイルを参照してください。
/log/selftest_report_<appliance_serial>_<timedate>.txt
SMTP が構成されている場合は、セルフテストの結果が含まれた電子メール通知が送信されます。
- HA セットアップのみの場合:
最初のノードでアップグレードを完了したら、Support > Test Software コマンドを実行して、各種アプライアンスソフトウェアコンポーネントの状態を検証します。テストに合格したら、もう一方のノードにログインし、最初のノードと同じ方法でアップグレードします。
- バックアップ環境に SAN クライアントコンピュータが含まれる場合にのみ、このステップを完了してください。
ファイバーチャネル (FC) ポートは、SAN クライアントコンピュータがファイバートランスポート (FT) デバイスに再接続することを許可するために再スキャンする必要があります。再スキャンはアプライアンスの NetBackup CLI ビューから実行する必要があります。
FC ポートを再スキャンするには
次のコマンドを入力して NetBackup のユーザーアカウントの一覧を表示します。
Manage > NetBackupCLI > List
一覧表示された NetBackup ユーザーのいずれかとしてこのアプライアンスにログオンします。
次のコマンドを実行して FC ポートを再スキャンします。
nbftconfig -rescanallclients
まだ動作しない SAN クライアントがある場合は、それらのクライアントのそれぞれについて、次のコマンドを示されている順序で実行します。
UNIX クライアントの場合:
/usr/openv/netbackup/bin/bp.kill_all
/usr/openv/netbackup/bin/bp.start_all
Windows クライアントの場合、
<install_path>\NetBackup\bin\bpdown
<install_path>\NetBackup\bin\bpup
まだ動作しない SAN クライアントがある場合、OS レベルで SCSI デバイスの更新を手動で開始する必要があります。更新方法はクライアントのオペレーティングシステムによって決まります。更新が完了したら、再度 nbftconfig -rescanallclients コマンドの実行を試みます。
まだ動作しない SAN クライアントがある場合は、それらのクライアントを再ブートします。
メモ:
まだ動作しない SLES 10 または SLES 11 SAN クライアントがある場合、Veritas はそれらのクライアントの QLogic ドライバをアップグレードすることをお勧めします。SLES 10 クライアントの場合は、バージョン 8.04.00.06.10.3-K にアップグレードします。SLES 11 クライアントの場合は、バージョン 8.04.00.06.11.1 にアップグレードします。
メモ:
NetBackup Appliance バージョン 5.0 以降、NetBackupCLI ユーザーとして NetBackup コマンドを実行するには、『NetBackup Appliance セキュリティガイド』を参照してください。