Veritas NetBackup™ デバイス構成ガイド

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Product(s): NetBackup (8.1)
  1. デバイス構成の概要
    1.  
      このマニュアルの使用方法
    2. 一般的なデバイス構成の手順
      1.  
        構成に関する注意事項
    3.  
      NetBackup の互換性リストについて
  2. 第 I 部 オペレーティングシステム
    1. AIX
      1.  
        NetBackup の構成を開始する前に (AIX)
      2.  
        RS/6000 AIX アダプタ番号の表記規則
      3.  
        AIX での永続的な名前のサポートについて
      4.  
        AIX でのロボット制御デバイスファイルの構成について
      5.  
        AIX の SAN クライアントについて
      6. AIX でのテープドライブ用デバイスファイルの構成について
        1.  
          AIX でのテープドライバの選択について
        2.  
          AIX での QIC 以外のテープドライブについて
        3.  
          ドライブの拡張ファイルマークの概要
        4.  
          AIX の高速テープ位置設定 (locate-block) の概要
        5.  
          AIX の非巻き戻しデバイスファイルについて
        6. テープドライブの AIX 非巻き戻しデバイスファイルの作成
          1.  
            非巻き戻しデバイスファイルの作成例
        7.  
          AIX での複数のテープ密度の使用
        8.  
          AIX の SPC-2 SCSI RESERVE の概要
        9.  
          AIX の SPC-2 SCSI RESERVE の無効化
      7.  
        AIX での Sony AIT ドライブについて
      8.  
        AIX コマンドの概略
    2. HP-UX
      1.  
        NetBackup の構成を開始する前に (HP-UX)
      2.  
        HP-UX のロボット制御について
      3.  
        HP-UX デバイスアドレス指定スキームについて
      4.  
        NetBackup の HP-UX テープドライブ用デバイスファイルの要件
      5. HP-UX の永続的な DSF のデバイスドライバとファイルについて
        1.  
          永続的な DSF のデバイスドライバについて
        2.  
          ロボット制御の永続的な DSF について
        3.  
          テープドライブアクセスの永続的な DSF について
        4.  
          永続的な DSF のパススルーパスについて
      6. 永続的な DSF の構成について
        1.  
          HP-UX の永続的な DSF の作成
        2.  
          HP-UX の永続的な DSF を使うための NetBackup のアップグレード
        3.  
          永続的な DSF のパススルーパスの作成
      7. HP-UX のレガシーデバイスドライバとファイルについて
        1.  
          レガシーデバイスファイルの HP-UX デバイスドライバについて
        2.  
          レガシーロボット制御デバイスファイルについて
        3.  
          レガシーテープドライブ用デバイスファイルについて
        4.  
          テープドライブのレガシーパススルーパスの概要
      8.  
        HP-UX 上の SAN クライアント用デバイスファイルの作成
      9. レガシーデバイスファイルの構成について
        1. HP-UX でのレガシー SCSI および FCP ロボット制御の作成
          1.  
            SCSI (PA-RISC) 用の sctl デバイスファイルの作成例
          2.  
            FCP (PA-RISC) 用の sctl デバイスファイルの作成例
          3.  
            FCP (Itanium) 用の sctl デバイスファイルの作成例
        2.  
          レガシーテープドライブ用デバイスファイルの作成について
        3.  
          テープドライブ用パススルーデバイスファイルの作成
      10.  
        HP-UX の SPC-2 SCSI RESERVE について
      11.  
        HP-UX の SPC-2 SCSI RESERVE の無効化
      12.  
        SAN の HP-UX EMS テープデバイスモニターの無効化について
      13.  
        HP-UX コマンドの概略
    3. Linux
      1.  
        開始する前に (Linux)
      2. 必要な Linux SCSI ドライバについて
        1.  
          st ドライバのデバッグモードについて
      3.  
        Linux ドライバの検証
      4. Linux のロボットとドライブ制御の構成について
        1.  
          Linux のロボット制御デバイスファイルについて
        2.  
          Linux のテープドライブ用デバイスファイルについて
      5.  
        Linux のデバイス構成の検証
      6.  
        Linux の SAN クライアントについて
      7.  
        Linux の SCSI 固定バインドについて
      8.  
        Emulex HBA について
      9.  
        SCSI デバイスのテストユーティリティ
      10.  
        Linux コマンドの概略
    4. Solaris
      1.  
        開始する前に (Solaris)
      2.  
        NetBackup sg ドライバについて
      3.  
        NetBackup sg ドライバがインストールされているかどうかの確認
      4.  
        Oracle StorEdge Network Foundation HBA ドライバの特別な構成
      5.  
        ファイバーチャネル HBA ドライバの関連付けについて
      6.  
        複数のドライブパスを使用するための Solaris 10 x86 の構成
      7. sg ドライバおよび st ドライバのインストールまたは再インストール
        1.  
          st.conf ファイルの例
        2.  
          sg.conf ファイルの例
        3.  
          sg.links ファイルの例
      8.  
        Solaris で 6 GB 以上の SAS HBA を構成する
      9.  
        Solaris ドライバのアンロードの回避
      10. Solaris のロボット制御について
        1.  
          Solaris の SCSI および FCP ロボット制御について
        2.  
          Solaris での SCSI および FCP ロボット制御デバイスファイルの例
      11. Solaris テープドライブ用デバイスファイルについて
        1.  
          Berkeley 形式のクローズについて
        2.  
          Solaris の非巻き戻しデバイスファイルについて
        3.  
          Solaris の高速テープ位置設定 (locate-block) について
        4.  
          Solaris の SPC-2 SCSI RESERVE について
        5.  
          Solaris の SPC-2 SCSI RESERVE の無効化
        6.  
          標準以外のテープドライブについて
      12. FT メディアサーバーを認識させるための Solaris SAN クライアントの設定
        1.  
          st.conf ファイルへの FT デバイスエントリの追加
        2.  
          Solaris に 2 つの LUN でデバイスを検出させるための st.conf ファイルの修正
      13.  
        Solaris の sg ドライバのアンインストール
      14.  
        Solaris コマンドの概略
    5. Windows
      1.  
        NetBackup の構成を開始する前に (Windows)
      2.  
        Windows のテープデバイスドライバについて
      3.  
        Windows システムへのデバイスの接続
  3. 第 II 部 ロボットストレージデバイス
    1. ロボットの概要
      1.  
        NetBackup のロボット形式
      2. NetBackup ロボットの属性
        1.  
          ACS ロボット
        2.  
          TLD ロボット
      3.  
        テーブルドリブンのロボット
      4.  
        ロボットテストユーティリティ
      5. ロボットプロセス
        1.  
          各ロボット形式のプロセス
        2.  
          ロボットプロセスの例
    2. Oracle StorageTek ACSLS ロボットについて
      1.  
        Oracle StorageTek ACSLS ロボットについて
      2.  
        ACSLS 構成の例
      3.  
        ACS ロボットに対するメディア要求
      4.  
        ACS ドライブの構成について
      5.  
        ACS 共有ドライブの構成
      6.  
        ACS ロボットへのテープの追加
      7. ACS ロボットからのテープの取り外しについて
        1.  
          ACSLS ユーティリティを使用したテープの取り外し
        2.  
          NetBackup を使用したテープの取り外し
      8. ACS ロボットでのロボットのインベントリ操作
        1.  
          ACS ロボットでのロボットインベントリのフィルタリングの構成
      9. NetBackup によるロボット制御、通信、ログ記録
        1.  
          Windows システムでの NetBackup のロボット制御、通信、ログ記録
        2. UNIX システムでの NetBackup のロボット制御、通信、ログ記録
          1.  
            NetBackup の ACS デーモン (acsd)
          2.  
            NetBackup の ACS SSI イベントログ採取 (acssel)
          3.  
            異なるソケット名を指定した acssel の使用
          4.  
            NetBackup の ACS ストレージサーバーインターフェース (acsssi)
          5.  
            ACS_SSI_SOCKET 構成オプションについて
          6.  
            手動での acsssi の起動
          7.  
            任意に設定する環境変数
      10. ACS ロボットテストユーティリティ
        1.  
          Windows システム上の acstest
        2.  
          UNIX システム上の acstest
      11.  
        ACS ロボットの構成の変更
      12. サポートされる ACS 構成
        1.  
          複数の ACS ロボットと 1 台の ACS ライブラリソフトウェアホスト
        2.  
          複数の ACS ロボットおよび ACS ライブラリソフトウェアホスト
      13.  
        Oracle StorageTek ACSLS ファイアウォールの構成
    3. デバイス構成の例
      1.  
        Windows サーバーでの ACS ロボットの例
      2.  
        UNIX サーバーでの ACS ロボットの例

テープドライブ用パススルーデバイスファイルの作成

メディアサーバーでは、テープドライブに対するパススルーパスが NetBackup によって自動的に作成されます。ただし、手動で作成することもできます。

NetBackup では、SAN クライアントにテープドライブ用パススルーデバイスファイルも使います。

次の 2 つの手順のいずれかを使用します。

パススルーテープドライブ用デバイスファイルを作成する方法

  1. 次に示すように、HP-UX の ioscan -f コマンドを実行して、SCSI バスに接続されているデバイスを判断します。
    ioscan -f
    Class    I  H/W Path     Driver S/W State  H/W Type   Description
    =================================================================
    ext_bus  7  0/7/0/       c720   CLAIMED    INTERFACE  SCSI C896 Fast Wide LVD
    target  10  0/7/0/1.0    tgt    CLAIMED    DEVICE
    tape    65  0/7/0/1.0.0  stape  CLAIMED    DEVICE     QUANTUM SuperDLT1
    target  11  0/7/0/1.1    tgt    CLAIMED    DEVICE
    tape    66  0/7/0/1.1.0  stape  CLAIMED    DEVICE     QUANTUM SuperDLT1
    target  12  0/7/0/1.2    tgt    CLAIMED    DEVICE
    autoch  14  0/7/0/1.2.0  schgr  CLAIMED    DEVICE     ADIC Scalar 100
    target  13  0/7/0/1.3    tgt    CLAIMED    DEVICE
    autoch  19  0/7/0/1.3.0  schgr  CLAIMED    DEVICE     IBM ULT3583-TL
    target  14  0/7/0/1.4    tgt    CLAIMED    DEVICE
    tape    21  0/7/0/1.4.0  atdd   CLAIMED    DEVICE     IBM ULT3580-TD1
    target  15  0/7/0/1.5    tgt    CLAIMED    DEVICE
    tape    19  0/7/0/1.5.0  atdd   CLAIMED    DEVICE     IBM ULT3580-TD1

    この出力例によって、次の内容が示されています。

    • ADIC Scalar 100 ライブラリのロボット制御はインスタンス番号 7 の SCSI バスに存在します。SCSI ID は 2、LUN は 0 です。IBM ULT3583-TL ライブラリのロボット制御は SCSI ID 3 および LUN 0 の同じ SCSI バスに存在します。

    • ADIC ライブラリには、Quantum Super DLT ドライブが 2 台存在します。1 台は SCSI ID 0 と LUN 0 です。別の 1 台は SCSI ID 1 と LUN 0 です。

    • IBM ライブラリには、IBM Ultrium LTO ドライブが 2 台存在します。1 台は SCSI ID 4 と LUN 0 です。別の 1 台は SCSI ID 5 と LUN 0 です。

      HP-UX に IBM テープドライブを構成する場合、IBM atdd ドライバを使用します。IBM のドライバのマニュアルに従って、atdd および BEST デバイスパスを構成します。IBM ロボットのロボット制御で atdd を構成しないでください。IBM が推奨する最新の atdd ドライバのバージョンは、ベリタスのサポート Web サイトを参照してください。

  2. 次のように、テープドライブのパススルーデバイスファイルを作成します。
    cd /dev/sctl
    /usr/sbin/mknod c7t0l0 c 203 0x070000
    /usr/sbin/mknod c7t1l0 c 203 0x071000
    /usr/sbin/mknod c7t4l0 c 203 0x074000
    /usr/sbin/mknod c7t5l0 c 203 0x075000

    テープドライブに対して HP-UX の mknod コマンドを実行する場合、target はテープドライブの SCSI ID となります。ロボット制御の SCSI ID ではありません。

    前述のコマンドによって、次のパススルーデバイスファイルが作成されます。

    /dev/sctl/c7t0l0
    /dev/sctl/c7t1l0
    /dev/sctl/c7t4l0
    /dev/sctl/c7t5l0

    テープドライブのパススルーデバイスファイルは、NetBackup の動作中に使用されますが、NetBackup の構成中は使用されません。NetBackup でのテープドライブの構成中は、次のデバイスファイルを使用してテープドライブを構成します。

    /dev/rmt/c7t0d0BESTnb
    /dev/rmt/c7t1d0BESTnb
    /dev/rmt/c7t4d0BESTnb
    /dev/rmt/c7t5d0BESTnb

SAN クライアントのパススルーデバイスファイルを作成する方法

  1. 次に示すように、HP-UX の ioscan -f コマンドを実行して、SCSI バスに接続されているデバイスを判断します。
    ioscan -f
    Class    I  H/W Path                Driver    S/W State   H/W Type    Description
    =================================================================================
    ext_bus  9  0/3/1/0.1.22.255.0      fcd_vbus  CLAIMED     INTERFACE   FCP Device Interface
    target   4  0/3/1/0.1.22.255.0.0    tgt       CLAIMED     DEVICE
    tape     6  0/3/1/0.1.22.255.0.0.0  stape     CLAIMED     DEVICE      ARCHIVE Python
    tape     7  0/3/1/0.1.22.255.0.0.1  stape     CLAIMED     DEVICE      ARCHIVE Python

    この出力例は、ファイバーチャネル HBA のインスタンス番号が 9 であることを示します。また、ファイバートランスポートのメディアサーバー上のターゲットモードドライバが ARCHIVE Python デバイスとして表示されることも示します。1 台は SCSI ID 0 と LUN 0 です。別の 1 台は SCSI ID 0 と LUN 1 です。

  2. 次のコマンドを実行して、sctl ドライバのキャラクタメジャー番号を調べます。
    lsdev -d sctl
    Character  Block  Driver  Class
    203        -1     sctl    ctl

    このコマンドの出力では、sctl ドライバのキャラクタメジャー番号が 203 と表示されています。

  3. 次の通り、パススルーデバイスファイルを作成します。
    cd /dev/sctl
    /usr/sbin/mknod c9t0l0 c 203 0x090000
    /usr/sbin/mknod c9t0l1 c 203 0x090100

    デバイスファイル名の説明を次に示します。

    • c9 はインターフェースカードのインスタンス番号を定義します。

    • t0 は SCSI ID (ターゲット) を定義します。

    • l1 は LUN を定義します (最初の文字は英字の「l」です)。

  4. デバイスファイルが作成されたことを次のとおり検証します。
    # ls -l /dev/sctl
    total 0
    crw-r--r--   1 root       sys        203 0x090000 Nov  1 13:19 c9t0l0
    crw-r--r--   1 root       sys        203 0x090100 Nov  1 13:19 c9t0l1