Veritas NetBackup™ 重複排除ガイド
- NetBackup メディアサーバーの重複排除オプションの概要
- 配置の計画
- MSDP の配置計画
- NetBackup 命名規則
- MSDP 重複排除ノードについて
- NetBackup 重複排除の宛先について
- MSDP ストレージの容量について
- MSDP ストレージと接続性の必要条件について
- NetBackup メディアサーバー重複排除について
- NetBackup Client Direct の重複排除について
- MSDP リモートオフィスのクライアントの重複排除について
- NetBackup 重複排除エンジンのクレデンシャルについて
- MSDP のネットワークインターフェースについて
- MSDP ポートの使用について
- MSDP の最適化された合成バックアップについて
- MSDP と SAN クライアントについて
- MSDP の最適化複製とレプリケーションについて
- MSDP のパフォーマンスについて
- MSDP のストリームハンドラについて
- MSDP の配置のベストプラクティス
- ストレージのプロビジョニング
- 重複排除のライセンス
- 重複排除の構成
- MSDP サーバー側の重複排除の構成
- MSDP クライアント側の重複排除の構成
- MSDP 重複排除マルチスレッドエージェントについて
- 重複排除マルチスレッドエージェントの動作の構成
- マルチスレッドエージェントによる重複排除プラグイン通信の構成
- MSDP のフィンガープリントについて
- MSDP フィンガープリントのキャッシュについて
- MSDP フィンガープリントのキャッシュ動作の構成
- リモートクライアント重複排除の MSDP フィンガープリントキャッシュのシードについて
- クライアントでの MSDP フィンガープリントキャッシュのシードの構成
- ストレージサーバーでの MSDP フィンガープリントキャッシュのシードの構成
- MSDP に対する 96-TB サポートの有効化
- KMS サービスを使用した MSDP 暗号化について
- メディアサーバー重複排除プールのストレージサーバーの構成
- PureDisk 重複排除プール用のストレージサーバーの構成
- NetBackup の重複排除用ディスクプールについて
- 重複排除のディスクプールの構成
- 96-TB MSDP サポート用データディレクトリの作成
- 96-TB メディアサーバー重複排除プールへのボリュームの追加
- [メディアサーバー重複排除プール (Media Server Deduplication Pool)]ストレージユニットの構成
- MSDP クライアント側重複排除のクライアント属性の構成
- クライアントについての MSDP クライアント側の重複排除の無効化
- MSDP の圧縮について
- MSDP の暗号化について
- MSDP 圧縮および暗号化設定表
- MSDP バックアップの暗号化の構成
- MSDP の最適化複製とレプリケーションの暗号化の構成
- MSDP のローリングデータの変換メカニズムについて
- ローリングデータ変換のモード
- MSDP 暗号化の動作と互換性
- 最適化された合成バックアップの MSDP の構成
- MSDP の複製およびレプリケーションに対する個別ネットワークパスについて
- MSDP 複製とレプリケーションに対する個別ネットワークパスの構成
- 同じドメイン内での MSDP の最適化複製について
- 同じ NetBackup ドメインでの MSDP 最適化複製の構成
- 異なるドメインへの MSDP レプリケーションについて
- 異なる NetBackup ドメインへの MSDP レプリケーション設定
- MSDP 最適化複製とレプリケーション帯域幅の構成について
- ストレージライフサイクルポリシーについて
- 自動イメージレプリケーションに必要なストレージライフサイクルポリシーについて
- ストレージライフサイクルポリシーの作成
- MSDP バックアップポリシーの構成について
- バックアップポリシーの作成
- [耐性ネットワーク (Resilient Network)]プロパティ
- 耐性のある接続の指定
- MSDP 負荷分散サーバーの追加
- NetBackup クライアントでの可変長の重複排除について
- MSDP pd.conf 構成ファイルについて
- MSDP pd.conf ファイルの編集
- MSDP contentrouter.cfg ファイルについて
- MSDP ストレージサーバーの構成の保存について
- MSDP ストレージサーバーの構成の保存
- MSDP ストレージサーバーの構成ファイルの編集
- MSDP ストレージサーバーの構成の設定
- MSDP ホストの構成ファイルについて
- MSDP ホストの構成ファイルの削除
- MSDP レジストリのリセット
- MSDP カタログの保護について
- MSDP シャドーカタログパスの変更
- MSDP シャドーカタログスケジュールの変更
- MSDP カタログのシャドーコピー数の変更
- MSDP カタログバックアップの設定
- MSDP カタログバックアップポリシーの更新
- MSDP の FIPS 準拠について
- NetBackup CloudCatalyst を使用したクラウドに対する重複排除の構成
- NetBackup CloudCatalyst を使用した重複排除データのクラウドへのアップロード
- CloudCatalyst の必要条件と制限事項
- CloudCatalyst ストレージサーバーとしての Linux メディアサーバーの構成
- クラウドに対する重複排除のための CloudCatalyst ストレージサーバーの構成
- CloudCatalyst の esfs.json 構成ファイルについて
- CloudCatalyst キャッシュについて
- CloudCatalyst 使用時のクラウドへのデータトラフィックの制御
- CloudCatalyst のプッシュ型またはプル型最適化複製の構成
- CloudCatalyst クラウドストレージの廃止
- NetBackup CloudCatalyst のワークフロープロセス
- CloudCatalyst のディザスタリカバリ
- 重複排除のアクティビティの監視
- 重複排除の管理
- MSDP サーバーの管理
- NetBackup Deduplication Engine クレデンシャルの管理
- メディアサーバー重複排除プールの管理
- バックアップイメージの削除
- MSDP キュー処理について
- MSDP トランザクションキューの手動処理
- MSDP データの整合性検査について
- MSDP データの整合性検査の動作の構成
- MSDP ストレージの読み込みパフォーマンスの管理について
- MSDP ストレージのリベースについて
- MSDP のデータ削除処理について
- MSDP ストレージパーティションのサイズ調整
- MSDP のリストアのしくみ
- MSDP のクライアントへの直接リストアの構成
- リモートサイトのファイルのリストアについて
- ターゲットマスタードメインでのバックアップからのリストアについて
- リストアサーバーの指定
- MSDP のリカバリ
- MSDP ホストの置換
- MSDP のアンインストール
- 重複排除アーキテクチャ
- トラブルシューティング
- 統合ログについて
- レガシーログについて
- NetBackup MSDP ログファイル
- MSDP インストールの問題のトラブルシューティング
- MSDP 構成の問題のトラブルシューティング
- MSDP 操作上の問題のトラブルシューティング
- MSDP ディスクのエラーとイベントの表示
- MSDP イベントのコードとメッセージ
- CloudCatalyst の問題のトラブルシューティング
- 付録 A. MSDP ストレージへの移行
NetBackup クライアントでの可変長の重複排除について
NetBackup の重複排除は現在、データストリームを固定長セグメント (128 KB) に分けてから重複排除処理する「固定長の重複排除」方式に従っています。固定長の重複排除には、少ない計算リソースで迅速な処理が可能という利点があります。固定長の重複排除では、ほとんどの種類のデータストリームが効率的に処理されます。ただし、固定長の重複排除で重複排除率が低くなる場合があります。
データがシフティングモードで変更された場合、つまり、一部のデータがファイルの中央に挿入された場合は、可変長の重複排除を使用したほうがデータのバックアップを作成するときに高い重複排除率を実現できます。可変長の重複排除により、バックアップストレージを縮小してバックアップのパフォーマンスを向上し、データ保護にかかるコスト全体を削減できます。
メモ:
現在の MSDP インテリジェント重複排除アルゴリズムおよび関連するストリーマーで良好な重複排除率が得られないデータについては、可変長の重複排除を使用してください。可変長の重複排除を有効にすると重複排除率を向上できますが、CPU のパフォーマンスに影響する可能性がある点を考慮してください。
可変長の重複排除では、すべてのセグメントが可変のサイズと設定可能なサイズ境界を備えています。NetBackup クライアントは、セキュアハッシュアルゴリズム (SHA-2) を検証し、データの可変長セグメントに適用します。各データセグメントには一意の ID が割り当てられ、NetBackup は同じ ID のデータセグメントがバックアップにあるかどうかを評価します。データセグメントがすでにある場合、そのセグメントのデータは保存されません。
警告:
バックアップポリシーに対して圧縮を有効にすると、可変長の重複排除を設定しても機能しません。
次の表で、データバックアップでの可変長の重複排除の影響を説明します。
表: 可変長の重複排除の影響
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重複排除率への影響 |
可変長の重複排除は、シフティングモードでデータファイルが変更された場合、つまりデータがバイナリレベルで挿入、削除、または変更された場合に有益です。このような変更されたデータを再びバックアップする際、可変長の重複排除は高い重複排除率を実現します。そのため、次回以降のバックアップでは、より高い重複排除率を得られます。 |
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CPU への影響 |
可変長の重複排除は、高い重複排除率を実現するため、固定長の重複排除より多いリソースを消費する場合があります。可変長の重複排除では、セグメント境界を計算するため、より多くの CPU サイクルが必要となります。バックアップにかかる時間も固定長の重複排除方式より長くなる場合があります。 |
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データのリストアへの影響 |
可変長の重複排除は、データのリストア処理には影響しません。 |
NetBackup クライアントでは、可変長の重複排除はデフォルトで無効になっています。可変長の重複排除を有効にするには、pd.conf ファイルにパラメータを追加します。すべての NetBackup クライアントまたはポリシーで同じ設定を有効にするには、pd.conf ファイルですべてのクライアントまたはポリシーを指定する必要があります。
重複排除の負荷分散のシナリオでは、メディアサーバーを NetBackup 8.1.1 以降にアップグレードし、すべてのメディアサーバーで pd.conf ファイルを変更する必要があります。バックアップジョブで、負荷分散プール用に古いメディアサーバー (NetBackup 8.1.1 より前) が選択された場合は、可変長の重複排除ではなく固定長の重複排除が使用されます。負荷分散のシナリオでは、NetBackup バージョンが異なるメディアサーバーは構成しないでください。可変長の重複排除で生成されたデータセグメントは、固定長の重複排除で生成されたデータセグメントとは異なります。そのため、NetBackup バージョンが異なる負荷分散メディアサーバーを使用すると、重複排除率が低下します。
MSDP pd.conf 構成ファイルについてを参照してください。