Veritas Backup Exec 管理者ガイド
- Backup Exec の概要
- インストール
- Agent for Windows のインストールの方法
- Remote Administrator のインストール
- コマンドラインを使用した Backup Exec のインストール (サイレントモード)
- Backup Exec のライセンス契約の情報
- Backup Exec へのアップグレードについて
- はじめに
- バックアップ
- データのバックアップ
- リストア
- Backup Exec カタログの働き
- ジョブの管理と監視
- アラートと通知
- [ホーム]タブでのアクティブアラートとアラート履歴表示の有効化
- アラート通知を受け取る受信者グループの追加
- ジョブが完了したときの通知の送信
- Backup Exec アラートの SNMP トラップ
- ディスクベースとネットワークベースのストレージ
- クラウドベースのストレージデバイス
- 以前のディスクへのバックアップフォルダ
- テープストレージ
- Backup Exec のロボットライブラリ
- ロボットライブラリのパーティションの作成
- テープの管理
- テープメディアのラベル付け
- デフォルトのメディアボルト
- ストレージデバイスプール
- ストレージ操作
- 仮想マシンへの変換
- 構成と設定
- ファイアウォールでの Backup Exec の使用
- DBA 開始ジョブテンプレートの削除
- Backup Exec ログオンアカウント
- レポート
- カスタムレポートの作成
- Backup Exec の標準レポートのリスト
- Backup Exec のトラブルシューティング
- SAN で障害が発生したコンポーネントのトラブルシューティング
- Backup Exec のトラブルシューティングの診断ファイルの生成
- クラスタ環境での Backup Exec の使用
- Backup Exec と Microsoft Cluster Server の構成
- クラスタのディザスタリカバリ
- Simplified Disaster Recovery
- ディザスタリカバリ情報ファイルの代替の格納場所の設定と変更
- Simplified Disaster Recovery ディスクイメージの作成
- Simplified Disaster Recovery を使用した障害からのリカバリ準備
- Simplified Disaster Recovery を使用したコンピュータのリカバリ
- Veritas™ Information Map との統合
- 付録 A. Veritas Backup Exec Agent for Windows
- Backup Exec Agent ユーティリティ for Windows について
- 付録 B. Veritas Backup Exec Deduplication Option
- 重複排除用ディスクストレージの作成またはインポート
- ダイレクトアクセス共有のためのストレージデバイスの選択
- 付録 C. Veritas Backup Exec Agent for VMware
- VMware 仮想マシンのバックアップ
- VMware 仮想マシンのインスタントリカバリについて
- VMware 仮想マシンのリカバリ検証について
- 付録 D. Veritas Backup Exec Agent for Microsoft Hyper-V
- Microsoft Hyper-V 仮想マシンのバックアップ
- Hyper-V 仮想マシンのインスタントリカバリについて
- Hyper-V 仮想マシンのリカバリ検証について
- 付録 E. Veritas Backup Exec Agent for Microsoft SQL Server
- SQL データベースとトランザクションログのバックアップ
- SQL データベースとトランザクションログのリストア
- SQL Server のディザスタリカバリ
- 付録 F. Veritas Backup Exec Agent for Microsoft Exchange Server
- Exchange データのバックアップ
- 付録 G. Veritas Backup Exec Agent for Microsoft SharePoint
- Microsoft SharePoint データのバックアップ
- 付録 H. Veritas Backup Exec Agent for Oracle on Windows or Linux Servers
- Windows コンピュータおよび Linux サーバーでの Oracle Agent の設定
- Windows コンピュータでの Oracle インスタンスの設定
- Windows コンピュータでの Oracle インスタンスの表示
- Backup Exec サーバーの認証クレデンシャルについて
- Oracle データベースのバックアップについて
- Oracle リソースのリストアについて
- 付録 I. Veritas Backup Exec Agent for Enterprise Vault
- Enterprise Vault バックアップジョブのバックアップ方式について
- Enterprise Vault の復元
- Backup Exec Migrator for Enterprise Vault について
- Backup Exec Migrator の設定
- 移行された Enterprise Vault データの取り込みについて
- Partition Recovery Utility について
- 付録 J. Veritas Backup Exec Agent for Microsoft Active Directory
- 付録 K. Veritas Backup Exec Central Admin Server Option
- Central Admin Server Feature のインストールについて
- CAS 通信のしきい値に到達した場合に発生する事項
- CAS でのジョブの委任について
- CAS で Backup Exec サーバープールを使用する方法
- CAS での集中リストアの動作
- 付録 L. Veritas Backup Exec Advanced Disk-based Backup Option
- 付録 M. Veritas Backup Exec NDMP Option
- リストアと NDMP サーバーのリストアデータのリストア先変更について
- NDMP サーバーのプロパティの表示
- NDMP サーバーのストレージプロパティの表示
- 付録 N. Veritas Backup Exec Agent for Linux
- Agent for Linux のインストールについて
- Backup Exec サーバーリストでのリモート Linux コンピュータの信頼の確立について
- Linux コンピュータの設定オプションの編集
- Agent for Linux を使用した Linux コンピュータのバックアップについて
- Linux コンピュータへのデータのリストアについて
- Linux コンピュータのデフォルトのバックアップジョブオプションの編集
- Agent for Linux のアンインストール
- 付録 O. Veritas Backup Exec Remote Media Agent for Linux
- Remote Media Agent for Linux のインストールについて
- Backup Exec サーバーリストでの Remote Media Agent for Linux コンピュータの信頼の確立について
- Remote Media Agent for Linux の Backup Exec オペレータ (beoper) グループについて
- Remote Media Agent for Linux としての Linux サーバーの追加について
- Remote Media Agent for Linux のプロパティの編集
- シミュレートテープライブラリの作成
- シミュレートテープライブラリのプロパティの表示
- 付録 P. Backup Exec のアクセシビリティ
- Backup Exec のキーボードショートカットについて
SQL データベースとトランザクションログのバックアップ
Backup Exec には、データベースのバックアップ方式として、完全、差分、完全コピーのみの 3 種類が用意されています。完全バックアップ方式では、すべてのシステムテーブルを含む、データベース全体がバックアップされます。差分バックアップ方式では、最後の完全バックアップ以降にデータベースまたはファイルグループに加えられた変更内容のみがバックアップされます。 コピー方式は、完全バックアップ方式と同様に実行されますが、今後の差分バックアップまたはログバックアップには影響を与えません。
差分バックアップは完全バックアップよりもサイズが小さく高速なため、完全バックアップよりも頻繁に実行することができます。 差分バックアップでリストアできるのは差分バックアップを作成した時点までであるため、次の差分バックアップの作成までに、複数のログバックアップを作成しておく必要があります。 トランザクションログのバックアップを使用すると、データベースを障害の発生した時点にリカバリすることができます。
次の完全バックアップまでのデータの変更量が比較的少ない場合または同じデータが繰り返し変更される場合には、差分バックアップを使用することを検討します。 シンプル復旧モデルを使用しているため、バックアップを頻繁に実行する必要があるにもかかわらず、完全バックアップを短周期で行う時間がない場合にも差分バックアップを効果的に使用することができます。 フルまたは一括ログ記録復旧モデルを使用している場合は、差分バックアップを使用して、データベースのリストア時に、ログバックアップによるロールフォワードに費やされる時間を短縮することができます。
データベースとログのバックアップの組み合わせではなくデータベースバックアップのみを実行する場合は、データベースにシンプル復旧モデルを使用し、データベース内にチェックポイントが発生したときに、トランザクションログを自動的に切り捨てます。 これにより、トランザクションログが一杯になるのを防ぐことができます。他の復旧モデルでは、データベースのバックアップ後のログのクリアは行われません。
シンプル復旧モデルでは、トランザクションのコピーがログファイルに保存されないため、トランザクションログによるバックアップは実行できません。
トランザクションログのバックアップを行わない場合は、データベースを最後のバックアップの時点にリカバリすることはできますが、障害の発生した時点または特定の時点にリストアすることはできません。
システムデータベースは、完全バックアップ方式でのみバックアップできます。ログバックアップ方式または差分バックアップ方式では master データベースをバックアップできません。
メモ:
Remote Media Agent for Linux Servers がインストールされているコンピュータに接続するストレージにはデータベースをバックアップできません。
SQL Agent はミラー化された SQL データベースの設定をサポートしますが、Microsoft は次のように SQL データベースのミラー化を制限します。
ミラー化された SQL データベースをバックアップしたりリストアしたりすることはできません。 ミラー化されたデータベースのバックアップまたはリストアを試行すればバックアップジョブまたはリストアジョブは失敗します。
ミラー化を設定する間、プライマリ SQL データベースをリストアできません。 プライマリ SQL データベースをリストアするには、プライマリデータベースのデータベースミラー化を停止する必要があります。
バックアップジョブによってデータベースがリカバリ不能な状態にならない場合にのみプライマリ SQL データベースとトランザクションログをバックアップできます。
すべての SQL のバックアップジョブについて、バックアップジョブのデフォルトオプションを設定できます。バックアップジョブを作成すると、各ジョブで個別にオプションを変更しない限り、そのジョブではデフォルトのオプションが使用されます。
バックアップ対象として SQL データが含まれるボリュームを選択すると、SQL Agent は、ボリュームレベルのバックアップに含めることができない SQL データを判断します。 たとえば、.MDF ファイルおよび .LDF ファイルは、SQL システムによる排他的な使用のためにオープンされるため、バックアップすることはできません。これらのファイルは、アクティブファイルの除外と呼ばれる機能によって、自動的にバックアップ対象から除外されます。 スナップショット以外のバックアップ中にこのファイルの除外が発生しなかった場合、これらのファイルは使用中とみなされてスキップしたものと扱われます。 スナップショットバックアップ中にこのファイルの除外が発生しなかった場合、ファイルは一貫性がとれていない状態でバックアップされ、リストアの問題が発生する可能性があります。
ボリュームレベルのバックアップに SQL データを含めることはお勧めできませんが、必要な場合には、まずバックアップするデータベースのマウントを解除する必要があります。その後、バックアップジョブを実行します。
データベースをバックアップする前に、SQL クラスタ用のリソースコンテナを手動で追加する必要がある場合があります。
リソースコンテナを追加するには、クラスタの物理ノードに Agent for Windows をインストールします。 仮想 SQL サーバーのリソースコンテナが自動的に検出されない場合は、[サーバーの追加]ウィザードを使用して、SQL 仮想クラスタノードの仮想リソースコンテナを追加します。 サーバーの追加ウィザードを実行するとき、Agent for Windows をアップグレードするオプションのチェックマークは外してください。物理ノードにすでにインストールされているためです。 次に、追加した仮想リソースコンテナからバックアップ選択項目を作成します。
ログバックアップの実行時には、Backup Exec のみを使用してログトランザクションバックアップを実行する必要があります。
Backup Exec には、トランザクションログのバックアップ方式として、[ログ - トランザクションログをバックアップする]および[ログを切り捨てない]が用意されています。
[ログを切り捨てない]方式は、データベースが損傷しているか、消失したファイルがある場合にのみ使用します。この方式では、データベースがこの状態にあってアクセスできないときでも、トランザクションをバックアップすることができます。このトランザクションログのバックアップを、最新のデータベースバックアップや以前に実行したトランザクションログのバックアップとともに使用して、障害が発生する直前の時点にデータベースをリストアすることができます。ただし、コミットの済んでいないトランザクションはロールバックされます。[ログを切り捨てない]方式では、ログのバックアップ後のコミット済みトランザクションの削除は行われません。
[ログを切り捨てない]方式で作成したバックアップを使用してデータベースをリストアするには、[ログを切り捨てない]方式のバックアップ作成以前に作成したデータベースのバックアップが必要です。トランザクションログにはリストアプロセスで使用するログファイルしか含まれていないため、データベースを完全にリストアするには、このログファイルだけでは不十分です。データベースをリストアするには、少なくとも 1 つのデータベースバックアップと、データベースのログバックアップが必要です。
注意:
SQL データベースでシンプル復旧モデルを使用している場合は、どちらの方式のログバックアップも実行しないでください。シンプル復旧モデルを使用してデータをリカバリできるのは、最新の完全または差分バックアップの作成時点までです。単純リカバリ完了状態を使用してデータベースのログバックアップを実行した場合、そのバックアップは例外処理ありで完了します。
データベースのプロパティをチェックするには、SQL Server のデータベース管理ツールで、データベースを右クリックし、[プロパティ]をクリックして[オプション]タブをクリックし、設定情報を表示します。
SQL データベースとトランザクションログをバックアップする方法
- [バックアップとリストア]タブで SQL Server を右クリックしてから、選択を右クリックします。
複数のサーバーを選択するには、Shift キーまたは Ctrl キーを押しながらサーバー名をクリックし、選択したいずれかのサーバーを右クリックします。
- [バックアップ]を選択し、実行するバックアップの種類を選択します。
- [バックアップ定義のプロパティ]ダイアログボックスの[選択リスト]ボックスで、[編集]をクリックします。
- [バックアップ選択リスト]ダイアログボックスで、バックアップするリソースのチェックボックスにチェックマークを付けて、バックアップしないリソースのチェックボックスのチェックマークをはずします。
メモ:
バックアップする SQL データベースは、[参照]タブで選択できます。[バックアップ選択リスト]ダイアログボックスの右ペインには、選択項目の名前、サイズ、種類、変更日時、および属性を表示できます。属性はデータベースの状態を提供するので、問題がある場合は、バックアップジョブを実行する前に解決できます。[選択の詳細]タブを使用して、特定のファイルまたは特定の種類のファイルを含めるか、または除外することができます。
- [OK]をクリックします。
- [バックアップ定義のプロパティ]ダイアログボックスの[バックアップ]ボックスで、[編集]をクリックします。
- [バックアップオプション]ダイアログボックスで、このジョブのスケジュールを選択します。
- [バックアップオプション]ダイアログボックスで、このジョブのストレージデバイスを選択します。
- [バックアップオプション]ダイアログボックスの左側のペインで、[Microsoft SQL]を選択します。
- 以下のオプションをこのジョブに設定します。
バックアップ方式
このジョブに使用する次のバックアップ方式のうちいずれかを選択します。
完全 - データベースをバックアップ
このオプションではデータベース全体がバックアップされます。デフォルトでは、このオプションが選択されています。
完全コピー - データベースをバックアップ (コピー)
このオプションは今後の差分バックアップまたはログバックアップに影響することなくデータベース全体をバックアップします。
完全バックアップ方式とは異なり、完全コピーバックアップ方式では、SQL 差分ベースラインはリセットされません。このベースラインは、最後の完全バックアップ以降に変更されたデータベースブロックを識別するために使用されます。
完全バックアップの作成後に、完全コピーバックアップ方式を使用して、今後の差分バックアップの実行に必要なベースラインバックアップセットに影響することなく SQL データベースのコピーを作成できます。
バックアップ方式
このジョブに使用する次の SQL 固有バックアップ方式のうちいずれかを指定します。
完全 - データベースをバックアップ
このオプションではデータベース全体がバックアップされます。デフォルトでは、このオプションが選択されています。
完全コピー - データベースをバックアップ (コピー)
このオプションは今後の差分バックアップまたはログバックアップに影響することなくデータベース全体をバックアップします。
完全バックアップ方式とは異なり、完全コピーバックアップ方式では、SQL 差分ベースラインはリセットされません。このベースラインは、最後の完全バックアップ以降に変更されたデータベースブロックを識別するために使用されます。
完全バックアップの作成後に、完全コピーバックアップ方式を使用して、今後の差分バックアップの実行に必要なベースラインバックアップセットに影響することなく SQL データベースのコピーを作成できます。
自動 - 有効にするとトランザクションログがバックアップされ、次に、最後の完全または増分バックアップ以降のデータベースの変更をバックアップします。
このオプションを使用すると、ログバックアップをサポートしていないデータベースがある場合にも、SQL インスタンス全体をバックアップできます。すべてのデータベースは、増分(ブロックレベル)バックアップ方式を使用してバックアップされます。さらに、ログバックアップをサポートするデータベースは、ログバックアップ方式を使用してバックアップされます。
メモ:
スナップショットが有効になっていない場合は、増分(ブロックレベル)バックアップ方式は実行できないので、差分バックアップ方式が使用されます。
ログ - トランザクションログをバックアップして切り捨てる
このオプションでは、トランザクションログに含まれているデータのみがバックアップされます。データベースのデータはバックアップされません。 トランザクションログのバックアップ後に、コミット済みのトランザクションの削除 (切り捨て) が行われます。
データベースが SQL Server シンプル復旧モデル用に設定されていれば、ログバックアップはサポートされません。復旧モデルを変更するには、復旧モデルをフル (完全) に設定するために SQL 管理ツールを使ってください。 ログバックアップが動作する前に復旧モデルを変更した場合は、新しい完全バックアップを実行する必要があります。
また、完全バックアップのみを実行するか、または SQL データベースの完全バックアップと差分バックアップを実行できます。
ログ (切り捨てなし) - トランザクションログを切り捨てずにバックアップ
このオプションでは、データベースが損傷しているか、消失したファイルがある場合に、データベースがバックアップされます。 [ログを切り捨てない]バックアップ方式ではデータベースにアクセスしないため、データベースがこの状態にあってアクセスできないときでも、トランザクションをバックアップできます。このトランザクションログのバックアップを、データベースバックアップや以前に実行したトランザクションログのバックアップとともに使用して、障害が発生する直前の時点にデータベースをリストアすることができます。ただし、コミットの済んでいないトランザクションはロールバックされます。 [ログを切り捨てない]バックアップ方式では、ログのバックアップ後のコミット済みトランザクションの削除は行われません。
差分 - 最後の完全バックアップ以降のデータベースの変更をバックアップ
このオプションでは、最後の完全バックアップ以降にデータベースまたはファイルグループに加えられた変更内容のみがバックアップされます。 差分バックアップでリストアできるのは差分バックアップを作成した時点までであるため、次の差分バックアップの作成までに、複数のログバックアップを作成しておく必要があります。
差分 (ブロックレベル) - 前回の完全バックアップ以降にデータベースに加えられた変更のバックアップ - 仮想マシンに変換ジョブで使用
このオプションでは、最後の完全バックアップ以降に作成または変更されたすべてのデータブロックとログがバックアップされます。
増分 (ブロックレベル) - 前回の完全または増分バックアップ以降のデータベースの変更をバックアップ - 仮想マシンに変換ジョブで使用
このオプションでは、最後の完全バックアップまたは増分バックアップ以降に作成または変更されたすべてのデータブロックとログがバックアップされます。
データベースのスナップショット - データベースの特定時点の読み取り専用コピー
このオプションは、別のデータベースの読み取り専用のポイントインタイムコピーを作成します。
SQL Server に対するデータベーススナップショットの使用を参照してください。
メモ:
自動、差分 (ブロックレベル)、増分 (ブロックレベル) のいずれかのバックアップ方式を使っている場合に、SQL の差分または増分バックアップは仮想環境への変換でのみサポートされます。
さらに、これまでにデータベースで完全バックアップが実行されていない場合に自動またはログのバックアップ方式を選択すると、Backup Exec は完全バックアップを実行します。完全バックアップは、次のいずれかの条件でも実行されます。
新しいデータベースが追加またはリストアされる場合。
Backup Exec が最後の完全バックアップを実行しなかった場合。
完全バックアップの代わりに、データベースに対して完全コピーバックアップおよび増分バックアップのみが実行された場合。
バックアップジョブのバックアップ方式の設定を参照してください。
バックアップ前の一貫性チェック
バックアップ前に実行する一貫性チェックを、次のいずれかから選択します。
なし:
このオプションはバックアップの前に一貫性チェックを実行しません。 バックアップの前または後に、常に一貫性チェックを実行することをお勧めします。
インデックスを含まない完全チェック:
このオプションは一貫性チェックからインデックスを除外します。 インデックスをチェックしないと、一貫性チェックに要する時間を大幅に短縮できますが、チェックの完全度は低下します。
インデックスを含む完全チェック:
このオプションは一貫性チェックにインデックスを含めます。 発生したエラーはログに記録されます。
物理チェックのみ:
このオプションは、オーバーヘッドの少ないデータベースの物理的な一貫性をチェックします。 このオプションはページの物理的構造の一貫性のみをチェックします。デフォルトでは、このオプションが選択されています。
一貫性チェックに失敗した場合もバックアップを続行する
一貫性チェックに失敗した場合もバックアップ処理を続行する場合に選択します。現在の状態のデータベースのバックアップでもデータベースのバックアップが存在しないよりはよいと考えられる場合、または大規模のデータベースで問題は小さく、テーブルにあると考えられる場合には、一貫性チェックに失敗した場合もバックアップを続行することができます。
バックアップ後に実行する一貫性チェックを選択します。 データベーストランザクションは、バックアップの実行前で、一貫性チェックの実行中または実行後に発生することがあるので、バックアップ後に一貫性チェックを実行し、バックアップ時にデータが一貫していたことを確認することを考慮してください。
次のオプションを利用できます。
なし:
このオプションはバックアップ完了後に一貫性チェックを実行しません。 バックアップを実行した後、一貫性チェックを常に行うことをお勧めします。デフォルトでは、このオプションが選択されています。
インデックスを含まない完全チェック:
このオプションは一貫性チェックからインデックスを除外します。 インデックスをチェックしないと、一貫性チェックに要する時間を大幅に短縮できますが、チェックの完全度は低下します。
インデックスを含む完全チェック:
このオプションは一貫性チェックにインデックスを含めます。 発生したエラーはログに記録されます。
物理チェックのみ:
このオプションは、オーバーヘッドの少ないデータベースの物理的な一貫性をチェックします。 このオプションはページの物理的構造の一貫性のみをチェックします。デフォルトでは、このオプションが選択されています。
バックアップでチェックサムを使用する (SQL 2005 以降)
Backup Exec を使用してバックアップされる SQL データベースのデータにチェックサムを追加することを選択します。リストアオプション[検証のみ実行し、データをリストアしない]を使用する場合には、バックアップされるデータにチェックサムを追加する必要があります。このオプションと[検証のみ実行し、データをリストアしない]オプションを使用すると、SQL データベースのリストア時に、SQL の検証済みバックアップをリストアに使用できます。
ディスク上に SQL バックアップのコピーを作成して、データベースが存在する SQL Server に格納する
バックアップする SQL データベースのコピーをディスク上に作成することを選択します。 このオプションを使用すると、SQL データベースをストレージメディアにバックアップすると同時に[保存先パス]オプションで指定したディスクパスにデータベースのコピーが書き込まれます。
このオプションによって、IT 管理者が SQL データベースをバックアップするときに、データベースのコピーがディスク上に作成され、データベース管理者はこれらのコピーをテストやリストアなどに使用できます。
メモ:
このオプションはスナップショットテクノロジをサポートしません。
保存先パス
ディスク上に SQL バックアップのコピーを保存するパスを指定します。
SQL Server 2008 Enterprise Edition のソフトウェア圧縮
このバックアップジョブに使用する圧縮設定を選択します。
なし:
圧縮を使いません。
圧縮:
インストールされている SQL Server インスタンスでサポートされている場合、SQL Server 2008 以降の圧縮を使用します。
SQL は、SQL Server 2008 Enterprise Edition 以降がインストールされているコンピュータのデータを圧縮します。 したがって、SQL 圧縮を使用すると、より高速な SQL Server 2008 以降のバックアップが実行されます。
互換性があるオペレーティングシステム、プラットフォーム、アプリケーションおよびサポートされているサービスパックのリストは、次の URL で参照できます。
https://www.veritas.com/support/ja_JP/article.000017788
Backup Exec 主導のソフトウェア圧縮も使うバックアップジョブでは、SQL Server 2008 以降のソフトウェア圧縮を使わないことをお勧めします。Backup Exec 圧縮を有効にすると、最小限の利点が追加されます。実際、両方の圧縮スキームを使用するジョブでは、バックアップ時間が増加する場合があります。
SQL Server 2008 以降のデータを含むバックアップジョブで Advanced Open File Option を使用する場合、SQL Server 2008 以降のソフトウェア圧縮は使用されません。
メモ:
データを重複排除するバックアップジョブにはこのオプションを使えません。
1 回限りのバックアップで次のいずれかの方式を指定します。
完全 - データベースをバックアップ
このオプションではデータベース全体がバックアップされます。デフォルトでは、このオプションが選択されています。
SQL データベースとトランザクションログのバックアップを参照してください。
完全コピー - データベースをバックアップ (コピー)
このオプションは今後の差分バックアップまたはログバックアップに影響することなくデータベース全体をバックアップします。
完全バックアップ方式とは異なり、完全コピーバックアップ方式では、SQL 差分ベースラインはリセットされません。このベースラインは、最後の完全バックアップ以降に変更されたデータベースブロックを識別するために使用されます。
完全バックアップの作成後に、完全コピーバックアップ方式を使用して、今後の差分バックアップの実行に必要なベースラインバックアップセットに影響することなく SQL データベースのコピーを作成できます。
データベースのスナップショット - 別のデータベースの特定時点の読み取り専用コピー
このオプションは、別のデータベースの読み取り専用のポイントインタイムコピーを作成します。
SQL Server に対するデータベーススナップショットの使用を参照してください。
ログ (切り捨てなし) - トランザクションログを切り捨てずにバックアップ
このオプションでは、データベースが損傷しているか、消失したデータベースファイルがある場合に、データベースがバックアップされます。この[ログを切り捨てない]バックアップ方式ではデータベースにアクセスしないため、データベースがこの状態にあってアクセスできないときでも、トランザクションをバックアップできます。このトランザクションログのバックアップを、データベースバックアップや以前に実行したトランザクションログのバックアップとともに使用して、障害が発生する直前の時点にデータベースをリストアすることができます。ただし、コミットの済んでいないトランザクションはロールバックされます。 [ログを切り捨てない]バックアップ方式では、ログのバックアップ後のコミット済みトランザクションの削除は行われません。
ログ - トランザクションログをバックアップして切り捨てる
このオプションでは、トランザクションログに含まれているデータのみがバックアップされます。データベースのデータはバックアップされません。 トランザクションログのバックアップ後に、コミット済みのトランザクションの削除 (切り捨て) が行われます。
データベースが SQL Server シンプル復旧モデル用に設定されていれば、ログバックアップはサポートされません。復旧モデルを変更するには、復旧モデルをフル (完全) に設定するために SQL 管理ツールを使ってください。 ログバックアップが動作する前に復旧モデルを変更した場合は、新しい完全バックアップを実行する必要があります。
また、完全バックアップのみを実行するか、または SQL データベースの完全バックアップと差分バックアップを実行できます。
警告:
データライフサイクル管理(DLM)は、1 回限りのバックアップジョブで作成されたすべての期限切れバックアップセットを削除します。DLM は、バックアップセットが 1 回限りのバックアップジョブで作成されたものである場合、保持日付の期限が切れた後、最新のバックアップを保持しません。 バックアップセットの自動削除を防止するには、特定のバックアップセットを手動で保持するか、バックアップセットの有効期限を変更することができます。
データライフサイクル管理(DLM)でディスクベースのストレージの期限切れバックアップセットを削除する方法を参照してください。
- [バックアップオプション]ダイアログボックスの左側のペインで、このジョブに設定するオプション設定をクリックします。
- [OK]をクリックします。
- [バックアップ定義のプロパティ]ダイアログボックスで、[OK]をクリックします。
バックアップ定義へのステージの追加を参照してください。
バックアップ定義の編集を参照してください。
バックアップジョブのデフォルト設定の変更を参照してください。