Veritas NetBackup 並列ストリームフレームワーク SDK 開発者ガイド

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Product(s): NetBackup & Alta Data Protection (8.1.2)
  1. NetBackup Parallel Streaming Framework を使用したワークロードの保護
    1.  
      NetBackup Parallel Streaming Framework について
    2.  
      Parallel Streaming Framework SDK について
    3.  
      Parallel Streaming Framework を使用したバックアップ処理
    4.  
      Parallel Streaming Framework を使用したリストア処理
    5.  
      NetBackup Parallel Streaming Framework の用語
  2. NetBackup Parallel Streaming Framework プラグインアーキテクチャ
    1.  
      プラグインの操作
    2.  
      NetBackup Parallel Streaming Framework API アーキテクチャ
    3.  
      サポート対象の NetBackup 機能
  3. NetBackup Parallel Streaming Framework SDK の配備
    1.  
      オペレーティングシステムとプラットフォームの互換性
    2.  
      NetBackup Parallel Streaming Framework SDK のライセンス
    3.  
      NetBackup Parallel Streaming Framework SDK のダウンロード
    4.  
      NetBackup Parallel Streaming Framework SDK のインストール
  4. プラグイン開発の準備
    1.  
      NetBackup 環境の準備
    2. バックアップホストの管理
      1.  
        NetBackup マスターサーバー上の NetBackup クライアントのホワイトリスト
    3.  
      BigData バックアップポリシーの作成
    4.  
      認証機構の処理
    5.  
      NetBackup での作業負荷クレデンシャルの追加
    6.  
      セキュリティの考慮事項
    7.  
      プラグインを利用できるようにするために必要な認証
  5. サンプルプラグインの使用
    1.  
      サンプルプラグインについて
    2.  
      サンプルプラグインの開発
  6. 作業負荷プラグインの開発
    1.  
      プラグインの開発フェーズについて
    2.  
      プラグインの初期化フェーズについて
    3.  
      プラグインの要求フェーズについて
    4.  
      プラグインのアンロードフェーズについて
    5. 作業負荷検出フェーズについて
      1.  
        作業負荷ファイルについて
    6.  
      データバックアップフェーズについて
    7.  
      リストアフェーズについて
    8.  
      リカバリフェーズについて
    9.  
      API の実行時間の管理
    10.  
      開発中のプラグインの検証およびテスト
    11.  
      作業負荷プラグインのパッケージ化
  7. ワークロードプラグインの配備
    1.  
      NetBackup File Checksum Validator ツールを使用したプラグインの検証
    2.  
      バックアップホストへの作業負荷プラグインのインストール
    3.  
      作業負荷向けの NetBackup の構成
    4.  
      作業負荷のバックアップとリストアの実行
  8. NetBackup Parallel Streaming Framework API リファレンス
    1.  
      aapi_close_object
    2.  
      aapi_close_server
    3.  
      aapi_create_object
    4.  
      aapi_delete_object
    5.  
      aapi_discovery
    6.  
      aapi_flush
    7.  
      aapi_get_object_prop
    8.  
      aapi_get_object_prop_byname
    9.  
      aapi_get_server_prop
    10.  
      aapi_get_snappath_from_realpath
    11.  
      aapi_open_object
    12.  
      aapi_open_server
    13.  
      aapi_pgn_claim
    14.  
      aapi_pgn_init
    15.  
      aapi_postprocess
    16.  
      aapi_read_object
    17.  
      aapi_set_object_utimes
    18.  
      aapi_terminate
    19.  
      aapi_write_object
    20.  
      aapi_restore_preprocess
    21.  
      aapi_restore_postprocess
    22.  
      NetBackup Parallel Streaming Framework API の戻り値
  9. ログとトラブルシューティング
    1.  
      プラグインのログの有効化

リカバリフェーズについて

作業負荷プラグインの効率的なリカバリ戦略を、バックアップフェーズから計画する必要があります。リカバリフェーズは、保護対象となる作業負荷によって異なります。たとえば、仮想マシンのリカバリと比較すると、データベースには異なるリカバリ手順が必要です。

次の手順では、データリカバリ処理の概要を示します。

  1. 作業負荷ファイルへのリカバリメタデータの追加

    このサブフェーズでは、リカバリ情報をキャプチャするために、リカバリメタデータが作業負荷ファイルに追加されます。バックアップ処理では、必要な情報をキャプチャし、NetBackup カタログを更新します。

  2. 作業負荷データのリカバリ

    このサブフェーズでは、リストア処理が NetBackup カタログからリカバリのメタデータを読み取り、リカバリ情報に従って作業負荷データをリカバリします。

リカバリフェーズの考慮事項
  • 1 つの親オブジェクトのすべてのメタデータとリカバリファイルを、1 つのバックアップホストを使用してバックアップする必要があります。

  • リストア処理中にリカバリメタデータを変更することはできません。

リカバリフェーズを計画するための NetBackup PSF API

リカバリフェーズでは、次の API を使用します。

表: 作業負荷リカバリ用の API

API

説明

aapi_restore_preprocess

サービスのシャットダウンやデータベースのマウント解除などのリカバリ前のタスクを実行するためのリカバリフェーズで、フレームワークはこの API を呼び出します。

aapi_restore_postprocess

作業負荷データのリカバリを開始するために、フレームワークはこの API を呼び出します。

aapi_set_object_utimes

完全なリカバリ情報を収集して、後処理で使用できるようにするために、フレームワークはこの API を呼び出します。

作業負荷ファイルへのリカバリメタデータの追加

バックアップオブジェクトの検出中に、プラグインは作業負荷ファイルを使用してリカバリメタデータを格納できます。リカバリメタデータは、データリカバリフェーズで取得および使用されます。

メタデータには、バックアップオブジェクトの階層、バックアップ対象の親オブジェクト、すべてのファイルの場所とリスト、および作業負荷データのリカバリに必要な情報が含まれます。ファイルには、リカバリ処理で必要になるすべての物理ファイル、追加のメタデータファイル、またはマニフェストファイルを含めることができます。

  1. 追加のメタデータを収集するために、作業負荷ファイルにプレースホルダを追加します。作業負荷ファイルの追加のメタデータは新しいノードにでき、親オブジェクトと追加のリカバリ項目に関する情報が含まれます。バックアップオブジェクトは、親オブジェクトとメタデータの下に表示できます。

    作業負荷ファイルについてを参照してください。

    たとえば、次に示す作業負荷ファイルのスニペットでは、作業負荷のリカバリのために、作業負荷に実際のバックアップ対象 backup_selection、スナップショットディレクトリ snapshot_dir、メタファイル manifest_file_name、およびスナップショット情報 snapshot_file_name が必要です。

    /backup_selection/
    /backup_selection/recovery_metadata/
    /backup_selection/recovery_metadata/checkpoint
    /backup_selection/recovery_metadata/checkpoint/checkpoint_file_name
    /backup_selection/recovery_metadata/snapshot_dir
    /backup_selection/recovery_metadata/snapshot_dir/manifest_file_name
    /backup_selection/recovery_metadata/snapshot_dir/snapshot_file_name
    /backup_selection/backup_data/
    /backup_selection/backup_data/logs
    /backup_selection/backup_data/logs/log_file_name
    /backup_selection/backup_data/data
    /backup_selection/backup_data/data/database_file_name
    

    メモ:

    この例の作業負荷ファイルには、バックアップ用のデータが含まれています。このバックアップデータは、recovery_metadatabackup_data の各セクションに分離されます。recovery_metadata セクションには、成功したリカバリの情報が含まれ、backup_data セクションには、実際の作業負荷データが含まれています。

  2. リカバリメタデータのセクションが追加されると、作業負荷プラグインでは、作業負荷ファイルをスキャンし、リカバリ関連の必要な情報をキャプチャし、バックアップイメージを準備してバックアップを完了します。

    データバックアップフェーズについてを参照してください。

作業負荷データのリカバリ

作業負荷データのリカバリは、作業負荷ファイルでキャプチャされたリカバリメタデータに基づいたリストアフェーズと、データのリカバリで構成されます。

  1. リストアフェーズでは、フレームワークが aapi_set_object_utimes API を呼び出すと、リストア処理がリカバリメタデータを読み取り、その後データリカバリに必要なすべての情報を収集します。リカバリ情報とリカバリ可能な項目がキャプチャされ、ファイルまたはメモリ内に保持されます。

    リストアフェーズでは、フレームワークが aapi_set_object_utimes API を呼び出すと、リカバリ可能な項目がキャプチャされて、ファイルまたはメモリ内に保持されます。その後、API は、データリカバリに必要なすべての情報を収集します。

    リストアフェーズについてを参照してください。

    たとえば、リカバリメタデータの追加の手順 で指定された作業負荷ファイルのスニペットで、aapi_set_object_utimes の呼び出しはまず /backup_selection/backup_data/data/database_file_name の情報を読み取ります。API は、次に recovery_metadata エントリを検索し、リカバリ可能な対象の /backup_selection/recovery_metadata/、スナップショットディレクトリの snapshot_dir、およびその他の情報を検索します。

  2. フレームワークは aapi_restore_postprocess API を呼び出し、aapi_set_object_utimes の呼び出し後に、リストア済みオブジェクトのリカバリを開始します。リカバリ手順は、保護する作業負荷に基づいています。たとえば、データベースをリカバリしてテーブルとしてマウントしたり、データベースサービスをアクティブにしたりできます。仮想マシンの場合は、リストアされたマシンを Hypervisor または VMware に登録するように指示できます。