NetBackup™ コマンドリファレンスガイド
- 概要
- 付録 A. NetBackup コマンド
名前
tpreq — テープボリュームのマウントの要求およびドライブへのファイル名の割り当て
概要
tpreq -m media_id [-a accessmode] [-d density] [-p poolname] [-priority number] [-f] filename
On UNIX systems, the directory path to this command is /usr/openv/volmgr/bin/
On Windows systems, the directory path to this command is install_path\Volmgr\bin\
説明
このコマンドを実行すると、リムーバブルメディアデバイスへのテープボリュームのマウント要求が開始されます。このコマンドで指定した情報に基づいて、指定したファイルが識別され、そのファイルがマウント要求の論理識別子として Media Manager に登録されます。また、この情報によりボリュームへのアクセスが管理されます。
メディアがロボットドライブ内に存在する場合、Media Manager によって自動的にそのメディアがマウントされます。自動的にマウントされない場合、オペレータからのマウント要求はデバイスモニターウィンドウに表示されます。オペレータの介入が必要な場合、ロボットドライブに対するマウント要求に対しては、通常、tpreq が完了されません。これらの要求も、デバイスモニターウィンドウに表示されます。
操作が完了したら、tpunmount を実行して、ボリュームのマウントを解除し、ファイルが作成されたディレクトリからそのファイル名を削除します。
UNIX システムでは、メディアが事前選択したドライブに正常に配置された直後に tpreq はスクリプト drive_mount_notify を呼び出します。このスクリプトを実行すると、その時点でユーザーが特定の処理を実行できるようになります。その後、tpreq に制御が戻され、処理が再開されます。このスクリプトは、ロボット内に存在するドライブの tpreq コマンドからのみ呼び出すことができ、スタンドアロンドライブには無効です。このスクリプトは、/usr/openv/volmgr/bin/goodies ディレクトリに存在します。このスクリプトを使用するには、スクリプトを有効にして /usr/openv/volmgr/bin ディレクトリにコピーします。使用方法はスクリプト内に記載されています。
このコマンドを実行するには、管理者権限が必要です。
オプション
- -m media_id
このオプションでは、マウントするボリュームのメディア ID を指定します。この ID は、大文字でも小文字でも入力でき、Media Manager によって大文字に変換されます。
- -a accessmode
このオプションでは、ボリュームのアクセスモードを指定します。有効なアクセスモードは、w および r です。アクセスモードを w (書き込み) に指定する場合、メディアは書き込み可能な状態でマウントされる必要があります。デフォルトは r (読み取り) です。これは、メディアが書き込み禁止状態であることを意味します。
- -d density
このオプションでは、ドライブの密度を指定します。このオプションによって、テープボリュームがマウントされるドライブ形式が決定されます。デフォルトの密度は dlt です。
NetBackup Enterprise Server で有効な密度は次のとおりです。
dlt (DLT カートリッジ)、dlt2 (DLT カートリッジ 2)、dlt3 (DLT カートリッジ 3)、hcart (1/2 インチカートリッジ)、hcart2 (1/2 インチカートリッジ 2)、hcart3 (1/2 インチカートリッジ 3)。
次の説明は、NetBackup Enterprise Server だけに適用されます。
1/2 インチカートリッジ密度 (hcart、hcart2、hcart3) を使用して、サポートされるすべての 1/2 インチドライブ形式を区別できます。ただし、テープ要求は、関連付けられたメディア形式のドライブだけに割り当てることができます。たとえば、メディア形式 HCART2 を含むメディア ID を指定する、密度が hcart2 のテープ要求は、hcart2 ドライブに割り当てられます。同様に、メディア形式 HCART を含むメディア ID を指定する、密度が hcart のテープ要求は、hcart ドライブに割り当てられます。同じ規則が DLT 密度 (dlt、dlt2 および dlt3) に適用されます。
NetBackup サーバーで有効な密度は次のとおりです。
dlt (DLT カートリッジ)、hcart (1/2 インチカートリッジ)。
マウント要求は、その密度を満たすドライブ形式上で実行される必要があります。
- -p poolname
このオプションでは、ボリュームが存在するボリュームプールを指定します。poolname では、大文字と小文字が区別されます。デフォルトは None です。
- -priority number
デフォルトのジョブの優先度を上書きするジョブの新しい優先度を指定します。
- -f filename
このオプションでは、ボリュームに関連付けられるファイルを指定します。このファイル名は、ボリュームがマウントされているドライブへのシンボリックリンクを表します。
ファイル名には、1 つの名前またはフルパスを指定できます。ファイル名だけを指定した場合、現行の作業ディレクトリ内にファイルが作成されます。パスを指定した場合、そのパスで指定したディレクトリ内にファイルが作成されます。filename には、既存のファイルを指定できません。
tpreq コマンドが正常に実行された場合、指定した名前のファイルが Media Manager によって作成されます。このファイルには、メディアがマウントされているテープデバイスの名前が表示されます。このファイルは削除しないでください。tpunmount コマンドを実行して、このファイルを削除します。
必要に応じて、filename の前に -f を指定することもできます。
例
メディア ID が JLR01 のボリュームを含むドライブにファイルをリンクする、現在の作業ディレクトリに tape1 という名前のファイルを作成します。テープファイルのアクセスモードは書き込み用に設定され、1/2 インチカートリッジドライブが割り当てられます。
# tpreq -f tape1 -m jlr01 -a w -d hcart
関連項目
tpunmount(1)を参照してください。