Symantec NetBackup™ コマンドリファレンスガイド

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Product(s): NetBackup (8.1)
  1. 概要
    1.  
      NetBackup コマンドについて
    2.  
      複数階層のメニューの操作
    3.  
      NetBackup のコマンドの表記規則
    4.  
      NetBackup Media Manager コマンドの注意事項
  2. 付録 A. NetBackup コマンド
    1.  
      acsd
    2.  
      add_media_server_on_clients
    3.  
      backupdbtrace
    4.  
      backuptrace
    5.  
      bmrc
    6.  
      bmrconfig
    7.  
      bmrepadm
    8.  
      bmrprep
    9.  
      bmrs
    10.  
      bmrsrtadm
    11.  
      bp
    12.  
      bparchive
    13.  
      bpbackup
    14.  
      bpbackupdb
    15.  
      bpcatarc
    16.  
      bpcatlist
    17.  
      bpcatres
    18.  
      bpcatrm
    19.  
      bpcd
    20.  
      bpchangeprimary
    21.  
      bpclient
    22.  
      bpclimagelist
    23.  
      bpclntcmd
    24.  
      bpclusterutil
    25.  
      bpcompatd
    26.  
      bpconfig
    27.  
      bpdbjobs
    28.  
      bpdbm
    29.  
      bpdgclone
    30.  
      bpdown
    31.  
      bpduplicate
    32.  
      bperror
    33.  
      bpexpdate
    34.  
      bpfis
    35.  
      bpflist
    36.  
      bpgetconfig
    37.  
      bpgetdebuglog
    38.  
      bpimage
    39.  
      bpimagelist
    40.  
      bpimmedia
    41.  
      bpimport
    42.  
      bpinst
    43.  
      bpkeyfile
    44.  
      bpkeyutil
    45.  
      bplabel
    46.  
      bplist
    47.  
      bpmedia
    48.  
      bpmedialist
    49.  
      bpminlicense
    50.  
      bpnbat
    51.  
      bpnbaz
    52.  
      bppficorr
    53.  
      bpplcatdrinfo
    54.  
      bpplclients
    55.  
      bppldelete
    56.  
      bpplinclude
    57.  
      bpplinfo
    58.  
      bppllist
    59.  
      bpplsched
    60.  
      bpplschedrep
    61.  
      bppolicynew
    62.  
      bpps
    63.  
      bprd
    64.  
      bprecover
    65.  
      bprestore
    66.  
      bpretlevel
    67.  
      bpschedule
    68.  
      bpschedulerep
    69.  
      bpsetconfig
    70.  
      bpstsinfo
    71.  
      bpstuadd
    72.  
      bpstudel
    73.  
      bpstulist
    74.  
      bpsturep
    75.  
      bptestbpcd
    76.  
      bptestnetconn
    77.  
      bptpcinfo
    78.  
      bpup
    79.  
      bpverify
    80.  
      cat_convert
    81.  
      cat_export
    82.  
      cat_import
    83.  
      configurePorts
    84.  
      create_nbdb
    85.  
      duplicatetrace
    86.  
      importtrace
    87.  
      jbpSA
    88.  
      jnbSA
    89.  
      ltid
    90.  
      mklogdir
    91.  
      nbauditreport
    92.  
      nbcatsync
    93.  
      NBCC
    94.  
      NBCCR
    95.  
      nbcertcmd
    96.  
      nbcertupdater
    97.  
      nbcomponentupdate
    98.  
      nbcplogs
    99.  
      nbdb_admin
    100.  
      nbdb_backup
    101.  
      nbdb_move
    102.  
      nbdb_ping
    103.  
      nbdb_restore
    104.  
      nbdb_unload
    105.  
      nbdbms_start_server
    106.  
      nbdbms_start_stop
    107.  
      nbdc
    108.  
      nbdecommission
    109.  
      nbdelete
    110.  
      nbdeployutil
    111.  
      nbdevconfig
    112.  
      nbdevquery
    113.  
      nbdiscover
    114.  
      nbdna
    115.  
      nbemm
    116.  
      nbemmcmd
    117.  
      nbexecute
    118.  
      nbfindfile
    119.  
      nbfirescan
    120.  
      nbftadm
    121.  
      nbftconfig
    122.  
      nbgetconfig
    123.  
      nbhba
    124.  
      nbholdutil
    125.  
      nbhypervtool
    126.  
      nbjm
    127.  
      nbkmsutil
    128.  
      nboraadm
    129.  
      nbpem
    130.  
      nbpemreq
    131.  
      nbperfchk
    132.  
      nbplupgrade
    133.  
      nbrb
    134.  
      nbrbutil
    135.  
      nbregopsc
    136.  
      nbreplicate
    137.  
      nbrestorevm
    138.  
      nbseccmd
    139.  
      nbsetconfig
    140.  
      nbsnapimport
    141.  
      nbsnapreplicate
    142.  
      nbsqladm
    143.  
      nbstl
    144.  
      nbstlutil
    145.  
      nbsu
    146.  
      nbsvrgrp
    147.  
      resilient_clients
    148.  
      restoretrace
    149.  
      stopltid
    150.  
      tl4d
    151.  
      tl8d
    152.  
      tl8cd
    153.  
      tldd
    154.  
      tldcd
    155.  
      tlhd
    156.  
      tlhcd
    157.  
      tlmd
    158.  
      tpautoconf
    159.  
      tpclean
    160.  
      tpconfig
    161.  
      tpext
    162.  
      tpreq
    163.  
      tpunmount
    164.  
      verifytrace
    165.  
      vltadm
    166.  
      vltcontainers
    167.  
      vlteject
    168.  
      vltinject
    169.  
      vltoffsitemedia
    170.  
      vltopmenu
    171.  
      vltrun
    172.  
      vmadd
    173.  
      vmadm
    174.  
      vmchange
    175.  
      vmcheckxxx
    176.  
      vmd
    177.  
      vmdelete
    178.  
      vmoprcmd
    179.  
      vmphyinv
    180.  
      vmpool
    181.  
      vmquery
    182.  
      vmrule
    183.  
      vmupdate
    184.  
      vnetd
    185.  
      vxlogcfg
    186.  
      vxlogmgr
    187.  
      vxlogview
    188.  
      W2KOption

名前

bpinst — NetBackup レガシー暗号化の構成

概要

bpinst -LEGACY_CRYPT [-crypt_option option] [-crypt_strength strength] [-passphrase_prompt |-passphrase_stdin] [-verbose] [ [-policy_encrypt 0 | 1] -policy_names] name1 [name2 ... nameN]

 

UNIX システムでは、このコマンドへのディレクトリパスは /usr/openv/netbackup/bin/ です。

Windows システムでは、このコマンドへのディレクトリパスは install_path\NetBackup\bin\ です。

説明

NetBackup Encryption は、バックアップおよびアーカイブのファイルレベルでの暗号化を提供します。

-LEGACY_CRYPT: レガシー暗号化方式。以前に使用していた暗号化の強度 (40 ビット DES および 56 ビット DES) を選択できます。

-LEGACY_CRYPT オプションを指定して bpinst コマンドを実行すると、暗号化をサポートできる NetBackup クライアントにレガシーの NetBackup Encryption が構成されます。マスターサーバーのホスト上にインストールされたクライアントに対して、暗号化を構成することもできます。

マスターサーバーで bpinst -LEGACY_CRYPT を起動して、クライアントに NetBackup Encryption を構成します。1 回の起動で、クライアントおよびマスターサーバーの両方で必要な構成の変更が行われます。

メモ:

クライアントで、NetBackup 構成オプションが DISALLOW_SERVER_FILE_WRITES に設定されていないことを確認してください。このオプションを設定すると、サーバーはクライアントにソフトウェアを構成することができません。

オプション

-LEGACY_CRYPT

このオプションは、40 ビットまたは 56 ビットの DES 暗号化を使用する場合に必要です。DES 暗号化を構成するには、このオプションを最初に指定して bpinst のコマンドを使用します。指定する順序は重要です。このオプションは省略できません。

-crypt_option option

このオプションを指定すると、NetBackup クライアントで、CRYPT_OPTION 構成エントリが構成されます。-crypt_option を指定しない場合、クライアントでは暗号化されたバックアップまたは暗号化されないバックアップのいずれかが許可されます (ALLOWED を参照)。

option に指定可能な値は、次のとおりです。

DENIED | denied | -1

クライアントが暗号化されたバックアップを許可しないように設定します。サーバーが暗号化されたバックアップを要求すると、エラーであると判断されます。このオプションは、暗号化用に構成されていないクライアントのデフォルトです。

ALLOWED | allowed | 0

クライアントが、暗号化されたバックアップまたは暗号化されていないバックアップを許可するように設定します。ALLOWED は、デフォルトの条件です。

REQUIRED | required | 1

クライアントが暗号化されたバックアップを要求するように設定します。サーバーが暗号化されないバックアップを要求すると、エラーであると判断されます。

-crypt_strength strength

このオプションを指定すると、NetBackup クライアントで、CRYPT_STRENGTH 構成エントリが構成されます。このオプションを指定しない場合、クライアントの CRYPT_STRENGTH 構成エントリは変更されないままです。

strength に指定可能な値は、次のとおりです。

DES_40 | des_40 | 40

40 ビット DES 暗号化を指定します。この値は、暗号化用に構成されていないクライアントのデフォルトです。

DES_56 | des_56 | 56

56 ビット DES 暗号化を指定します。

-passphrase_prompt | -passphrase_stdin

メモ:

パスフレーズを控えておくようにしてください。鍵ファイルが破損または消失した場合、鍵ファイルを再生成するためにパスフレーズが必要になります。正しい鍵ファイルがないと、暗号化されたバックアップをリストアすることはできません。

NetBackup では、パスフレーズを使用して各クライアントの鍵ファイルに格納するデータを作成します。NetBackup では、鍵ファイルのデータを使用して、バックアップデータの暗号化および復号化に必要な暗号化鍵を作成します。このオプションは、-LEGACY_CRYPT オプションだけに適用されます。

-passphrase_prompt オプションでは、パスフレーズを入力するプロンプトが表示されます。パスフレーズを入力しても、実際のパスフレーズは表示されません。

-passphrase_stdin オプションは、標準入力でパスフレーズを読み込みます。パスフレーズは 2 回入力する必要があります。これは、パスフレーズが表示されてしまうため、-passphrase_prompt オプションよりセキュリティの低いオプションです。ただし、シェルスクリプトで bpinst -LEGACY_CRYPT を実行する場合よりも便利な場合があります。

NetBackup では、bpinst -LEGACY_CRYPT コマンドで指定するすべてのクライアントに対してパスフレーズを使用します。クライアントごとにパスフレーズを区切る場合は、クライアントごとに個別の bpinst -LEGACY_CRYPT コマンドを入力します。

パスフレーズを指定すると、bpinst -LEGACY_CRYPT によってクライアントで鍵ファイルが作成または更新されます。パスフレーズから生成された暗号化鍵は、後続のバックアップに使用されます。古い暗号化鍵は、以前のバックアップをリストアするために鍵ファイルに保存されます。

-passphrase_prompt または -passphrase_stdin オプションのいずれかを指定しないと、クライアントの鍵ファイルは変更されないままです。

-verbose

このオプションを指定すると、各クライアントの現在の暗号化構成および各クライアントでのインストールおよび再構成の情報が出力されます。

-policy_encrypt 0 | 1

このオプションでは、NetBackup ポリシーに暗号化ポリシー属性を設定します。-policy_names オプションを指定した場合だけ -policy_encrypt を指定できます。指定可能な値は、次のとおりです。

0: 暗号化属性の設定を解除 (または設定されていない状態のままに) し、サーバーが、このポリシーのクライアントに暗号化を要求しないようにします。この設定は、暗号化用に構成されていないポリシーのデフォルトです。

1: 暗号化属性を設定し、サーバーがこのポリシーのクライアントに暗号化を要求するようにします。

このオプションを指定しないと、ポリシーの暗号化属性は変更されないままです。

-policy_names

このオプションでは、NetBackup ポリシー名を指定します。

-policy_names オプションを指定すると、bpinst -LEGACY_CRYPT によって、指定した各ポリシーのすべてのクライアントが構成されます。-policy_names オプションを省略すると、名前は NetBackup クライアント名であると判断されます。

name1 [name2 ... nameN]

1 つ以上の NetBackup クライアントまたはポリシー名を指定します。どちらを指定したかということは、-policy_names オプションの指定の有無によって異なります。-policy_names オプションを省略すると、名前は NetBackup クライアント名であると判断されます。

注意事項

次の注意事項は、-LEGACY_CRYPT オプションに適用されます。

  • NetBackup をクラスタ環境で実行している場合、クライアントへの構成データのプッシュインストールを実行できるのは、アクティブノードからだけです。

  • クラスタ内にあるクライアントに構成をプッシュインストールする場合は、クライアントリストに仮想名ではなく個々のノードのホスト名を指定します。

  • クライアントからの暗号化されたファイルのリストアが終了したら、作成された鍵ファイルの削除またはファイル名の変更を行います。元の鍵ファイルを元の場所または元の名前に戻します。鍵ファイルを元の場所または元の名前に戻さないと、暗号化されたバックアップをリストアできない場合があります。

  • bpinst -LEGACY_CRYPT によってネットワーク経由でクライアントに送信されるパスフレーズは、個別に定義された NetBackup 40 ビット DES 鍵によって暗号化されます。

  • 各 NetBackup クライアントの鍵ファイルは、個別に定義された NetBackup DES 鍵で暗号化されます。鍵が 40 ビットか 56 ビットかは、クライアントの構成方法によって異なります。鍵ファイルへのアクセスは、クライアントコンピュータの管理者だけに制限します。UNIX クライアントの場合、鍵ファイルの所有者が root ユーザー、アクセス権モード設定が 600 となる必要があります。鍵ファイルを NFS を介してエクスポートすることはできません。

  • クラスタ内のすべてのノードで同じ鍵ファイルを使用する必要があります。

  • パスフレーズを控えておいてください。ディザスタリカバリが必要な場合、bpinst -LEGACY_CRYPT を実行してクライアント上で鍵ファイルを再作成することが必要となる場合があります。たとえば、orca という名前の NetBackup クライアントが暗号化されたバックアップの実行中に、orca のファイルが消失する障害が発生したとします。このような場合、バックアップをリストアするために、クライアントの暗号化を再インストールおよび構成する必要があります。

オペレーティングシステムと NetBackup をリストアする方法について詳しくは、『NetBackup トラブルシューティングガイド』を参照してください。

暗号化を使用する場合にディザスタリカバリを提供する方法 (orbit という名前のクライアント)

  1. orbit のオペレーティングシステムを再インストールします。
  2. orbit の NetBackup クライアントソフトウェアを再インストールおよび構成します。
  3. 次のコマンドを使用して、orbit の暗号化を再インストールし、構成します。
    # bpinst -LEGACY_CRYPT -crypt_option allowed
  4. 次のコマンドを使用して、パスフレーズを作成するために bpinst -LEGACY_CRYPT を起動します。
    # bpinst -LEGACY_CRYPT -passphrase_prompt orbit
    Enter new NetBackup pass phrase: *********************
    Re-enter new NetBackup pass phrase: *********************

    orbit で使用するパスフレーズを入力します。

  5. 次のように入力して、orbit で使用される後続の各パスフレーズに、bpinst -LEGACY_CRYPT を起動します。
    # bpinst -LEGACY_CRYPT -passphrase_prompt orbit
    Enter new NetBackup pass phrase: *********************
    Re-enter new NetBackup pass phrase: *********************
  6. バックアップファイルを orbit にリストアします。

例 1 - policy40 という名前のポリシーの UNIX クライアントに 1 行の 40 ビット DES 暗号化が構成されます。

# bpinst -LEGACY_CRYPT -crypt_option allowed -crypt_strength des_40 
-policy_encrypt 1 -policy_names policy40

-policy_encrypt オプションを使用して、ポリシーに暗号化属性を設定します。NetBackup 管理ユーティリティを使用して、暗号化属性を設定することもできます。

例 2 - -passphrase_prompt オプションを使用して、policy40 という名前のポリシーに含まれるすべてのクライアントのパスフレーズが作成されます。

# bpinst -LEGACY_CRYPT -passphrase_prompt -policy_names policy40
Enter new NetBackup pass phrase: *********************
Re-enter new NetBackup pass phrase: *********************

例 3 - strong という名前の NetBackup クライアントで 56 ビット DES 暗号化を使用する必要があることがすべて 1 行で指定されます。

# bpinst -LEGACY_CRYPT -crypt_option required -crypt_strength des_56 
strong

例 4 - strong という名前のクライアントの構成が一覧表示されます。

# bpinst -LEGACY_CRYPT -verbose strong

BPCD protocol version 8.0.0 on client strong
40-bit library version is 3.1.0.40 on client strong
56-bit library version is 3.1.0.56 on client strong
BPCD platform is redhat for client strong
Current configuration entries are:
CRYPT_KEYFILE = /usr/openv/netbackup/keyfile
CRYPT_LIBPATH = /usr/openv/lib
CRYPT_OPTION = required
CRYPT_STRENGTH = des-56
V_PATH_SHARE = /usr/openv/share
No update of NetBackup configuration required for client strong
No update of NetBackup pass phrase required for client strong

ファイル

次は UNIX システムで使われるファイルです。

  • UNIX サーバーのコマンド

    /usr/openv/netbackup/bin/bpinst
  • UNIX クライアントの 40 ビット DES および 56 ビット DES の暗号化ライブラリ

    /usr/openv/lib/libvdes*.*
  • UNIX クライアントの 40 ビット DES および 56 ビット DES の暗号化鍵ファイル

    /usr/openv/netbackup/keyfile
  • UNIX クライアントの 40 ビット DES および 56 ビット DES の暗号化鍵ファイルユーティリティ

    /usr/openv/netbackup/bin/bpkeyfile
  • UNIX クライアントの 128 ビットおよび 256 ビット OpenSSL 暗号の暗号化鍵ファイルユーティリティ

    /usr/openv/netbackup/bin/bpkeyutil
    /usr/openv/share/ciphers.txt

次は Windows システムで使われるファイルです。

  • Windows サーバーコマンド

    install_path\NetBackup\bin\bpinst.exe
  • Windows クライアントの暗号化鍵ファイル

    install_path\NetBackup\var\keyfile.dat
  • Windows クライアントの暗号化ライブラリ

    install_path\bin\libvdes*.dll
  • Windows クライアントの暗号化鍵ファイルユーティリティ

    install_path\bin\bpkeyfile.exe
    install_path\share\ciphers.txt