NetBackup™ for Microsoft Exchange Server 管理者ガイド

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Product(s): NetBackup (10.0)
  1. NetBackup for Exchange の概要
    1.  
      NetBackup for Exchange について
    2.  
      NetBackup for Exchange の機能
    3.  
      NetBackup for Exchange 用語
  2. NetBackup for Exchange のインストール
    1.  
      NetBackup for Exchange のインストールの計画
    2.  
      オペレーティングシステムおよびプラットフォームの互換性の確認
    3.  
      NetBackup for Exchange のための NetBackup サーバー要件
    4.  
      NetBackup for Exchange のための NetBackup クライアント要件
    5.  
      NetBackup for Exchange の Exchange Server ソフトウェア要件
    6. Exchange スナップショットバックアップの Snapshot Client 構成とライセンス要件
      1.  
        Exchange オフホストバックアップの要件
      2.  
        Exchange インスタントリカバリバックアップの要件
    7.  
      vSphere 用の Veritas VSS プロバイダのインストール
    8.  
      NetBackup for Exchange のライセンスについて
  3. Exchange クライアントのホストプロパティの構成
    1.  
      Exchange クライアントのホストプロパティの構成
    2.  
      [Exchange]プロパティ
    3.  
      スナップショットバックアップによるすべての Exchange トランザクションログファイルまたはコミットされていない Exchange トランザクションログファイルのみのバックアップについて
    4.  
      Exchange 個別プロキシホストの構成
    5.  
      インスタントリカバリバックアップでの Exchange トランザクションログの切り捨てについて
    6.  
      ストレージユニットに対するバックアップの実行による Exchange トランザクションログの切り捨て
    7.  
      Exchange バックアップでの一貫性チェックオプションについて
    8.  
      クライアントのホストプロパティにおける Exchange クレデンシャルについて
  4. NetBackup for Exchange 操作のアカウントの構成
    1.  
      NetBackup Exchange 操作のアカウントの構成について
    2.  
      NetBackup および Microsoft Web サービスについて
    3.  
      EWS アクセス用の特権付き NetBackup ユーザーアカウントの作成
    4.  
      Exchange 用の最小の NetBackup アカウントの作成
    5.  
      「プロセスレベルトークンの置き換え」の権限を使用した NetBackup Exchange 操作のアカウントの構成について
  5. Exchange ホストの構成
    1.  
      分散アプリケーション、クラスタ、または仮想マシンのリストアマッピングの設定
    2.  
      ホスト管理での自動検出されたマッピングの確認
  6. Exchange 個別リカバリの構成
    1. Exchange のバックアップと個別リカバリテクノロジ (GRT) について
      1.  
        メールボックスの検出と個別リカバリテクノロジ (GRT) について
      2.  
        Exchange 個別リストア用クライアントと非 VMware バックアップ
      3.  
        Exchange 個別リストア用クライアントと VMware バックアップ
      4.  
        Exchange の個別操作および NetBackup メディアサーバー
    2.  
      個別リカバリテクノロジ (GRT) を使う Exchange バックアップの構成 (非 VMware バックアップ)
    3. Exchange 個別リカバリテクノロジ用 Network File System (NFS) のインストールおよび構成
      1. Network File System (NFS) 用サービスの構成について
        1.  
          メディアサーバーでの Network File System (NFS) 用サービスの有効化
        2.  
          クライアントでの Network File System (NFS) 用サービスの有効化
      2.  
        Server for NFS の無効化
      3.  
        メディアサーバーでの Client for NFS の無効化
      4.  
        個別リカバリテクノロジ (GRT) を使用するバックアップおよびリストアのための UNIX メディアサーバーおよび Windows クライアントの構成
      5.  
        NBFSD 用の個別のネットワークポートの構成
    4.  
      Exchange 個別リカバリテクノロジ (GRT) でサポートされるディスクストレージユニット
    5.  
      個別リカバリテクノロジ (GRT) を使用する Exchange バックアップの複製に対するカタログ化の無効化
    6.  
      個別リカバリテクノロジ (GRT) を使う Exchange バックアップまたは VMware バックアップのカタログ化
    7.  
      NetBackup Client Service のログオンアカウントの構成
  7. Exchange のバックアップポリシーの構成 (非 VMware)
    1.  
      Exchange 自動、ユーザー主導型、および手動バックアップについて
    2. Exchange Server のバックアップポリシーの構成について
      1.  
        Exchange Server のポリシーに関する推奨事項
      2.  
        ポリシー属性について
      3. NetBackup for Exchange ポリシーへのスケジュールの追加
        1.  
          NetBackup for Exchange バックアップ形式
        2.  
          スケジュールプロパティについて
      4.  
        NetBackup for Exchange ポリシーへのクライアントの追加
      5.  
        クライアントリストの物理ノード名の使用
      6. Exchange ポリシーへのバックアップ対象の追加
        1.  
          参照による[バックアップ対象 (Backup Selections)]リストへのエントリの追加
        2.  
          [バックアップ対象 (Backup Selections)]リストへのエントリの手動での追加
        3.  
          複数データストリームを使用する Exchange バックアップの実行
        4.  
          Exchange データベース可用性グループ (DAG) での複数データストリームの使用
        5.  
          Exchange の[バックアップ対象 (Backup Selections)]リストでのワイルドカードの使用
        6.  
          バックアップからの Exchange 項目の除外について
        7.  
          Exchange クライアントの除外リストの構成
      7.  
        Exchange のバックアップとトランザクションログについて
    3. Exchange Server のスナップショットバックアップの構成について
      1.  
        Exchange Server でのスナップショットバックアップについて
      2.  
        Exchange スナップショット操作の制限事項
      3.  
        スナップショット操作を実行する場合の Exchange Server の構成に関する要件と推奨事項
      4.  
        Exchange スナップショットバックアップの一貫性チェック
      5. Exchange Server のスナップショットポリシーの構成
        1.  
          Exchange Server のバックアップのスナップショットオプション
        2.  
          データベース可用性 (DAG) バックアップのバックアップソース
        3.  
          データベース可用性グループ (DAG) の優先サーバーリストの構成
        4.  
          Exchange データベース可用性グループ (DAG) のバックアップ状態と優先サーバーリスト
    4. Exchange Server のインスタントリカバリバックアップの構成について
      1.  
        Exchange インスタントリカバリ方式について
      2.  
        Exchange インスタントリカバリに関するポリシーの推奨事項
      3.  
        Storage Foundations for Windows (SFW) と Exchange インスタントリカバリについて
      4.  
        インスタントリカバリを使用する場合の Exchange Server の構成要件
      5.  
        Microsoft VSS プロバイダによる Exchange インスタントリカバリ
      6. インスタントリカバリが設定された Exchange スナップショットポリシーの構成
        1.  
          Exchange インスタントリカバリのスケジュールの追加
        2.  
          Exchange インスタントリカバリポリシーのスケジュール設定
        3.  
          Exchange インスタントリカバリボリュームのローテーション
        4.  
          インスタントリカバリを設定した Exchange ポリシーへのバックアップ対象の追加
    5.  
      手動バックアップの実行
  8. Exchange Server、メールボックス、パブリックフォルダのバックアップの実行
    1.  
      Exchange Server データのユーザー主導バックアップについて
    2.  
      Exchange Server バックアップ操作のソースクライアントの選択について
    3.  
      ユーザー主導 Exchange バックアップのオプション
    4.  
      Exchange Server のユーザー主導スナップショットバックアップの実行
  9. Exchange Server、メールボックス、パブリックフォルダのリストアの実行
    1.  
      Exchange Server 主導リストアとリダイレクトリストアについて
    2.  
      Exchange リストア操作の宛先クライアントの選択について
    3.  
      Exchange データベースデータのリストアについて
    4.  
      既存の Exchange Server トランザクションログ
    5. Exchange スナップショットバックアップのリストアについて
      1.  
        Exchange スナップショットのリストアオプション
      2.  
        データベース可用性グループ (DAG) のスナップショットリストアの実行
      3.  
        Exchange スタンドアロンサーバーのスナップショットリストアの実行
      4.  
        別のデータベースまたはリカバリデータベース (RDB) へのデータベース可用性グループ (DAG) スナップショットバックアップのリダイレクト
      5.  
        別のデータベースまたはリカバリデータベース (RDB) への Exchange スタンドアロンサーバースナップショットバックアップのリダイレクト
      6.  
        リストア後の Exchange データベースの手動でのマウント
    6. 個々の Exchange メールボックスおよび共有フォルダの項目のリストアについて
      1.  
        Exchange メールボックスフォルダおよびメッセージの件名の特殊文字
      2.  
        Exchange の個々のメールボックス、メールボックスフォルダ、パブリックフォルダまたはメッセージのリストアを実行するための前提条件および操作上の注意事項
      3.  
        Exchange Server メールボックスオブジェクトまたは共有フォルダオブジェクトのリストアのオプション
      4.  
        Exchange メールボックスまたは共有フォルダのオブジェクトのリストア
      5. Exchange メールボックスまたは共有フォルダのオブジェクトの代替パスへのリダイレクトリストア
        1.  
          Exchange メールボックスまたはパブリックフォルダのオブジェクトの代替パスへのリダイレクトリストアの要件
        2.  
          Exchange メールボックス、メールボックスフォルダまたはパブリックフォルダのリダイレクトリストア
        3.  
          Exchange フォルダ、メッセージ、またはドキュメントの代替パスへのリダイレクトリストア
      6.  
        コマンドラインを使用した Exchange 個別バックアップイメージの参照またはリストア
  10. VMware バックアップを使用した Exchange Server データの保護について
    1. VMware バックアップを使用したアプリケーションデータベースの保護について
      1.  
        VMware アプリケーションバックアップの制限事項
    2. Exchange Server を保護する VMware バックアップの構成について
      1.  
        Exchange を保護する VMware バックアップを使用した個別リカバリテクノロジ (GRT) の構成
      2.  
        Exchange Server を保護する VMware バックアップポリシーの構成
    3. Replication Director を使用した Exchange Server を保護する VMware バックアップの構成について
      1.  
        Replication Director を使用する VMware アプリケーションバックアップの個別リカバリの構成
      2.  
        Replication Director を使用する VMware アプリケーションバックアップの構成
      3.  
        NetApp ディスクアレイ上の共有 CIFS へのアクセスを使用した NetBackup の構成
    4.  
      VMware バックアップからの Exchange データのリストアについて
    5.  
      VMware バックアップでの Exchange データベースのパッシブコピーの保護の有効化
  11. Exchange Server のバックアップとリストアのトラブルシューティング
    1. NetBackup for Exchange デバッグログ
      1.  
        NetBackup for Exchange クライアントのデバッグログの自動的な有効化
      2.  
        NetBackup for Exchange のバックアップ操作のデバッグログ
      3.  
        NetBackup for Exchange のリストア操作のデバッグログ
      4.  
        Veritas VSS プロバイダのログ
      5.  
        NetBackup for Exchange Windows クライアントのデバッグレベルの設定
    2. オフホスト Exchange サーバーでのイベントビューアログの表示
      1.  
        イベントビューア内からリモート Exchange サーバーへの接続
      2.  
        リモートサーバーへの Exchange システム管理ツールのインストール
    3. NetBackup の状態レポート
      1.  
        NetBackup for Exchange 操作の進捗レポートの表示
    4. Exchange リストア操作のトラブルシューティング
      1.  
        異なる Exchange サービスパックまたは異なる累積更新プログラムのレベルへのリストア
    5.  
      Exchange Server のトランザクションログの切り捨てエラー
    6.  
      Exchange のバックアップとリストアのパスの長さ制限の動的エンフォースメント
    7.  
      Exchange スナップショット操作のトラブルシューティング
    8.  
      個別リカバリテクノロジ (GRT) を使用する Exchange ジョブのトラブルシューティング
    9.  
      メモリ使用率の増加
    10. DAG のバックアップとリストアのトラブルシューティング
      1.  
        データベース可用性グループ (DAG) の現在のホストサーバーの検出
      2.  
        データベース可用性グループ (DAG) のバックアップ状態の表示およびリセット
    11.  
      VMware のバックアップに関するトラブルシューティング

NetBackup for Exchange バックアップ形式

このトピックは Exchange Server のバックアップに対してスケジュールできるバックアップ形式を記述します。

表: NetBackup for Exchange バックアップ形式

バックアップ形式

説明

完全バックアップ

このスケジュール形式では、Exchange Server データベースと、それに関連付けられたトランザクションログがバックアップされます。バックアップに成功したことが NetBackup によって通知されると、Exchange はすべてのコミットされたトランザクションログを切り捨てます。レプリケートされた環境では、切り捨てはスケジュールされ、すぐには行われません。

デフォルトでは、トランザクションログはインスタントリカバリバックアップの場合に切り捨てられません。この形式のバックアップでログの切り捨てを有効にするか、ストレージユニットに対してバックアップを実行できます。

インスタントリカバリバックアップでの Exchange トランザクションログの切り捨てについてを参照してください。

ストレージユニットに対するバックアップの実行による Exchange トランザクションログの切り捨てを参照してください。

差分増分バックアップ

最後の完全または差分増分バックアップ以後の変更が含まれます。バックアップに成功したことが NetBackup によって通知されると、Exchange はすべてのコミットされたトランザクションログを切り捨てます。トランザクションログの切り捨てによって、次のバックアップのコンテキストが設定されます。

データベースまたはインフォメーションストア全体のバックアップでは、バックアップにトランザクションログのみが含まれます。[個別リカバリを有効化する (Enable granular recovery)]が有効になっている場合、この形式のバックアップでは個々の項目をリストアできません。

完全リストアを実行する場合は、複数の NetBackup イメージが必要です。完全バックアップのイメージと、差分増分バックアップを実行したイメージです。

累積増分バックアップ

最後の完全バックアップまたは差分増分バックアップ以後の変更が含まれます (ただし、ほとんどの構成では完全バックアップと完全バックアップの間に累積増分バックアップと差分増分バックアップは併用されません)。Exchange はバックアップが完了したときにログを切り捨てません。一連の累積増分バックアップが完全バックアップの後に行われると、最後の完全バックアップ以降のトランザクションログは、完全な状態で維持されます。

データベースまたはインフォメーションストア全体のバックアップでは、バックアップにトランザクションログのみが含まれます。[個別リカバリを有効化する (Enable granular recovery)]が有効になっている場合、この形式のバックアップでは個々の項目をリストアできません。

トランザクションログが完全な状態である場合は、Exchange Server のデータリカバリを検討します。最後の完全バックアップと最後の累積増分バックアップからのデータベースのリストアだけが必要です。リカバリ中、Exchange Server によって、ログフォルダ内のすべてのログが再生されます。

ユーザーバックアップ

ユーザーバックアップは自動的にスケジュールされないため、ターゲットクライアントコンピュータから開始する必要があります。特定の時点でのデータベースのスナップショット (またはコピーバックアップ) と同様です。このバックアップは進行中の完全バックアップと増分バックアップの内容に影響しません。

ユーザーバックアップ用に個別のポリシーを作成することもできます。これにより、ファイルのリストアを行うときに、そのファイルがユーザー主導バックアップによるものか、またはスケジュールバックアップによるものかを簡単に区別できます。ユーザーバックアップのスケジュール形式ごとに異なるポリシーを作成する際に考慮することは、自動バックアップの場合と同様です。リストアするファイルはユーザーが選択するため、バックアップ対象のリストは不要です。