Enterprise Vault™ 導入/計画

FSA のアーカイブ戦略の計画方法

ファイルシステムアーカイブを実装する理由は、アーカイブ戦略を決定する上で大きなウェイトを占めています。たとえば、業界の規制に準拠するために、法的文書や財務文書を一定期間保存しなければならないことがあります。どのファイルを、ファイルシステム内のどこに保存する必要があるかを検討する必要があります。当然、ファイルシステムが整理されているほど、アーカイブするファイルを定義する作業は簡単になります。

どのファイル サーバーをアーカイブに含める必要があるかを決定したら、アーカイブポイントの作成場所を決定する必要があります。アーカイブポイントは、単一アーカイブ内に格納する必要がある各フォルダ構造の最上部を示します。アーカイブが非常に短時間でいっぱいにならないようにするため、各アーカイブポイントの下のフォルダ構造のサイズを考慮する必要があります。

アーカイブポイントの下のファイルをアーカイブする方法は、対象のアーカイブポイントにアーカイブポリシーを割り当てることで決定されます。アーカイブポリシーには、アーカイブするファイルをフィルタするためのルールや、割り当てる保持カテゴリ、ファイルに関する権限の処理方法、作成されるショートカットの種類などの設定が含まれます。フォルダ構造全体にボリュームポリシーを使ったり、フォルダポリシーを使って特定のフォルダの設定を上書きしたりできます。たとえば、特定のアーカイブポイントのほとんどのフォルダでは、文書をアーカイブし、ショートカットを残す必要があるとします。ところが、フォルダによって、アーカイブ済みファイルのコピーのみが必要で、元のファイルはそのフォルダ内に残したい場合があります。ファイルシステムが整理されていない場合、このアーカイブポリシーは非常に複雑になる可能性があります。ポリシーの単純性を維持することによって、ファイルシステムのアーカイブは管理しやすくなります。

ファイルをアーカイブするときにファイルサーバーからファイルを削除する場合は、ショートカットを残すのか、それとも保存されたデータのアーカイブをユーザーが検索するように設定するのかを検討する必要があります。いずれを選択するかは、アーカイブファイルにアクセスときのユーザーの操作性や、操作の透明性をどの程度維持するのかによって、ある程度決まります。

ショートカットを使う場合は、プレースホルダショートカットやインターネットショートカットのように、使用するショートカットの種類を決定する必要があります。プレースホルダショートカットは、インターネットショートカットよりも透明性が高くなります。使用しているストレージデバイスの種類によっても選択は異なります。

プレースホルダショートカットを使う場合は、バックアップアプリケーションやウイルススキャンアプリケーションがファイルシステムのオフライン属性を利用していることを確認してください。これらのアプリケーションがファイルシステムのオフライン属性を利用しない場合は、実行中またはスキャン中に各ファイルが呼び戻されることがあります。Enterprise Vault には、アプリケーションを実行する前にファイルサーバーをバックアップモードに切り替えるためのバックアップモードプログラムが組み込まれています。このプログラムを使うと、ファイルが呼び戻されなくなります。

変更頻度の高いファイルにショートカットを使うと、保存されるファイルのバージョン数が多くなることがあります。Enterprise Vault の削除プロセスをときどき実行して、ファイルシステムアーカイブ内にある古いバージョンのファイルを削除することを検討してください。

Enterprise Vault によって作成および管理される対象のファイルシステムに専用フォルダを設定する場合は、管理フォルダ機能を使うことができます。