NetBackup™ SAN クライアントおよびファイバートランスポートガイド
- SAN クライアントとファイバートランスポートの概要
- 配備の計画
- SAN クライアントの宛先ストレージについて
- SAN の準備
- SAN クライアントとファイバートランスポートのライセンス
- SAN クライアントおよびファイバートランスポートの構成
- ファイバートランスポートメディアサーバーの設定
- SAN クライアントの構成
- クラスタ内の SAN クライアントの構成
- [ファイバートランスポート (Fibre transport)]プロパティ
- SAN クライアントの使用設定の構成
- SAN クライアントおよびファイバートランスポートの管理
- SAN クライアントとファイバートランスポートの無効化
- SAN クライアントとファイバートランスポートのトラブルシューティング
- 統合ログについて
- 付録 A. AIX に固有の構成の詳細
- 付録 B. HP-UX に固有の構成の詳細
[ファイバートランスポート (Fibre transport)]プロパティ
NetBackup の[ファイバートランスポート (Fibre Transport)]プロパティでは、ファイバートランスポートメディアサーバーと SAN クライアントがバックアップとリストアでファイバートランスポートサービスを使用する方法を制御します。[ファイバートランスポート (Fibre transport)]プロパティは選択するホスト形式に次のように適用されます。
表: ファイバートランスポートプロパティのホスト形式
ホストの種類 | 説明 |
---|---|
プライマリサーバー | すべての SAN クライアントに適用されるグローバルの[ファイバートランスポート (Fibre transport)]プロパティ。 |
メディアサーバー | [ファイバートランスポート (Fibre transport)]の[最大並列 FT 接続 (Maximum concurrent FT connections)]プロパティは、選択した FT メディアサーバーに適用されます。 |
クライアント | [ファイバートランスポート (Fibre transport)]プロパティは、選択した SAN クライアントに適用されます。クライアントのデフォルト値はプライマリサーバーのグローバルプロパティの設定です。クライアントプロパティは[ファイバートランスポート (Fibre transport)]のグローバルプロパティを上書きします。 |
[ファイバートランスポート (Fibre transport)]プロパティには、次の設定が含まれます。すべてのプロパティがすべてのホストで利用できるわけではありません。この表では、FT デバイスはファイバートランスポートメディアサーバーの HBA ポートです。ポートはバックアップとリストアのトラフィックを搬送します。1 つのメディアサーバーに複数の FT デバイスが存在する場合があります。
表: [ファイバートランスポート (Fibre transport)]プロパティ
プロパティ | 説明 |
---|---|
最大並列 FT 接続 (Maximum concurrent FT connections) | このプロパティは FT メディアサーバーを選択したときのみに表示されます。 このプロパティは選択したメディアサーバー (複数可) に許可する FT 接続の数を指定します。1 つの接続は 1 つのジョブに相当します。 値が設定されない場合には、NetBackup は次のデフォルトを使います。
メディアサーバーが使用する最大接続数として、次の値を入力できます。
NetBackup では、ファイバートランスポート用に 1 台のメディアサーバーに対して 644 バッファがサポートされます。各接続で使われるバッファ番号を決定するには、入力した値で 644 を割ります。接続ごとのバッファが多ければ、各接続のパフォーマンスがそれだけ良くなります。 |
プライマリサーバー構成のデフォルトを使用 (Use defaults from the primary server configuration) | このプロパティはクライアントを選択したときのみに表示されます。 このプロパティは、プライマリサーバーで構成されているプロパティにクライアントが従うように指定します。 |
優先 (Preferred) | 分単位で構成された待機期間内に FT デバイスが利用可能である場合、FT デバイスを使用するように指定します。待機期間の経過後に FT デバイスが利用できない場合、NetBackup は LAN 接続を使用して操作を行います。 また、このオプションを選択する場合は、バックアップおよびリストアの待機期間も指定します。 プライマリサーバーで指定したグローバルプロパティの場合、デフォルトは[優先 (Preferred)]です。 |
常時 (Always) | SAN クライアントのバックアップおよびリストアに対して NetBackup では常に FT デバイスが使用されるように指定します。NetBackup は、操作を開始する前に FT デバイスが利用可能になるまで待機します。 ただし、FT デバイスはオンラインで起動中である必要があります。そうでない場合、NetBackup は LAN を使います。アクティブな FT デバイスがない、設定された FT デバイスがない、または SAN クライアントのライセンスが期限切れであるなどの理由で、FT デバイスが利用不能なことがあります。 |
失敗 (Fail) | FT デバイスがオンラインで起動中でない場合に NetBackup がジョブを失敗するように指定します。FT デバイスがオンラインであってもビジーの場合には、NetBackup はデバイスが利用可能になり、デバイスに次のジョブを割り当てるまで待機します。アクティブな FT デバイスがない、設定された FT デバイスがない、または SAN クライアントのライセンスが期限切れであるなどの理由で、FT デバイスが利用不能なことがあります。 |
使用しない (Never) | SAN クライアントのバックアップおよびリストアに対して NetBackup では FT パイプを使用しないように指定します。NetBackup では、バックアップとリストアに LAN 接続が使用されます。 プライマリサーバーに[使用しない (Never)]を指定した場合、ファイバートランスポートは NetBackup 環境で無効になります。[使用しない (Never)]を選択すれば、クライアントごとに FT の使用方法を構成できます。 メディアサーバーに[使用しない (Never)]を指定すれば、ファイバートランスポートはメディアサーバーで無効になります。 SAN クライアントに[使用しない (Never)]を指定すれば、ファイバートランスポートはクライアントで無効になります。 |
NetBackup では、ファイバートランスポートに、より詳細な詳細度が 1 つ用意されています。SAN クライアント使用設定は、[ホストプロパティ (Host properties)]で設定する FT プロパティよりも優先されます。