Veritas NetBackup アップグレードガイド

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Product(s): NetBackup & Alta Data Protection (8.2)
  1. 概要
    1.  
      『NetBackup 8.2 アップグレードガイド』について
    2.  
      利用可能な NetBackup アップグレード方式
    3. NetBackup 8.2 の変更について
      1.  
        NetBackup 7.6.0.4 以前からのアップグレードの非サポート
      2.  
        NetBackup 8.2 でサポートされる外部認証局の証明書
    4.  
      Veritas Smart Meter について
    5.  
      Veritas Smart Meter のベストプラクティス
  2. アップグレード計画
    1. 一般的なアップグレードの計画について
      1.  
        NetBackup 8.2 のアップグレード計画について
      2.  
        NetBackup 8.2 へのアップグレードの計画方法
      3.  
        カタログバックアップの既知の制限事項
      4.  
        NetBackup ホスト用のセキュリティ証明書について
      5.  
        アップグレードによるファイルの自動変更について
    2. アップグレードツールについて
      1.  
        Veritas Services and Operations Readiness Tools について
      2.  
        SORT のアップグレードのための推奨手順
      3.  
        SORT の新規インストールのための推奨手順
      4.  
        NetBackup プリインストールチェッカーについて
    3. アップグレードに関する注意事項および制限事項
      1.  
        NetBackup Web サーバーをサポートするユーザーアカウントの作成、
      2.  
        NetBackup 8.2 による RHEL 7.5 でのファイバートランスポートメディアサーバーのサポートについて
      3.  
        NetBackup 8.1 での MSDP の変更
      4.  
        NetApp クラスタに必要になる可能性のある変更
      5.  
        Bare Metal Restore 情報がエラー自動イメージレプリケーションを使って複製されるときのエラー
      6.  
        バージョン 8.1 より前のクライアントと 8.1 以降のメディアサーバーでのアップグレードの問題
  3. マスターサーバーのアップグレード
    1.  
      マスターサーバーのアップグレードについて
    2.  
      NetBackup 8.2 へのアップグレードのプレインストール手順
    3.  
      Windows システムでローカルサーバー、リモートサーバー、クラスタサーバーのアップグレードを実行する
    4.  
      Windows システムでのサイレントアップグレードの実行
    5.  
      NetBackup 8.2 への UNIX と Linux サーバーソフトウェアのアップグレード
    6.  
      NetBackup 8.2 へのアップグレードのインストール後の手順
  4. メディアサーバーのアップグレード
    1.  
      NetBackup 8.2 への NetBackup メディアサーバーのアップグレード
    2.  
      UNIX および Linux での NetBackup メディアサーバーソフトウェアのサイレントアップグレード
  5. NetBackup の MSDP のアップグレード
    1.  
      NetBackup 8.1 での MSDP のアップグレードの考慮事項
    2.  
      MSDP ローリングデータ変換について
    3.  
      MSDP 指紋アルゴリズムの変更について
  6. クライアントのアップグレード
    1.  
      クライアントのアップグレードについて
    2.  
      NetBackup アップグレードスクリプトによる UNIX および Linux クライアントのアップグレード
    3.  
      ネイティブインストーラによる UNIX と Linux のクライアントバイナリのアップグレード
  7. VxUpdate を使用した NetBackup 配備の管理
    1.  
      VxUpdate について
    2.  
      VxUpdate で使用するコマンド
    3.  
      リポジトリの管理
    4.  
      配備ポリシーの管理
    5.  
      VxUpdate を使用したマスターサーバーからのアップグレードの手動による開始
    6.  
      VxUpdate を使用したメディアサーバーまたはクライアントからのアップグレードの手動による開始
    7.  
      配備ジョブの状態
  8. 付録 A. リファレンス
    1.  
      NetBackup マスターサーバー Web サーバーのユーザーとグループの作成
    2.  
      クラスタ化されたマスターサーバーの非アクティブノードで証明書を生成する
    3.  
      NetBackup Java Runtime Environment について
    4.  
      NetBackup Web ユーザーインターフェースについて
    5.  
      NetBackup 応答ファイルについて
    6.  
      RBAC のブートストラップについて
    7.  
      インストール後すぐにマスターサーバー上のクラウド構成ファイルを更新するか、NetBackup 8.2 にアップグレードする
    8.  
      NetBackup ソフトウェアの入手について
    9.  
      NetApp クラスタのためのアップグレード前の追加手順
    10.  
      レプリケーションディレクタを使用した NetApp ディスクアレイの使用
    11.  
      NetBackup のバージョン間の互換性について
    12.  
      UNIX および Linux のインストールおよびアップグレード要件
    13.  
      Windows および Windows クラスタのインストールおよびアップグレード要件
    14.  
      Windows クラスタのインストールとアップグレードの要件
    15.  
      新しいメディアサーバーに全データを移行してクラスタ化されたメディアサーバーを削除する
    16.  
      NetBackup OpsCenter サーバーと NetBackup マスターサーバー間の接続の無効化
    17.  
      Amazon クラウドストレージサーバーのアップグレード後の手順

UNIX および Linux での NetBackup メディアサーバーソフトウェアのサイレントアップグレード

ネイティブインストーラを使用して、NetBackup の UNIX および Linux メディアサーバーをアップグレードできます。NetBackup インストールスクリプトまたは優先するインストーラによる方法のいずれかを使用できます。

  • Linux の場合: rpmyum など

  • Solaris の場合: pkginfopkgadd

インストールまたはアップグレードに成功すると、/usr/openv/pack/install.history ファイルに記録されます。

メモ:

パッケージ名の変更により、ネイティブインストーラによる方法でメディアサーバーを NetBackup 7.7.3 以前から NetBackup 8.2 以降にアップグレードするには、追加の手順が必要です。メディアサーバーを正しくアップグレードして Veritas パッケージに変換するには、次の 2 つのオプションがあります。NetBackup インストーラを使用してメディアサーバーを新しい Veritas パッケージにアップグレードすることもできます。または、ネイティブインストーラの手順に従って、該当する手順を実行します。詳細情報を参照できます。

「ネイティブインストーラを使用して UNIX または Linux クライアントバイナリをアップグレードするには」を参照してください。

この両方のアップグレードオプションは同じ結果になります。Veritas パッケージに正常にアップグレードすると、その後のアップグレードは各自が選択するインストーラを使用して実行できます。

ネイティブインストーラを使用して UNIX または Linux メディアサーバーバイナリをアップグレードするには

  1. メディアサーバーの /tmp ディレクトリに NetBackup インストール応答ファイル (NBInstallAnswer.conf) を作成してください。応答ファイルとその内容に関する詳しい情報を参照できます。

    NetBackup 応答ファイルについてを参照してください。

  2. (該当する場合) お使いの環境で NetBackup 認証局を使用しており、メディアサーバーがすでに NetBackup 認証局に対して構成されている場合、4 に進みます。それ以外の場合は、NBInstallAnswer.conf に次の必要な情報を指定します。
    CA_CERTIFICATE_FINGERPRINT=fingerprint

    例 (指紋の値は読みやすくするため折り返されています):

    CA_CERTIFICATE_FINGERPRINT=01:23:45:67:89:AB:CD:EF:01:23:45:67:
    89:AB:CD:EF:01:23:45:67

    お使いの NetBackup 環境のセキュリティ構成に応じて、応答ファイルに AUTHORIZATION_TOKEN オプションを追加する必要があります。AUTHORIZATION_TOKEN オプションに関する詳しい情報を参照できます。

    NetBackup 応答ファイルについてを参照してください。

  3. (該当する場合) お使いの環境で外部認証局を使用しており、メディアサーバーがすでに外部認証局に対して構成されている場合、4 に進みます。それ以外の場合は、NBInstallAnswer.conf に次の必要な情報を指定します。
    • ECA_CERT_PATH

      このフィールドを使用して、外部証明書ファイルのパスとファイル名を指定します。このフィールドは、ファイルから外部証明書を設定する場合に必要です。

    • ECA_TRUST_STORE_PATH

      このフィールドを使用して、トラストストアの場所を示すファイルのパスとファイル名を指定します。このフィールドは、ファイルから外部証明書を設定する場合に必要です。

    • ECA_PRIVATE_KEY_PATH

      このフィールドを使用して、秘密鍵を示すファイルのパスとファイル名を指定します。このフィールドは、ファイルから外部証明書を設定する場合に必要です。

    • ECA_KEY_PASSPHRASEFILE

      このフィールドを使用して、キーストアにアクセスするためのパスフレーズを含むファイルのパスとファイル名を指定します。このフィールドは省略可能で、ファイルから外部証明書を設定する場合にのみ適用されます。

    • ECA_CRL_CHECK_LEVEL

      このフィールドを使用して、CRL モードを指定します。このフィールドは必須です。サポートされる値は次のとおりです。

      • USE_CDP: 証明書に定義されている CRL を使用します。

      • USE_PATH: ECA_CRL_PATH で指定されたパスにある CRL を使用します。

      • DISABLED: CRL を使用しません。

      • SKIP: 認証局の設定をスキップするために使用します。ECA の構成をスキップするには、必要なすべての ECA_ 値を SKIP に設定します。認証局を構成せずにインストールを続行すると、バックアップとリストアが失敗することに注意してください。

    • ECA_CRL_PATH

      このフィールドを使用して、外部 CA 証明書に関連付けられている CRL へのパスを指定します。このフィールドは、ECA_CRL_CHECK_LEVELUSE_PATH に設定されている場合にのみ必要です。該当しない場合は、このフィールドを空のままにします。

  4. また、NBInstallAnswer.conf ファイルに表示される省略可能なパラメータを追加できます。
    • 追加の LICENSE エントリ

    • 追加の SERVER エントリ

    各オプションに関する詳細情報を参照できます。

    NetBackup 応答ファイルについてを参照してください。

  5. 十分な容量があるシステムに、サーバープラットフォームに一致するサーバーパッケージをダウンロードします。次に、必要なサーバーパッケージを抽出します。

    サーバーパッケージファイルの内容を抽出します。例:

    • Linux RedHat の場合:

      tar -xzvf NetBackup_8.2_LinuxR_x86_64.tar.gz

    • Linux SuSE の場合:

      tar -xzvf NetBackup_8.2_LinuxS_x86_64.tar.gz

    • Linux-s390x RedHat の場合:

      tar -xzvf NetBackup_8.2_zLinuxR.tar.gz

    • Linux-s390x SuSE の場合:

      tar -xzvf NetBackup_8.2_zLinuxS.tar.gz

    • Solaris SPARC の場合:

      tar -xzvf NetBackup_8.2_Solaris_Sparc64.tar.gz

    • Solaris x86 の場合:

      tar -xzvf NetBackup_8.2_Solaris_x86.tar.gz

  6. 目的のオペレーティングシステムのディレクトリに移動し、サーバーのファイルをメディアサーバーにコピーします。

    オペレーティングシステムのディレクトリ:

    • Linux RedHat の場合:

      NetBackup_8.2_LinuxR_x86_64/linuxR_x86/anb

    • Linux SuSE の場合:

      NetBackup_8.2_LinuxS_x86_64/linuxS_x86/anb

    • Linux-s390x RedHat の場合:

      NetBackup_8.2_zLinuxR/zlinuxR/anb

    • Linux-s390x SuSE の場合:

      NetBackup_8.2_zLinuxS/zlinuxS/anb

    • Solaris SPARC の場合:

      NetBackup_8.2_Solaris_Sparc64/solaris/anb

    • Solaris x86 の場合:

      NetBackup_8.2_Solaris_x86/solaris_x86/anb

    サーバーのファイルを、インストール先のコンピュータにコピーします。

    • Linux: VRTSnetbp.rpm および VRTSpddes.rpm

      Linux-s390x には VRTSpddes.rpm が存在しないことに注意してください。

    • Solaris: VRTSnetbp.pkg および VRTSpddes.pkg

  7. クライアントバイナリを抽出し、メディアサーバーにコピーします。

    クライアントバイナリを抽出します。

    tar -xzvf client_dist.tar.gz

    目的のオペレーティングシステムのディレクトリに移動します。

    • RedHat: openv/netbackup/client/Linux/RedHat2.6.32

    • SuSE: openv/netbackup/client/Linux/SuSE3.0.76

    • Linux-s390x RedHat: openv/netbackup/client/Linux-s390x/IBMzSeriesRedHat2.6.32

    • Linux-s390x SuSE: openv/netbackup/client/Linux-s390x/SuSE3.0.76

    • SPARC: openv/netbackup/client/Solaris/Solaris10

    • Solaris_x86: openv/netbackup/client/Solaris/Solaris_x86

    以下に示すファイルをメディアサーバーにコピーします。

    Linux

    VRTSnbpck.rpm
    VRTSpbx.rpm
    VRTSnbclt.rpm
    VRTSnbjre.rpm
    VRTSnbjava.rpm
    VRTSpddea.rpm
    VRTSnbcfg.rpm

    Linux-s390x には VRTSpddea.rpm が存在しないことに注意してください。

    Solaris

    .pkg_defaults
    VRTSnbpck.pkg.gz
    VRTSpbx.pkg.gz
    VRTSnbclt.pkg.gz
    VRTSnbjre.pkg.gz
    VRTSnbjava.pkg.gz
    VRTSpddea.pkg.gz
    VRTSnbcfg.pkg.gz

    メモ:

    Solaris クライアントバイナリには .pkg_defaults という非表示の管理ファイルが含まれます。この管理ファイルには、デフォルトのインストール処理が含まれています。

  8. (該当する場合) Solaris では、次のコマンドを使用して圧縮パッケージファイルを抽出します。

    gunzip VRTS*.*

    この処理で、以下に示すすべてのパッケージファイルが抽出されます。

    VRTSnbpck.pkg
    VRTSpbx.pkg
    VRTSnbclt.pkg
    VRTSnbjre.pkg
    VRTSnbjava.pkg
    VRTSpddea.pkg
    VRTSnbcfg.pkg
  9. Veritas 事前チェックパッケージをインストールします。
    • Linux: rpm - U VRTSnbpck.rpm

    • Solaris: pkgadd -a .pkg_defaults -d VRTSnbpck.pkg VRTSnbpck

  10. (該当する場合) NetBackup 8.0 より前のバージョンからアップグレードする場合は、古い SYMC* パッケージを削除します。次の例は、SYMC RPM パッケージの削除に使用するコマンドを示しています。このプロセスでは、NetBackup の構成が保持されます。
    rpm -e SYMCnbjava
    rpm -e SYMCpddea
    rpm -e SYMCnbclt
    rpm -e SYMCnbjre
    rpm -e SYMCpddes
    rpm -e SYMCnetbp
  11. 以下のコマンドを示されている順序で実行してファイルをインストールします。

    Linux

    rpm  - U VRTSpbx.rpm
    rpm  - U VRTSnbclt.rpm
    rpm  - U VRTSnbjre.rpm
    rpm  - U VRTSnbjava.rpm
    rpm  - U VRTSpddea.rpm
    rpm  - U VRTSpddes.rpm
    rpm  - U VRTSnbcfg.rpm
    rpm  - U VRTSnetbp.rpm

    Solaris

    以下に示す pkgadd -a admin -d device [pkgid] コマンドを使用してファイルをインストールします。

    pkgadd -a .pkg_defaults -d VRTSpbx.pkg VRTSpbx
    pkgadd -a .pkg_defaults -d VRTSnbclt.pkg VRTSnbclt
    pkgadd -a .pkg_defaults -d VRTSnbjre.pkg VRTSnbjre
    pkgadd -a .pkg_defaults -d VRTSnbjava.pkg VRTSnbjava
    pkgadd -a .pkg_defaults -d VRTSpddea.pkg VRTSpddea
    pkgadd -a .pkg_defaults -d VRTSpddes.pkg VRTSpddes
    pkgadd -a .pkg_defaults -d VRTSnbcfg.pkg VRTSnbcfg
    pkgadd -a .pkg_defaults -d VVRTSnetbp.pkg VRTSnetbp
    • -a オプションでは、デフォルトの管理ファイルの代わりに使用する特定の admin (.pkg_defaults) を指定します。管理ファイルにはデフォルトのインストール処理が含まれます。

    • -d デバイスオプションでは、ソフトウェアパッケージのソースを指定します。デバイスには、デバイス、ディレクトリ、またはスプールディレクトリのパスを指定できます。

    • pkgid パラメータを使用して、インストールするパッケージの名前を指定します。このパラメータは必要に応じて指定します。