Veritas NetBackup™ for Lotus Notes 管理者ガイド
- NetBackup for Lotus Notes の概要
- NetBackup for Lotus Notes のインストール
- NetBackup for Lotus Notes の構成
- Lotus の高速なリストアの設定
- Lotus Notes クライアントのプロパティの定義
- Lotus Notes データベースのバックアップポリシーの構成
- NetBackup for Lotus Notes ポリシーへのスケジュールの追加
- Lotus Notes ポリシーへのバックアップ対象の追加
- Lotus Notes データベースのバックアップおよびリストアの実行
- Domino のクラスタ機能
- Domino パーティションサーバー
- Domino の複数のインストール (UNIX または Linux)
- NetBackup for Lotus Notes のトラブルシューティング
3 つの Domino サーバーがあるクラスタ環境の例
これは、3 つの Domino サーバーが Domino クラスタのメンバーとなっている Domino のクラスタ環境の例です。サーバー C はバックアップサーバーで、アーカイブトランザクションログを実行しています。サーバー A および B は、循環ログまたはリニアログを実行しています。メールの高可用性および負荷分散を提供するために、レプリカが複数のサーバーに存在します。A から L のデータベースはサーバー A および C に存在し、M から Z のデータベースはサーバー B および C に存在します。すべてのデータベースの完全バックアップは、週のはじめに正常に行われました。アーカイブトランザクションログの増分バックアップは、4 時間ごとに正常に行われ、最後の増分バックアップは 2 時間前に完了しています。今日、ユーザーは 30 個のメールメッセージが誤って削除されていることに気付きました。それらのメールメッセージは、データベース mander.nsf に格納されていたもので、前日の午後 3 時 30 分ごろに削除されました。
誤って削除したメールメッセージをリカバリするには、次の手順を実行します。
サーバー C で、次のデータベースの Point in Time リカバリを行います。
UNIX または Linux の場合: /mail/mander.nsf
Windows の場合: mail\mander.nsf
正常に終了した最新のデータベースのバックアップ (たとえば、週のはじめに正常に完了した完全バックアップ) からデータベースを選択します。リストアを開始します。
[マークされたファイルのリストア (Restore Marked Files)] ダイアログボックスの [Lotus Notes] タブで、 [新規データベースインスタンス ID とレプリカ ID を割り当てる (Assign new database instance ID and replica ID)] オプションを選択します。 [データベースを指定した時点の状態へ戻す (Recover database(s) to specified point in time)] オプションを選択します。リカバリを行う時点として、前日の午後 3 時 25 分 (ユーザーがメールメッセージを削除する直前の時刻) を指定します。
データベースが前日の午後 3 時 25 分の状態にリカバリされ、削除されたメッセージを含むデータベースがサーバー C に存在するはずです。サーバー C で、mander.nsf データベースにメッセージが存在することを検証します。すべてが正常に行われている場合は、サーバー C のデータベースから誤って削除したメッセージをサーバー B のデータベースにコピーします。
コピーが終了したら、サーバー B のデータベースに削除してしまったメッセージが存在することを検証します。メッセージが存在する場合は、サーバー B から次のデータベースの新しいレプリカをサーバー C に作成します。
Windows の場合: mail\mander.nsf
UNIX と Linux の場合: /mail/mander.nsf
クラスタレプリケーションは、サーバー B および C のデータベースで機能することが可能になりました。
この例では、 [新規データベースインスタンス ID とレプリカ ID を割り当てる (Assign new database instance ID and replica ID)] オプションが選択されています。ここで、 [新規データベースインスタンス ID を割り当てる (Assign new database instance ID)] オプションを選択した場合は、最終的なリカバリの結果が異なるものになります。レプリカ ID が変更されないことを除けば、リストアされたデータベースは同様に機能します。データベースは、指定した特定の時点の状態にリカバリされます。ただし、レプリカ ID はリストア中に変更されなかったため、サーバー B に存在するレプリカ ID と一致します。したがって、データベースがリカバリされた特定の時点から現在の時点の間にデータベースに対して行われたすべての変更 (30 個のメールメッセージの削除を含む) が、最終的にサーバー C のデータベースにレプリケートされます。内容が同じデータベースのコピーが 2 つになり、サーバー B とサーバー C にそれぞれ 1 つずつ存在することになります。コピーは両方とも、サーバー C でリストアを開始したときと同じ状態です。