NetBackup™ Web UI クラウド管理者ガイド
- クラウド資産の管理と保護
- Snapshot Manager を NetBackup で構成します。
- クラウド資産のインテリジェントグループの管理
- クラウド資産またはクラウド資産用インテリジェントグループの保護
- ストレージライフサイクルポリシーについて
- クラウド資産のポリシーの管理
- マルウェアのスキャン
- リソースグループを使用した Microsoft Azure リソースの保護
- クラウド作業負荷のための NetBackup アクセラレータ
- AWS スナップショットレプリケーション
- PaaS 資産の保護
- RDS Custom インスタンスの保護
- Azure Managed Instance データベースの保護
- 制限事項および考慮事項
- ネイティブクライアントユーティリティのインストール
- さまざまな配備のストレージの構成
- PaaS のクレデンシャルの管理
- PaaS 資産への保護の追加
- クラウド資産のリカバリ
- 個別リストアの実行
- クラウド資産の保護とリカバリのトラブルシューティング
- PaaS の作業負荷の保護とリカバリに関する問題のトラブルシューティング
保持期間の割り当てについて
データの保持期間は、一定期間後にメディアから情報をリストアする可能性によって決まります。財務の記録などのデータ形式には、法律で定められた保持レベルがあります。また、作成途中の文書などのデータの場合は、文書の最終版の完成後は必要がなくなります。
バックアップの保持期間は、そのバックアップからリカバリする必要性にも依存します。たとえば、毎日の変更内容が重要である場合、そのデータが必要な間は、完全バックアップに加えてすべての増分バックアップを保持します。増分バックアップが毎月のレポートで処理中の作業だけをトラッキングする場合、増分バックアップをすぐに期限切れにします。長期間のリカバリには完全バックアップを使用します。
保持期間を決定する場合、ほぼすべてのデータに適用するガイドラインを作成することが必要です。ガイドラインと異なる保持要件があるファイルまたはディレクトリに注意します。保持要件のガイドラインと異なるデータには、別のポリシーを作成することを計画します。たとえば、より長い保持要件のあるファイルおよびディレクトリを別のポリシーに配置します。すべてのポリシーに長い保持期間を設定するのではなく、別のポリシーでより長い保持期間をスケジュール設定します。
次の表は、さまざまなバックアップ形式の推奨の保持期間を記述したものです。
表: さまざまなバックアップ形式の推奨の保持期間
バックアップ形式 |
説明 |
---|---|
完全バックアップ |
スケジュールに対する間隔の設定より長い期間を指定します。(この間隔は、バックアップの実行間隔です。) たとえば、間隔が 1 週間である場合、2 週間から 4 週間の保持期間を指定します。保持期間を 2 週間から 4 週間にすると、十分な時間的余裕が確保され、次に完全バックアップが行われる前に、現行の完全バックアップの有効期限に達しないことが保証されます。 |
差分増分バックアップ |
完全バックアップ間の間隔より長い期間を指定します。たとえば、完全バックアップが毎週実行される場合、差分増分バックアップを 2 週間保存します。 |
次の表は、要求するよりも早くバックアップが期限切れになることを防ぐことができる複数の方法を提案します。
表: 早く期限切れになるバックアップを防ぐための提案
項目 |
説明 |
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保持期間 |
適切な保持期間を割り当てます。保持期間が満了した後は、NetBackup によるバックアップのトラッキングは行われません。保持期間が満了した後は、ファイルをリカバリすることは困難または不可能です。 1 年以上保持する必要があるバックアップの場合、保持期間を無制限に設定します。 |
完全バックアップと増分バックアップ |
ポリシーでは、増分バックアップより長い保持期間を完全バックアップに割り当ててください。完全なリストアを行うには、前回の完全バックアップ、およびそれ以降のすべての差分増分バックアップが必要です。増分バックアップの前に完全バックアップの期限が切れると、すべてのファイルをリストアできない場合があります。 |
アーカイブスケジュール |
保持期間を無制限に設定します。 |
テープ |
保持期間を無制限に設定します。NetBackup データベースの領域制約のため無制限に設定できない場合、データを保存する必要がある期間と一致する保持期間を設定します。 |
データの保持については、バックアップメディアのオフサイトでの保管も考慮します。オフサイトに保管することによって、プライマリサイトで発生する災害からデータを保護できます。
ディザスタリカバリの注意事項として、次のオフサイト保管方式を考慮します。
複製機能を使用してオフサイト保管用にセカンダリコピーを作成します。
毎月または毎週行われる完全バックアップをオフサイトの保管施設に送付します。
データをリストアするには、保管施設からメディアを要求します。増分バックアップを使用してディレクトリまたはディスク全体のリストアを行うには、最後の完全バックアップとすべての増分バックアップが必要です。
バックアップ用の特別なスケジュールを構成して、オフサイト保管用に複製を作成します。
オフサイトでの保管方法に関係なく、十分な保持期間を構成することが必要です。
デフォルトでは、NetBackup によって、同じ保持レベルのバックアップがすでに存在するテープボリュームに、各バックアップが格納されます。バックアップの保持レベルが 2 である場合、NetBackup は保持レベルが 2 の、他のバックアップを含むテープボリュームにこのバックアップを格納します。保持レベルが異なるバックアップが発生すると、NetBackup によって適切なボリュームに切り替えられます。テープボリュームは、自身が格納するすべてのバックアップが有効期限に達するまで NetBackup に割り当てられたままであるため、ボリューム上の保持レベルを一致させることによって、メディアの使用が効率化されます。ボリューム上に保持期間が無制限の小さなバックアップが 1 つでもあると、他のすべてのバックアップが有効期限に達してもボリュームは再利用されません。
各ボリューム上に 1 つの保持レベルだけを保存する場合、必要以上の保持レベルを使用しないでください。複数の保持レベルを使用すると、必要なボリュームの数が増加します。
メモ:
ディスクボリューム上では、制限なしに保持レベルを混在できます。