Veritas InfoScale™ 8.0.2 DB2 データベース用ストレージと可用性管理 - AIX、Linux
- 第 I 部 DB2 データベース用 SFHA (Storage Foundation High Availability) 管理ソリューション
- Storage Foundation for Databases の概要
 
 - 第 II 部 Veritas InfoScale 製品を使用した DB2 の配備
 - 第 III 部 Storage Foundation for Databases (SFDB) ツールの設定
- Storage Foundation for Databases リポジトリデータベースの設定および管理
- SFDB (Storage Foundation for Databases)リポジトリについて
 - Storage Foundation for Databases (SFDB) ツールの必要条件
 - SFDB(Storage Foundation for Database)ツールの可用性
 - Storage Foundation for Databases (SFDB) リポジトリの設定
 - ノード追加後の SFDB(Storage Foundation for Databases)リポジトリの更新
 - ノード削除後の SFDB(Storage Foundation for Databases)リポジトリの更新
 - SFDB (Storage Foundation for Databases) リポジトリの削除
 
 - Storage Foundation for Databases (SFDB) ツールの認証の設定
 
 - Storage Foundation for Databases リポジトリデータベースの設定および管理
 - 第 IV 部 DB2 データベースのパフォーマンスの向上
- データベースアクセラレータについて
 - Quick I/O によるデータベースパフォーマンスの向上
 - Veritas Concurrent I/O による DB2 データベースパフォーマンスの向上
 
 - 第 V 部 PITC (Point-In-Time Copy) の使用
- PITC 方法の理解
 - DB2 PITC に関する注意事項
 - サードミラーブレークオフスナップショットの管理
 - Storage Checkpoint の管理
- Storage Checkpoint について
 - リカバリのための Database Storage Checkpoint
 - Database Storage Checkpoint の作成
 - Database Storage Checkpoint の削除
 - Database Storage Checkpoint のマウント
 - Database Storage Checkpoint のマウント解除
 - Database Storage Checkpoint を使ったデータベースのクローンの作成
 - Database Storage Checkpoint からのリストア
 - オフラインモード Storage Checkpoint のデータの収集
 
 - SFHA 環境での NetBackup によるバックアップとリストア
 
 - 第 VI 部 DB2 に対するストレージコストの最適化
 - 第 VII 部 Storage Foundation for Databases 管理リファレンス
- Storage Foundation for Databases コマンドリファレンス
 - Storage Foundation for Databases のチューニング
 - SFDB ツールのトラブルシューティング
 
 
Quick I/O によるデータベースパフォーマンス向上のしくみ
Quick I/O を使う利点は次のとおりです。
Quick I/O ファイルを RAW デバイスとして機能させることにより、パフォーマンスと処理スループットが向上します。
Quick I/O ファイルを通常のファイルとして管理できます。これにより、DB2 コンテナの割り当て、移動、コピー、サイズ変更およびバックアップなどの管理作業を簡単に行うことができるようになります。
メモ:
Quick I/O は Linux ではサポートされません。
通常のファイルを RAW デバイスとして扱ってアクセスする Quick I/O の機能により、次のことが実現され、データベースのパフォーマンスが向上します。
表:
Quick I/O 機能  | 利点  | 
|---|---|
ダイレクト I/O のサポート  | read()および write()システムコールを使うファイルに対する I/O は、通常、データを 2 回コピーします。1 回目はユーザーとカーネル領域の間で、2 回目はカーネル領域とディスクの間で実行されます。これとは異なり、RAW デバイス上の I/O は直接処理されます。すなわち、データをユーザー領域とディスクの間で直接コピーして、コピーの手順を 1 つ省略します。RAW ディスク上の I/O と同様に、Quick I/O でも余分なコピーは実行しません。  | 
データベースファイルに対するカーネル書き込みロックの回避  | データベース I/O を write() システムコールを介して処理する場合、各システムコールは、カーネル内部で書き込みロックを取得し、解放します。このロックにより、同一ファイルで同時に複数の書き込み操作が実行されるのを防ぎます。データベースシステムには、通常、ファイルへの並行アクセスを管理するために独自のロック機能が実装されているため、ファイル単位の書き込みロックが不必要に I/O 処理をシリアル化してしまいます。Quick I/O は、このファイルシステムに対するファイル単位のロックを回避し、データベースサーバーがデータアクセスを制御できるようにします。  | 
二重バッファリングの回避  | ほとんどのデータベースサーバーは、独自のバッファキャッシュを持っているため、システムのバッファキャッシュを必要としません。そのため、ファイルシステムバッファにキャッシュされたデータベースのデータは冗長であり、メモリ領域やバッファ管理のための CPU 使用率の浪費になります。Quick I/O がダイレクト I/O をサポートすることにより、二重バッファリングが不要になります。データはリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)のキャッシュとディスクの間で直接コピーされるため、CPU 使用率の低下とメモリの解放につながり、データベースサーバーのバッファキャッシュが使用できるメモリ量が増加することにより、トランザクション処理のスループットが向上します。  | 
AIX の場合: AIX Fastpath 非同期 I/O のサポート  | AIX Fastpath 非同期 I/O は、ノンブロッキングのシステムレベルの読み取りおよび書き込みを実行することによって複数の I/O 要求の同時処理を可能にする I/O 方法です。AIX などのオペレーティングシステムでは、RAW デバイスに対する非同期 I/O がサポートされていますが、標準ファイル I/O に対してはサポートされていません。そのため、データベースサーバーで非同期 I/O を使用できる場合でも、データベースがファイルシステム上で動作するときには非同期 I/O 要求を発行できません。非同期 I/O を行うことができないと、パフォーマンスが大幅に低下します。Quick I/O を使用すると、データベースサーバーは、Quick I/O インターフェースを使用してアクセスするファイルシステム上のファイルに対してカーネルでサポートされる非同期 I/O を利用できます。  |