Veritas NetBackup™ Appliance の廃止と再構成ガイド
- NetBackup Appliance の廃止
- NetBackup Appliance の再構成
- NetBackup Appliance の再設定について
- NetBackup Appliance の再設定について
NetBackup Appliance シェルメニューを使った 52xx または 53xx メディアサーバーアプライアンスの再構成
以下の手順は、NetBackup Appliance シェルメニューから 52xx または 53xx メディアサーバーのアプライアンスを再構成する方法を示しています。
警告:
NetBackup Appliance は、同じサブネットに属する 2 つの IP アドレスの構成をサポートしません。アプライアンスは Linux のオペレーティングシステムで実行され、この種類のネットワークは現在の制限事項です。作成する各結合は、異なるサブネットに属する IP アドレスを使う必要があります。
メモ:
アプライアンスのホスト名がその IP アドレスに解決される場合は、IP アドレスを削除できません。
注意:
アプライアンスはメンテナンスユーザーアカウントの既知のデフォルトパスワードが設定された状態で提供されます。このパスワードは、アプライアンスのメンテナンスモードに不正にアクセスされないように、初期構成の前または直後に変更してください。なお、アプライアンスのトラブルシューティングサービスが必要な場合に、ベリタステクニカルサポートにメンテナンスユーザーパスワードを知らせる必要があります。次に示す手順の手順 15 では、メンテナンスユーザーパスワードの変更方法を説明しています。
NetBackup Appliance シェルメニューを使って 52xx または 53xx メディアサーバーアプライアンスを再構成するには
- 再構成処理の開始前に、再イメージ手順に従っていることを確認してください。USB ドライブから NetBackup アプライアンスを再イメージングするを参照してください。
- Main_Menu > Network ビューで次のコマンドを入力して、アプライアンスが接続する単一ネットワークの IP アドレスを設定します。
Configure IPAddressNetmaskGatewayIPAddress [InterfaceNames]
ここで、IPAddress は新しい IP アドレス、Netmask はネットマスク、GatewayIPAddress はインターフェースのデフォルトゲートウェイです。[InterfaceNames] オプションは省略可能です。
IP Address や Gateway IP Address には、IPv4 または IPv6 アドレスを指定できます。グローバルスコープ IPv6 アドレスと一意のローカル IPv6 アドレスのみが許可されます。
ただし、同じコマンド内で IPv4 と IPv6 アドレスの両方は使用しないでください。たとえば、Configure 9ffe::9 255.255.255.0 1.1.1.1 は使えません。Configure 9ffe::46 64 9ffe::49 eth1 を使ってください。
???を参照してください。
複数のネットワークを構成する場合には、追加する各ネットワークの IP アドレスを最初に構成する必要があります。次に、追加した各ネットワークのゲートウェイアドレスを構成します。必ずデフォルトゲートウェイアドレスを最初に追加する必要があります。以下の 2 つのコマンドを使います。
各ネットワークの IP アドレスの構成
ネットワークインターフェースに対して IPv4 または IPv6 アドレスのどちらを構成するかに応じて、以下のコマンドのいずれかを使います。
ネットワークインターフェースの IPv4 アドレスを構成するには
IPv4 IPAddressNetmask [InterfaceName]
ここで、IPAddress は新しい IP アドレス、Netmask はネットマスクです。[InterfaceName] は省略可能です。追加する IP アドレスごとにこのコマンドを繰り返します。
ネットワークインターフェースの IPv6 アドレスを構成するには
IPv6 <IP Address> <Prefix> [InterfaceNames]
ここで、IPAddress は IPv6 アドレス、Prefix はプレフィックス長です。[InterfaceName] は省略可能です。
追加した各ネットワークのゲートウェイアドレスの構成
Gateway Add GatewayIPAddress [TargetNetworkIPAddress] [Netmask] [InterfaceName]
ここで、GatewayIPAddress はインターフェースのゲートウェイです。TargetNetworkIPAddress、Netmask、InterfaceName は省略可能です。このコマンドを繰り返して、すべての宛先ネットワークにゲートウェイを追加します。
Gateway IP Address や TargetNetworkIPAddress には、IPv4 または IPv6 アドレスを指定できます。
ただし、同じコマンド内で IPv4 と IPv6 アドレスの両方は使わないでください。たとえば、Gateway Add 9ffe::3 255.255.255.0 eth1 は使えません。Gateway Add 9ffe::3 6ffe:: 64 eth1 を使ってください。
- Main_Menu > Network ビューで次のコマンドを使って、アプライアンスの DNS ドメイン名を設定します。
メモ:
DNS を使わない場合は、ステップ 6 に進んでください。
DNS Domain Name
ここで、Name はアプライアンスの新しいドメイン名です。
- [Main_Menu] > [ネットワーク (Network)] ビューで、次のコマンドを使って DNS ネームサーバーをアプライアンス構成に追加します。
DNS Add NameServer IPAddress
ここで、IPAddress は DNS サーバーの IP アドレスです。
アドレスは IPv4 または IPv6 のいずれかになります。グローバルスコープ IPv6 アドレスと一意のローカル IPv6 アドレスのみが許可されます。
???を参照してください。
複数の IP アドレスを追加するには、スペースを空けずに各アドレスをカンマで区切ります。
- [Main_Menu] > [ネットワーク (Network)] ビューで次のコマンドを使って、DNS 検索ドメインをアプライアンス構成に追加し、異なるドメインにあるホスト名をアプライアンスが解決できるようにします。
DNS Add SearchDomain SearchDomain
ここで、SearchDomain は検索用に追加する対象ドメインです。
- このステップは省略可能です。ここでは、アプライアンスの hosts ファイルに、他のホストの IP アドレスを追加できます。
Main_Menu > Network ビューで次のコマンドを使って、ホストエントリをアプライアンスの hosts ファイルに追加します。
Hosts Add IPAddressFQHNShortName
ここで、IPAddress は IPv4 または IPv6 アドレス、FQHN は完全修飾ホスト名、ShortName は短いホスト名です。
???を参照してください。
- [Main_Menu] > [ネットワーク (Network)] ビューで次のコマンドを使って、アプライアンスのホスト名を設定します。
メモ:
このアプライアンスで Active Directory (AD) 認証を構成することを計画している場合は、ホスト名は 15 文字以下にする必要があります。そうしないと、AD 構成が失敗する可能性があります。
Hostname Set Name
Name は、このアプライアンスの短いホスト名または完全修飾ドメイン名 (FQDN) です。
一部の例外を除き、ホスト名はアプライアンス構成全体に適用されます。短縮名は次の場所に常に表示されます。
NetBackup Appliance シェルメニュープロンプト
重複排除プールカタログのバックアップポリシー
デフォルトのストレージユニットおよびディスクプール名
このアプライアンスが出荷時の設定にリセットされていて、以前のバックアップイメージのいずれかをインポートする場合は、アプライアンスのホスト名が次のルールのいずれかを満たしている必要があります。
ホスト名は出荷時の設定へのリセット前に使われるものとまったく同じである必要があります。
FQDN にホスト名を変更する場合は、出荷時の設定へのリセットの前に使われた短い名前を含んでいる必要があります。 たとえば、「myhost」が出荷時の設定へのリセットの前に使われた場合は、新しい FQDN として「myhost.domainname.com」を使います。
短いホスト名にホスト名を変更する場合は、出荷時の設定へのリセットの前に使われた FQDN から得られる名前にする必要があります。 たとえば、「myhost.domainname.com」が出荷時の設定へのリセットの前に使われた場合は、新しい短いホスト名として「myhost」を使います。
メモ:
ホスト名は初期構成セッションの間のみ設定することができます。 初期構成が正常に完了した後、アプライアンスで出荷時の設定にリセットすると初期構成を再入力できます。詳しくは、『NetBackup appliance 管理者ガイド』を参照してください。
このステップにより、NetBackup は新しいホスト名で動作するように再構成されます。この処理は、完了するまでにしばらく時間がかかることがあります。
Hostname set コマンドが動作するためには、少なくとも 1 つの IPv4 アドレスが必要です。たとえば、特定のホストのホスト名を v46 に設定するとします。そのためには、まず、その特定のホストが少なくとも 1 つの IPv4 アドレスを持つことを確認した後、次のコマンドを実行します。
Main_Menu > Network > Hostname set v46
- 前述のネットワーク構成設定に加え、Main_Menu > ビューを使って、アプライアンスネットワークの初期設定時に結合を作成して VLAN をタグ付けすることもできます。
2 つ以上のネットワークインターフェース間に結合を作成するには、Network > LinkAggregation Create コマンドを使います。
物理インターフェースまたは結合インターフェースにタグ付けするには、Network > VLAN Tag コマンドを使います。
LinkAggregation と VLAN コマンドオプションについて詳しくは、『NetBackup Appliance コマンドリファレンスガイド』を参照してください。
- Main_Menu > Network ビューで次のコマンドを使って、このアプライアンスのタイムゾーン、日付および時間を設定します。
次のコマンドを入力して、タイムゾーンを設定します。
TimeZone Set
表示されたリストから該当するタイムゾーンを選択します。
次のコマンドを入力して、日付と時刻を設定します。
Date Set MonthDayHHMMSSYear
Month は月の名前です。
Day は 0 から 31 までの日付です。
HHMMSS は 24 時間形式の時、分、秒です。フィールドは、HH:MM:SS のようにセミコロンで区切ります。
Year は、1970 から 2037 までの暦年です。
- [Main_Menu] > [設定 (Settings)] > [アラート (Alerts)] > [電子メール (Email)] ビューで次のコマンドを使って、アプライアンスの失敗アラートの SMTP サーバー名と電子メールアドレスを入力します。
SMTP サーバー名の入力
Email SMTP Add Server [Account] [Password]
Server 変数は、電子メールを送信するために使われるターゲット SMTP サーバーのホスト名です。[Account] オプションでは、使われたアカウントの名前または SMTP サーバーの認証を識別します。[Password] オプションは、SMTP サーバーの認証のためのパスワードです。
電子メールアドレスの入力
Email Software Add Addresses
ここで、Addresses はユーザーの電子メールアドレスです。複数の電子メールを定義するには、セミコロンで電子メールを区切ります。
- アプライアンスの役割として、メディアサーバーを設定します。
メモ:
メディアサーバーとしてこのアプライアンスを設定する前に、このアプライアンス名を、一緒に使うマスターサーバーに追加してください。???を参照してください。
[Main_Menu] > [アプライアンス (Appliance)]ビューから、次のコマンドを実行します。
Media MasterServer
MasterServer がスタンドアロンのマスターサーバー、マルチホームマスターサーバー、またはクラスタ化されたマスターサーバーのいずれかである場合。それぞれのシナリオについて以下で説明します。
スタンドアロンのマスターサーバー
このシナリオは、マスターサーバーホスト名が 1 つの場合です。この名前は、アプライアンスがネットワーク上でマスターサーバーを認識できていれば、完全修飾名である必要はありません。コマンドの表示例を次に示します。
Media MasterServerName
マルチホームマスターサーバー
このシナリオでは、マスターサーバーに複数のホスト名が関連付けられています。ホスト名の区切り文字としてカンマを使ってください。コマンドの表示例を次に示します。
Media MasterNet1Name,MasterNet2Name
クラスタ化されたマスターサーバー
このシナリオでは、マスターサーバーはクラスタにあります。ベリタスは、クラスタ名、クラスタのアクティブノード、クラスタのパッシブノードの順でリストにすることをお勧めします。このリストでは、カンマを使ってノード名を区切ります。コマンドの表示例を次に示します。
Media MasterClusterName,ActiveNodeName,PassiveNodeName
マルチホームクラスタ化されたマスターサーバー
このシナリオでは、マスターサーバーはクラスタにあり、関連付けられている複数のホスト名があります。ベリタスは、クラスタ名、クラスタのアクティブノード、クラスタのパッシブノードの順でリストにすることをお勧めします。このリストでは、カンマを使ってノード名を区切ります。コマンドの表示例を次に示します。
Media MasterClusterName,ActiveNodeName,
PassiveNodeName,MasterNet1Name,MasterNet2Name
アプライアンスの役割を設定するときに、今後問題が起こらないようにするため、ベリタスは関連付けられているすべてのマスターサーバー名を設定することをお勧めします。
CA 証明書の詳細が表示されたら、詳細を確認して yes と入力し、次のメッセージに応答します。
>> Do you trust the CA certificate? [yes, no] yes
ホスト ID ベースの証明書の配備が必要な場合はトークンを入力します。次のプロンプトを参照してください。
>> Enter token:
セキュリティ証明書について詳しくは、『NetBackup セキュリティおよび暗号化ガイド』の「NetBackup のセキュリティ証明書」の章を参照してください。
メモ:
マスターサーバーのホスト名が FQDN の場合は、FQDN を使ってメディアサーバーのマスターサーバーを指定することをお勧めします。
- 構成プロセスで、NetBackup のストレージオブジェクトが検出されたかどうか判断します。既存のストレージオブジェクトおよびデータを保存するかどうかを決定します。
ストレージオブジェクトが検出されると、次のメッセージが表示されます。
NetBackup storage objects have been detected that belong to this media server node. You have an option to clean up (delete and recreate) or preserve any preexisting NetBackup storage objects that are solely owned by this appliance node. If you choose 'yes' the following occurs: 1. The NetBackup catalog images owned by this node are expired, if applicable. 2. The storage servers, disk pools, and storage units are cleaned up on the master server. Whether you chose 'yes' or 'no', the backup data on the disk is preserved. If you want to remove the backup data, run 'Support->Storage Reset' before you proceed. >> Do you want to clean up existing storage objects? [yes,no]
「yes」を入力すると、次のようになります。
このメディアサーバー計算ノードが所有する NetBackup カタログイメージは期限切れになります。
ストレージサーバー、ディスクプールおよびストレージユニットはマスターサーバーでクリーンアップされます。
ディスクのバックアップデータが保存されます。
「no」を選択すると、次のようになります。
NetBackup カタログのイメージは保持されます。
ディスクのバックアップデータが保存されます。
メモ:
バックアップデータを削除する場合は、続行する前に NetBackup Appliance シェルメニューから次のコマンドを実行してください。
Main_Menu > Support > Storage Reset
- ストレージ構成プロパティを入力して、AdvancedDisk または重複排除 (MSDP) 、あるいは両方のストレージプールを設定します。
再イメージ処理後にストレージプールのサイズを設定するときに、デフォルトのストレージサイズが表示されます。再イメージ処理の前にストレージプールのサイズを調整した場合は、新しいストレージプールのサイズがデフォルト値として表示されます。ただし、表示されるデフォルトのディスクプール名とストレージユニット名は、初期構成プロセスのときと同じデフォルト名になります。再イメージングの前にディスクプール名とストレージユニット名を変更した場合、再構成プロセス中に再度、選択した名前を入力する必要があります。
メモ:
この手順を省略するには、サイズを入力するようプロンプトが表示されたら 0 を入力します。またこれにより、そのパーティションの既存のデータが削除されます。
プロンプトが表示されたときに 0 を入力した場合に、ストレージにパーティションが存在しない場合には、パーティションは作成されません。0 を入力し、パーティションがすでに存在する場合は、パーティションおよび既存のデータが削除されます。
AdvancedDisk ストレージプールを構成するには、次の情報を提供します。
AdvancedDisk partition size in GB/TB [1GB..4.51TB]: (1 GB) [1.6395 GB..51.8 TB]:
AdvancedDisk diskpool name: (dp_adv_5230)
AdvancedDisk storage unit name: (stu_adv_5230)
MSDP ストレージプールを構成するには、次の情報を提供します。
MSDP partition size in GB/TB [118GB..4.49TB]: (4.23 TB)
MSDP diskpool name: (dp_disk_5230)
MSDP storage unit name: (stu_disk_5230)
MSDP Catalog partition size in GB/TB [19GB..294GB]: (19 GB)
メモ:
同じストレージプール構成を再作成できるよう、この再イメージ処理手順を開始する前に記録した構成メモを参照する必要がある場合があります。
- 上記からストレージ構成への変更を行うかどうかを選択してください。
メモ:
ストレージの予想構成時間は、システムの負荷によって異なる可能性があります。NetBackup サービスを再起動するには数分間かかることもあります。システムの負荷が大きいほど、操作を完了するまでに時間がかかります。
Do you want to make changes to the storage configuration shown above? [yes,no]: no
- 次のように、デフォルトの Maintenance ユーザーパスワードを変更します。
Main_Menu > Support > Maintenance コマンドを入力します。
パスワードプロンプトで、デフォルトのメンテナンスユーザーパスワード(P@ssw0rd)を入力します。
メンテナンスシェルプロンプトで passwd コマンドを入力してパスワードを変更します。
Exit と入力すると NetBackup Appliance シェルメニューに戻ります。
Support > Maintenance コマンドの使用について詳しくは、『NetBackup Appliance コマンドリファレンスガイド』を参照してください。