Veritas InfoScale™ 7.4 仮想化ガイド- Linux

Last Published:
Product(s): InfoScale & Storage Foundation (7.4)
Platform: Linux
  1. 第 I 部 Linux 仮想化で使う Veritas InfoScale Solutions の概要
    1. サポート対象の製品と技術の概要
      1.  
        Veritas InfoScale 製品の仮想化ガイドの概要
      2. Linux 仮想化環境の Veritas InfoScale Solutions のサポートについて
        1.  
          Linux 仮想化環境の SmartIO について
        2.  
          SmartPool 機能について
      3. KVM (カーネルベースの仮想マシン)技術について
        1.  
          カーネルベースの仮想マシンの用語
        2.  
          VirtIO ディスクドライブ
      4. RHEV 環境について
        1.  
          RHEV の用語
      5.  
        Veritas InfoScale 製品が対応する仮想化の使用例
      6.  
        仮想から仮想(ゲスト内部)へのクラスタ化とフェールオーバーについて
  2. 第 II 部 基本 KVM 環境の実装
    1. 基本 KVM のスタートガイド
      1.  
        KVM (カーネルベースの仮想マシン)ホストの作成および起動
      2.  
        RHEL ベースの KVM のインストールと使用法
      3.  
        KVM ゲストの設定
      4.  
        Veritas InfoScale Solutions での KVM の設定について
      5. カーネルベースの仮想マシン環境の Veritas InfoScale Solutions 設定オプション
        1.  
          KVM ゲスト仮想化マシンの Dynamic Multi-Pathing
        2.  
          KVM ホストでの Dynamic Multi-Pathing
        3.  
          仮想化ゲストマシンでの Storage Foundation
        4.  
          KVM ゲストでの I/O フェンシングの有効化
        5.  
          KVM ホストでの Storage Foundation Cluster File System High Availability
        6.  
          KVM ホストとゲスト仮想マシンの Dynamic Multi-Pathing
        7.  
          KVM ホストの Dynamic Multi-Pathing と KVM ゲスト仮想マシンの Storage Foundation HA
        8.  
          KVM ホストでの Cluster Server
        9.  
          ゲストでの Cluster Server
        10.  
          複数の仮想マシンゲストと物理コンピュータにわたるクラスタ内の Cluster Server
      6.  
        カーネルベースの仮想マシン環境での Veritas InfoScale Solutions のインストール
      7. KVM(カーネルベースの仮想マシン)環境の Cluster Server のインストールと設定
        1.  
          VCS(Cluster Server)の仮想マシン(VM)ゲストの管理方法
    2. KVM リソースの設定
      1.  
        カーネルベースの仮想マシンリソースについて
      2. ストレージの設定
        1.  
          KVM 環境での一貫したストレージマッピング
        2. ゲストへのデバイスのマッピング
          1.  
            DMP メタデバイスのマッピング
          2.  
            複数の KVM ホストにわたって一貫した命名
          3.  
            パスを使ったデバイスのマッピング
          4.  
            ボリュームを使ったデバイスのマッピング
          5.  
            virtio-scsi インターフェースを使用したデバイスのマッピング
        3.  
          デバイスのサイズ変更
      3. ネットワークの設定
        1. ブリッジネットワークの設定
          1.  
            ホストネットワークの設定
          2.  
            ゲストネットワークの設定
        2.  
          複数の物理コンピュータ(PM-PM)にわたる VCS クラスタのネットワーク設定
        3.  
          標準ブリッジの設定
        4.  
          VM-VM クラスタのネットワーク設定
  3. 第 III 部 RedHat Enterprise Virtualization 環境の実装
    1. RHEV(Red Hat Enterprise Virtualization)のスタートガイド
      1.  
        RHEV ホストの作成と起動
      2.  
        RHEV(Red Hat Enterprise Virtualization)環境での仮想マシンの設定
      3. RHEV 環境のための Veritas InfoScale Solutions 設定オプション
        1.  
          RHEV ゲスト仮想化マシンの Dynamic Multi-Pathing
        2.  
          RHEV ホストでの Dynamic Multi-Pathing
        3.  
          RHEV ゲスト仮想マシンでの Storage Foundation
        4.  
          RHEV ホストでの Storage Foundation Cluster File System High Availability
        5.  
          RHEV ホストとゲスト仮想マシンの Dynamic Multi-Pathing
        6.  
          RHEV ホストの Dynamic Multi-Pathing と RHEV ゲスト仮想マシンの Storage Foundation HA
        7.  
          RHEV 環境の Cluster Server
      4.  
        Veritas InfoScale Solutions での RHEV の設定について
      5.  
        RHEV 環境での Veritas InfoScale Solutions のインストール
    2. 仮想マシンを管理する VCS の設定
      1. 仮想マシンとアプリケーション可用性を実現するための Cluster Server のインストールと設定
        1.  
          VCS( Cluster Server)による仮想マシンの管理方法
      2.  
        KVMGuest エージェントについて
      3.  
        仮想環境の検証
      4.  
        RHEV 環境のリソースの設定
      5.  
        複数の KVMGuest リソースの設定
    3. 仮想マシンのバックエンドストレージとしての Storage Foundation の設定
      1.  
        RHEV 環境内のバックエンドストレージとして Storage Foundation を接続するための仮想マシンの設定について
      2.  
        Storage Foundation ストレージを使用する仮想マシンの使用事例
      3.  
        RHEV 環境での仮想マシンに対するストレージを設定するワークフロー
      4.  
        RHEV 環境の前提条件
      5.  
        RHEV のための SF 管理ユーティリティのインストール
      6.  
        RHEL-H ノードへの SFCFSHA または SFHA クラスタのインストールと設定
      7. 仮想マシンのバックエンドストレージとしての Storage Foundation の設定
        1.  
          ゲスト仮想マシンへの Storage Foundation コンポーネントの接続と取り外し
        2.  
          RHEV 環境での仮想マシン設定の詳細のリスト
        3.  
          エクスポートされたストレージデバイスに対するアクセス権の設定
        4.  
          仮想マシンの起動と停止
      8.  
        RHEV 管理ユーティリティからの使用例
      9.  
        DMP メタデバイスのマッピング
      10.  
        デバイスのサイズ変更
  4. 第 IV 部 Linux 仮想化実装の使用例
    1. アプリケーションの可視性とデバイス検出
      1.  
        ストレージからアプリケーションへの可視性の使用について
      2.  
        Veritas InfoScale Operations Manager でのカーネルベースの仮想マシン(KVM)の仮想化検出
      3.  
        Veritas InfoScale Operations Manager の Red Hat Enterprise Virtualization(RHEV)仮想化の検出について
      4.  
        Microsoft Hyper-V 仮想化の検出について
      5.  
        Microsoft Hyper-V での仮想マシンの検出
      6.  
        Microsoft Hyper-V でのストレージマッピングの検出
    2. サーバー統合整理
      1.  
        サーバー統合整理
      2.  
        単純な作業負荷に対するサーバー統合の実装
    3. 物理から仮想への移行
      1.  
        物理から仮想への移行
      2.  
        物理から仮想への移行(P2V)を実装する方法
    4. 簡素化した管理
      1.  
        簡素化した管理
      2. ゲスト仮想マシンのストレージのプロビジョニング
        1.  
          Veritas Volume Manager ボリュームを VM ゲストのデータディスクにするプロビジョニング
        2.  
          Veritas Volume Manager ボリュームをゲスト仮想マシンのブートディスクにするプロビジョニング
      3. ブートイメージの管理
        1.  
          ブートディスクグループの作成
        2.  
          ゴールデンイメージの作成と設定
        3.  
          ゴールデンイメージを使った仮想マシンの迅速なプロビジョニング
        4.  
          領域最適化スナップショットによるストレージの節約
    5. Cluster Server を使用するアプリケーションの可用性
      1.  
        アプリケーション可用性オプションについて
      2.  
        KVM 環境アーキテクチャの Cluster Server の概略
      3.  
        仮想マシンに高可用性を提供するホストの VCS とアプリケーションに高可用性を提供するゲストの ApplicationHA
      4.  
        仮想から仮想へのクラスタ化とフェールオーバー
      5.  
        仮想から仮想へのクラスタ化のための I/O フェンシングサポート
      6.  
        仮想から物理へのクラスタ化とフェールオーバー
    6. 仮想マシンの可用性
      1.  
        仮想マシンの可用性オプションについて
      2.  
        リソースとして仮想マシンを監視するホストの VCS
      3.  
        仮想マシン可用性のための仮想化環境の検証
    7. ライブ移行を使った仮想マシンの可用性
      1.  
        ライブ移行について
      2.  
        ライブ移行の必要条件
      3.  
        Flexible Shared Storage により RHEV 環境での SAN 投資を削減
      4. Flexible Storage Sharing について
        1.  
          Flexible Storage Sharing の使用例
        2.  
          Flexible Storage Sharing の制限事項
      5.  
        Storage Foundation コンポーネントを仮想マシンのバックエンドストレージとして設定します。
      6.  
        仮想マシンの可用性を得るためのライブ移行の実装
    8. Red Hat Enterprise Virtualization 環境での仮想から仮想へのクラスタ化
      1.  
        RHEV(Red Hat Enterprise Virtualization)の仮想から仮想のクラスタ化に向けた Cluster Server のインストールと設定
      2.  
        RHEV 環境での VCS のストレージ設定
    9. Microsoft Hyper-V 環境での仮想から仮想へのクラスタ化
      1.  
        Cluster Server with Microsoft Hyper-V 仮想から仮想のクラスタ化による Symantec Cluster Server のインストールと設定
    10. OVM(Oracle Virtual Machine)環境での仮想から仮想へのクラスタ化
      1.  
        OVM(Oracle Virtual Machine)の仮想から仮想へのクラスタ化に向けた Cluster Server のインストールと設定
      2.  
        OVM(Oracle Virtual Machine)での VCS サポートのストレージ設定
    11. Red Hat Enterprise 仮想化環境での仮想化マシンに対するディザスタリカバリ
      1.  
        Red Hat Enterprise Virtualization 仮想マシンに対するディザスタリカバリについて
      2.  
        RHEV 環境での DR の要件
      3. Volume Replicator(VVR)と Veritas File Replicator(VFR)を使用するボリュームとファイルシステムの障害回復
        1.  
          アレイベースのレプリケーションソリューションよりも VVR を選択する理由
      4.  
        Storage Foundation コンポーネントをバックエンドストレージとして設定する
      5.  
        DR サイト間のレプリケーションのために VCS GCO オプションで VVR および VFR を設定します
      6.  
        Cluster Server(VCS)を使った RHEV(Red Hat Enterprise Virtualization)仮想マシンでのディザスタリカバリの設定
    12. 多層型ビジネスサービスのサポート
      1.  
        での Virtual Business Service について
      2.  
        Virtual Business Service の設定例
      3. Veritas Operations Manager の Virtual Business Services を使って管理される多層型アプリケーションのリカバリ
        1.  
          Virtual Business Services のサービスグループ管理
    13. Docker コンテナと InfoScale Enterprise の管理
      1.  
        InfoScale Enterprise 製品による Docker コンテナの管理について
      2. Docker、Docker Daemon、および Docker Container 用の Cluster Server エージェントについて
        1.  
          サポート対象ソフトウェア
        2.  
          エージェントが高可用性を実現するしくみ Veritas
        3.  
          マニュアル参照
      3. Docker コンテナのストレージ容量の管理
        1.  
          VxFS (Veritas File System) から Docker インフラストラクチャへのストレージのプロビジョニング
        2. Docker コンテナのデータボリュームのプロビジョニング
          1.  
            VxFS (Veritas File System) 上のストレージをコンテナのデータボリュームとしてプロビジョニングする
          2.  
            VxVM のボリュームをコンテナのデータボリュームとしてプロビジョニングする
          3.  
            データボリュームコンテナの作成
        3. Docker Container のストレージの自動プロビジョニング
          1.  
            Veritas InfoScale Docker ボリュームプラグインのインストール
          2.  
            ディスクグループの設定
          3.  
            ストレージを自動的に接続して Docker Container を作成する
          4.  
            サービスの品質サポートを使用して騒々しい近隣の問題を回避
          5.  
            スナップショット作成用のプロビジョニング
          6.  
            Docker 1.12 Swarm モードを使用した Veritas ボリュームプラグインの設定
        4.  
          コンテナのストレージを管理するための InfoScale Enterprise の機能の使用について
      4. Docker コンテナのオフライン移行
        1.  
          Docker コンテナの移行
        2.  
          Docker Daemon と Docker Container の移行
      5. Docker 環境におけるボリュームとファイルシステムのディザスタリカバリ
        1.  
          ディザスタリカバリ用の Docker コンテナの設定
      6.  
        Docker コンテナの管理時の制限事項
  5. 第 V 部 参照
    1. 付録 A. トラブルシューティング
      1.  
        仮想マシンのライブ移行のトラブルシューティング
      2.  
        Red Hat Enterprise Virtualization(RHEV)環境でのライブ移行のストレージ接続
      3.  
        Red Hat Enterprise Virtualization(RHEV)仮想マシンのディザスタリカバリ(DR)のトラブルシューティング
      4.  
        KVMGuest リソースが、ホストへのストレージ接続が失われてもオンライン状態のままになる
      5.  
        仮想マシンが実行されているホストのネットワーク接続が失われると、VCS が仮想マシンのフェールオーバーを開始する
      6.  
        RHEV 環境で、間違ったブート順序により仮想マシンの起動に失敗する
      7.  
        RHEV 環境で、仮想マシンが wait_for_launch 状態でハングアップして起動に失敗する
      8.  
        DROpts 属性が設定されていない場合、VCS が別の RHEV クラスタのホストの仮想マシンの起動に失敗する
      9.  
        仮想マシンが RHEV 環境で接続されているネットワークカードの検出に失敗する
      10.  
        hares -modify コマンドの -add オプションまたは -delete オプションを使って RHEVMInfo 属性のいずれかのキーを更新すると、KVMGuest エージェントの動作が未定義になる
      11.  
        RHEV 環境: VM が動作しているノードがパニックに陥るか強制的にシャットダウンされる場合、VCS は別のノードで VM を開始できない
    2. 付録 B. 設定例
      1. KVM 環境での設定例
        1.  
          設定例 1: ネーティブ LVM ボリュームをゲストイメージの格納に使用
        2.  
          設定例 2: VxVM ボリュームをゲストイメージの格納に使用
        3.  
          設定例 3: CVM-CFS をゲストイメージの格納に使用
      2.  
        RHEV(Red Hat Enterprise Virtualization)環境の設定例
    3. 付録 C. 詳しい情報の入手先
      1.  
        Veritas InfoScale のマニュアル
      2.  
        Linux の仮想化マニュアル
      3.  
        サービスとサポート
      4.  
        Veritas SORT (Services and Operations Readiness Tools) について

KVMGuest エージェントについて

KVMGuest エージェントは、VCS( Cluster Server)による KVM ゲスト(KVM 環境または RHEV(Red Hat Enterprise Virtualization)環境の仮想マシン)の監視を可能にします。このエージェントは、仮想マシンのオンライン化およびオフライン化などのタスクを実行します。KVMGuest エージェントは、KVM 環境と RHEV 環境の両方で動作します。ここでは、RHEV 環境での動作について説明します。

オープンソース KVM 環境または RHEV 環境での KVMGuest エージェントの動作について詳しくは『 Cluster Server 付属エージェントリファレンスガイド』を参照してください。

KVMGuest エージェントでは、virsh コマンドを使って KVM 環境および REST(Representational State Transfer)API を管理し、REST API を使って RHEV 環境の仮想マシンを管理して、仮想マシンの状態を判別します。このエージェントは仮想マシンの状態に基づいてリソースの状態を判断します。REST 設計アーキテクチャは、一部の特定のサービスのリソースとその表現に焦点を合わせています。REST API は、ソフトウェアの開発者および管理者が、RHEV 環境の機能を、カスタムスクリプトまたは HTTP によって API にアクセスする外部アプリケーションと統合するのに役立ちます。

REST API を使って RHEV 環境の仮想マシンを管理するための前提条件

  • REST API を含む Red Hat Enterprise Virtualization Manager のネットワークインストール

  • REST API から HTTP 要求を開始し、受信するクライアントまたはプログラミングライブラリ

次の表に、RHEV 環境の仮想マシンの状態と、対応する VCS リソースの状態の一覧を示します。

表:

仮想マシンの状態

VCS リソースの状態

リソースの信頼度

wait_for_launch

ONLINE

10

powering_up

ONLINE

60

up

ONLINE

100

powering_down

ONLINE

40

paused

ONLINE

20

down

OFFLINE

-

saving_state

INTENTIONAL OFFLINE

-

suspended

INTENTIONAL OFFLINE

-

restoring_state

ONLINE

50

migrating

INTENTIONAL OFFLINE

-

reboot_in_progress

INTENTIONAL OFFLINE

-

image_locked

UNKNOWN

-

不明

UNKNOWN

-

表: KVMGuest エージェントの関数

機能

タスク

Online

KVM 環境: エージェントは virsh start コマンドを使用してゲスト仮想マシンを開始します。リソースがゲスト設定を定義するように設定されている場合、エージェントは virsh define コマンドを使用してオンライン化するときに仮想マシンを定義します。

RHEV 環境: エージェントは REST API を使用して仮想マシンを開始します。DROpts 属性を設定してゲストネットワークを構成している場合は、エージェントはペイロードも cdrom として設定します。このペイロードには、DR フェールオーバー後にゲスト内に設定されるネットワークパラメータが含まれています。

エージェントは、仮想マシンが開始した後、特定の時間待機します。「DelayAfterGuestOnline」属性を使って、この待機時間を指定できます。

エージェントは、DROpts 属性を調べて、仮想マシンにディザスタリカバリが設定されているかどうかも確認します。この属性が正しく設定されている場合、エージェントは仮想 CDROM を仮想マシンの設定に挿入します。この CDROM には、サイトで仮想マシンに適用されるサイト固有のネットワークパラメータを含むファイルが含まれています。仮想マシンのブート時に、ゲスト内にインストールされている vcs-net-reconfig サービスが CDROM とディザスタリカバリ情報を確認します。vcs-net-reconfig サービスは、ディザスタリカバリ情報を検出すると、ネットワークパラメータを仮想マシンに適用します。

Offline

Offline 関数は、仮想マシンの段階的な終了を開始します。

KVM 環境: エージェントは virsh shutdown コマンドを使用してゲスト仮想マシンをシャットダウンします。ゲスト仮想マシン設定ファイルを同期するように SyncDir 属性を設定した場合、この設定ファイルは SyncDir 属性として設定された場所にコピーされます。

RHEV 環境: エージェントは REST API を使用して仮想マシンをシャットダウンします。

エージェントは、仮想マシンのシャットダウンの開始後、仮想マシンが完全に停止するまで、特定の期間待機します。「DelayAfterGuestOffline」属性を使って、この待機時間を指定できます。

Monitor

KVM 環境: エージェントは virsh domstate コマンドを使用してゲスト仮想マシンの状態を判断します。

RHEV 環境: エージェントは REST API を使用して仮想マシンの状態を取得します。

Clean

KVM 環境: エージェントは virsh destroy コマンドを使用してゲスト仮想マシンを強制的にシャットダウンします。ゲスト仮想マシン設定ファイルを同期するように SyncDir 属性を設定した場合、この設定ファイルは SyncDir 属性として設定された場所にコピーされます。

RHEV 環境: エージェントは REST API を使用して仮想マシンを停止します。

Migrate

KVM 環境: エージェントが virsh migrate コマンドを使って仮想マシンの移行を開始します。

RHEV 環境: エージェントが REST API を使って仮想マシンの移行を開始します。さらに、その仮想マシンの移行が許可されているかどうかを確認します。

メモ:

仮想マシンがディザスタリカバリ用に設定されている場合は、複数のサイトにまたがってその仮想マシンを移行することはできません。

KVMGuest エージェントは、次のリソースの状態を認識します。

表:

リソースの状態

説明

ONLINE

ゲスト仮想マシンが実行中であることを示します。

OFFLINE

ゲスト仮想マシンが停止したことを示します。

FAULTED

ゲスト仮想マシンの起動に失敗したか、または予想外に停止したことを示します。

UNKNOWN

設定に問題があるか、またはリソース監視機能に問題があることを示します。

INTENTIONAL OFFLINE

仮想マシンが別の物理ホストに移行されたか、または仮想マシンが管理者によって意図的に一時停止されたかのいずれかを示します。

KVM 環境または RHEV 環境の仮想マシンを管理する Cluster Server エージェントは、KVMGuest のリソースタイプ定義として表されます。

type KVMGuest (
        static int IntentionalOffline = 1
        static boolean AEPTimeout = 1
        static int MigrateTimeout = 300
        static int MigrateWaitLimit = 2
        static keylist SupportedActions = { "guestmigrated", "vmconfigsync", "DevScan" }
        static keylist SupportedOperations = { "migrate"}
        static keylist RegList = { "GuestName", "DelayAfterGuestOnline", "DelayAfterGuestOffline", "RHEVMInfo", "DROpts" }
        static str ArgList[] = { GuestName, DelayAfterGuestOnline, DelayAfterGuestOffline, SyncDir, GuestConfigFilePath, CEInfo, RHEVMInfo, ResyncVMCfg, DROpts }
        str CEInfo{} = { Enabled=0, CESystem=NONE, FaultOnHBLoss=1 }
        str RHEVMInfo{} = { Enabled=0, URL=NONE, User=NONE, Password=NONE, Cluster=NONE, UseManualRHEVMFencing=0 }
        str GuestName
        int DelayAfterGuestOnline = 5
        int DelayAfterGuestOffline = 30
        str SyncDir
        str GuestConfigFilePath
        boolean ResyncVMCfg = 0
        str DROpts{} = { ConfigureNetwork=0, IPAddress=NONE, Netmask=NONE, Gateway=NONE, DNSServers=NONE, DNSSearchPath=NONE, Device=NONE }
)

RHEVMInfo 属性により、KVMGuest 属性設定で Red Hat Enterprise Virtualization 環境をサポートできます。RHEVMInfo は、RHEV 環境に関する次の情報を指定します。

属性値

説明

Enabled

仮想化環境が KVM 環境または RHEV(Red Hat Entprise Virtualization)環境のいずれかであるかを指定します。

0 は KVM 環境を示します。

1 は RHEV 環境を示します。

デフォルト値は 0 です。

URL

KVMGuest エージェントが REST API 通信に使うことができる RHEV-M URL を指定します。API はセキュリティで保護されたポート(SSL)とのみ通信できます。次に例を示します。

https://rhevm-server.example.com:443

ユーザー

エージェントが REST API 通信に必要な RHEV-M ユーザー名を指定します。次に例を示します。

admin@internal
rhevadmin@example.com

パスワード

RHEVM ユーザープロファイルと関連付けられる暗号化パスワードを指定します。パスワードを暗号化するには vcsencrypt ユーティリティを使います。

詳しくは、『Cluster Server 管理者ガイド』を参照してください。

Cluster

VCS のホストが属する RHEV-M クラスタの名前を指定します。

UseManualRHEVMFencing

仮想マシンが動作する物理ホストでクラッシュが発生した場合に、手動 RHEV-M フェンシングを有効にするかどうかを指定します。

0 は手動 RHEV-M フェンシングが無効であることを示します。

1 は手動 RHEV-M フェンシングが有効であることを示します。

デフォルト値は 0 です。

DROpts 属性は、仮想マシンのディザスタリカバリを有効にします。この属性は仮想マシンのサイト固有のネットワークパラメータを含んでいます。この属性の値は、仮想マシンのディザスタリカバリオプションを定義する次のキーで構成されます。

属性キー

説明

DNSSearchPath

このサイトの仮想マシンが使うドメイン検索パス。このキーの値には、ホスト名のドメイン名が指定されていない場合に、ホスト名の DNS ルックアップに使用される DNS のドメイン名のリストが含まれる必要があります。ドメイン名を区切るにはスペースを使います。

DNSServers

このサイトの仮想マシンが使う DNS サーバーのリスト。このキーの値には、ホスト名の DNS ルックアップに使用される DNS サーバーの IP アドレスのリストが含まれる必要があります。IP アドレスを区切るにはスペースを使います。

Gateway

このサイトの仮想マシンが使うデフォルトゲートウェイ。

Device

このサイトの仮想マシンの排他的 IP アドレス専用のネットワークインターフェースカード(NIC)。このキーを指定しない場合、エージェントは IP アドレスの割り当ての最初の専用 NIC(指定されている場合)を自動的に選択します。例: eth0.

IPAddress

クロスサイトフェールオーバーの後に、このサイトの仮想マシンに割り当てられる IP アドレス。

Netmask

クロスサイトフェールオーバーの後に、このサイトの仮想マシンが使うネットマスク。

ConfigureNetwork

このキーを 1 に設定した場合のみ、DROpts 属性値が仮想マシンに適用されます。データ形式と値のタイプ: 文字列 - 関連。

メモ:

KVMGuest エージェントに関連付けられているその他の属性について詳しくは、『 Cluster Server 付属エージェントリファレンスガイド』を参照してください。