Veritas NetBackup™ Appliance 高可用性リファレンスガイド
NetBackup 53xx 高可用性構成の概要
このトピックでは、完全な 53xx の高可用性 (HA) ソリューションを配備するためのハードウェア要件と構成要件について説明します。
メモ:
NetBackup 5350 Appliance モデルは、NetBackup HA を設定した構成での使用は想定されていない、またはサポートされていません。53xx という表記はすべて、NetBackup 5330 および 5340 アプライアンスモデルにのみ適用されます。
プライマリサーバー
NetBackup 52xx Appliance には、アプライアンスソフトウェアのバージョン 3.1 以降が必要です。
従来の (非アプライアンス) NetBackup プライマリサーバーの場合は、NetBackup バージョン 8.1 以降が必要です。
メディアサーバー
2 つの 53xx 計算ノード (ノードとパートナーノード) が必要です。両方のノードのアプライアンスソフトウェアのバージョン (3.1 以降)、モデル番号、I/O ハードウェア構成が同一である必要があります。次に例を示します。
I/O 構成 D で 2 つの 5330 計算ノードを使用します。I/O 構成 D で 5330 計算ノードを使用することはできず、I/O 構成 D で 5340 計算ノードを使用することはできません。
53xx 計算ノードのサポート対象のストレージファームウェアバージョンは、08.20.20.00 以降です。
2 つのノードはペアとして機能し、次のように異なるサービスの NetBackup 操作の作業負荷を共有します。
メモ:
現在、NetBackup 53xx の HA ソリューションは、次のストレージ形式のみをサポートします。OST デバイスとテープデバイスなどの他のストレージ形式には、両方のノードで同じ設定を設定する必要があります。そうしないと、切り替え操作が実行された後、機能が動作することはできません。
AdvancedDisk サービス
両方のノードが NetBackup プロセスのトランザクションデータを直接処理します。
MSDP サービス
MSDP サービスが実行されているノードだけが NetBackup プロセスのトランザクションデータを直接処理します。もう一方のノードは、トランザクションデータのフィンガープリント計算を行います。
NetBackup 53xx プライマリストレージシェルフ
NetBackup 53xx 拡張シェルフ
必要なシェルフの数 (最大 3 台)
HA 設定の構成
HA 設定では、次の 3 つのホスト名とそれに対応する IP アドレスが必要です。
2 つの物理ノードのホスト名と IP アドレス
2 台の物理メディアサーバーノードにそれぞれ専用のホスト名と IP アドレスを割り当てる必要があります。各ホスト名は、同じサブネット内の対応する IP アドレスに解決する必要があります。
構成する 1 台目のノードが、HA 設定の構成に使用されます。その処理中、新しいホスト名と IP アドレスをそのノードに割り当てるように求められます (次の項目で説明)。
仮想ホスト名と IP アドレス
最初に構成したノードで HA 設定を構成する際、そのノードのホスト名と IP アドレスは自動的に昇格し、HA 設定の仮想ホスト名と IP アドレスになります。仮想ホスト名と IP アドレスは、2 ノード間の HA 設定内のポインタとして動作します。たとえば、1 台のノードが正常に動作していないか、アップグレードまたはメンテナンスのために停止している場合、仮想ホスト名はまだ動作しているノードを自動的にポイントします。
1 台目のノードでの HA 設定中、そのノードの新しいホスト名と IP アドレスを割り当てるよう求められます。2 台目のノード (パートナーノード) を設定して HA 設定に追加する前に、1 台目のノードの新しいホスト名と IP アドレスを NetBackup 管理コンソールの[ホスト名マッピング (Host Name Mappings)]プロパティに追加する必要があります。
ホスト名マッピングの承認
リリース 3.1.2 以降では、HA 設定を完了するため、関連付けられているプライマリサーバーの NetBackup 管理コンソールで、ホスト名マッピングを承認する必要があります。マッピングが承認されないと、切り替え後に MSDP サービスがオンラインになりません。
HA ホスト名マッピングの追加および承認について詳しくは、『NetBackup 53xx Appliance 初期構成ガイド』を参照してください。
チェックリスト
次のリンク先では、新しいアプライアンスの HA 構成を配備するタスクを順番にチェックリストとして示します。このチェックリストを使用すると、順を追ってプロセスを実行できます。
NetBackup Appliance の高可用性配備のチェックリストを参照してください。
HA 構成が完了すると、パートナーノードのネットワーク情報が追加サーバーリストに自動的に追加されます。電子メール通知の設定は、2 つのノード間で自動的に同期されます。HA 設定の電子メール通知をチェックするには、登録済みのハードウェア管理者の電子メールアカウントを使用します。
完了した HA 設定で NetBackup のレプリケーション操作が正しく動作するようにするため、仮想ホスト名をターゲットストレージサーバーとして設定する必要があります。HA 設定の完了後、次の手順を使用して、HA 仮想ホスト名をターゲットストレージサーバーとして設定します。
HA 仮想ホスト名をターゲットストレージサーバーとして設定するには
- [NetBackup 管理コンソール (NetBackup Administration Console)]の左ペインで、[メディアおよびデバイスの管理 (Media and Device Management)]、[クレデンシャル (Credentials)]、[ストレージサーバー (Storage Server)]の順に展開します。
- 右ペインで目的のストレージサーバーをダブルクリックします。
- [ストレージサーバーの変更 (Change Storage Server)]ダイアログボックスで、[レプリケーション (Replication)]タブを選択します。
ターゲットストレージサーバーの既存のエントリが見つかり、値が仮想ホスト名である場合は、この手順を無視します。それ以外の場合は、[追加 (Add)]をクリックします。
- [異なる NetBackup ドメインのレプリケーションターゲットの追加 (Add a Replication Target in a Different NetBackup domain)]ダイアログボックスで、[ターゲットプライマリサーバー (Target primary server)]ドロップダウンリストをクリックし、[<新しい信頼できるプライマリサーバーの追加> (<Add a new Trusted Primary Server>)]を選択します。
- [信頼できるプライマリサーバーの追加 (Add Trusted Primary Server)]ダイアログボックスで、プライマリサーバーのホスト名を入力して[OK]をクリックします。
- [異なる NetBackup ドメインのレプリケーションターゲットの追加 (Add a Replication Target in a Different NetBackup domain)]ダイアログボックスで、次のように情報を入力します。
追加した信頼できるプライマリサーバーを選択します。
ターゲットストレージサーバーの種類として[メディア (media)]を選択します。
[ターゲットストレージサーバーの種類 (Target Storage Server type)]のテキストボックスに、HA 構成の仮想ホスト名を入力します。
認可されたレプリケーションアカウントのユーザー名とパスワードを入力して、[OK]をクリックします。
認可されたレプリケーションアカウントのパスワードがわからない場合は、コマンド Main > Appliance > ShowDedupPassword を実行します。