Veritas NetBackup™ for Nutanix Acropolis Hypervisor (AHV) 管理者ガイド

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Product(s): NetBackup & Alta Data Protection (8.1.1)
  1. NetBackup for Acropolis Hypervisor (AHV) の概要
    1.  
      NetBackup を使用して AHV を保護する
    2.  
      AHV バックアップに関連する NetBackup 用語
    3.  
      NetBackup for AHV の環境
    4.  
      AHV を保護するためのタスク
  2. 前提条件、注意事項、および制限事項
    1.  
      前提条件
    2. 注意事項および制限事項
      1.  
        仮想マシン名に対する NetBackup の文字制限
  3. AHV による NetBackup 通信の設定
    1.  
      コンポーネント間の通信の確立
    2. NetBackup マスターサーバーへのバックアップホストの追加
      1.  
        NetBackup マスターアクセスリストへのバックアップホストの追加
      2.  
        バックアップホストとしての NetBackup アプライアンスの設定
    3.  
      Acropolis クラスタアクセスリストへのバックアップホストの追加
    4.  
      NetBackup 用の Nutanix Acropolis クラスタのクレデンシャルの追加
    5. SSL 証明書の管理
      1.  
        NetBackup アプライアンスでの SSL 証明書の管理
    6.  
      nb_nutanix ahv 構成ファイルについて
  4. AHV 用 NetBackup ポリシーの設定
    1.  
      BigData ポリシー形式について
    2.  
      NetBackup ポリシーユーティリティを使用した BigData ポリシーの作成
    3.  
      バックアップポリシーの設定ウィザードを使用した BigData ポリシーの作成
    4.  
      NetBackup コマンドラインインターフェースを使用した BigData ポリシーの作成
  5. バックアップおよびリストア
    1. Nutanix AHV 仮想マシンのバックアップを作成する
      1.  
        AHV の NetBackup バックアップの基本的なフェーズ
    2.  
      Nutanix AHV 仮想マシンのリストア
  6. 問題のトラブルシューティング
    1.  
      AHV バックアップに関連する問題のトラブルシューティング
    2.  
      NetBackup ログ
    3.  
      ポリシーの作成中および検証中のエラーについて
    4.  
      NetBackup の状態コード
  7. 付録 A. Nutanix AHV 仮想マシンをバックアップおよびリストアするための NetBackup コマンド
    1.  
      AHV を保護するための NetBackup コマンド

Nutanix AHV 仮想マシンのリストア

NetBackup では、バックアップ、アーカイブおよびリストアのコンソールからリストアしたディスクファイルと仮想マシンのリストアユーティリティを使用して、Nutanix AHV 仮想マシンをリストアできます。

リストア処理に含まれる手順の概略は次のとおりです。

  • バックアップ、アーカイブおよびリストアのコンソールからホワイトリストに載っているバックアップホスト上の Nutanix コンテナに VM のディスクファイルをリストアします。この手順により、Nutanix コンテナの VM ディスクデータをリストアします。

    バックアップホストのホワイトリストへの追加について詳しくはAcropolis クラスタアクセスリストへのバックアップホストの追加を参照してください。を参照してください。

    メモ:

    Nutanix コンテナにディスクファイルをリストアするには、NFS を使用して、バックアップホストにコンテナをマウントします。続いて、マウントポイントにファイルをリストアします。

    ディスクファイルがリストアされたら、バックアップホストからコンテナのマウントを解除する必要があります。コンテナをマウント解除しないと、マウントされているコンテナの VM の後続のバックアップが失敗する可能性があります。

  • バックアップホスト上のコマンドラインからユーティリティを実行し、Nutanix Prism からのリストア処理の状態を確認します。この手順により、Acropolis クラスタに VM を作成します。

図: Nutanix VM のリストア処理の概要

Nutanix VM のリストア処理の概要
metadata.json ファイルについて

metadata.json ファイルには、VM のメタデータ、割り当て済みメモリ、ネットワークの詳細、および存在するディスクなどの VM の詳細情報が含まれています。バックアップの作成中に、metadata.json ファイルが各 VM に作成されます。異なる構成で VM をリストアする場合は、metadata.json ファイルを更新します。

metadata.json ファイルの重要なオプション

説明

vm_uuid

仮想マシンの UUID。

memory_mb

VM に割り当てられるメモリ (MB 単位)。

name

VM 名。

num_cores_per_vcpu

VM に CPU ごとに割り当てられるコアの数。

num_vcpus

VM に割り当てられる CPU の数。

storage_container_name

VM がリストアされるストレージのコンテナ名。

mac_address

VM の MAC アドレス。

警告:

metadata.json ファイル内の値を変更する前に、利用可能なシステムリソースが十分あることを確認してください。

リストア時のシナリオ

metadata.json ファイルを変更する必要があるシナリオを理解するには次の表を参照してください。

表: リストアのシナリオ

シナリオ

必要な処理

同じクラスタまたは異なるクラスタに VM をリストアします。クラスタには vm_uuid または mac_address 値が同じである VM は含まれません。

metadata.json は変更しないでください。

同じクラスタまたは異なるクラスタに VM をリストアします。クラスタには vm_uuidmac_address、または name 値が同じである VM がすでに含まれています。

メモ:

このシナリオは、既存の VM に影響を与えずにリストア処理をテストする場合に便利です。

metadata.json ファイルを修正して、vm_uuidmac_address、および name の値を更新します。

同じクラスタまたは異なるクラスタに変更を行った構成の VM をリストアします。たとえば、ディスクファイルをバックアップ、アーカイブおよびリストアのコンソールから、新しいコンテナにリストアする場合は vm_disk:storage_container_name 値を変更します。

metadata.json ファイルを変更します。

仮想マシンをリストアするには:

リストア処理を続行する前に:

  • 削除した Nutanix Acropolis クラスタまたはコンテナに VM をリストアする場合は、事前にクラスタまたはコンテナを再作成する必要があります。この再作成が完了してから、リストアプロセスを開始します。

  • VM ディスクが属する Nutanix コンテナを特定します。続いて、それらのコンテナ用にディレクトリをバックアップホストに作成し、NFS パスとしてコンテナをマウントします。

    ルートレベルでディレクトリを作成する場合は、ルートディレクトリのディレクトリ名がコンテナ名と異なることを確認します。コンテナ名と一致する名前のルートレベルで、ディレクトリを作成する場合は、リストア後に必ずディレクトリを削除します。

  • /.restore フォルダがマウントされているコンテナのそれぞれで利用可能であることを確認します。

  1. NetBackup 管理コンソールで、[バックアップ、アーカイブおよびリストア]を選択します。
  2. [ファイルのリストア]タブを選択し、[バックアップまたはリストアに使用するマシンおよびポリシー形式を指定します]をクリックします。
  3. [バックアップまたはリストアに使用するマシンおよびポリシー形式を指定します]ダイアログボックスで、次の値を入力し、[OK]をクリックします。

    オプション

    バックアップおよびリストアに使用するサーバー

    マスターサーバーのホスト名

    リストアのソースクライアント

    リストアを行う Nutanix VM 名

    リストアの宛先クライアント

    BigData ポリシーで選択したバックアップホスト

    リストアのポリシー形式

    BigData

  4. [リストア形式]で[通常バックアップ]を選択します。
  5. [ディレクトリの参照 (Browse Directory)]フィールドに、/ を入力して、リストアする Nutanix VM データのバックアップを表示します。
  6. [ディレクトリ構造]ナビゲーションペインで、[/] を選択し、右側の [選択したディレクトリの内容]ペインに VM のストレージコンテナと metadata.json ファイルを表示します。
  7. 個々の VM ディスクのファイルおよび関連付けられている metadata.json ファイルを選択し、[リストア]をクリックします。
  8. [個々のディレクトリやファイルを異なる位置にリストア]を選択します。
  9. ディスクファイルまたは metadata.json ファイルを選択し、[選択された宛先の変更]をクリックして次の手順を完了します。
    • mtadata.json ファイルについては、バックアップホストの任意の場所にファイルをリストアします。

    • ディスクファイルに、マウントされている Nutanix コンテナのパスを次の形式で入力します。

      /<path_to_mounted_Nutanix_container>/.restore/<restore_disk_file_ID>

      /.restore ディレクトリが存在することを確認します。

      たとえば、Container1 という名前の Nutanix コンテナが /mnt/Container1 にマウントされる場合、宛先パスは次のようになります。

      /mnt/Container1/.restore/<restore_disk_file_ID>

  10. [リストアの開始]をクリックします。
  11. リストアが正常に完了したら、バックアップホストの次の場所を開きます。

    /usr/openv/netbackup/bin/goodies

  12. 次のコマンドを使用して VM のリストアユーティリティを実行してリストアします。

    nbaapi_ahv_vm_restore --metadata_file_path <metadata_restore_location> --username <Nutanix_username> --password <Nutanix_password> --cluster_name <cluster_name> --cluster_port <port_number>

    ここで、

    • metadata_file_pathmetadata.json ファイルが存在する場所のパスです。

    • uername は Nutanix Acropolis クラスタのユーザー名です。

    • password は Nutanix Acropolis クラスタのパスワードです。

    • cluster_name は Nutanix Acropolis クラスタの完全修飾ドメイン名 (FQDN) です。

    • cluster_port は Nutanix Acropolis クラスタのポート番号です。

    メモ:

    UUID が同じ VM が存在する場合、リストアユーティリティが失敗します。仮想マシンをリストアすると、名前が同じでも異なる UUID にすることができます。metadata.jsonvm_uuid オプションまたは Prism コンソールの VM ID を使用すると、UUID が表示されます。名前と UUID が同じ VM を再作成する場合、ユーティリティは実行されますが、Prism タスクは失敗します。

    詳しくは、を参照してください。

  13. タスクの UUID を使用して、Nutanix Prism コンソールの[すべてのタスクを表示]メニューから仮想マシンのリストア処理の進捗状況を追跡します。
  14. リストアが完了したら、VM はオフ状態になります。手動で仮想マシンを起動する必要があります。
  15. ディスクファイルをストレージコンテナのリストアディレクトリから削除し、バックアップホストからコンテナをマウント解除します。