NetBackup™ for HCL Domino 管理者ガイド

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Product(s): NetBackup & Alta Data Protection (11.0)
  1. NetBackup for Domino の概要
    1.  
      NetBackup for Domino の機能について
    2.  
      サポート対象の Notes データベース構成について
    3.  
      バックアップ可能な Notes データベースファイルについて
  2. NetBackup for Domino のインストール
    1.  
      NetBackup for Domino のインストールの計画
    2.  
      NetBackup サーバーおよびクライアントの要件
    3.  
    4.  
      NetBackup for Domino のライセンス
    5.  
  3. NetBackup for Domino の構成
    1.  
      NetBackup for Domino の構成について
    2. Notes の高速なリストアの設定
      1.  
        トランザクションログのキャッシュパスについて
      2.  
        リストアするログの最大数について
    3. Notes クライアントのホストプロパティの構成
      1.  
        Lotus Notes プロパティ
    4. Notes データベースのバックアップポリシーの構成
      1.  
        NetBackup for Domino ポリシーの追加
      2.  
        ポリシー属性について
      3. NetBackup for Domino ポリシーへのスケジュールの追加
        1.  
        2.  
          NetBackup for Domino バックアップ形式
      4.  
        ポリシーへのクライアントの追加
      5. Notes ポリシーへのバックアップ対象の追加
        1.  
          バックアップ対象リストへの指示句の追加
        2.  
          Notes ポリシーの指示句について
        3.  
          バックアップ対象リストへの Notes データベースの追加
      6.  
        バックアップからの Notes データベースのエクスクルードについて
      7.  
        Notes データベースリンクおよびディレクトリリンクのバックアップについて
    5.  
      Notes データベースサポートファイルのバックアップポリシーの構成
    6.  
      手動バックアップの実行
  4. Notes データベースのバックアップおよびリストアの実行
    1. Notes データベースのユーザー主導バックアップの実行
      1.  
        Notes データベースのバックアップのオプション
    2. Notes データベースのリストア
      1.  
        [全般 (General)]タブ
      2.  
        [Lotus Notes]タブ
      3.  
        リンクされたデータベースまたはディレクトリおよびリンクファイルのリストア
      4.  
        リンクされたデータベースまたはディレクトリのリストアおよびリンクファイルの手動による再作成
    3.  
      代替クライアントへの Notes のリダイレクトリストア
    4.  
      Notes 環境のリカバリ
  5. Domino のクラスタ機能
    1.  
      Domino のクラスタコンポーネントについて
    2.  
      Domino のレプリケート環境またはクラスタ環境でのバックアップ
    3. Domino のレプリケート環境またはクラスタ環境でのリストアおよびリカバリについて
      1.  
        4 つの Domino サーバーがあるクラスタ環境の例
      2.  
        3 つの Domino サーバーがあるクラスタ環境の例
  6. Domino パーティションサーバー
    1.  
      Domino パーティションサーバーについて
    2.  
      Domino パーティションサーバー環境でのバックアップの実行について
    3.  
      Domino パーティションサーバー環境のリストアについて
  7. NetBackup for Domino のトラブルシューティング
    1. NetBackup for Domino デバッグログ
      1.  
      2.  
        NetBackup for Domino のバックアップ操作のデバッグログ
      3.  
        NetBackup for Domino のリストア操作のデバッグログ
      4.  
    2.  
      NetBackup for Domino 操作の進捗レポートの表示
    3.  
      Notes のリストア操作について
    4.  
      Windows クライアントバックアップが状態 69 で失敗する
    5.  
      マスターサーバーから特定の時点へのリストアが状態 12 で失敗する

3 つの Domino サーバーがあるクラスタ環境の例

これは、3 つの Domino サーバーが Domino クラスタのメンバーとなっている Domino のクラスタ環境の例です。サーバー C はバックアップサーバーで、アーカイブトランザクションログを実行しています。サーバー A および B は、循環ログまたはリニアログを実行しています。メールの高可用性および負荷分散を提供するために、レプリカが複数のサーバーに存在します。A から L のデータベースはサーバー A および C に存在し、M から Z のデータベースはサーバー B および C に存在します。すべてのデータベースの完全バックアップは、週のはじめに正常に行われました。アーカイブトランザクションログの増分バックアップは、4 時間ごとに正常に行われ、最後の増分バックアップは 2 時間前に完了しています。今日、ユーザーは 30 個のメールメッセージが誤って削除されていることに気付きました。それらのメールメッセージは、データベース mander.nsf に格納されていたもので、前日の午後 3 時 30 分ごろに削除されました。

誤って削除したメールメッセージをリカバリするには、次の手順を実行します。

  • サーバー C で、次のデータベースの Point in Time リカバリを行います。

    UNIX または Linux の場合: /mail/mander.nsf

    Windows の場合: mail\mander.nsf

    正常に終了した最新のデータベースのバックアップ (たとえば、週のはじめに正常に完了した完全バックアップ) からデータベースを選択します。リストアを開始します。

  • [マークされたファイルのリストア (Restore Marked Files)]ダイアログボックスの[Lotus Notes]タブで、[新規データベースインスタンス ID とレプリカ ID を割り当てる (Assign new database instance ID and replica ID)]オプションを選択します。[データベースを指定した時点の状態へ戻す (Recover database(s) to specified point in time)]オプションを選択します。リカバリを行う時点として、前日の午後 3 時 25 分 (ユーザーがメールメッセージを削除する直前の時刻) を指定します。

  • データベースが前日の午後 3 時 25 分の状態にリカバリされ、削除されたメッセージを含むデータベースがサーバー C に存在するはずです。サーバー C で、mander.nsf データベースにメッセージが存在することを検証します。すべてが正常に行われている場合は、サーバー C のデータベースから誤って削除したメッセージをサーバー B のデータベースにコピーします。

  • コピーが終了したら、サーバー B のデータベースに削除してしまったメッセージが存在することを検証します。メッセージが存在する場合は、サーバー B から次のデータベースの新しいレプリカをサーバー C に作成します。

    Windows の場合: mail\mander.nsf

    UNIX および Linux の場合: /mail/mander.nsf

    クラスタレプリケーションは、サーバー B および C のデータベースで機能することが可能になりました。

    この例では、[新規データベースインスタンス ID とレプリカ ID を割り当てる (Assign new database instance ID and replica ID)]オプションが選択されています。ここで、[新規データベースインスタンス ID を割り当てる (Assign new database instance ID)]オプションを選択した場合は、最終的なリカバリの結果が異なるものになります。レプリカ ID が変更されないことを除けば、リストアされたデータベースは同様に機能します。データベースは、指定した特定の時点の状態にリカバリされます。ただし、レプリカ ID はリストア中に変更されなかったため、サーバー B に存在するレプリカ ID と一致します。したがって、データベースがリカバリされた特定の時点から現在の時点の間にデータベースに対して行われたすべての変更 (30 個のメールメッセージの削除を含む) が、最終的にサーバー C のデータベースにレプリケートされます。内容が同じデータベースのコピーが 2 つになり、サーバー B とサーバー C にそれぞれ 1 つずつ存在することになります。コピーは両方とも、サーバー C でリストアを開始したときと同じ状態です。