Enterprise Vault™ Discovery Accelerator 管理者ガイド
- Discovery Accelerator の概要
- Discovery Accelerator クライアントの概要
- ロールの設定と割り当て
- ケースを使った操作
- レビューマークとタグの設定
- アイテムに自動的にマーク付けまたはタグ付けするルールの使用
- カストディアンマネージャの使用
- アイテムの検索
- Discovery Accelerator を使った検索について
- アドレスマネージャを使った対象電子メールの定義
- Discovery Accelerator 検索スケジュールの作成
- 手動によるアイテムのレビュー
- リサーチフォルダを使った作業
- アイテムのエクスポートと提出物生成
- レポートの作成と表示
- 付録 A. Discovery Accelerator のカスタマイズ
- Discovery Accelerator システム設定オプションの設定
- 付録 B. XML ファイルからの設定データのインポート
- 付録 C. Discovery Accelerator 検索で使う Enterprise Vault のプロパティ
- 付録 D. トラブルシューティング
- カストディアンマネージャに関する問題
- Discovery Accelerator のレポートに関する問題
エクスポート実行または提出物生成実行
アイテムをオフラインでレビューしたり、第三者に証拠として提示する場合は、アイテムを Discovery Accelerator からエクスポートする必要があります。出力形式は PST、Domino NSF データベース、HTML、MSG、ZIP などの複数の形式から選択できます。アイテム自身およびその処理状態の履歴の両方をエクスポートする場合は HTML にエクスポートします。この履歴は、アイテムのプレビューまたは印刷可能バージョンを表示したレビューア、アイテムの元のバージョンをダウンロードしたレビューア、マーク付けしたレビューア、およびレビューアがそれらを行った日時を識別します。
選択アイテムをエクスポートすることに加えて、Discovery Accelerator はまた HTML 形式、平文形式と XML 形式のレポートを出力します。3 つのすべてのレポートには、エクスポートしたアイテムが一覧表示されます。さらに、HTML レポートではそれらのアイテムへのハイパーリンクが提供されます。
アイテムの提出物を生成またはエクスポートするには、提出物生成権限が必要です。
エクスポートまたは提出物生成を実行する方法
- Discovery Accelerator クライアントの[ケース]タブをクリックします。
- 左ペインで、アイテムをエクスポートするケースをクリックします。
Discovery Accelerator によって大量のケースが一覧表示される場合は、ペインの上部のフィールドを使って一覧をフィルタ処理できます。ケースを名前でフィルタ処理するだけでなく、それらと関連付けされるリサーチフォルダを一覧表示するかどうかを選択できます。
- [エクスポート/提出物生成]タブをクリックします。
- ウィンドウの先頭で[新規作成]をクリックします。
[エクスポートの詳細]ペインが表示されます。
- [名前]フィールドで、実行の名前を入力します。
ここに指定する名前は Discovery Accelerator が実行からの出力を格納するサブフォルダの名前になります。
- [出力フォルダ]フィールドで、実行からの出力を格納する Discovery Accelerator サーバーのフォルダへのパスを入力します。
フォルダパスには最大 100 文字まで入力できます。
Discovery Accelerator は、指名したフォルダのサブフォルダの実行からの出力を保存します。
- 選択したアイテムの提出物を生成するか、エクスポートするかを選択します。
[提出物生成]を選択した場合、[提出物生成の詳細]フィールドが表示され、提出物の ID 接頭辞と開始シーケンス番号を設定できます。これはケースの作成時に設定しますが、ここで変更できます。接頭辞には 10 文字まで含めることができますが、スペース文字や \ / * ? | < と > のような記号を含むことはできません。
- [アイテムの選択]フィールドで、エクスポートするアイテムを選択します。
オプションは次のとおりです。
アイテム ID
エクスポートする各アイテムの ID を指定します。アイテムの ID を指定するには、レビューペインのアイテムを表示します。
元のソース
Microsoft Exchange、Teams チャネル、Teams チャットなどの種類によってアイテムを選択します。
ポリシーの処理
ポリシー管理ソフトウェアがタグ付けに使ったポリシーの処理によってアイテムを選択します。
この処理は次のいずれかです。[含める](キャプチャを要求または提案する)、[除外](キャプチャを除外するか、キャプチャしないことを推進する)、[処理なし](アイテムは通常のランダムサンプリングの対象である)。
アイテム
レビューセット内のすべてのアイテムをエクスポートするか、割り当てられているアイテムのみをエクスポートするかを指定します。
検索
特定の検索によりキャプチャされたアイテムを選択します。
マーク
レビューアがアイテムに割り当てたマークを基準にアイテムを選択します。
マーク付けの最終実行者
アイテムに最後にレビューマークを割り当てたユーザーを基準にアイテムを選択します。
現在の状態
アイテムの状態([保留]、[問題あり]、[レビュー済み]など)を基準にアイテムを選択します。
ポリシー
ポリシー管理ソフトウェアがタグ付けに使った特定のポリシーによってアイテムを選択します。
- [オプション]ボックスで、必要に応じて[重複アイテムの除外]または[類似アイテムの除外]を選択します。Discovery Accelerator は、内容がまったく同じであるとき、アイテムが重複であると見なします。Discovery Accelerator が類似と見なすアイテムは、メタデータのプロパティ(作成者の表示名、件名と添付ファイルの数など)が同じです。
重複アイテムを除外するオプションは、分析に対して有効なケースの場合にのみ利用可能です。類似アイテムを除外するオプションは、分析に対して有効でないケースの場合にのみ利用可能です。
Discovery Accelerator での重複排除機能について詳しくはホワイトペーパー『Accelerator Deduplication』を参照してください。
- Exchange または SMTP ジャーナルアイテムのジャーナルエンベロープ (P1) の受信者情報をエクスポートレポートに含める場合は、[ジャーナル受信者をレポートに含める]を選択します。これには、受信者が[宛先]、[CC]、[BCC]のいずれのフィールドで指定されているかに関係なく、各アイテムのすべての受信者がリストされます。
Discovery Accelerator では、Domino ジャーナルアイテムの受信者情報は含まれません。
- アイテムを元の形式でエクスポートするか、HTML としてエクスポートするか、ZIP ファイルで収集するかを選択します。
Domino の場合:[元の種類]をクリックすると、アイテムをネイティブ形式で出力できます。Domino アイテムは NSF ファイルとして出力されます。
Microsoft Exchange の場合:[元の種類]をクリックすると、Microsoft Exchange アイテムは個別の MSG ファイルとして、EML ファイルは個別の SMTP アイテムとしてなど、アイテムのネイティブ形式で出力できます。選択したメッセージの種類によっては、エクスポートされたすべてのアイテムを 1 つの個人用フォルダの (PST) ファイルにカプセル化できます。
[PST]をクリックすると、Discovery Accelerator にファイルのパスワードと最大ロールオーバーサイズを設定できる追加オプションが複数表示されます。パスワードは英数字のみを含むことができます。各 PST ファイルのデフォルトサイズは 600 MB です。20 GB を超えることはできません。
EML から MSG への変換のオプションを選択すると、エクスポートにより EML メッセージが MSG メッセージに変換され、メッセージの数とサイズに応じて 1 つまたは複数の PST ファイルに追加されます。エクスポートが正常に実行されると、PST ファイルのコンテンツを Microsoft Outlook でネイティブにプレビューできます。EML から MSG への変換は、IMAP、SMTP、インスタントメッセージ、Teams チャットとチャネルメッセージ、Fax、Bloomberg メッセージの種類に対して利用可能です。
注意:
EML から MSG への変換は時間を要するプロセスです。エクスポートをバッチで実行する計画で、この所要時間を最小限に抑えることができます。EML から MSG への変換のテスト時に、平均 300KB のメッセージサイズに基づいて、1 時間あたり約 10,000 メッセージのエクスポート速度が確認されました。この推定はエクスポートをバッチで実行する計画で控えめに使用する場合であり、エクスポートは許容可能な時間枠内で完了します。
メモ:
EML ファイルが RMS で保護されているアイテムの場合は、アイテムを復号するために、コマンドラインユーティリティ
EmlDecryptor.exe
を実行する必要があります。RMS で保護されているアイテムを復号する方法を参照してください。[HTML]をクリックすると、Discovery Accelerator にコメントや処理状態の履歴を含めることを選択できる追加オプションが複数表示されます。この履歴は、各アイテムのプレビューまたは印刷可能バージョンを表示したレビューア、アイテムの元のバージョンをダウンロードしたレビューア、マーク付けしたレビューア、およびレビューアがそれらを行った日時を識別します。
アイテムの元のバージョンが RMS で保護されている場合、アイテムをエクスポートする際に必ず[添付ファイル]チェックボックスを選択します。そうしないと、Discovery Accelerator はカバーノートのみをエクスポートし、復号された実際の電子メールメッセージをエクスポートしません。
メモ:
レビューアがアイテムのプレビューや印刷可能バージョンを表示したとき、または元の形式でアイテムをダウンロードしたときにログに記録するには、[アイテム履歴でプレビュー処理をログ記録 ]設定オプションを設定する必要があります。
レビューの設定オプションを参照してください。
[Zip]をクリックすると、各 ZIP ファイルの最大ロールオーバーサイズを設定できます。デフォルトは 1024 MB (1 GB)です。
ZIP ファイルにすべての種類のアイテムをエクスポートできます。ただし、Domino アイテムをエクスポートする場合は最初に Discovery Accelerator でアイテムを Domino NSF データベースに収集してから ZIP ファイルに追加します。
EML ファイルが RMS で保護されているアイテムの場合は、アイテムを復号するために、コマンドラインユーティリティ
EmlDecryptor.exe
を実行する必要があります。RMS で保護されているアイテムを復号する方法を参照してください。アーカイブされた SMTP ジャーナルメールをエクスポートすると、元の電子メール (P2 電子メール) のみがエクスポートされます。ジャーナルエンベロープ情報 (P1 エンベロープ) をエクスポートする場合は、[元の電子メールに加えてジャーナルエンベロープを含める (Include journal envelope In addition to the original email)] チェックボックスにチェックマークを付けます。
メモ:
[HTML としてエクスポート (Export as HTML)]オプションを選択した場合、ジャーナルエンベロープ情報 (P1 エンベロープ) をエクスポートする機能はサポートされません。
- Domino の場合: [NSF サイズ (MB)]ボックスに、必要なサイズのエクスポートファイルを入力します。
Domino アイテムを NSF ファイルにエクスポートしている間、Discovery Accelerator は NSF ロールオーバーを許可します。管理者は、ロールオーバーされる NSF ファイルのサイズを MB 単位で設定できます。ロールオーバーの最大サイズは 65,535 MB です。
- Microsoft Teams のメッセージをエクスポートするには、[MS Teams のメッセージをエクスポート (Export MS Teams messages to)]オプションを選択します。Microsoft Teams の各メッセージは、Microsoft 社が提供する JSON ファイル形式でエクスポートされます。
メモ:
MS Teams の複数のメッセージを 1 つのアイテムに含めることができます。ただし、MS Teams のメッセージごとに個別の JSON ファイルが作成されます。
- [エクスポートするアイテムの数]フィールドでは、必要なアイテムの数を入力します。Discovery Accelerator が最も古いアイテムをエクスポートすることに注意してください。たとえば、100 のアイテムをエクスポートすることを選択した場合、Discovery Accelerator は選択したオプションと一致する 100 の最も古いアイテムをエクスポートします。
重複アイテムや類似アイテムを除外することを選択したら、それらのアイテムはエクスポートされるアイテムの数に加算されません。Discovery Accelerator は指定した数の重複のないアイテムのみをエクスポートします。
- ファイルシステムアイテムまたは Domino アイテムをエクスポートするときに、変更または誤って削除できないようにそれらのアイテムを読み取り専用にする場合は、[読み取り専用]を選択します。
- [適用]をクリックします。
- エクスポートが終了したら、Discovery Accelerator サーバーの出力フォルダを開いて、エクスポートされたアイテムを取り込みます。また、このフォルダはエクスポートしたアイテムをリストするレポートを含んでいます。