NetBackup™ クラウドオブジェクトストア管理者ガイド

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Product(s): NetBackup & Alta Data Protection (11.0)
  1. 概要
    1.  
      クラウドオブジェクトストアの NetBackup 保護の概要
    2.  
      NetBackup クラウドオブジェクトストアの作業負荷サポートの機能
  2. クラウドオブジェクトストア資産の管理
    1.  
      クラウドオブジェクトストア資産の NetBackup 保護の計画
    2.  
      11.0 以降でのバックアップパフォーマンスの向上
    3.  
      クラウドオブジェクトストアアカウントの追加の前提条件
    4.  
      バックアップのバッファサイズの構成
    5.  
      一時的なステージング場所の構成
    6.  
      クラウドオブジェクトストアの詳細パラメータの構成
    7.  
      Amazon S3 クラウドプロバイダのユーザーに必要な権限
    8.  
      Azure Blob ストレージに必要な権限
    9.  
      GCP に必要な権限
    10.  
      制限事項および考慮事項
    11. クラウドオブジェクトストアアカウントの追加
      1.  
        AWS でのクロスアカウントアクセスの作成
      2.  
        証明書の失効の確認
      3.  
        NetBackup クラウドの認証局 (CA) の管理
      4.  
        新しい地域の追加
    12.  
      クラウドオブジェクトストアアカウントの管理
    13. マルウェアのスキャン
      1.  
        バックアップイメージ
      2.  
        ポリシー形式別の資産
  3. クラウドオブジェクトストア資産の保護
    1. アクセラレータのサポートについて
      1.  
        NetBackup アクセラレータとクラウドオブジェクトストアの連携方法
      2.  
        アクセラレータの注意と要件
      3.  
        クラウドオブジェクトストアのアクセラレータ強制再スキャン (スケジュール属性)
      4.  
        アクセラレータバックアップおよび NetBackup カタログ
      5.  
        NetBackup アクセラレータトラックログサイズの計算
    2.  
      増分バックアップについて
    3.  
      動的マルチストリームについて
    4. ストレージライフサイクルポリシーについて
      1.  
        SLP の追加
    5.  
      クラウドオブジェクトストア資産のポリシーについて
    6.  
      ポリシーの計画
    7.  
      クラウドオブジェクトストアポリシーの前提条件
    8.  
      バックアップポリシーの作成
    9.  
      ポリシーの属性
    10.  
      ポリシーのスケジュール属性の作成
    11. 開始時間帯の構成
      1.  
        ポリシースケジュールでの時間帯の追加、変更、削除
      2.  
        スケジュールの期間の例
    12.  
      除外日の構成
    13.  
      含める日の構成
    14.  
      [クラウドオブジェクト (Cloud objects)]タブの構成
    15.  
      条件の追加
    16.  
      タグ条件の追加
    17.  
      条件とタグ条件の例
    18. クラウドオブジェクトストアポリシーの管理
      1.  
        ポリシーのコピー
      2.  
        ポリシーの無効化または削除
      3.  
        資産の手動バックアップ
  4. クラウドオブジェクトストア資産のリカバリ
    1.  
      クラウドオブジェクトストアのオブジェクトをリカバリするための前提条件
    2.  
      クラウドオブジェクトの保持プロパティの構成
    3.  
      クラウドオブジェクトストア資産のリカバリ
  5. トラブルシューティング
    1.  
      エラー 5541: バックアップを取得できません。指定されたステージング場所に十分な領域がありません
    2.  
      エラー 5537: バックアップに失敗しました: ダウンロードステージングパスに不正な読み取り/書き込み権限が指定されています。
    3.  
      エラー 5538: バックアップを実行できません。ダウンロードステージングパスに誤った所有権が指定されています。
    4.  
      バージョン 10.5 および 11 にアップグレードした後、初回の完全バックアップ時のアクセラレーションが低下する
    5.  
      バックアップ後、shm フォルダと共有メモリ内の一部のファイルがクリーンアップされない
    6.  
      NetBackup バージョン 10.5 にアップグレードした後、古いポリシーついて、ポリシーのコピー、有効化、および無効化が失敗することがある
    7.  
      バックアップがデフォルトのストリーム数で失敗し「NetBackup COSP プロセスの開始に失敗しました (Failed to start NetBackup COSP process)」というエラーが返される
    8.  
      スケールアウトサーバーまたは Snapshot Manager をバックアップホストとして選択した後、バックアップが失敗する
    9.  
      コンテンツが GZIP としてエンコードされているオブジェクトの GCP ストレージでバックアップが失敗するか、部分的に成功する。
    10.  
      元のバケットリカバリオプションのリカバリが開始されたが、ジョブがエラー 3601 で失敗する
    11.  
      リカバリジョブが開始しない
    12.  
      リストアが失敗しました: 「エラー bpbrm (PID=3899) クライアントのリストア 終了状態 40: ネットワーク接続が切断されました (Error bpbrm (PID=3899) client restore EXIT STATUS 40: network connection broken)」
    13.  
      元の場所にある既存のオブジェクトを上書きした後にアクセス層プロパティがリストアされない
    14.  
      複数のタグがある OR クエリーに対する Azure でのアクセラレータ最適化の低下
    15.  
      バックアップが失敗し、ドット (.) を含む Amazon S3 バケット名で証明書エラーが表示される
    16.  
      タグキーの名前または値のタグクエリーにスペースが含まれていると Azure バックアップジョブが失敗する。
    17.  
      クラウドオブジェクトストアアカウントでエラーが発生した
    18.  
      ポリシーの選択中にバケットの一覧が空になる
    19.  
      既存の領域を選択すると Cloudian で 2 番目のアカウントの作成が失敗する
    20.  
      2825 未完了のリストア操作によりリストアに失敗した
    21.  
      [クラウドオブジェクト (Cloud objects)]タブでバケットを追加すると、クラウドプロバイダのバケットの一覧表示に失敗する
    22.  
      クラウドストアアカウントがターゲットドメインに追加されていない場合、ターゲットドメインで AIR インポートイメージのリストアが失敗する
    23.  
      バックアップホストまたはストレージサーバーのバージョン 10.3 で旧バージョンのメディアサーバーを使用すると Azure Data Lake に対するバックアップが失敗する
    24.  
      Azure Data Lake でバックアップが部分的に失敗する: エラー nbpem (pid=16018) クライアントのバックアップ (Error nbpem (pid=16018) backup of client)
    25.  
      Azure データレイクのリカバリが失敗する: 「パスが深すぎるため、この操作は許可されません (This operation is not permitted as the path is too deep)」
    26.  
      空のディレクトリが Azure Data Lake でバックアップされない
    27.  
      リカバリエラー: 「代替ディレクトリの場所が無効です。(Invalid alternate directory location.) 文字列は、1,025 文字より短い有効な文字で指定する必要があります。(You must specify a string with length less than 1025 valid characters.)」
    28.  
      リカバリエラー: 「無効なパラメータが指定されました (Invalid parameter specified)」
    29.  
      リストアが失敗する:「COSP 操作を実行できません。次のオブジェクトをスキップしています: [/testdata/FxtZMidEdTK] (Cannot perform the COSP operation, skipping the object: [/testdata/FxtZMidEdTK])」
    30.  
      誤ったクレデンシャルでクラウドストアアカウントの作成が失敗する
    31.  
      不適切な権限による検出エラー
    32.  
      オブジェクトロックによるリストアエラー

一時的なステージング場所の構成

この構成は、NetBackup バージョン 11.0 以降の動的マルチストリームとバックアップホストを使用するクラウドオブジェクトストアの保護にのみ適用できます。

NetBackup 11.0 以降の拡張された動的マルチストリームバックアップは、ステージング場所を使用して、オブジェクトストアリーダーと NetBackup データムーバー間でオブジェクトデータを交換します。このステージング場所は、クラウドオブジェクトストアのバックアップホスト上にあるファイルシステムパスである必要があります。ステージング場所のストレージ領域は、バックアップの実行中、およびオブジェクトデータとメタデータがバックアップターゲットに移動されるときに再利用されます。保護するオブジェクトストア環境に応じて、ストレージ領域と水準点の値を構成できます。

一時的なストレージの場所の構成について詳しくは、ナレッジベースの記事を参照してください。

https://www.veritas.com/content/support/en_US/article.100073852.html

デフォルトのパス:

  • BYO のデフォルトパス: /usr/openv/netbackup/db/cos_tmp_staging_path

  • クラウドスケールプライマリサーバーとメディアサーバーの場合: デフォルトの一時的なステージング場所: /usr/openv/netbackup/db/cos_tmp_staging_path はマウントされた場所 /mnt/nbdata/usr/openv/netbackup/db/cos_tmp_staging_path にシンボリックリンクされています

  • Flex の場合:

    • メディアサーバーのデフォルトの一時的なステージング場所: /usr/openv/netbackup/db/cos_tmp_staging_path はマウントされた場所 /mnt/nbstage/usr/openv/netbackup/db/cos_tmp_staging_path にシンボリックリンクされています

    • プライマリサーバーの場合:

      一時的なステージングパス: /usr/openv/netbackup/db/cos_tmp_staging_path はマウントされた場所 /mnt/nbdata/usr/openv/netbackup/db/cos_tmp_staging_path にシンボリックリンクされています

Flex 以外のバックアップホストでは、ストレージの必要条件に準拠していない可能性があるため、デフォルトパスとは異なるパスを使用することをお勧めします。十分な領域を備えた別のマウントポイントを作成することもお勧めします。必要な最小領域が利用できない場合、バックアップのパフォーマンスが影響を受けます。

メモ:

デフォルト以外のパスを使用している場合は、バックアップホストで automount 構成エントリが更新されていることを確認します。

一時的なステージング場所の構成:
  • バックアップホストの一時的なステージング場所のサイズを決定するには、次のガイドラインを使用します。

    • 領域の最小要件は、バックアップホストによってバックアップされるバケットまたはコンテナごとに、バックアップジョブあたり 20 GB です。

    • バックアップ速度を向上させるために、ステージング用に 100 GB から 500 GB の領域を構成できます。

  • 一時的なステージング場所に使用されるデバイスには、高い読み取りおよび書き込みスループットが必要です。SSD を使用することをお勧めします。それでもディスク I/O スループットが遅い場合は、RAM をディスクとしてマウントし、一時的なステージング場所として構成します。

    RAM をディスクとしてマウントするコマンドの例を次に示します。

    sudo mount -t tmpfs -o size=64G tmpfs /mnt/tmp

    64 GB と 128 GB の RAM を設定する場合は、RAM の半分をディスクとしてマウントすることをお勧めします。32 GB の RAM 設定の場合、大容量オブジェクトではバックアップパフォーマンスが低下すると予測されるため、RAM をディスクとしてマウントすることはお勧めしません。

  • 場所に十分な空き容量があることを確認します。

  • ファイルパスには ASCII 文字のみを使用するようにします。

  • NetBackup サービスユーザーがストレージの場所の所有者であり、権限が 0700 であることを確認します。権限が 0700 以外に設定されている場合、書き込みは失敗します。

  • 一時的なステージング場所は、バックアップが完了するとクリーンアップされます。

  • 各バックアップホストには、一時的なステージング場所に対して異なるマウントポイントが必要です。

必要に応じて、各バックアップホストの bp.conf ファイルに次のパラメータを設定して、一時的なステージング場所を構成できます。