NetBackup™ クラウドオブジェクトストア管理者ガイド
- 概要
- クラウドオブジェクトストア資産の管理
- クラウドオブジェクトストア資産の保護
- クラウドオブジェクトストア資産のリカバリ
- トラブルシューティング
- エラー 5541: バックアップを取得できません。指定されたステージング場所に十分な領域がありません
- エラー 5537: バックアップに失敗しました: ダウンロードステージングパスに不正な読み取り/書き込み権限が指定されています。
- エラー 5538: バックアップを実行できません。ダウンロードステージングパスに誤った所有権が指定されています。
- バージョン 10.5 および 11 にアップグレードした後、初回の完全バックアップ時のアクセラレーションが低下する
- バックアップ後、shm フォルダと共有メモリ内の一部のファイルがクリーンアップされない
- NetBackup バージョン 10.5 にアップグレードした後、古いポリシーついて、ポリシーのコピー、有効化、および無効化が失敗することがある
- バックアップがデフォルトのストリーム数で失敗し「NetBackup COSP プロセスの開始に失敗しました (Failed to start NetBackup COSP process)」というエラーが返される
- スケールアウトサーバーまたは Snapshot Manager をバックアップホストとして選択した後、バックアップが失敗する
- コンテンツが GZIP としてエンコードされているオブジェクトの GCP ストレージでバックアップが失敗するか、部分的に成功する。
- 元のバケットリカバリオプションのリカバリが開始されたが、ジョブがエラー 3601 で失敗する
- リカバリジョブが開始しない
- リストアが失敗しました: 「エラー bpbrm (PID=3899) クライアントのリストア 終了状態 40: ネットワーク接続が切断されました (Error bpbrm (PID=3899) client restore EXIT STATUS 40: network connection broken)」
- 元の場所にある既存のオブジェクトを上書きした後にアクセス層プロパティがリストアされない
- 複数のタグがある OR クエリーに対する Azure でのアクセラレータ最適化の低下
- バックアップが失敗し、ドット (.) を含む Amazon S3 バケット名で証明書エラーが表示される
- タグキーの名前または値のタグクエリーにスペースが含まれていると Azure バックアップジョブが失敗する。
- クラウドオブジェクトストアアカウントでエラーが発生した
- ポリシーの選択中にバケットの一覧が空になる
- 既存の領域を選択すると Cloudian で 2 番目のアカウントの作成が失敗する
- 2825 未完了のリストア操作によりリストアに失敗した
- [クラウドオブジェクト (Cloud objects)]タブでバケットを追加すると、クラウドプロバイダのバケットの一覧表示に失敗する
- クラウドストアアカウントがターゲットドメインに追加されていない場合、ターゲットドメインで AIR インポートイメージのリストアが失敗する
- バックアップホストまたはストレージサーバーのバージョン 10.3 で旧バージョンのメディアサーバーを使用すると Azure Data Lake に対するバックアップが失敗する
- Azure Data Lake でバックアップが部分的に失敗する: エラー nbpem (pid=16018) クライアントのバックアップ (Error nbpem (pid=16018) backup of client)
- Azure データレイクのリカバリが失敗する: 「パスが深すぎるため、この操作は許可されません (This operation is not permitted as the path is too deep)」
- 空のディレクトリが Azure Data Lake でバックアップされない
- リカバリエラー: 「代替ディレクトリの場所が無効です。(Invalid alternate directory location.) 文字列は、1,025 文字より短い有効な文字で指定する必要があります。(You must specify a string with length less than 1025 valid characters.)」
- リカバリエラー: 「無効なパラメータが指定されました (Invalid parameter specified)」
- リストアが失敗する:「COSP 操作を実行できません。次のオブジェクトをスキップしています: [/testdata/FxtZMidEdTK] (Cannot perform the COSP operation, skipping the object: [/testdata/FxtZMidEdTK])」
- 誤ったクレデンシャルでクラウドストアアカウントの作成が失敗する
- 不適切な権限による検出エラー
- オブジェクトロックによるリストアエラー
ポリシーの属性
次の手順では、バックアップポリシーの属性を選択する方法について説明します。
ポリシーの属性を選択する
- 左側で[保護 (Protection)]、[ポリシー (Policies)]の順に選択します。
- [ポリシー名 (Policy name)]フィールドにポリシーの名前を入力します。
- [ポリシー形式 (Policy type)]ドロップダウンから[Cloud-Object-Store]オプションを選択します。
- [宛先 (Destination)]セクションで、次のデータストレージパラメータを構成します。
[データの分類 (Data classification)]属性では、バックアップを保存するストレージライフサイクルポリシーの分類を指定します。たとえば、ゴールド分類のバックアップはゴールドデータ分類のストレージユニットに送信する必要があります。デフォルトでは、NetBackup には 4 つのデータ分類 (プラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズ) があります。
この属性は省略可能で、バックアップがストレージライフサイクルポリシーへ書き込まれる場合のみ適用されます。リストに[データの分類なし (No data classification)]が表示される場合、ポリシーは[ポリシーストレージ (Policy storage)]リストに表示されるストレージ選択を使います。データの分類を選択している場合、ポリシーによって作成されるイメージにはすべて分類 ID のタグが付けられます。
[ポリシーストレージ (Policy storage)]属性は、ポリシーのデータの格納先を指定します。[スケジュール (Schedule)]タブで、これらの選択を上書きできます。
任意 (Any available): このオプションを選択した場合、ローカル接続されているストレージユニットへのデータの格納が NetBackup によって最初に試行されます。[ポリシーボリュームプール (Policy volume pool)]ドロップダウンから、[NetBackup]または[データストア (DataStore)]を選択します。[ポリシーボリュームプール (Policy volume pool)]属性は、ポリシーのバックアップを格納するデフォルトのボリュームプールを指定します。ボリュームプールは、1 つのアプリケーションで使用するためにグループ化されたメディアのセットです。ボリュームプールは、他のアプリケーションおよびユーザーによるアクセスから保護されます。
- チェックポイントの間隔 (Take checkpoints every): バックアップ時にチェックポイントが作成される間隔を指定します。バックアップ時にチェックポイントを作成すると、バックアップが失敗した場合に時間を節約できます。バックアップの作成時にチェックポイントを定期的に設定すると、NetBackup は失敗したバックアップを最後のチェックポイントの先頭から再試行できます。通常は、再試行の方がジョブ全体を再開するより早く完了します。
チェックポイントの間隔とは、バックアップ時に NetBackup によってチェックポイントが設定される間隔を示します。デフォルトは 15 分です。管理者は、チェックポイントの間隔をポリシーごとに判断します。チェックポイントの間隔を選択する場合は、失敗したバックアップが再開するときに発生する可能性のある時間損失と、高頻度のチェックポイントによるパフォーマンス低下とのバランスを考慮します。設定したチェックポイントの間隔によってパフォーマンスに影響がある場合は、次のチェックポイントまでの時間を長くします。
チェックポイントはオブジェクトとオブジェクトの間の境界で保存され、バックアップされる、リスト内の次のオブジェクトを指します。チェックポイントはオブジェクトバックアップの途中で設定されることはありません。オブジェクトのバックアップ後、チェックポイントは保存されます。
- [ポリシーごとにジョブ数を制限する (Limit jobs per policy)]属性は、ポリシーの実行時に NetBackup によって並列して実行されるジョブの数を制限します。デフォルトでは、このチェックボックスのチェックははずされており、NetBackup が同時に実行するバックアップジョブの数に制限はありません。ジョブ数は、他のリソース設定によって制限される場合があります。
構成内に含まれるデバイス数が多い場合、パフォーマンスに悪影響を及ぼすほど多くの並列実行バックアップが実行される可能性があります。それより低い上限を指定するには、[ポリシーごとにジョブ数を制限する (Limit jobs per policy)]を選択して、1 から 999 の値を指定します。
- [ジョブの優先度 (Job priority)]フィールドに 0 から 99999 までの値を入力します。この数値は、他のポリシーとの間でリソースが競合した場合のポリシーの優先度を指定します。数値が大きいほど、ジョブの優先度が高くなります。NetBackup は、最も優先度が高いポリシーに最初の利用可能なリソースを割り当てます。
- [メディア所有者 (Media owner)]フィールドは、[ポリシーストレージ (Policy storage)]属性が[任意 (Any Available)]に設定されているときに使用できます。[メディア所有者 (Media owner)]属性は、そのポリシーのバックアップイメージが書き込まれるメディアを所有するメディアサーバーまたはサーバーグループを指定します。
任意 (Any) (デフォルト): NetBackup によってメディアの所有者が選択されます。NetBackup によって、メディアサーバーまたはサーバーグループ (構成されている場合) が選択されます。
なし (None): メディアにイメージを書き込むメディアサーバーがそのメディアの所有者として指定されます。メディアサーバーを明示的に指定しなくても、メディアサーバーがメディアを所有するように設定されます。
- ポリシーをアクティブ化するには、[有効になる日時 (Go into effect at)]オプションを選択し、アクティブ化の日時を設定します。NetBackup でポリシーを使用するには、そのポリシーを有効にする必要があります。日時が、バックアップを再開する日時に設定されていることを確認します。
ポリシーを無効にするには、オプションを選択解除します。[ポリシー (Policieis)]リストには、無効なポリシーが含まれます。
- [複数のデータストリームを許可する (Allow multiple data streams)]オプションがデフォルトで選択され、読み取り専用になっています。このオプションにより、NetBackup は、各問い合わせの自動バックアップを複数のジョブに分割できます。ジョブは個別のデータストリームにあるので、並列実行できます。
複数ストリームジョブは、ストリームの検出を実行する 1 つの親ジョブと、各ストリームに対する複数の子ジョブで構成されます。各子ジョブには、そのジョブ ID が、[アクティビティモニター (Activity monitor)]の[ジョブ ID (Job ID)]列に表示されます。親ジョブのジョブ ID は[親ジョブ ID (Parent Job ID)]列に表示されますが、この列はデフォルトでは表示されません。親ジョブの[スケジュール (Schedule)]列には、ダッシュ (-) が表示されます。
- ポリシーのアクセラレータを有効にするには、[アクセラレータの使用 (Use Accelerator)]オプションを選択します。
NetBackup Accelerator は、データ移動とバックアップ時間の両方でパフォーマンスが向上するようにバックアップを最適化します。アクセラレータは変更された内容を識別し、一意のデータのみをバックアップターゲットに移動します。その後、現在の変更されたデータと、以前のバックアップイメージから変更されていないデータを組み合わせて、合成バックアップイメージを作成します。バックアップホストは、より効率のよいバックアップストリームによって、変更されたデータをメディアサーバーに送信します。メディアサーバーは、変更されたデータと、前回のバックアップで保存された残りのバックアップデータを結合します。
通常、オブジェクトのデータが変更された場合、その変更時刻 (mtime) が更新されます。特定のクラウドオブジェクトストアベンダーは、オブジェクトのタグまたはユーザー属性の変更に対して mtime を更新しないことがあります。NetBackup のクラウドオブジェクトストアコンポーネントは、オブジェクトの変更時刻 (mtime) を考慮して、前回のバックアップ以降に変更されたオブジェクトを識別します。さらに、タグまたはユーザー属性も変更されているかどうかを確認し、クラウドベンダーがタグの変更に対して mtime を更新できないことを考慮する必要があります。
必要に応じて、[クイックオブジェクト変更スキャン (Quick object change scan)]オプションを選択して、オブジェクトタグのチェックをスキップします。初回の作成後にオブジェクトタグが変更されないアプリケーション環境では、このオプションを使用してこれらのチェックをスキップして、バックアップ速度を大幅に向上させることができます。
このオプションを有効にすると、前回のバックアップ以降のオブジェクトタグの比較がスキップされるため、アクセラレータのオブジェクト変更の識別が高速化されます。ただし、このオプションを使用すると、最後のバックアップ以降にデータの変更がなく、タグのみが変更されたオブジェクトをバックアップできません。
この機能は、動的マルチストリームでのみ機能します。このオプションを使用する前に、バックアップ用の一時ストレージ領域を構成する必要があります。一時的なステージング場所の構成を参照してください。
- クライアント側の重複排除オプションから[すべてのクライアントで無効 (Disable for all clients)]オプションを選択します。NetBackup クラウドオブジェクトストアの保護では、バックアップホストがクライアントとして使用されます。
- [キーワード句 (Keyword phrase)]属性は、NetBackup がポリシーに基づくすべてのバックアップまたはアーカイブに関連付けられる句です。キーワード句がサポートされているのは、Windows および UNIX クライアントインターフェースだけです。
クライアントは複数のポリシーに同じキーワード句を使用できます。同じキーワード句を使用することで、複数の関連するポリシーのバックアップを結び付けることができます。たとえば、別々のポリシーを必要としながらも類似のデータが含まれている複数のクライアントのバックアップに、キーワード句「legal department documents」を使用します。
このキーワード句の最大長は 128 文字です。空白やピリオドを含め、すべての印字可能な (printable) 文字 (ASCII) を使用できます。デフォルトでは、キーワード句は空白です。