クラウド環境の Veritas InfoScale™ 8.0.2 Solutions
- 概要と準備
- アマゾンウェブサービス用の構成 - Linux
- アマゾンウェブサービス用の構成 - Windows
- Microsoft Azure 用の構成 - Linux
- Microsoft Azure 用の構成 - Windows
- Google Cloud Platform 用の構成 - Linux
- Google Cloud Platform 用の構成 - Windows
- クラウド環境でのレプリケーション
- Cloud Connector を使用したクラウドへのファイルの移行
- AWS および Azure 用の Load Balancer の設定 - Linux
- クラウド配備の問題のトラブルシューティング
Amazon Glacier での操作について
Glacier 以外のすべての種類のサポート対象クラウドでは、アップロード操作と取得操作が同期されます。Glacier では、取得操作は同期されず、アップロード操作は同期されます。
Amazon S3 や Azure BLOB のオブジェクトと同様、アーカイブがストレージの基本単位です。ボルトは、S3 のバケットと同様、アーカイブを格納するコンテナです。各オンプレミスファイルにアーカイブが作成されます。これは、アーカイブとファイルが 1 対 1 のマッピングであることを意味します。Glacier にファイルを移動すると、Glacier ボルトの 1 つのアーカイブにファイルのすべてのデータが書き込まれます。
Glacier からのアーカイブの取得は非同期操作です。この操作では、まずジョブを開始し、ジョブの完了後に出力をダウンロードします。ジョブを開始すると、Glacier は応答でジョブ ID を返し、ジョブを非同期で実行します。開始されたジョブをポーリングし、ジョブの初期化が完了しているかどうかを確認するために、新しい fscloudd
デーモンが追加されます。Glacier 階層からの取得が開始されると、fscloudd
デーモンがまだ実行されていない場合は内部で起動されます。
InfoScale では、Glacier からの次のタイプの取得をサポートします。
緊急取得。通常、1 分から 5 分で利用可能になります。
標準取得。通常、3 時間から 5 時間で完了します。数時間で任意のアーカイブにアクセスできるようになります。要求で取得オプションを指定しないと、このオプションがデフォルトで使用されます。
一括取得。通常、5 時間から 12 時間で完了します。この取得オプションは最もコストがかからない方法です。このオプションを使用すると 1 日でペタバイト単位の大量のデータを取得できます。
取得タイプを指定するには、policy.xml
ファイルでフラグを指定します。
次の例では、tier2 は Glacier 階層であり、Glacier からの再配置を示します。
<FROM Flags="expedited_retrieval"> <SOURCE> <CLASS>tier2</CLASS> </SOURCE> </FROM>
他のサポート対象の取得タイプでは、フラグは standard_retrieval と bulk_retrieval です。
Glacier からの再配置は非同期で実行され、fsppadm status コマンドを使用して追跡できます。次に例を示します。
#/opt/VRTS/bin/fsppadm status /mnt1 tier2 UX:vxfs fsppadm: INFO: V-3-20000: fsppadm: Download Processing for 5 files is remaining. #/opt/VRTS/bin/fsppadm status /mnt1 tier2 UX:vxfs fsppadm: INFO: V-3-20000: fsppadm: Download Processing for this tier is not in progress.