クラウド環境の Veritas InfoScale™ 8.0.2 Solutions

オンプレミスからクラウドストレージにデータを移行するには

1. ポリシーファイル policy.xml を作成します。

   詳しくは『Storage Foundation 管理者ガイド - Linux』で「SmartTier の管理」の章を参照してください。

   サンプルポリシーファイルの場合:

   サンプルポリシーファイルを参照してください。

2. 既存のボリュームを使用してボリュームセットを作成します。

   メモ:

   ボリュームセットを作成する前に、ファイルシステムをマウント解除します。ボリュームセットの作成後、同じマウントポイントにこのシステムをマウントします。

   # umount mount_path_of_data_volume
   # vxvset -g dg_name make vset_name local_data_volume
   # mount -t vxfs /dev/vx/dsk/dg_name/vset_name \
   mount_path_of_data_volume

3. クラウドストレージ名前空間にバケットまたはコンテナを作成します。手順については、関連するクラウドベンダーのマニュアルを参照してください。
4. クラウドボリュームを作成します。

   ブロックレベルのデータ移行の場合:

   # vxassist -g dg_name make cloudvol_namesize vxcloud=on

   ファイルレベルのデータ移行の場合:

   # vxassist -g dg_name make cloudvol_namesize fscloud=on

5. クラウドターゲットを設定します。

   コネクタ	コマンド
   S3	# vxcloud -g diskgroup_name \ addcloud cloudvol_name host=host_address \ bucket=bucket_name access_key=access_key \ type=S3 secret_key=secret_key \ [https=true|false] [sig_version=v4|v2] secret_key と access_key は、ベンダーのクラウドサービスにアクセスするためのクレデンシャルです。 デフォルトでは、https は true、sig_version は v4 に設定されています。
   Glacier	# vxcloud -g diskgroup_name \ addcloud vol_name host=host_address \ bucket=vault_name access_key=access_key \ secret_key=secret_key type=GLACIER secret_key と access_key は、ベンダーのクラウドサービスにアクセスするためのクレデンシャルです。 メモ: Amazon Glacier ではファイルレベルの階層化のみサポートされます。
   BLOB	# vxcloud -g diskgroup_name \ addcloud cloudvol_name \ host=host_address bucket=bucket_name \ access_key=access_key type=BLOB \ endpoint=account_name [https=true|false] access_key はベンダーのクラウドサービスにアクセスするためのクレデンシャルです。endpoint はユーザーのストレージアカウント名です。 デフォルトでは、https は true に設定されています。
   Google Cloud	# vxcloud -g diskgroup_name \ addcloud cloudvol_name host=host_address \ bucket=bucket_name type=GOOGLE \ google_config=config.json_file_path [https=true|false] config.json は、Google サービスアカウントの秘密鍵、project_id、client_email の値が含まれるファイルです。GCP コンソールの［サービスアカウント］タブで JSON 形式のファイルをダウンロードします。 デフォルトでは、https は true に設定されています。

   メモ:

   Veritas 各クラウドボリュームに別々のバケットを関連付けることをお勧めします。

6. クラウドボリュームをボリュームセットに追加します。

   # vxvset -g dg_name addvol vset_namecloudvol_name

7. クラウドボリュームに適切にタグが付けられていることを確認します。

   # fsvoladm queryflags dataonly mount_path_of_data_volumecloudvol_name

8. 配置クラスをローカルボリュームおよびクラウドボリュームに割り当てます。

   # vxassist -g dg_name settag local_datavol_name \
   vxfs.placement_class.LOCAL
   vxassist -g dg_name settag cloudvol_name \
   vxfs.placement_class.CLOUD

9. ファイルシステムにポリシーを割り当てます。

   # fsppadm assign mount_path_of_data_volume policy.xml

10. データ転送の分析レポートを表示します。

    # fsppadm analyze mount_path_of_data_volume

11. ローカルボリュームとクラウドボリュームとの間でデータを移動するポリシーを適用します。

    メモ:

    cron ジョブを作成し、古いデータのクラウドボリュームへの移行をスケジュール設定できます。

    # fsppadm enforce mount_path_of_data_volume

12. ローカルボリュームおよびクラウドボリュームのファイルの場所を次のように確認します。

    # fsmap -a list_file
    # fsmap -a /data1/*
    Volume    Extent Type     File Offset     Extent Size     File
    localvol         Data               0         1048576     /data1/reports-2016-03
    cloudvol         Data               0         1048576     /data1/reports-2016-04

13. 次のコマンドを使用して、ボリュームセット内のボリューム全体の空き領域と使用済み領域を調べます。

    # fsvoladm list mount_path_of_data_volume
    # fsvoladm list /data1
    devid   size                 used                 avail                name
    0       2097152              356360               1740792              localvol
    1       10737418240          40                   10737418200          cloudvol