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Veritas InfoScale™ 8.0 DB2 データベース用ストレージと可用性管理 - AIX, Linux

Last Published: 2022-01-25

Product(s): InfoScale & Storage Foundation (8.0)

Platform: AIX,Linux

DB2 コンテナの Quick I/O ファイルへの変換

/opt/VRTS/bin ディレクトリには、既存のデータベースを Quick I/O を使うように変換するための特別なコマンドがあります。qio_getdbfiles コマンドを使うと、データベースシステムテーブルからファイル名のリストを抽出でき、さらに qio_convertdbfiles コマンドを使うと、Quick I/O を使うようにこのリストのデータベースファイルを変換できます。

Quick I/O ファイルにデータベースを変換する前に、次の条件を満たす必要があります。

前提条件

変換するファイルは、VxFS ファイルシステム上の通常のファイルまたは通常の VxFS ファイルを指すリンクである必要があります。

使用に関する注意事項

既存のデータベースファイルが断片化されている場合は、Quick I/O ファイルの変換が最良の結果をもたらさないことがあります。 -f オプションを使って、断片化レベルを判断し、次のいずれかの方法を行ってください。断片化が進行し、Quick I/O が使う連続したエクステントを十分に確保できないファイルは除外します。または、qio_convertdbfiles コマンドでファイルを変換しないで、qiomkfile コマンドを使って新しいファイルを作成します。
デフォルトでは qio_getdbfiles は、タイプが SMS（System Managed Space）のすべての表領域をスキップします。スキップする理由は、これらの表領域がディレクトリ形式に基づいており、変換に適さないためです。
qio_getdbfiles コマンドを実行すると、データベースファイルのリストを取得して、現在のディレクトリの mkqio.dat という名前のファイルに保存します。
Quick I/O ファイルに変換する DB2 インスタンスファイルの名前が含まれる mkqio.dat ファイルは、qio_getdbfiles コマンドを使わないで、手動で作成することもできます。
qio_convertdbfiles コマンドは、指定されたデータベースファイルが VxFS ファイルシステム上に存在しない場合、終了し、エラーメッセージを出力します。この場合、qio_convertdbfiles コマンドを実行する前に、mkqio.dat ファイルから VxFS ファイルシステム上に存在しないファイルを削除する必要があります。

qio_getdbfiles コマンドでは、次のオプションが使えます。

-T	データベースのタイプを db2 として指定します。このオプションは、データベースのタイプが不明確な環境でのみ指定してください（たとえば、サーバー上に、$ORACLE_SID、$SYBASE、$DSQUERY、$DB2INSTANCE など複数のタイプのデータベース環境変数が存在する場合）。

qio_convertdbfiles コマンドでは、次のオプションが使えます。

-a	絶対パス名を使って、通常のファイルを Quick I/O ファイルに変更します。このオプションは、シンボリックリンクが絶対パス名を指す必要がある場合（たとえば、SAP を使うサイト）に使います。
-h	ヘルプメッセージを表示します。
-T	データベースのタイプを db2 として有効化します。このオプションは、データベースのタイプが不明確な環境でのみ指定してください（たとえば、サーバー上に、$ORACLE_SID、$SYBASE、$DSQUERY、$DB2INSTANCE など複数のタイプのデータベース環境変数が存在する場合）。
-u	Quick I/O ファイルを通常のファイルに戻します。このオプションは、前に実行した qio_convertdbfiles スクリプトによる変更をもとに戻すときに使います。

変換する DB2 コンテナのリストを抽出するには

データベースインスタンスの実行中に、書き込み権限のあるディレクトリから qio_getdbfiles コマンドを実行します。
```
$ cd /extract_directory
```
```
$ export DB2DATABASE=database_name
```
```
$ /opt/VRTS/bin/qio_getdbfiles
```
qio_getdbfiles コマンドにより、データベースシステムテーブルからファイル名の一覧が抽出され、そのファイル名とサイズ（バイト）が mkqio.dat というファイルに格納されます。
メモ:
または、Quick I/O を使うために変換する DB2 データベースコンテナ名を含む mkqio.dat ファイルを手動で作成することもできます。また、qio_getdbfiles で作成した mkqio.dat ファイルを手動で編集したり、Quick I/O ファイルに変換しないファイルを削除することもできます。
メモ:
qio_getdbfiles コマンドを実行するには、データベースへのアクセス権と /extract_directory への書き込み権限が必要です。
mkqio.dat リストファイルは、次のような形式になります。
```
/data11r1/VRTS11r1/redo01.log 52428800
/data11r1/VRTS11r1/redo02.log 52428800
/data11r1/VRTS11r1/redo03.log 52428800
/data11r1/VRTS11r1/sysaux01.dbf 632553472
/data11r1/VRTS11r1/system01.dbf 754974720
/data11r1/VRTS11r1/undotbs01.dbf 47185920
/data11r1/VRTS11r1/users01.dbf 5242880
/data11r1/nqio1.dbf 104857600
```

DB2 データベースファイルを Quick I/O ファイルに変換するには

インスタンスを停止するか、またはユーザー接続を無効にすることで、データベースを停止します。
警告:
データベースの実行中に qio_convertdbfiles コマンドを実行すると、データの消失や破壊など、重大な問題が発生する可能性があります。
mkqio.dat ファイルを含むディレクトリで qio_convertdbfiles コマンドを実行します。
```
$ cd /extract_directory 
```
```
$ export DB2DATABASE=database_name
```
```
$ /opt/VRTS/bin/qio_convertdbfiles
```
mkqio.dat ファイル内のファイルリストが表示されます。次に例を示します。
```
file1 --> .file1::cdev:vxfs:
file2 --> .file2::cdev:vxfs:
file3 --> .file3::cdev:vxfs:
file4 --> .file4::cdev:vxfs:
file5 --> .file5::cdev:vxfs:
```
qio_convertdbfiles コマンドの実行（オプションの指定なし）により、ファイル名が filename から .filename に変更され、Quick I/O 固有の拡張子を持つ .filename へのシンボリックリンクが作成されます。デフォルトでは、シンボリックリンクでは相対パス名が使われます。
qio_convertdbfiles スクリプトは、指定されたデータベースファイルが VxFS ファイルシステム上に存在しない場合、終了し、エラーメッセージを出力します。この場合、qio_convertdbfiles コマンドを再度実行する前に、mkqio.dat ファイルから VxFS ファイルシステム上に存在しないすべてのファイルを削除する必要があります。
データベースを再起動します。
これらのデータベースファイルに Quick I/O インターフェースを使ってアクセスできるようになりました。

以前に実行した qio_convertdbfiles を取り消して、Quick I/O ファイルを通常のファイルに戻すには、次のコマンドを実行します。

データベースが実行中の場合、インスタンスを停止するか、またはユーザー接続を無効にすることで、データベースを停止します。
mkqio.dat ファイルを含むディレクトリで次のコマンドを実行します。
```
$ cd /extract_directory
```
```
$ export DB2DATABASE=database_name
```
```
$ /opt/VRTS/bin/qio_convertdbfiles -u
```
mkqio.dat ファイル内の Quick I/O ファイルのリストが表示されます。次に例を示します。
```
.file1::cdev:vxfs: --> file1
.file2::cdev:vxfs: --> file2
.file3::cdev:vxfs: --> file3
.file4::cdev:vxfs: --> file4
.file5::cdev:vxfs: --> file5
```
変換を元に戻すオプション（-u）が指定された qio_convertdbfiles コマンドを使うと、ファイルの名前は <.filename> から <filename> に変更され、Quick I/O ファイルとともに作成された .filename へのシンボリックリンクは元に戻されます。