NetBackup™ for PostgreSQL 管理者ガイド

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Product(s): NetBackup & Alta Data Protection (10.1)

NetBackup for PostgreSQL 使用時のエラーのトラブルシューティング

問題を解決するための一般的なガイドライン

次の表に、NetBackup for PostgreSQL エージェント の使用中に発生する可能性がある問題を解決する手順を示します。

表: 問題を解決するための一般的な手順

手順

操作

説明

手順 1

エラーメッセージの確認.

通常、エラーメッセージは、適切に行われなかった処理を示しています。コマンドラインにエラーメッセージが表示されなくても、問題が発生している疑いがある場合、ログやレポートを確認します。これらに、問題を直接示すエラーメッセージが含まれている場合があります。ログとレポートは、トラブルシューティングに不可欠な手段です。

手順 2

問題発生時に実行していた操作の確認.

次について質問します。

  • 試行された操作。

  • 使用した方法。

  • 使用していたサーバープラットフォームおよびオペレーティングシステムの種類。

  • サイトでプライマリサーバーとメディアサーバーの両方を使用している場合、プライマリサーバーとメディアサーバーのどちらであるか。

  • クライアントの種類 (クライアントが関連する場合)。

  • 過去にその操作が正常に実行されたことがあるかどうか。正常に実行されたことがある場合、現在との相違点。

  • Service Pack のバージョン。

  • 最新の、特に NetBackup を使用する際に必要な修正が行われたオペレーティングシステムソフトウェアを使用しているかどうか。

  • デバイスのファームウェアのバージョン。公式のデバイス互換性リストに示されているバージョン以上かどうか。

手順 3

すべての情報を記録します。

重要になる可能性がある情報を入手します。

  • NetBackup のログ。

  • NetBackup for PostgreSQL エージェント ログに固有のログ。

  • NetBackup XBSA に固有のログ。

手順 4

問題の修正.

問題を特定した後、情報を使用して問題を修正します。

手順 5

ベリタスのテクニカルサポートに問い合わせてください。

問題を解決できない場合は、テクニカルサポートにお問い合わせください。

ログとレポートを使用したエラーのトラブルシューティング

エラーのトラブルシューティングを行うには、NetBackup のログを参照してください。これらのログは次の場所にあります。

NetBackup プライマリサーバーのログは次の場所にあります。

  • install_path\NetBackup\logs\bprd

  • install_path\NetBackup\logs\bpcd

  • install_path\NetBackup\logs\user_ops\dbext\logs

bprdbpcd のログファイルを有効にする必要があります。詳しくは『 NetBackup トラブルシューティングガイド』を参照してください。

NetBackup クライアントに固有のログは次の場所にあります。

  • install_path\netbackup\logs\nbpgsql.log

NetBackup XBSA に固有のログは次の場所にあります。

  • <NetBackup_install_path>/netbackup/logs/exten_client

NetBackup エラーのトラブルシューティング

NetBackup のエラーのトラブルシューティングについて詳しくは、『NetBackup トラブルシューティングガイド』および『NetBackup コマンドリファレンスガイド』を参照してください。

NetBackup for PostgreSQL のエラーのトラブルシューティング

表: NetBackup for PostgreSQL のエラーのトラブルシューティング では、操作の実行中に発生するエラーと、問題のトラブルシューティング方法の一覧を示し、説明します。

表: NetBackup for PostgreSQL のエラーのトラブルシューティング

問題

説明

解決方法

nbpgsql のバックアップが次のエラーで失敗します。

postgresql ライブラリをロードできません (Unable to load postgresql library)

この問題は、"-l" スイッチを使用する nbpgsql コマンドにライブラリパスが指定されていないか、ライブラリパスは指定されているが libpq.so (Linux) または libpq.dll (Windows) が指定されていない場合に発生する可能性があります。

次を確認してから、再度バックアップを実行します。

  • libpq.so (Linux) または libpq.dll (Windows) ファイルを含めた、正しい postgresql ライブラリパスが指定されていることを確認します。

  • (Linux) libpq.so を使用できない場合は、libpq.so.<n> を指す libpq.so という名前のシンボリックリンクを作成します。

  • (Windows) libpq.dll が PostgreSQL のインストール先の bin ディレクトリにない場合は、lib ディレクトリで見つかる場合があります。

nbpgsql のバックアップが次のエラーで失敗します。

データベースに接続できません。(Unable to connect to the database)

無効なデータベースユーザー名、ポート番号、またはパスワードを指定した nbpgsql コマンドを実行すると、PostgreSQL バックアップは失敗します。

適切なデータベースユーザー名とポート番号を追加するには:

  • nbpgsql コマンドの "-u" スイッチを使用してデータベースユーザー名を指定します。

  • nbpgsql コマンドの "-portnum" スイッチを使用してデータベースポート番号を指定します。

  • my.cnf ファイル (Linux) または my.ini ファイル (Windows) を使用して、データベースパスワードを指定します。

PostgreSQL 環境パスワードの認証 を参照してください。

nbpgsql のバックアップが次のエラーで失敗します。

xbsa.dll をロードできません (Unable to load xbsa.dll)

環境変数パスが NetBackup の bin ディレクトリに更新されていない場合、nbpgsql のバックアップが失敗します。

nbpgsql のバックアップを正常に実行するには:

  • 環境変数パスを NetBackup_install_path/bin に更新します。

nbpgsql のバックアップが次のエラーで失敗します。

XBSA を開始できませんでした (XBSA initiation failed)

nbpgsql.conf ファイルが必須パラメータで更新されていない場合、nbpgsql のバックアップが失敗します。

nbpgsql バックアップを正常に実行するには:

  • 有効なプライマリサーバー名、ポリシー名、スケジュールタイプを、nbpgsql.conf ファイルで、またはコマンドラインから構成します。

  • nbpgsql エージェントと NetBackup プライマリサーバーとの間で通信エラーがないかどうかを確認します。詳しくは、『NetBackup 管理者ガイド Vol. 1』を参照してください。

(Windows) VSS スナップショットの作成に失敗しました (VSS snapshot creation failed)

nbpgsql 操作を実行する権限をユーザーが持っていない場合、nbpgsql のバックアップが失敗することがあります。

管理者モードで cmd.exe を実行します。

nbpgsql のリストア操作を実行しても、ターゲットの NetBackup クライアントからデータをリストアできません。

nbpgsql.conf ファイルが NetBackup のクライアント名とターゲットディレクトリで更新されていない場合、nbpgsql のリストアが失敗します。

リストアが成功した場合:

  • ターゲットディレクトリが有効で、空になっていることを確認します。

  • リストアを NetBackup ソースクライアントから開始します。

  • nbpgsql.conf ファイルで、NetBackup のクライアント名とターゲットディレクトリのパラメータを設定します。

nbpgsql のバックアップが次のエラーで失敗します。

(Linux) LVM のスナップショット作成中にエラーが発生しました (Error creating LVM snapshot)

ボリュームグループにスナップショット用の十分な容量がない場合、nbpgsql のバックアップが失敗することがあります。

ボリュームグループの容量を確認するには:

  1. 次のコマンドを実行します。

    $vgs

    コマンドによりボリュームグループの詳細が表示されます。

  2. 適切なスナップショットサイズで nbpgsql.conf ファイルを更新します。スナップショットは、インスタンスのサイズと同等以上のサイズでなければなりません。

正常なバックアップ後のエラーメッセージ:

<volume_group>/<snapshot_name> 0 / 4096 (29393616896) 後の読み取りエラー: 入力エラーまたは出力エラー。(&lt;volume_group>/&lt;snapshot_name> Read failure after 0 of 4096 at 29393616896: input or output error.)

または

<volume_group>/<snapshot_name> 0 / 4096 (4096) 後の読み取りエラー: 入力エラーまたは出力エラー。

(&lt;volume_group>/&lt;snapshot_name>: read failure after 0 of 4096 at 4096: input or output error.) ボリュームグループにスナップショットが含まれる場合に、nbpgsql のバックアップからこれらのエラーが返されます。バックアップを再度実行する前に、スナップショットをリストしてから削除できます。

メモ:

nbpgsql で作成された LVM スナップショット名の先頭には pgsqlsnap が付きます。

スナップショットを削除するには:

  1. 次のコマンドを実行して、既存のスナップショットをリストします。

    $lvs

    コマンドによりスナップショットの詳細が表示されます。

  2. スナップショットを削除するには、次のコマンドを実行します。

    $ lvremove -f <volume_group>/<snapshot_name>

Linux (LVM) の nbpgsql バックアップが次のエラーで失敗します。

スナップショットのマウント解除中にエラーが発生しました - デバイスまたはリソースがビジー状態です (Error unmounting the snapshot-Device or resource busy)

または

snapshot-pgsqlsnap_<timestamp> の削除中にエラーが発生しました (Error removing the snapshot-pgsqlsnap_<timestamp>)

メモ:

<timestamp> は LVM のスナップショット時刻です。

スナップショットやデバイスをマウント解除しようとしたとき、または既存のスナップショットを削除するときに、nbpgsql のバックアップが失敗します。

スナップショットをマウント解除するには

  1. 次のコマンドを実行して、マウントされているすべてのファイルシステムを表示します。

    $ mount-l

  2. スナップショットがまだある場合は、次のコマンドを使用してマウントディレクトリを作成します。

    $mount<mount_directory>

    メモ:

    このディレクトリは /mnt/<snapshot_name> に作成されます。スナップショットの接頭辞名は pgsqlsnap です。

  3. 次のコマンドを実行して、マウントディレクトリを削除します。

    $rm -rf <mount_directory>

  4. 次のコマンドを実行して、スナップショットを手動で削除します。

    lvremove -f <volume_group>/<snapshot_name>

リストアが成功しても、PostgreSQL サービスを開始できません。

リストア操作が成功するのは、PostgreSQL のマイナーバージョンが同じマシンにバックアップをリストアする場合のみです。

たとえば、PostgreSQL バージョン 9.6.x からファイルをバックアップした場合は、PostgreSQL バージョン 9.6.x のコンピュータにファイルをリストアする必要があります。

  • データのバックアップ元の PostgreSQL バージョンが、データのリストア先コンピュータの PostgreSQL バージョンと同じであることを確認してください。

RHEL または SUSE でエージェントをインストールした後、nbpgsql.conf ファイルが見つかりません。

NetBackup 8.2 以降、RHEL または SUSE でのエージェントのインストール時に、デフォルトでは nbpgsql.conf ファイルが作成されません。RPM インストーラは、インストール先ディレクトリ /usr/NBPostgreSQLAgent/ に既存のファイルをすべて上書きするため、既存の構成ファイルの上書きが防止されます。

nbpgsql.conf ファイルが存在しない場合、オプションを指定せずにバックアップユーティリティコマンドを実行して、ファイルを作成できます。たとえば、./nbpgsql のようにします。このコマンドは、デフォルトの nbpgsql.conf ファイルを作成します。