Storage Foundation Cluster File System High Availability 8.0 管理者ガイド - Solaris
- 第 I 部 Storage Foundation Cluster File System High Availability の紹介
- Storage Foundation Cluster File System High Availability の概要
- Storage Foundation Cluster File System High Availability について
- DMP (Dynamic Multi-Pathing) について
- Veritas Volume Manager の概要
- Veritas File System について
- Storage Foundation Cluster File System (SFCFS) について
- Veritas InfoScale Operations Manager について
- Storage Foundation Cluster File System High Availability の使用例
- Dynamic Multi-Pathing の動作
- Veritas Volume Manager の動作
- Veritas File System の動作
- Storage Foundation Cluster File System High Availability の動作
- Storage Foundation Cluster File System High Availability の動作方法
- Storage Foundation Cluster File System High Availability を使う状況
- Storage Foundation Cluster File System High Availability のアーキテクチャについて
- クラスタファイルシステムでサポートされている Veritas File System 機能について
- Cluster Server のアーキテクチャについて
- Storage Foundation Cluster File System High Availability 名前空間について
- 非対称マウントについて
- プライマリとセカンダリのクラスタノードについて
- プライマリシップの確認または移動
- クラスタファイルシステムの時間の同期について
- ファイルシステムのチューニングパラメータ
- 並列 fsck スレッドの数の設定について
- Storage Checkpoint
- Storage Foundation Cluster File System High Availability のバックアップ戦略について
- 並列 I/O について
- Cluster Volume Manager の I/O エラー処理ポリシーについて
- I/O 障害からのリカバリについて
- 単一ネットワークリンクと信頼性について
- スプリットブレインと Jeopardy 処理
- I/O フェンシングについて
- Storage Foundation Cluster File System High Availability と Veritas Volume Manager のクラスタ機能エージェント
- Veritas Volume Manager のクラスタ機能
- Cluster Volume Manager の動作
- Storage Foundation Cluster File System High Availability の概要
- 第 II 部 ストレージのプロビジョン
- 新しいストレージのプロビジョニング
- ストレージの設定のための高度な割り当て方法
- VxFS ファイルシステムの作成とマウント
- VxFS ファイルシステムの作成
- ファイルシステムの VxFS への変換
- VxFS ファイルシステムのマウント
- ファイルシステムのマウント解除
- ファイルシステムサイズの変更
- マウントされているファイルシステムの情報の表示
- ファイルシステムタイプの識別
- 空き領域の監視
- エクステント属性
- 第 III 部 DMP を使ったマルチパスの管理
- Dynamic Multi-Pathing の管理
- 新しく追加されたディスクデバイスの検出と設定
- 部分的なデバイス検出
- ディスクの検出とディスクアレイの動的な追加について
- サードパーティドライバの共存について
- デバイス検出層の管理方法
- iSCSI を含むすべてのデバイスの一覧表示
- iSCSI を含むすべてのホストバスアダプタの一覧表示
- ホストバスアダプタ上で設定されたポートの一覧表示
- ホストバスアダプタまたはポートから設定されたターゲットの一覧表示
- ホストバスアダプタとターゲットから設定されたデバイスの一覧表示
- iSCSI 操作パラメータの取得または設定
- サポートされているすべてのディスクアレイの一覧表示
- Array Support Library(ASL)の詳細の表示
- ディスクアレイライブラリのサポートの無効化
- 無効にされたディスクアレイライブラリのサポートの有効化
- 無効にされたディスクアレイの一覧表示
- DISKS カテゴリで認識されているディスクの一覧表示
- DISKS カテゴリへのサポートされていないディスクアレイの追加
- DISKS カテゴリからのディスクの削除
- 外部デバイス
- デバイスを VxVM で非表示にする
- デバイスの VxVM での表示
- コントローラとストレージプロセッサに対する I/O の有効化と無効化について
- DMP データベース情報の表示について
- ディスクへのパスの表示
- vxdmpadm ユーティリティを使った DMP の管理
- DMP ノードに関する情報の取得
- DMP ノードについての統合された情報の表示
- LUN グループのメンバーの表示
- DMP ノード、コントローラ、エンクロージャ、アレイポートによって制御されるパスの表示
- コントローラに関する情報の表示
- エンクロージャに関する情報の表示
- アレイポートに関する情報の表示
- サードパーティ製のドライバにより制御されるデバイスに関する情報の表示
- 拡張デバイス属性の表示
- VxVM の制御下におけるデバイスの無効化と有効化
- I/O 統計情報の収集と表示
- エンクロージャへのパスに関する属性の設定
- デバイスまたはエンクロージャの冗長レベルの表示
- アクティブパスの最小数の指定
- I/O ポリシーの表示
- I/O ポリシーの指定
- パス、コントローラ、アレイポート、DMP ノードに対する I/O の無効化
- パス、コントローラ、アレイポート、DMP ノードに対する I/O の有効化
- エンクロージャ名の変更
- I/O エラーに対する応答の設定
- I/O 調整機構の設定
- LIPP(Low-Impact Path Probing)の設定
- サブパスフェールオーバーグループ(SFG)の設定
- リカバリオプション値の表示
- DMP パスリストアポリシーの設定
- DMP パスリストアスレッドの停止
- DMP パスリストアスレッドの状態の表示
- アレイポリシーモジュール(Array Policy Modules)の設定
- Metro/Geo アレイの遅延しきい値チューニングパラメータの設定
- DMP とネーティブマルチパスの共存
- ZFS ルートプールに対する DMP デバイスの管理
- 新しく追加されたディスクデバイスの検出と設定
- デバイスの動的再構成
- デバイスの管理
- イベント監視
- Dynamic Multi-Pathing の管理
- 第 IV 部 Storage Foundation Cluster File System High Availability の管理
- Storage Foundation Cluster File System High Availability とそのコンポーネントの管理
- Storage Foundation Cluster File System High Availability の管理について
- CFS の管理
- VCS 設定への新しい CFS システムの追加
- cfsmount と cfsumount を使った CFS ファイルシステムのマウントとマウント解除
- VCS 設定からの CFS ファイルシステムの削除
- CFS ファイルシステムのサイズ変更
- CFS ファイルシステムノードと各ノードのマウントポイントの状態の確認
- CFS ポートの状態の確認
- CFS エージェントおよび AMF サポート
- CFS エージェントログファイル
- CFS コマンド
- mount、fsclustadm、fsadm コマンドについて
- すべてのノードでのシステムクロックの同期
- CFS ファイルシステムの拡張
- /etc/vfstab ファイルについて
- CFS プライマリノードに障害が発生した場合
- SFCFSHA での Storage Checkpoint について
- SFCFSHA のスナップショットについて
- VCS の管理
- CVM の管理
- すべての CVM 共有ディスクの一覧表示
- クラスタ内で利用可能なすべてのディスクの表示
- 手動による CVM クラスタメンバーシップの確立
- CVM マスター選択を制御する方法
- マスターフェールオーバーへのクラスタノードの優先設定の設定について
- CVM マスターの手動での変更について
- CVM 環境でのアプリケーション分離機能の有効化
- CVM クラスタでのアプリケーション分離機能の無効化
- 手動でのディスクグループマスターの変更
- マスターフェールオーバーへのサブクラスタノードの優先設定値の設定
- 共有ディスクグループの手動インポート
- 共有ディスクグループの手動デポート
- クラスタ内のノードへのリモートストレージのマッピング
- クラスタ内のノードからのリモートストレージマッピングの削除
- 手動による共有ボリュームの起動
- CVM ポートの状態の評価
- CVM が SFCFSHA クラスタで実行されているかどうかの確認
- CVM メンバーシップの状態の確認
- CVM 共有ディスクグループの状態の確認
- アクティブ化モードの確認
- CVM ログファイル
- ノードの状態の要求とマスターノードの検出
- LUN が共有ディスクグループの一部であるかどうかの判別
- 共有ディスクグループの一覧表示
- 共有ディスクグループの作成
- 共有ディスクグループのインポート
- 共有ディスクグループから専用ディスクグループへの変換
- 共有ディスクグループ間のオブジェクト移動
- 共有ディスクグループの分割
- 共有ディスクグループの結合
- 共有ディスクグループ上のアクティベーションモードの変更
- 共有ディスクグループでの I/O 転送の有効化
- 共有ディスクグループの切断ポリシーの設定
- ストレージ切断に対する CVM 耐障害性の制御
- 共有ディスクグループでのクローンディスクの扱い方
- 排他的起動権限を持つボリュームの作成
- ボリュームへの排他的起動権限の設定
- クラスタプロトコルのバージョンの表示
- サポートされているクラスタプロトコルのバージョン範囲の表示
- 共有ディスクグループ内のボリュームのリカバリ
- クラスタパフォーマンスの統計の取得
- スレーブノードからの CVM の管理
- Flexible Storage Sharing の管理
- ODM の管理
- I/O フェンシングの管理について
- vxfentsthdw ユーティリティについて
- vxfenadm ユーティリティについて
- vxfenclearpre ユーティリティについて
- vxfenswap ユーティリティについて
- コーディネーションポイントサーバーの管理について
- CP サーバーの操作(cpsadm)
- CP サーバーデータベースからの SFCFSHA clusterエントリの追加と削除
- CP サーバーデータベースに対する SFCFSHA clusterノードの追加と削除
- CP サーバーユーザーの追加または削除
- CP サーバーユーザーのリスト表示
- すべての SFCFSHA clusterのノードのリスト表示
- SFCFSHA clusterのノードのメンバーシップのリスト表示
- ノードの獲得
- ノードの登録と登録解除
- SFCFSHA clusterへのユーザーのアクセスの有効化と無効化
- VCS 制御外での CP サーバーの起動と停止
- CP サーバーの接続性の確認
- 実行時における CP サーバーの仮想 IP アドレスとポートの追加と削除
- CP サーバーデータベースのスナップショットの取得
- オンラインクラスタでサーバーベースのフェンシングに使うコーディネーションポイントの置き換え
- サーバー型のフェンシングのコーディネーションポイントの登録キーの更新
- CP サーバーの配備と移行のシナリオ
- CP サーバーと SFCFSHA クラスタの通信に対する設定の非セキュアからセキュアへの移行
- ディスクベースとサーバーベースのフェンシング設定間の移行について
- 優先フェンシングポリシーの有効化と無効化
- I/O フェンシングのログファイルについて
- SFCFSHA のグローバルクラスタの管理
- クラスタ化された NFS の使用
- クラスタ化された NFS のしくみ
- 使用例
- cfsshare のマニュアルページ
- クラスタ化された NFS の設定および設定解除
- NFS 共有ディスクのメジャー番号とマイナー番号の一致
- クラスタ化された NFS の管理
- NFS 共有 CFS ファイルシステムの表示
- VCS に以前に追加された CFS ファイルシステムの共有
- 以前の共有 CFS ファイルシステムの共有解除
- NFS 共有 CFS ファイルシステムの VCS への追加
- VCS からの NFS 共有 CFS ファイルシステムの削除
- VCS への仮想 IP アドレスの追加
- VCS からの仮想 IP アドレスの削除
- ピュア IPv6 構成での VCS への IPv6 仮想 IP アドレスの追加
- ピュア IPv6 構成での VCS からの IPv6 仮想 IP アドレスの削除
- デュアルスタック構成での VCS への仮想 IP アドレスの追加
- デュアルスタック構成での VCS からの仮想 IP アドレスの削除
- NFS 共有と関連付けられている共有オプションの変更
- ファイルシステムチェックポイントの共有
- クラスタ化された NFS の設定例
- main.cf ファイル例
- NFS クライアントで NFS エクスポートされたファイルシステムをマウントする方法
- NFS デーモンの SMF の無効化
- クラスタ化された NFS のデバッグ
- Common Internet File System の使用
- クラスタ化された NFS を使用した Oracle の配備
- サイトとリモートミラーの管理
- Storage Foundation Cluster File System High Availability とそのコンポーネントの管理
- 第 V 部 I/O パフォーマンスの最適化
- 第 VI 部 Veritas Extension for Oracle Disk Manager
- Veritas Extension for Oracle Disk Manager の使用
- Oracle Disk Manager について
- Oracle Disk Manager と Storage Foundation Cluster File System High Availability について
- Oracle Disk Manager と Oracle Managed Files について
- Veritas Extension for Oracle Disk Manager の設定
- Veritas Extension for Oracle Disk Manager の設定
- Oracle Disk Manager 用の既存のデータベースストレージの準備
- Quick I/O ファイルの Oracle Disk Manager ファイルへの変換
- Oracle Disk Manager が設定されていることの検証
- Oracle Disk Manager 機能の無効化
- Cached ODM の使用
- Veritas Extension for Oracle Disk Manager の使用
- 第 VII 部 PITC (Point-In-Time Copy) の使用
- PITC 方法の理解
- ボリュームスナップショットの管理
- ボリュームスナップショットについて
- 従来のサードミラーブレークオフスナップショット
- フルサイズインスタントスナップショット
- インスタントスナップショットの作成
- インスタントスナップの DCO と DCO ボリュームの追加
- 領域最適化インスタントスナップショットの作成と管理
- フルサイズインスタントスナップショットの作成と管理
- サードミラーブレークオフスナップショットの作成と管理
- リンクされたブレークオフスナップショットボリュームの作成と管理
- 複数のインスタントスナップショットの作成
- ボリュームセットのインスタントスナップショットの作成
- ボリュームへのスナップショットミラーの追加
- スナップショットミラーの削除
- リンクされたブレークオフスナップショットボリュームの削除
- カスケードスナップショット階層へのスナップショットの追加
- インスタント領域最適化スナップショットの更新
- フルサイズインスタントスナップショットまたはプレックスのブレークオフスナップショットの再接続
- リンクされたブレークオフスナップショットボリュームの再接続
- 領域最適化インスタントスナップショットからのボリュームのリストア
- インスタントスナップショットの関連付けの解除
- インスタントスナップショットの削除
- インスタントスナップショット階層の分割
- インスタントスナップショット情報の表示
- インスタントスナップショットの同期の制御
- キャッシュ上で作成したスナップショットの一覧表示
- キャッシュの autogrow 属性のチューニング
- キャッシュ使用率の監視と表示
- キャッシュの拡張と縮小
- キャッシュの削除
- インスタントスナップショットの作成
- リンクされたブレークオフスナップショット
- カスケードスナップショット
- 複数のスナップショットの作成
- スナップショットからの元のボリュームのリストア
- バージョン 0 の DCO および DCO ボリュームの追加
- Storage Checkpoint の管理
- FileSnaps の管理
- スナップショットファイルシステムの管理
- 第 VIII 部 Storage Foundation Cluster File System High Availability を使用したストレージの最適化
- 第 IX 部 ストレージ利用率の最大化
- SmartTier によるストレージの階層化について
- ボリュームセットの作成と管理
- MVS ファイルシステム
- SmartTier の管理
- ホットリロケーションの管理
- Solaris SPARC 上のデータの重複排除
- ファイルの圧縮
- 第 X 部 ストレージの管理と保護
- ボリュームとディスクグループの管理
- デフォルトのディスクグループの名前の付け方
- ボリュームまたはディスクの移動
- タスクの監視と制御
- vxnotify による設定の変更の監視
- オンライン再レイアウトの実行
- ボリュームへのミラーの追加
- SmartMove の設定
- ミラーの削除
- ボリュームでのタグ設定
- ディスクグループの管理
- プレックスとサブディスクの管理
- ストレージの破棄
- ルータビリティ
- クォータ
- FCL (File Change Log)
- ボリュームとディスクグループの管理
- 第 XI 部 参照先
- 付録 A. パス名の逆引きルックアップ
- 付録 B. チューニング可能なパラメータ
- 付録 C. コマンドリファレンス
- 付録 D. スタータデータベースの作成
Veritas File System の機能
表: Veritas File System の機能には、Veritas File System (VxFS) 機能が一覧表示されます。
以下の表に Veritas File System (VxFS) の機能の一覧を示します。表の説明では各機能が SFCFSHA をサポートしているかどうかも示しています。
表: Veritas File System の機能
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機能 |
説明 |
|---|---|
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アクセス制御リスト |
ACL (アクセス制御リスト) には、ユーザーやグループ、およびディレクトリやファイルに対するアクセス権限が定義されています。ACL はファイルごとに定義することもできれば、複数のファイルで共有することもできます。ACL では複数のユーザーやグループに対してアクセス権限を詳細に指定できます。 Solaris SPARC のクラスタファイルシステムでは、ACL がサポートされています。 この機能は SFCFSHA でサポートされます。 |
|
キャッシュアドバイザリ |
キャッシュアドバイザリは個別のファイルシステム上で mount コマンドによって設定されますが、クラスタの他のノードには伝達されません。 mount コマンドだけではキャッシュアドバイザリを設定できません。キャッシュアドバイザリはファイルごとに設定できます (VX_SETCACHE ioctl を使います)。 Veritas File System I/O についてを参照してください。 |
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ファイルアクセス時間に依存するコマンド |
クラスタファイルシステムでは atime ファイル属性が厳密に同期されないため、ファイルアクセス時間の表示がノード間で異なる場合があります。そのため、アクセス時間のチェックに依存するユーティリティは確実に機能しない場合があります。 |
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CDS (Cross-Platform Data Sharing) |
CDS (Cross-platform data sharing) を使うと、異種システム間でデータを連続して共有し、そのデータを保持する物理デバイスに各システムが直接アクセスできるようになります。この機能は、VxVM (Veritas Volume Manager) とともに使う場合にかぎり、使えます。 この機能は SFCFSHA でサポートされます。 『Veritas InfoScale ソリューションガイド』を参照してください。 |
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データの重複排除 |
継続的な費用をかけずに重複したデータを排除するために、ファイルシステムではプロセス後の定期的な重複排除を実行できます。データがオンデマンドで複製されたかどうかを確認し、その後に効率的かつ安全に重複を排除します。この機能は Veritas InfoScale Storage ライセンスと Veritas InfoScale Enterprise ライセンスの両方で使用できます。 この機能は Solaris SPARC のみに利用できます。 この機能は SFCFSHA でサポートされます。 データの重複排除についてを参照してください。 |
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断片化解消 |
ディレクトリから未使用領域を取り除き、すべての小さいファイルを連続させ、空きブロックを統合してファイルシステムで使用するために断片化解消を実行できます。 この機能は SFCFSHA でサポートされます。 断片化の解消についてを参照してください。 |
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拡張データ整合性モード |
VxFS には拡張データ整合性モードを有効にするための次の mount コマンドオプションがあります。
この機能は SFCFSHA でサポートされます。 |
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拡張パフォーマンスモード |
VxFS のデフォルトログモード (mount -o delaylog) では、一部の構造上の変更に関するログを遅延させることで、処理効率が向上します。ただし、delaylog では拡張データ整合性モードと同じデータ整合性は提供されません。理由は、システムエラー時に直前の変更が失われることがあるためです。このオプションを使うことで、少なくとも従来の UNIX ファイルシステムと同程度のデータ整合性と、ファイルシステムの高速リカバリを実現できます。
delaylog マウントオプションを参照してください。 |
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エクステント属性 |
VxFS では、エクステントと呼ばれる 1 つ以上の隣接するブロックから構成されるグループ単位で、ファイルにディスク領域が割り当てられます。VxFS は、プログラムが特定のファイルのエクステント割り当ての各種状態を制御できるようにするアプリケーションインターフェースを定義します。VxFS のアプリケーションインターフェースを使うと、プログラムで任意のファイルに対するエクステント割り当てをより細かく制御できます。 この機能は SFCFSHA でサポートされます。 エクステント属性についてを参照してください。 |
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エクステントベースの割り当て |
エクステントは、コンピュータファイルシステム内の連続したストレージ領域で、ファイル用に予約された領域です。ファイルに対する書き込みを開始すると、エクステント全体が割り当てられます。ファイルに再び書き込みを行うと、前回の書き込み場所に続けてデータが書き込まれます。これにより、ファイルの断片化を少なくするかまたは回避できます。エクステントは「アドレスと長さの組み合わせ」で表現され、これによって開始ブロックのアドレスと、(ファイルシステムまたは論理ブロックの) エクステントの長さが決まります。VxFS は、エクステントベースのファイルシステムのため、エクステント (複数ブロックで構成可能) を使ってアドレス指定します。単一ブロックセグメントにアドレス指定するのではありません。したがって、エクステントを使うとファイルシステムのスループットを向上できます。 この機能は SFCFSHA でサポートされます。 エクステントについてを参照してください。 |
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マウントの拡張オプション |
VxFS ファイルシステムでは、mount コマンドが次のように強化されています。
この機能は SFCFSHA でサポートされます。 VxFS ファイルシステムのマウントを参照してください。 |
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ファイルシステムの高速リカバリ |
通常のファイルシステムはシステム障害からリカバリする際、そのための唯一の手段である fsck ユーティリティによるファイルシステム構造全体の検証に依存しています。ディスク構成の規模が大きい場合には、このユーティリティによる構造全体の調査、ファイルシステムの整合性の検証および不整合部分の修正の処理には、必然的に相当の時間が必要になります。VxFS は、VxFS インテントログと VxFS インテントログのサイズ変更機能で高速リカバリを実現します。 この機能は SFCFSHA でサポートされます。 Veritas File System のインテントログについてを参照してください。 |
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FCL (File Change Log) |
VxFS FCL (File Change Log) は、ファイルシステム内のファイルおよびディレクトリへの変更を記録します。FCL は、バックアップ製品、Web 巡回ロボット、検索および索引エンジン、レプリケーションソフトウェアなど、ファイルシステム全体をスキャンして、前回のスキャン以降に変更された箇所を検出するアプリケーションによって使われます。FCL 機能は Veritas InfoScale™ Storage、Veritas InfoScale™ Availability、Veritas InfoScale™ Foundation、および Veritas InfoScale™ Enterprise の 4 つの Veritas InfoScale ライセンスで使用できます。 この機能は SFCFSHA でサポートされます。 Veritas File System ファイルの変更ログについてを参照してください。 |
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ファイル圧縮 |
ファイルを圧縮すると、ファイルのアクセシビリティを維持しながら、アプリケーションに対して透過的に、使用する領域を減らすことができます。圧縮されたファイルの外観と動作は圧縮前のファイルとほとんど変わりません。同じファイル名で、圧縮前のファイルと同様に読み取りおよび書き込みできます。読み取りを行うと、メモリではデータが圧縮解除されます。ただし、ファイルのディスク上のコピーは圧縮された状態のままです。これに対し、書き込み後の新しいデータは、ディスク上で圧縮されていません。 この機能は SFCFSHA でサポートされます。 圧縮ファイルについてを参照してください。 |
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ファイルシステムのスナップショット |
VxFS では、スナップショット機能を使ったオンラインデータバックアップが提供されています。この機能では、マウントされているファイルシステムのイメージに対して、特定時点で読み取り専用のコピーが瞬時に作成されます。元のファイルシステムは、スナップファイルシステムと呼ばれ、コピーは、スナップショットと呼ばれます。 スナップファイルシステムに変更が加えられると、古いデータはスナップショットにコピーされます。スナップショットの読み取りでは、変更されていないデータはスナップファイルシステムから読み取られ、変更されたデータはスナップショットから読み取られます。 バックアップは、次のいずれかの方法で実行します。
この機能は SFCFSHA でサポートされます。 スナップショットファイルシステムについてを参照してください。 |
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FileSnap |
FileSnap は、同じ名前空間のファイルの領域最適化コピーであり、同じファイルシステムに保存されます。VxFS は、ディスクレイアウトバージョン 8 以降のファイルシステムの FileSnap をサポートします。 この機能は SFCFSHA でサポートされます。 FileSnap についてを参照してください。 |
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ファイルシステムのフリーズとアンフリーズ |
ファイルシステムのフリーズ処理は、ファイルシステムの、ボリュームレベルで一貫性のある安定したイメージを取得するために必要な手順です。ボリュームレベルで一貫性のあるファイルシステムイメージは、ファイルシステムスナップショットツールを使って取得し、使うことができます。 この機能は SFCFSHA でサポートされます。ファイルシステムのフリーズとアンフリーズを必要とする同期操作はクラスタ全体に対して行われます。 ファイルシステムのフリーズとアンフリーズを参照してください。 |
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同期書き込みの改善 |
VxFS では、同期書き込みを実行するアプリケーションのパフォーマンスを向上できます。mount -o datainlog オプションを使うと、同期書き込みが少量の場合のパフォーマンスが著しく向上します。 mount -o convosync=dsync オプションを使うと、同期データ書き込みが必要なアプリケーションのパフォーマンスは向上しますが、同期を行う i ノードアクセス時間の更新パフォーマンスは変わりません。
警告: -o convosync=dsync オプションを使うと、POSIX セマンティクスに違反する場合があります。 convosync マウントオプションを参照してください。 |
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ロック |
F_GETLK コマンドについては、競合ロックを保持しているプロセスがある場合、l_pid フィールドは競合ロックを保持しているプロセスのプロセス ID を返します。ノード ID からノード名への変換は、/etc/llthosts ファイルの検証または fsclustadm コマンドの使用で行うことができます。 この機能は必須のロックおよび従来の fcntl ロックでサポートされるデッドロック検出を除き、SFCFSHA でサポートされます。 |
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maxlink サポート |
64K サブディレクトリよりも多くのサポートが追加されました。ファイルシステムで デフォルトでは
# mkfs -F vxfs -o maxlink /dev/vx/rdsk/testdg/vol1
# mkfs -F vxfs -o nomaxlink /dev/vx/rdsk/testdg/vol1
# fsadm -F vxfs -o maxlink /mnt1 # fsadm -F vxfs -o maxlink /mnt1
# fsadm -F vxfs -o nomaxlink /mnt1 mkfs_vxfs(1M) マニュアルページと fsadm_vxfs(1M) マニュアルページを参照してください。 |
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メモリマッピング |
共有メモリのマッピングを確立するには mmap() 関数を使うことができます。 この機能は SFCFSHA でサポートされます。 |
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MVS ファイルシステム |
MVFS (multi-volume file system) 機能を使って、複数のボリュームを 1 つの論理オブジェクトで表すことができます。下位論理ボリュームへのすべての I/O は、ボリュームセットを介して指示されます。この MVS に 1 つの VxFS ファイルシステムを作成できます。この機能は、VxVM とともに使う場合にかぎり、使用可能です。MVFS 機能は Veritas InfoScale™ Storage、Veritas InfoScale™ Availability、Veritas InfoScale™ Foundation、および Veritas InfoScale™ Enterprise の 4 つの Veritas InfoScale ライセンスで使用できます。 MVS ファイルシステムについてを参照してください。 |
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ネストマウント |
クラスタマウントまたはローカルマウントされたファイルシステム上のディレクトリを、ローカルファイルシステムまたは別のクラスタファイルシステムのマウントポイントとして使うことができます。 この機能は SFCFSHA でサポートされます。 |
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NFS マウント |
クラスタから NFS ファイルシステムをエクスポートします。分散型の高可用性の方法で CFS ファイルシステムを NFS エクスポートできます。 この機能は SFCFSHA でサポートされます。 |
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パーティションディレクトリ |
大きなボリュームにアクセスする、ファイルシステム内に存在するディレクトリにアクセスしアップデートを実行する並列スレッドでは、非常に長い待ち時間が発生します。 この機能では、ディレクトリをパーティション分割して、ファイルシステムのディレクトリのパフォーマンスを向上します。任意のディレクトリがチューニング可能なしきい値を超えると、ディレクトリの i ノードに排他ロックを実行して、エントリを異なるハッシュディレクトリにそれぞれ再分散します。これらのハッシュディレクトリは、ユーザーの名前空間ビューやオペレーティングシステムでは表示されません。この機能は、すべての新規作成、削除、検索スレッドに対して、それぞれのハッシュディレクトリ (ターゲットの名前により決定) を検索し、そのディレクトリで操作を実行します。これにより、親ディレクトリの inode およびその他のハッシュディレクトリへのアクセスが妨げられることがなくなり、ファイルシステムのパフォーマンスが大幅に向上します。 この機能はディスクレイアウトバージョン 8 以降のファイルシステムでのみ動作します。 この機能は SFCFSHA でサポートされます。 パーティションディレクトリを参照してください。
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クォータ |
VxFS では、クォータがサポートされています。これにより、特定のユーザーとグループ単位でクォータを割り当てて、ファイルとデータブロックという 2 つの主要リソースの使用を制限します。これらのリソースごとにクォータを割り当てることができます。各クォータでは、それぞれのリソースについてハード制限とソフト制限という 2 タイプの制限を設けています。 ハード制限は、データブロックやファイルの絶対的な制限を表します。ユーザーは、どのような場合でも、ハード制限を超えたリソースを使うことはできません。 ソフト制限は、ハード制限より低い値であり、特定の時間内であれば、この制限を超えることができます。すなわち、特定の時間内であれば、ユーザーは一時的にこの制限を超えてリソースを使えます。 この機能は SFCFSHA でサポートされます。 Veritas File System のクォータ制限についてを参照してください。 |
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パス名の逆引きルックアップ |
パス名の逆引きルックアップ機能を使うと、ファイルやディレクトリの i ノード番号から、完全パス名を取得できます。パス名の逆引きルックアップ機能は、VxFS FCL 機能のクライアント、バックアップユーティリティ、リストアユーティリティ、レプリケーション製品など、さまざまなアプリケーションで使えます。ファイルやディレクトリのパス名は非常に長くなることがあるため、これらのアプリケーションでは、情報を i ノード番号で保存することが普通です。そのため、パス名を簡単に取得する手段が必要になります。 この機能は SFCFSHA でサポートされます。 パス名の逆引きルックアップについてを参照してください。 |
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SmartIO |
Storage Foundation and High Availability Solutions (SFHA Solutions) の SmartIO 機能は、I/O キャッシュを使用して SSD または他のサポートデバイスのデータ効率を向上させます。効率を改善する SmartIO を使用して、IOPS ごとのコストを最適化できます。SmartIO は、高度でカスタマイズ可能なヒューリスティックを使って、キャッシュに保存するデータ、そのデータをキャッシュから削除する方法を決定します。このヒューリスティックでは、ワークフローの特性に関する SFHA Solutions の知識が活用されます。 SmartIO はターゲットデバイスまたはデバイスのキャッシュ領域を使います。キャッシュ領域は、SmartIO がキャッシュしたデータとそのデータに関するメタデータを格納するために使うストレージ領域です。キャッシュ領域のタイプに応じて、VxFS キャッシュまたは VxVM キャッシュのいずれかがサポートされるかが決定します。 この機能は SFCFSHA でサポートされます。 『Veritas InfoScale SmartIO for Solid-State Drives ソリューションガイド』を参照してください。 |
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SmartTier |
SmartTier オプションは、マルチボリュームファイルシステムに基づいています。SmartTier を使うと、2 つ以上のボリュームを 1 つのファイルシステムにマップできます。さらに、ファイルを別のボリュームに自動的に再配置するようにポリシーを設定したり、ファイル再配置コマンドを実行してファイルを再配置することができます。使う複数のボリュームに対して、ファイルの配置場所を選択できるようになります。これにより、特定のタイプのファイルにアクセスするアプリケーションのパフォーマンスを向上させることができます。SmartTier 機能は Veritas InfoScale Storage ライセンスと Veritas InfoScale Enterprise ライセンスの両方で使用できます。 メモ: 以前の VxFS 5.x リリースでは、SmartTier は DST (Dynamic Storage Tiering) と呼ばれていました。 この機能は SFCFSHA でサポートされます。 SmartTier についてを参照してください。 |
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Storage Checkpoint |
VxFS では、可用性、障害からのリカバリおよびパフォーマンスを向上させるために、ディスクによるバックアップとオンラインのバックアップおよびリストア機能が提供されており、頻繁に効率よくバックアップを実行することができます。バックアップアプリケーションやリストアアプリケーションでは、Storage Checkpoint を利用できます。これは、ディスクと I/O の効果的なコピー技術であり、ファイルシステムのフリーズしたイメージを定期的に作成します。Storage Checkpoint では、ある時点におけるファイルシステムのビュー (構造) を提示し、その後は元のファイルシステムブロックのコピーを識別して保持します。ディスクベースのミラー化を使う代わりに、Storage Checkpoint では、ファイルシステムで使用可能な空き領域プールを使うことによって、ディスク領域の消費を抑制し、I/O のオーバーヘッドを大幅に削減します。 Storage Checkpoint 機能は Veritas InfoScale Storage ライセンスと Veritas InfoScale Enterprise ライセンスの両方で使用できます。 この機能は SFCFSHA でサポートされます。 Storage Checkpoint についてを参照してください。 |
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データベースのサポート |
キャラクタデバイスとしてエクスポートしたファイルにデータベースを作成することにより、RAW ディスク上のデータベースと同レベルのパフォーマンスを実現できます。 通常、データベースはバックアップ、コピー、移動といったタスクを容易に行えるようにファイルシステム上に作成されますが、RAW ディスクデバイス上に作成された場合と比べて処理速度は遅くなります。 VxFS の Quick I/O for Database 機能を使うと、パフォーマンスを低下させることなく、ファイルシステム上にデータベースを構築することができます。Quick I/O for Database では、キャラクタデバイスとして使用可能にするために事前に連続領域を割り当てた通常ファイルが作成されます。キャラクタデバイス上にデータベースを作成することにより、RAW ディスク上のデータベースと同レベルのパフォーマンスを実現できます。 通常の VxFS ファイルを RAW デバイスとして使うと、データベースでは次の利点があります。
Quick I/O for Databases の機能は SFCFSHA でサポートされます。 ???を参照してください。 |
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大容量ファイルのサポートと大容量ファイルシステム |
VxFS は 2 GB 以上のファイルと、最大で 256 TB までの大容量ファイルシステムをサポートします。 警告: アプリケーションやユーティリティには、大容量ファイルに対応していないものもあります。 largefiles と nolargefiles マウントオプションを参照してください。 |
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スワップファイル |
スワップファイルはクラスタマウントされたファイルシステムでサポートされません。 |
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一時ファイルシステムモード |
通常の UNIX システムでは、一時ファイルシステムディレクトリ (
tmplog マウントオプションを参照してください。 |
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シン再生 |
シン再生機能により、VxFS ファイルシステムの空きデータブロックを、シンストレージ LUN の空きストレージプールに解放できます。この機能は VxVM ボリュームに作成されたファイルシステム上でのみサポートされます。
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