Cluster Server 8.0.2 付属エージェントリファレンスガイド - Solaris
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DomainFailurePolicy 属性の注意事項
DomainFailurePolicy 属性を設定すると、LDom エージェントはマスタードメインのエラーポリシーとして属性キーとキーの値を使って論理ドメインのマスタードメインを設定します。
LDom エージェントは、次のコマンドを使って論理ドメインのマスタードメインを設定します。
# ldm set-domain master=master-domainguestldom
LDom エージェントは、次のコマンドを使ってマスタードメインのエラーポリシーを設定します。
# ldm set-domain failure-policy=failure-policymaster-domain
DomainFailurePolicy 属性をリソースレベルで利用できるので、異なる LDom リソースのさまざまな値にマスタードメインのエラーポリシーを意識的または無意識に設定できます。 ただし、LDom エージェントは任意の時点でマスタードメインに 1 つのエラーポリシーのみを設定できます。 複数の LDom リソースがあるクラスタでは、マスタードメインのエラーポリシーの異なる値が競合する可能性があります。 このような競合を避けるために、LDom エージェントはマスタードメインのエラーポリシーを設定するときに内部優先度を使います。
内部優先度は次のとおりです。
パニック (panic): 最高レベル
リセット (reset): 高レベル
停止 (stop): 低レベル
無視 (ignore): 最低レベル
システムで設定したマスタードメインのエラーポリシーの優先度が LDom リソースで設定した DomainFailurePolicy 属性の優先度より低い場合は、マスタードメインのエラーポリシーは属性の値に変わります。
システムで設定したマスタードメインのエラーポリシーの優先度が LDom リソースで設定した DomainFailurePolicy 属性の優先度が高い場合は、マスタードメインのエラーポリシーは属性の値に変わります。 LDom エージェントは最初に競合を示すメッセージをログに記録します。
マスタードメインのエラーポリシーが「無視」に設定されている場合は、LDom エージェントは論理ドメインのマスターリストにマスタードメインを追加しません。 マスタードメインが論理ドメインのマスターリストにすでに含まれる場合は、LDom エージェントはマスターリストからマスタードメインを削除します。
メモ:
マスタードメインのエラーポリシーを「パニック」に設定することはお勧めしません。
例 1
システムでマスタードメイン(プライマリ)のエラーポリシーを「無視」に設定すると、LDom リソースの DomainFailurePolicy 属性は { primary = "stop" } に変わります。 システムでマスタードメイン(プライマリ)のエラーポリシーが「無視」に設定されているかどうかを調べるには、次のコマンドを入力します。
# ldm list-bindings primary | grep failure-policy
この例では、LDom エージェントの内部優先度が「無視」より高い優先度の「停止」に割り当てられているので、プライマリドメインのエラーポリシーが「停止」に変わります。 LDom エージェントは、次のコマンドを使ってプライマリドメインのエラーポリシーを「停止」に変えます。
# ldm set-domain failure-policy=stop primary
例 2
システムでマスタードメイン(プライマリ)のエラーポリシーを「パニック」に設定すると、LDom リソースの DomainFailurePolicy 属性は { primary = "stop" } に変わります。 システムでマスタードメイン(プライマリ)のエラーポリシーが「パニック」に設定されているかどうかを調べるには、次のコマンドを入力します。
# ldm list-bindings primary | grep failure-policy
この例では、LDom エージェントの内部優先度が「パニック」より低い優先度の「停止」に割り当てられているので、プライマリドメインのエラーポリシーは「パニック」のままです。
現在、システムに設定されている値より優先度の低い値にマスタードメインのエラーポリシーを設定する必要がある場合は、ldm コマンドを手動で除外する必要があります。 LDom エージェントは、次のコマンドを使ってプライマリドメインのエラーポリシーを「リセット」や「パニック」から「停止」に変えます。
# ldm set-domain failure-policy=stop primary
例 3
マスタードメインのエラーポリシーの値が DomainFailurePolicy 属性で「無視」に指定されている場合は、LDom エージェントが論理ドメインのマスターリストからマスタードメインを除外します。
論理ドメインのマスターリストにプライマリドメインとセカンダリドメインが含まれる場合に論理ドメインの LDom リソースの DomainFailurePolicy 属性を {primary = ignore, secondary = "stop" } に変更すると、プライマリドメインは論理ドメインのマスターリストから削除されます。
DomainFailurePolicy 属性を変更する前に、次のコマンドを入力して論理ドメインのマスターリストにプライマリドメインとセカンダリドメインが含まれるかどうかを調べることができます。
# ldm list-bindings guestldom | grep master
次の出力は、論理ドメインにプライマリとセカンダリの両方のドメインが含まれていることを示します。
master=primary, secondary
DomainFailurePolicy 属性を変更した後で、次のコマンドを入力して論理ドメインのマスターリストからプライマリドメインが削除されているかどうかを調べることができます。
# ldm list-bindings guestldom | grep master
次の出力は、マスターリストからプライマリドメインが削除されていることを示します。
master= secondary
使用例のシナリオと DomainFailurePolicy 属性を設定する必要がある VCS 設定については、『Veritas InfoScale 仮想化ガイド』を参照してください。