Enterprise Vault™ Microsoft ファイル分類インフラストラクチャを使用した分類
- このマニュアルについて
- スタートガイド
- 分類プロパティの設定
- 分類ルールの設定
- 分類ポリシーの定義と適用
- テストモードでの分類の実行
- サイト全体への分類プロパティとルールの公開
- スマートパーティションを使用した分類
- 付録 A. 分類ルールで使う Enterprise Vault プロパティ
- 付録 B. 分類に使う PowerShell cmdlet
- 付録 C. 監視とトラブルシューティング
Veritas 情報分類子の方法を使うルールのサポート対象構成パラメータ
Veritas 情報分類子の方法を使うルールを作成する場合は 1 つ以上の設定パラメータを追加で指定する必要があります。 追加するパラメータには、アイテムを検索するために使うテキスト文字列または正規表現を定義します。 各パラメータは name と、対応する value から成ります。
同じルールに複数の設定パラメータを指定できます。 たとえば、1 つ目の単語でアイテムの件名、2 つ目の単語でメッセージ本文を検索するルールを作成すると便利です。 この場合は、アイテムが照合するルールのすべてのパラメータと一致する必要があります。Veritas 情報分類子は OR 演算子ではなく AND ブール演算子でパラメータを結び付けます。
メモ:
複数のパラメータを OR ブール演算子で結び付けた場合の結果をシミュレートするには、同じ分類プロパティに同じ値を割り当てた複数のルールを作成します。 たとえば、evtag.category プロパティに同じ値を割り当てる 2 つのルール(アイテムの件名で 1 つの単語を検索するルールとメッセージ本文で別の単語を検索するルール)を作成できます。
[分類パラメータ]ダイアログボックスの[名前]列に入力する値で設定パラメータのスコープを設定します。この値は検索するアイテムのプロパティを指定します。
[名前]列にプロパティ名を入力して個々のプロパティを検索できます。 たとえば、cont と入力してアイテムのメッセージ本文を検索したり、rbea と入力して電子メール受信者の電子メールアドレスを検索したりできます。 インデックス付きアイテムには多数のプロパティがありますが、分類の対象になるのはサブセットのみです。 サブセットは Enterprise Vault が分類キャッシュフォルダに平文ファイルで格納したプロパティと関連付けられた値です。
1 つのアーカイブのみにアイテムを分類する場合は、archiveid プロパティでこのアーカイブの一意の識別子を指定できます。たとえば、1 つめの設定パラメータで archiveid プロパティの値を指定し、2 つめの設定パラメータで cont プロパティの値を指定すると、本文に特定の語句が含まれる処理対象アーカイブのアイテムに分類を制限できます。
一度にアイテムの複数のプロパティを検索できる場合は複数の複合プロパティを利用することもできます。 表: 複合プロパティ に、複合プロパティの値の説明を示します。
表: 複合プロパティ
名前 | 説明 |
---|---|
Attachment | 添付ファイル関連のすべてのプロパティ(コンテンツ、ファイル名、サイズ、種類、日付)を検索します。 |
Author | 作成者のプロパティを検索します。 |
Content | アイテムとその添付ファイルの件名とコンテンツの両方を検索します。 |
Item | アイテム全体 (件名、コンテンツ、アイテムとその添付ファイルのすべての分類可能なプロパティ) で該当アイテムを検索します。 |
Recipient | 受信者リストのプロパティを検索します。 |
Subject | アイテムとその添付ファイルの件名を検索します。 |
複数のプロパティをパイプ記号(|)で区切って単一の Name 値にまとめることができます。 たとえば、次の名前の値は、アイテムの件名行 (subj) および添付ファイル (a_subj) を検索できるため、複合値 Subject と同じです。
subj|a_subj
次の例では、アイテムとその添付ファイルの件名 (Subject)、添付ファイルのコンテンツ (a_cont) を検索します。
Subject|a_cont
[分類パラメータ]ダイアログボックスの[値]列に、検索対象(語句、正規表現など)を指定します。
デフォルトでは、入力する値の大文字と小文字は区別されません。 そのため、Fraud という値は Fraud のみならず fraud と FRAUD とも一致します。 ただし、先頭に (?-i) を入力すると値の大文字と小文字を区別できます。 たとえば、(?-i)Fraud は Fraud にのみ一致します。
日時の値を、ISO 8601 形式の協定世界時 (UTC) の値として指定します。ISO 8601 に従い、日付と時刻を組み合わせた値は次の形式となります。
yyyy-mm-ddThh:mm:ssZ
たとえば、2016-07-12T13:00:00Z のようになります。
表: [値]列のサポート対象値 では、Veritas 情報分類子がサポートする値の種類について説明します。
表: [値]列のサポート対象値
値 | 説明 |
---|---|
文字列 | fraud や cover up など、指定した語句を検索します。 |
正規表現 | 指定した正規表現を検索します。 正規表現は、通常の文字(a から z までの文字など)とメタ文字と呼ばれる特殊文字から成るテキストのパターンです。 パターンとは、テキストを検索するときに照合する 1 つ以上の文字列です。 たとえば、次の正規表現はすべての Visa カード番号で一連の数を照合します。 \b4[0-9]{12}(?:[0-9]{3})?\b 正規表現 docx? は doc と docx の両方に一致するため、Microsoft Word 文書を検索する場合に役立ちます。 正規表現は .NET Framework の正規表現の構文と一致する必要があります。 この構文について詳しくは、 Microsoft 社の Web サイトの次の記事を参照してください。 https://msdn.microsoft.com/library/az24scfc.aspx http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=180327 その他の正規表現の構文例については、分類ルールの例を参照してください。 |
近接検索 | 指定した文字数内にある 2 つの単語や正規表現を検索します。 句読点や空白文字は標準の文字として数えます。 構文は次のとおりです。 NEAR[proximity,regular_expression,regular_expression] たとえば、2 つの単語間が100 文字以内の fraud と cover up を検索するには、次のように入力します。 NEAR[100,fraud,cover up] たとえば、2 つの単語間が150 文字以内の fraud と cover up または write off を検索するには、次のように入力します。 NEAR[150,fraud,(cover up|write off)] |
文字列または正規表現のリスト | 複数の単語、語句、または正規表現を検索します。構文は次のとおりです。 LIST[string_or_regular_expression||string_or_regular_expression|...] たとえば、cost of sales、earnings per share、 financial expenses を検索するには、次のように入力します。 LIST[cost of sales|earnings per share|financial expenses] 数百の単語または語句を含むリストを入力する場合は、次の代替の構文を使ってパフォーマンスを最大化できることがあります。 LARGELIST[string1|string2|string3|...] LARGELIST は、別の方法を使ってアイテムのプロパティに対してリストを評価します。リストの先頭に一致する可能性が最も高い単語または語句を配置すると、さらにパフォーマンスを向上できます。 メモ: LIST とは異なり、LARGELIST では正規表現を使用できません。 |
日付範囲 | adat、date、mdat など、日付タイプのプロパティでのみ使います。指定した日付範囲内の日付プロパティ値を持つアイテムを検索します。範囲は無制限になる場合もあります。構文は次のとおりです。
日付は Enterprise Vault ストレージサーバーの現在のタイムゾーンで表示されます。 |