Veritas NetBackup™ アップグレードガイド
- 概要
- アップグレード計画
- マスターサーバーのアップグレード
- メディアサーバーのアップグレード
- NetBackup の MSDP のアップグレード
- クライアントのアップグレード
- VxUpdate を使用した NetBackup 配備の管理
- 付録 A. 参照先
- NetBackup マスターサーバー Web サーバーのユーザーとグループの作成
- クラスタ化されたマスターサーバーの非アクティブノードで証明書を生成する
- NetBackup Java Runtime Environment について
- アップグレード後の Java GUI と JRE の追加または削除
- NetBackup Web ユーザーインターフェースについて
- NetBackup 応答ファイルについて
- RBAC のブートストラップについて
- NetBackup ソフトウェアの入手について
- NetApp クラスタのためのアップグレード前の追加手順
- レプリケーションディレクタを使用した NetApp ディスクアレイの使用
- NetBackup のバージョン間の互換性について
- UNIX および Linux の場合のアップグレード要件
- Windows および Windows クラスタのインストールおよびアップグレード要件
- Windows クラスタのインストールとアップグレードの要件
- 新しいメディアサーバーに全データを移行してクラスタ化されたメディアサーバーを削除する
- OpsCenter サーバーと NetBackup マスターサーバー間の接続の無効化
- Amazon クラウドストレージサーバーのアップグレード後の手順
- サーバーのアップグレード後のクライアントのアップグレード
- 索引
MSDP ローリングデータ変換について
NetBackup 8.0 では、既存の Blowfish アルゴリズムに置き換わる AES 暗号化アルゴリズムが導入されました。NetBackup 8.1 では、既存の MD5 のようなアルゴリズムに換わる SHA2 指紋アルゴリズムが導入されました。暗号化と指紋アルゴリズムの双方へのアップグレードは、データのセキュリティを向上させるために設計されています。
NetBackup 8.1 にアップグレードされた環境には、新しい形式に変換する必要がある Blowfish で暗号化されたデータと MD5 のような指紋が含まれている場合があります。変換を処理してデータを保護するには、新しい内部タスクで現在のデータコンテナを AES 暗号化と SHA-2 指紋アルゴリズムに変換します。この新しいタスクは、ローリングデータ変換と呼ばれます。
ローリングデータ変換は、すべての既存のデータコンテナを処理します。Blowfish アルゴリズムを使ってデータが暗号化されている場合、データは AES アルゴリズムを使って再暗号化されます。それから、新しい SHA-2 指紋が生成されます。変換後、データコンテナには、.bhd と .bin ファイルに加えて、.map 拡張子を持つ新しいファイルが収められます。.map ファイルには、SHA-2 と MD5 に似たアルゴリズムの指紋間のマッピングが含まれています。.bhd ファイルには、SHA-2 指紋が含まれています。
NetBackup 8.1 の新規インストールでは、ローリングデータ変換は[完了 (Finished)]としてマークされ、それ以降は起動しません。NetBackup 8.1 へのアップグレード場合は、ローリングデータ変換はデフォルトでは有効であり、MSDP 変換の完了後にバックグラウンドで動作します。変換されるのは、アップグレードの前に存在していたデータのみです。すべての新しいデータは新しい SHA-2 の指紋を使用するため、変換の必要がありません。
crcontrol コマンドを使用してローリングデータ変換を管理および監視できます。使用方法に関する詳細情報を参照できます。
『NetBackup Deduplication ガイド』および『NetBackup コマンドリファレンスガイド』を参照してください。