NetBackup™ SAN クライアントおよびファイバートランスポートガイド

Last Published:
Product(s): NetBackup & Alta Data Protection (10.4)
  1. SAN クライアントとファイバートランスポートの概要
    1.  
      NetBackup SAN クライアントとファイバートランスポートについて
    2.  
      ファイバートランスポートについて
    3.  
      ファイバートランスポートメディアサーバーについて
    4.  
      SAN クライアントについて
    5.  
      ファイバートランスポートサービスマネージャについて
    6.  
      NetBackup リリースノートについて
  2. 配備の計画
    1.  
      SAN クライアントの配置計画
    2.  
      SAN クライアントの操作上の注意事項
    3. SAN クライアントの宛先ストレージについて
      1.  
        SAN クライアントの宛先ディスクストレージについて
      2. SAN クライアントの宛先テープストレージについて
        1.  
          SAN クライアントのテープストレージの制限事項
    4.  
      SAN クライアントとファイバートランスポートのホストを選択する方法
    5.  
      エージェントの NetBackup SAN クライアントサポートについて
    6.  
      クラスタリングのための NetBackup SAN クライアントサポート
    7.  
      NetBackup SAN クライアントの Windows Hyper-V サーバーサポートについて
    8.  
      NetBackup SAN クライアントのサポート外のリストアについて
    9.  
      ファイバートランスポートのスループットについて
    10.  
      SAN クライアントへの SAN メディアサーバーの変換
  3. SAN の準備
    1.  
      SAN の準備
    2.  
    3.  
    4.  
      SAN クライアントおよびファイバートランスポートメディアサーバー用 HBA について
    5.  
      SAN クライアントおよびファイバートランスポートメディアサーバー用 16 gb ターゲットモード HBA について
    6.  
      SAN クライアント用の HBA ポートを選択する場合
    7.  
      SAN クライアントでサポートする SAN 構成について
  4. SAN クライアントとファイバートランスポートのライセンス
    1.  
      SAN クライアントのインストールについて
    2.  
      SAN クライアントのライセンスキーについて
    3.  
      SAN クライアントおよびファイバートランスポートをアップグレードする場合
  5. SAN クライアントおよびファイバートランスポートの構成
    1.  
      SAN クライアントおよびファイバートランスポートの構成
    2. ファイバートランスポートメディアサーバーの設定
      1.  
        ターゲットモードドライバについて
      2.  
        nbhba モードと ql2300_stub ドライバについて
      3.  
        FC に接続されるデバイスについて
      4.  
        HBA ポートを識別する方法
      5.  
        Solaris での HBA ポートの検出について
      6.  
        ファイバーのトランスポートのメディアサーバーおよび VLAN について
      7.  
        nbhba モードの開始
      8.  
        ファイバートランスポートメディアサーバー HBA ポートのマーク付け
      9.  
        メディアサーバーのファイバートランスポートサービスの設定
      10.  
        16 gb ターゲットモード HBA サポート向けのメディアサーバーファイバートランスポートサービスの構成
      11.  
        16 gb ターゲットモード HBA をサポートする FTMS の状態の表示
      12.  
        16 gb ターゲットモード HBA をサポートする HBA ポートの識別
    3. SAN クライアントの構成
      1.  
        SAN クライアントのファイアウォールの構成について
      2.  
        SAN クライアントのドライバの要件
      3.  
        SAN クライアントのファイバートランスポートサービスの設定
    4. クラスタ内の SAN クライアントの構成
      1.  
        SAN クライアントのクラスタの仮想名の登録
      2.  
        コマンドラインの使用による NetBackup 構成オプションの設定
    5.  
      ファイバートランスポートのプロパティの構成について
    6.  
      ファイバートランスポートのプロパティの構成
    7. [ファイバートランスポート (Fibre transport)]プロパティ
      1.  
        Linux 並列 FT 接続について
    8.  
      SAN クライアント使用設定について
    9. SAN クライアントの使用設定の構成
      1.  
        SAN クライアントの使用設定
  6. SAN クライアントおよびファイバートランスポートの管理
    1.  
      ファイバートランスポートサービスの有効化または無効化
    2.  
      SAN クライアントからファイバートランスポートデバイスの再スキャン
    3.  
      SAN クライアントのファイバートランスポートジョブの詳細の表示
    4.  
      ファイバートランスポートトラフィックの表示
    5.  
      SAN クライアントの追加
    6.  
      SAN クライアントの削除
  7. SAN クライアントとファイバートランスポートの無効化
    1.  
      SAN クライアントおよびファイバートランスポートのアンインストールについて
    2.  
      SAN クライアントの無効化
    3.  
      ファイバートランスポートメディアサーバーの無効化
    4.  
      16 gb ターゲットモード HBA サポートのファイバートランスポートメディアサーバーの無効化
  8. SAN クライアントとファイバートランスポートのトラブルシューティング
    1.  
      SAN クライアントとファイバートランスポートのトラブルシューティングについて
    2.  
      SAN クライアントのトラブルシューティングの TechNote
    3.  
      ファイバートランスポートログの表示
    4. 統合ログについて
      1.  
        vxlogview コマンドを使用した統合ログの表示について
      2.  
        vxlogview を使用した統合ログの表示の例
    5.  
      ファイバートランスポートサービスの停止と開始
    6.  
      バックアップはファイバートランスポートデバイスが使用可能であっても LAN にフェールオーバーする
    7.  
      Veritas モジュールのロード時のカーネルの警告メッセージ
    8.  
      SAN クライアントのサービスが起動しない
    9.  
      SAN クライアントファイバートランスポートサービスの検証
    10.  
      SAN クライアントがファイバートランスポートを選択しない
    11.  
      メディアサーバーのファイバートランスポートデバイスがオフライン
    12.  
      ファイバートランスポートデバイスの検出なし
  9. 付録 A. AIX に固有の構成の詳細
    1.  
      AIX のリファレンス情報
    2.  
      NetBackup の構成を開始する前に (AIX)
    3.  
      AIX での永続的な名前のサポートについて
    4.  
      AIX でのロボット制御デバイスファイルの構成について
    5.  
      AIX の SAN クライアントについて
    6.  
      AIX での QIC 以外のテープドライブについて
    7.  
      AIX の非巻き戻しデバイスファイルについて
    8.  
      テープドライブの AIX 非巻き戻しデバイスファイルの作成
  10. 付録 B. HP-UX に固有の構成の詳細
    1.  
      HP-UX のリファレンス情報
    2.  
      NetBackup の構成を開始する前に (HP-UX)
    3.  
      レガシーデバイスファイルの HP-UX デバイスドライバについて
    4.  
      レガシーロボット制御デバイスファイルについて
    5.  
      レガシーテープドライブ用デバイスファイルについて
    6.  
      テープドライブのレガシーパススルーパスの概要
    7.  
      HP-UX 上の SAN クライアント用デバイスファイルの作成
    8. レガシーデバイスファイルの構成について
      1. HP-UX でのレガシー SCSI および FCP ロボット制御の作成
        1.  
          SCSI (PA-RISC) 用の sctl デバイスファイルの作成例
        2.  
          FCP (PA-RISC) 用の sctl デバイスファイルの作成例
        3.  
          FCP (Itanium) 用の sctl デバイスファイルの作成例
      2.  
        レガシーテープドライブ用デバイスファイルの作成について
      3.  
        テープドライブ用パススルーデバイスファイルの作成
  11.  
    索引

テープドライブ用パススルーデバイスファイルの作成

メディアサーバーでは、テープドライブに対するパススルーパスが NetBackup によって自動的に作成されます。ただし、手動で作成することもできます。

NetBackup では、SAN クライアントにテープドライブ用パススルーデバイスファイルも使います。

次の 2 つの手順のいずれかを使用します。

パススルーテープドライブ用デバイスファイルを作成する方法

  1. 次に示すように、HP-UX の ioscan -f コマンドを実行して、SCSI バスに接続されているデバイスを判断します。
    ioscan -f
    Class    I  H/W Path     Driver S/W State  H/W Type   Description
    =================================================================
    ext_bus  7  0/7/0/       c720   CLAIMED    INTERFACE  SCSI C896 Fast Wide LVD
    target  10  0/7/0/1.0    tgt    CLAIMED    DEVICE
    tape    65  0/7/0/1.0.0  stape  CLAIMED    DEVICE     QUANTUM SuperDLT1
    target  11  0/7/0/1.1    tgt    CLAIMED    DEVICE
    tape    66  0/7/0/1.1.0  stape  CLAIMED    DEVICE     QUANTUM SuperDLT1
    target  12  0/7/0/1.2    tgt    CLAIMED    DEVICE
    autoch  14  0/7/0/1.2.0  schgr  CLAIMED    DEVICE     ADIC Scalar 100
    target  13  0/7/0/1.3    tgt    CLAIMED    DEVICE
    autoch  19  0/7/0/1.3.0  schgr  CLAIMED    DEVICE     IBM ULT3583-TL
    target  14  0/7/0/1.4    tgt    CLAIMED    DEVICE
    tape    21  0/7/0/1.4.0  atdd   CLAIMED    DEVICE     IBM ULT3580-TD1
    target  15  0/7/0/1.5    tgt    CLAIMED    DEVICE
    tape    19  0/7/0/1.5.0  atdd   CLAIMED    DEVICE     IBM ULT3580-TD1

    この出力例によって、次の内容が示されています。

    • ADIC Scalar 100 ライブラリのロボット制御はインスタンス番号 7 の SCSI バスに存在します。SCSI ID は 2、LUN は 0 です。IBM ULT3583-TL ライブラリのロボット制御は SCSI ID 3 および LUN 0 の同じ SCSI バスに存在します。

    • ADIC ライブラリには、Quantum Super DLT ドライブが 2 台存在します。1 台は SCSI ID 0 と LUN 0 です。別の 1 台は SCSI ID 1 と LUN 0 です。

    • IBM ライブラリには、IBM Ultrium LTO ドライブが 2 台存在します。1 台は SCSI ID 4 と LUN 0 です。別の 1 台は SCSI ID 5 と LUN 0 です。

      HP-UX に IBM テープドライブを構成する場合、IBM atdd ドライバを使用します。IBM のドライバのマニュアルに従って、atdd および BEST デバイスパスを構成します。IBM ロボットのロボット制御で atdd を構成しないでください。IBM が推奨する最新の atdd ドライバのバージョンは、Veritasのサポート Web サイトを参照してください。

  2. 次のように、テープドライブのパススルーデバイスファイルを作成します。
    cd /dev/sctl
    /usr/sbin/mknod c7t0l0 c 203 0x070000
    /usr/sbin/mknod c7t1l0 c 203 0x071000
    /usr/sbin/mknod c7t4l0 c 203 0x074000
    /usr/sbin/mknod c7t5l0 c 203 0x075000

    テープドライブに対して HP-UX の mknod コマンドを実行する場合、target はテープドライブの SCSI ID となります。ロボット制御の SCSI ID ではありません。

    前述のコマンドによって、次のパススルーデバイスファイルが作成されます。

    /dev/sctl/c7t0l0
    /dev/sctl/c7t1l0
    /dev/sctl/c7t4l0
    /dev/sctl/c7t5l0

    テープドライブのパススルーデバイスファイルは、NetBackup の動作中に使用されますが、NetBackup の構成中は使用されません。NetBackup でのテープドライブの構成中は、次のデバイスファイルを使用してテープドライブを構成します。

    /dev/rmt/c7t0d0BESTnb
    /dev/rmt/c7t1d0BESTnb
    /dev/rmt/c7t4d0BESTnb
    /dev/rmt/c7t5d0BESTnb
  1. 次に示すように、HP-UX の ioscan -f コマンドを実行して、SCSI バスに接続されているデバイスを判断します。
    ioscan -f
    Class    I  H/W Path                Driver    S/W State   H/W Type    Description
    =================================================================================
    ext_bus  9  0/3/1/0.1.22.255.0      fcd_vbus  CLAIMED     INTERFACE   FCP Device Interface
    target   4  0/3/1/0.1.22.255.0.0    tgt       CLAIMED     DEVICE
    tape     6  0/3/1/0.1.22.255.0.0.0  stape     CLAIMED     DEVICE      ARCHIVE Python
    tape     7  0/3/1/0.1.22.255.0.0.1  stape     CLAIMED     DEVICE      ARCHIVE Python

    この出力例は、ファイバーチャネル HBA のインスタンス番号が 9 であることを示します。また、ファイバートランスポートメディアサーバー上のターゲットモードドライバが ARCHIVE Python デバイスとして表示されることも示します。1 台は SCSI ID 0 と LUN 0 です。別の 1 台は SCSI ID 0 と LUN 1 です。

  2. 次のコマンドを実行して、sctl ドライバのキャラクタメジャー番号を調べます。
    lsdev -d sctl
    Character  Block  Driver  Class
    203        -1     sctl    ctl

    このコマンドの出力では、sctl ドライバのキャラクタメジャー番号が 203 と表示されています。

  3. 次の通り、パススルーデバイスファイルを作成します。
    cd /dev/sctl
    /usr/sbin/mknod c9t0l0 c 203 0x090000
    /usr/sbin/mknod c9t0l1 c 203 0x090100

    デバイスファイル名の説明を次に示します。

    • c9 はインターフェースカードのインスタンス番号を定義します。

    • t0 は SCSI ID (ターゲット) を定義します。

    • l1 は LUN を定義します (最初の文字は英字の「l」です)。

  4. デバイスファイルが作成されたことを次のとおり検証します。
    # ls -l /dev/sctl
    total 0
    crw-r--r--   1 root       sys        203 0x090000 Nov  1 13:19 c9t0l0
    crw-r--r--   1 root       sys        203 0x090100 Nov  1 13:19 c9t0l1