Veritas Access インストールガイド
- Veritas Access の概要
- Veritas Access のライセンス
- システム要件
- システム要件
- Linux の必要条件
- Linux の必要条件
- ネットワークとファイアウォールの要件
- Veritas Access をインストールする準備
- VMware ESXi での Veritas Access インストール用の仮想マシンの配備
- クラスタのインストールと設定
- 応答ファイルを使用した Veritas Access のインストールと設定の自動化
- クラスタのノードの表示と追加
- Veritas Access のアップグレードとオペレーティングシステム
- ローリングアップグレードを使用した Veritas Access のアップグレード
- Veritas Access のアンインストール
- 付録 A. インストールの参考情報
- 付録 B. LTR アップグレードのトラブルシューティング
- 付録 C. 通信用のセキュアシェルの設定
オペレーティングシステムと Veritas Access のアップグレード
Veritas Access は、RHEL でのアップグレードに対して次のアップグレードパスをサポートします。
表: RHEL でのアップグレードでサポートされるアップグレードパス
アップグレード前の製品バージョン | アップグレード前のオペレーティングシステムバージョン | アップグレード後のオペレーティングシステムバージョン | アップグレード後の製品バージョン |
---|---|---|---|
7.2.1.1 | RHEL 6 Update 6、7、8 | RHEL 7 Update 3 と 4 | 7.3.1 |
7.3 | RHEL 6 Update 6、7、8 | RHEL 7 Update 3 と 4 | 7.3.1 |
このプロセスは、Veritas Access クラスタでの LTR (Long-term Retention の略で長期的な保有期間) のアップグレードに必要です。ローリングアップグレードプロセスを開始する前に、NetBackup からのすべてのバックアップジョブや復元ジョブを停止する必要があります。
LTR アップグレードシナリオでは、次のスクリプトを使用する必要があります。
preUpgrade_ltr_access731.py
postUpgrade_ltr_access731.py
LTR のローリングアップグレードを開始する前の作業:
OpenDedup ボリュームのキャッシュデータをバックアップするための
odd_cache_fs
ファイルシステムを作成するpreUpgrade_ltr_access731.py
スクリプトを実行する必要があります。このファイルシステムのサイズは、現在のキャッシュサイズ (/opt/sdfs
) に基づいて決定されます。Objectaccess のデフォルトプールとして設定されるプールは、このファイルシステムの作成に使用されます。そのため、このプールには十分な空き領域が必要です。
Odd_cache_fs
ファイルシステムがプロビジョニングされた後、すべての OpenDedup ボリュームはオフラインになり、設定とキャッシュデータがバックアップされます。
クラスタのローリングアップグレードが完了すると、すべての設定が復元された後にすべての OpenDedup ボリュームがオンラインになる postUpgrade_ltr_access731.py
スクリプトを実行する必要があります。設定されたクラウド階層に対してワンタイム階層ポリシーが作成され、OpenDedup メタデータファイル (終わりに .6442
拡張子が付いている) をクラウド階層からオンプレミスストレージに移動します。これらのメタデータファイルは、OpenDedup の設定を検証および復元するために必要です。これらのファイルをクラウド階層に格納している場合、これらの操作のパフォーマンスが低下する可能性があります。
オペレーティングシステムと Veritas Access のアップグレードには、次の手順が含まれています。
LTR が設定されている Veritas Access クラスタのみのアップグレード前の手順
Veritas Access で提供されるスクリプトを使用した Veritas Access 設定のエクスポート
設定ファイルの複製
RHEL 7.3 または 7.4 のインストール
Veritas Access 7.3.1 のインストール
Veritas Access 設定のインポート
インポートされた Veritas Access 設定の確認
LTR が設定されている Veritas Access クラスタのみのアップグレード後の手順
LTR が設定されている Veritas Access クラスタのみのアップグレード前の手順
- NetBackup からのバックアップジョブや復元ジョブが停止していることを確認します。
メモ:
これらの手順は、OpenDedup ボリュームが Veritas Access クラスタでプロビジョニングされている場合に必要です。
- ISO から、
upgrade_scripts/preUpgrade_ltr_access731.py
スクリプトを、OpenDedup ボリュームがオンラインになっている各ノードの「/」に複製します。 - OpenDedup ボリュームがオンラインになっているノードごとに 1 回ずつ
preUpgrade_ltr_access731.py
スクリプトを実行します。
Veritas Access 設定をエクスポートするには
- 前提条件:
サポート対象のいずれかの RHEL 6 バージョンがインストールされていること。
Veritas Access バージョン 7.2.1.1. または 7.3 がインストールされていること。
CIFS、NFS、FTP などの CLISH を使用して、Veritas Access に関連するすべての I/O とサービスを停止していること。
- ISO から、
upgrade_scripts/config_export
ディレクトリを ManagementConsole サービスグループがオンラインになっているクラスタノードの「/」に複製します。 - このディレクトリから、
root
ログインを使用してシェル (端末) で次のコマンドを実行し、Veritas Access 設定をエクスポートします。/bin/bash -f export_lib.sh export local <filename>
Veritas Access 設定のエクスポートを確認するには
- CLISH で次のコマンドを実行して、利用可能な設定の一覧を表示します。
system config list
設定ファイルは次の場所にあります。
/opt/VRTSnas/conf/backup
メモ:
ファイルの破損を避けるため、これらの設定ファイルはクラスタノードのノードに格納する必要があります。
RHEL 7.3 または 7.4 をインストールするには
- 前提条件:
CLISH で実行中のすべてのモジュールを停止し、I/O が実行されていないことを確認します。
RHEL 7 をインストールする前に CLISH で
network ip addr show
コマンドとcluster show
コマンドを実行します。これらの IP アドレスとクラスタノード名をメモします。RHEL 7 がインストールされた後に Veritas Access をインストールしている間、同じ IP アドレスとクラスタ名を使用してください。例:
upgrade> network ip addr show IP Netmask/Prefix Device Node Type Status -- -------------- ------ ---- ---- ------ 192.168.10.151 255.255.255.0 pubeth0 upgrade_01 Physical 192.168.10.158 255.255.255.0 pubeth1 upgrade_01 Physical 192.168.10.152 255.255.255.0 pubeth0 upgrade_02 Physical 192.168.10.159 255.255.255.0 pubeth1 upgrade_02 Physical 192.168.10.174 255.255.255.0 pubeth0 upgrade_01 Virtual ONLINE (Con IP) 192.168.10.160 255.255.255.0 pubeth0 upgrade_01 Virtual ONLINE 192.168.10.161 255.255.255.0 pubeth1 upgrade_01 Virtual ONLINE
upgrade> cluster show Node State CPU(15 min) pubeth0(15 min) pubeth1(15 min) % rx(MB/s) tx(MB/s) rx(MB/s) tx(MB/s) ---- ----- ----------- -------- -------- -------- -------- upgrade_01 RUNNING 11.52 0.67 0.06 0.60 0.00 upgrade_02 RUNNING 4.19 0.61 0.05 0.60 0.00
メモ:
この例では、クラスタ名は
upgrade
、クラスタノード名はupgrade_01
とupgrade_02
です。 - クラスタのすべてのノードを再起動します。
- 目的のノードに RHEL 7.3 または 7.4 をインストールします。
ターゲット Veritas Access クラスタへのオペレーティングシステムのインストールを参照してください。
メモ:
RHEL 6 がインストールされていた環境には同じディスクを選択することをお勧めします。他のディスクはプールの一部である可能性があり、データを損失する可能性があるため、それらのディスクは選択しないでください。
Veritas Access 7.3.1 をインストールするには
- ノードが再起動した後に、CPI を使用して Veritas Access7.3.1 のインストールを開始します。
メモ:
RHEL 6 で Veritas Access に使用されていたものと同じ IP アドレスとクラスタ名を使用してください。
ターゲットクラスタノードでの Veritas Access のインストールを参照してください。
Veritas Access のインストールを確認するには
- コンソールの IP を使用して、CLISH にアクセスできるかどうかを確認します。
- CLISH で次のコマンドを実行してディスクにアクセスできるかどうかを確認します。
storage disk list
メモ:
ディスクが CLISH 出力に表示されていない場合は、CLISH で
storage scanbus force
コマンドを実行します。 - CLISH で次のコマンドを実行してプールにアクセスできるかどうかを確認します。
storage pool list
メモ:
プールが CLISH 出力に表示されていない場合は、CLISH で
storage scanbus force
コマンドを実行します。 - CLISH で次のコマンドを実行してファイルシステムにアクセスできるかどうかを確認します。
storage fs list
メモ:
ファイルシステムが CLISH 出力に表示されていない場合は、CLISH で
storage scanbus force
コマンドを実行します。 - ファイルシステムがオンラインであることを確認します。ファイルシステムがオンラインでない場合は、CLISH で次のコマンドを実行してオンラインにします。
storage fs online <fs name>
Veritas Access 設定をインポートするには
- 前提条件:
ファイルシステムがオンラインであることを確認します。ファイルシステムがオンラインでない場合は、CLISH で次のコマンドを実行してオンラインにします。
storage fs online <fs name>
メモ:
RHEL 6 でクラスタが Veritas Access に使用されていたものと同じ IP アドレスとクラスタ名を使用していることを確認します。
インストール時に、RHEL 6 で Veritas Access に使用されていた VIP アドレスが追加されない場合は、Veritas Access を RHEL 7 にインストールした後に CLISH からそれらを追加し、設定をインポートします。
- エクスポートした設定ファイルを次の場所のクラスタノードに複製します。
/opt/VRTSnas/conf/backup/
- CLISH で次のコマンドを実行して、利用可能なエクスポート済み設定を表示します。
system config list
- CLISH にログインし、次のコマンドを使用してモジュール設定をインポートします。
system config import local <config-filename> <module-to-import>
次のモジュールをインポートできます。
upgrade> system config import local system config import local <file_name> [config-type] -- Import the configuration which is stored locally file_name : configuration file name config-type : input type of configuration to import (network/admin/all/report/ system/support/cluster_specific/all_except_cluster_specific/nfs/cifs/ftp/backup/ replication/storage_schedules/storage_quota/storage_fs_alert/storage_fs_policy/ compress_schedules/defrag_schedules/storage_dedup/smartio/target/object_access/ loadbalance/opendedup) [all] upgrade> system config import local
メモ:
モジュール名は CLISH で自動提案されます。
LTR が設定されている Veritas Access クラスタのみのアップグレード後の手順
- ISO から、
upgrade_scripts/postUpgrade_ltr_access731.py
スクリプトを管理コンソールノードの/
に複製します。メモ:
これらの手順は、OpenDedup ボリュームが Veritas Access クラスタでプロビジョニングされている場合に必要です。
postUpgrade_ltr_access731.py
スクリプトを実行します。- OpenDedup ボリュームがオンラインになっているノードごとに 1 回ずつ
preUpgrade_ltr_access731.py
スクリプトを実行します。