Veritas Access インストールガイド

Last Published:
Product(s): Access (7.3.1)
  1. Veritas Access の概要
    1.  
      Veritas Access について
  2. Veritas Access のライセンス
    1.  
      Veritas Access 製品のライセンスについて
  3. システム要件
    1.  
      重要なリリース情報
    2. システム要件
      1. Linux の必要条件
        1.  
          オペレーティングシステム RPM のインストール要件とオペレーティングシステムのパッチ適用
        2.  
          正確に事前定義済みの RPM バージョンでインストールする必要があるカーネル RPM
        3.  
          正確に事前定義済みの RPM バージョンでインストールする必要がある OL カーネル RPM
        4.  
          OL 6.8 に必要なオペレーティングシステム RPM
        5.  
          OL 7.3 に必要なオペレーティングシステム RPM
        6.  
          OL 7.4 に必要なオペレーティングシステム RPM
        7.  
          RHEL 6.6 に必要なオペレーティングシステム RPM
        8.  
          RHEL 6.7 に必要なオペレーティングシステム RPM
        9.  
          RHEL 6.8 に必要なオペレーティングシステム RPM
        10.  
          RHEL 7.3 に必要なオペレーティングシステム RPM
        11.  
          RHEL 7.4 に必要なオペレーティングシステム RPM
      2.  
        VMware ESXi 環境に Veritas Access をインストールするためのソフトウェア要件
      3.  
        Veritas Access 仮想マシンをインストールするためのハードウェア要件
      4.  
        管理サーバーの Web ブラウザサポート
      5.  
        サポート対象の NetBackup バージョン
      6.  
        サポート対象の OpenStack バージョン
      7.  
        サポート対象の Oracle バージョンとホストオペレーティングシステム
      8.  
        サポート対象の IP バージョン 6 インターネット標準プロトコル
    3. ネットワークとファイアウォールの要件
      1.  
        NetBackup ポート
      2.  
        OpenDedup ポートと iptable ルールの無効化
      3.  
        CIFS プロトコルとファイアウォールポート
    4.  
      最大構成の制限
  4. Veritas Access をインストールする準備
    1.  
      インストールプロセスの概要
    2.  
      ノードのハードウェア要件
    3. Veritas Access の RDMA ネットワークで LLT を使用する
      1.  
        Veritas Access クラスタ環境の InfiniBand ネットワーク上の RDMA
      2.  
        アプリケーション間のより高速の相互接続のための LLT での RDMA のサポートについて
      3.  
        Veritas Access の RDMA 上の LLT を設定する
      4.  
        Veritas Access インストーラが RDMA 上で LLT を設定する方法
      5.  
        /etc/llttab 内の RDMA 上の LLT の例
    4.  
      ネットワークハードウェアの接続
    5. IP アドレスの取得について
      1.  
        必要な IP アドレス数の計算について
      2.  
        インストール時に必要な IP アドレス数の削減
    6.  
      ストレージ構成の確認について
  5. VMware ESXi での Veritas Access インストール用の仮想マシンの配備
    1.  
      VMware ESXi でのネットワークの設定
    2.  
      ブートディスクと LUN のデータストアの作成
    3.  
      Veritas Access インストール用の仮想マシンの作成
  6. クラスタのインストールと設定
    1.  
      インストールの概要
    2.  
      インストール手順の概要
    3.  
      インストールする前に
    4. クラスタの各ノードでのオペレーティングシステムのインストール
      1.  
        ドライバノードについて
      2.  
        ターゲット Veritas Access クラスタへのオペレーティングシステムのインストール
      3.  
        ターゲット Veritas Access クラスタへの Oracle Linux オペレーティングシステムのインストール
      4.  
        Red Hat Enterprise Linux 互換のカーネルの取得
    5. ターゲットクラスタノードでの Veritas Access のインストール
      1.  
        クラスタ上での Veritas Access ソフトウェアのインストールと設定
      2.  
        Veritas Access グラフィカルユーザーインターフェース
    6. NIC 結合と NIC 除外について
      1.  
        NIC の除外
      2.  
        NIC を含める場合
      3.  
        新しい NIC 結合の作成
      4.  
        NIC 結合の削除
      5.  
        結合リストからの NIC の削除
    7. VLAN のタグ付けについて
      1.  
        特定の NIC での VLAN デバイスの追加
      2.  
        VLAN のタグ付けの制限事項
    8.  
      イーサネットインターフェースカードの交換
    9.  
      I/O フェンシングの設定
    10.  
      Veritas NetBackup の設定について
    11.  
      Veritas Access の設定中の kdump の有効化について
    12.  
      Veritas Access のクラスタ名とネットワークの再設定
    13.  
      Veritas Access クラスタに KMS サーバーを構成する
  7. 応答ファイルを使用した Veritas Access のインストールと設定の自動化
    1.  
      応答ファイルについて
    2.  
      Veritas Access のサイレントインストールの実行
    3.  
      Veritas Access のインストールと設定のための応答ファイル変数
    4.  
      Veritas Access のインストールと設定のためのサンプル応答ファイル
  8. クラスタのノードの表示と追加
    1.  
      Veritas Access インストールの状態と条件について
    2.  
      クラスタ内のノードの表示
    3.  
      クラスタに新しいノードを追加する前に
    4.  
      クラスタへのノードの追加
    5.  
      クラスタからのノードの削除
    6.  
      クラスタノードのシャットダウン
  9. Veritas Access のアップグレードとオペレーティングシステム
    1.  
      オペレーティングシステムと Veritas Access のアップグレード
  10. ローリングアップグレードを使用した Veritas Access のアップグレード
    1.  
      ローリングアップグレードについて
    2.  
      RHEL でのアップグレードでサポートされるローリングアップグレードパス
    3.  
      インストーラを使用したローリングアップグレードの実行
  11. Veritas Access のアンインストール
    1.  
      Veritas Access をアンインストールする前に
    2. インストーラを使用した Veritas Access のアンインストール
      1.  
        Veritas Access 7.3.1 RPM の削除
      2.  
        Veritas Access 7.3.1 ディスクからのアンインストールの実行
  12. 付録 A. インストールの参考情報
    1.  
      インストールスクリプトオプション
  13. 付録 B. LTR アップグレードのトラブルシューティング
    1.  
      LTR アップグレードのトラブルシューティング用ログファイルの場所
    2.  
      LTR のアップグレード前の問題のトラブルシューティング
    3.  
      LTR のアップグレード後の問題のトラブルシューティング
  14. 付録 C. 通信用のセキュアシェルの設定
    1.  
      パスワードなしのセキュアシェル (ssh) の手動設定
    2.  
      pwdutil.pl ユーティリティを使用した ssh と rsh 接続の設定

オペレーティングシステムと Veritas Access のアップグレード

Veritas Access は、RHEL でのアップグレードに対して次のアップグレードパスをサポートします。

表: RHEL でのアップグレードでサポートされるアップグレードパス

アップグレード前の製品バージョン

アップグレード前のオペレーティングシステムバージョン

アップグレード後のオペレーティングシステムバージョン

アップグレード後の製品バージョン

7.2.1.1

RHEL 6 Update 6、7、8

RHEL 7 Update 3 と 4

7.3.1

7.3

RHEL 6 Update 6、7、8

RHEL 7 Update 3 と 4

7.3.1

LTR アップグレードのワークフロー

このプロセスは、Veritas Access クラスタでの LTR (Long-term Retention の略で長期的な保有期間) のアップグレードに必要です。ローリングアップグレードプロセスを開始する前に、NetBackup からのすべてのバックアップジョブや復元ジョブを停止する必要があります。

LTR アップグレードシナリオでは、次のスクリプトを使用する必要があります。

  • preUpgrade_ltr_access731.py

  • postUpgrade_ltr_access731.py

LTR のローリングアップグレードを開始する前の作業:

  • OpenDedup ボリュームのキャッシュデータをバックアップするための odd_cache_fs ファイルシステムを作成する preUpgrade_ltr_access731.py スクリプトを実行する必要があります。このファイルシステムのサイズは、現在のキャッシュサイズ (/opt/sdfs) に基づいて決定されます。

  • Objectaccess のデフォルトプールとして設定されるプールは、このファイルシステムの作成に使用されます。そのため、このプールには十分な空き領域が必要です。Odd_cache_fs ファイルシステムがプロビジョニングされた後、すべての OpenDedup ボリュームはオフラインになり、設定とキャッシュデータがバックアップされます。

クラスタのローリングアップグレードが完了すると、すべての設定が復元された後にすべての OpenDedup ボリュームがオンラインになる postUpgrade_ltr_access731.py スクリプトを実行する必要があります。設定されたクラウド階層に対してワンタイム階層ポリシーが作成され、OpenDedup メタデータファイル (終わりに .6442 拡張子が付いている) をクラウド階層からオンプレミスストレージに移動します。これらのメタデータファイルは、OpenDedup の設定を検証および復元するために必要です。これらのファイルをクラウド階層に格納している場合、これらの操作のパフォーマンスが低下する可能性があります。

オペレーティングシステムと Veritas Access のアップグレードには、次の手順が含まれています。

  • LTR が設定されている Veritas Access クラスタのみのアップグレード前の手順

  • Veritas Access で提供されるスクリプトを使用した Veritas Access 設定のエクスポート

  • 設定ファイルの複製

  • RHEL 7.3 または 7.4 のインストール

  • Veritas Access 7.3.1 のインストール

  • Veritas Access 設定のインポート

  • インポートされた Veritas Access 設定の確認

  • LTR が設定されている Veritas Access クラスタのみのアップグレード後の手順

LTR が設定されている Veritas Access クラスタのみのアップグレード前の手順

  1. NetBackup からのバックアップジョブや復元ジョブが停止していることを確認します。

    メモ:

    これらの手順は、OpenDedup ボリュームが Veritas Access クラスタでプロビジョニングされている場合に必要です。

  2. ISO から、upgrade_scripts/preUpgrade_ltr_access731.py スクリプトを、OpenDedup ボリュームがオンラインになっている各ノードの「/」に複製します。
  3. OpenDedup ボリュームがオンラインになっているノードごとに 1 回ずつ preUpgrade_ltr_access731.py スクリプトを実行します。

LTR のアップグレード前の問題のトラブルシューティング

Veritas Access 設定をエクスポートするには

  1. 前提条件:

    サポート対象のいずれかの RHEL 6 バージョンがインストールされていること。

    Veritas Access バージョン 7.2.1.1. または 7.3 がインストールされていること。

    CIFS、NFS、FTP などの CLISH を使用して、Veritas Access に関連するすべての I/O とサービスを停止していること。

  2. ISO から、upgrade_scripts/config_export ディレクトリを ManagementConsole サービスグループがオンラインになっているクラスタノードの「/」に複製します。
  3. このディレクトリから、root ログインを使用してシェル (端末) で次のコマンドを実行し、Veritas Access 設定をエクスポートします。
    /bin/bash -f export_lib.sh export local <filename>

Veritas Access 設定のエクスポートを確認するには

  • CLISH で次のコマンドを実行して、利用可能な設定の一覧を表示します。
    system config list

    設定ファイルは次の場所にあります。

    /opt/VRTSnas/conf/backup

    メモ:

    ファイルの破損を避けるため、これらの設定ファイルはクラスタノードのノードに格納する必要があります。

RHEL 7.3 または 7.4 をインストールするには

  1. 前提条件:

    CLISH で実行中のすべてのモジュールを停止し、I/O が実行されていないことを確認します。

    RHEL 7 をインストールする前に CLISH で network ip addr show コマンドと cluster show コマンドを実行します。これらの IP アドレスとクラスタノード名をメモします。RHEL 7 がインストールされた後に Veritas Access をインストールしている間、同じ IP アドレスとクラスタ名を使用してください。

    例:

    upgrade> network ip addr show
    
    IP             Netmask/Prefix  Device     Node            Type     Status
    --             --------------  ------     ----            ----     ------
    192.168.10.151 255.255.255.0   pubeth0    upgrade_01      Physical
    192.168.10.158 255.255.255.0   pubeth1    upgrade_01      Physical
    192.168.10.152 255.255.255.0   pubeth0    upgrade_02      Physical
    192.168.10.159 255.255.255.0   pubeth1    upgrade_02      Physical
    192.168.10.174 255.255.255.0   pubeth0    upgrade_01      Virtual  ONLINE (Con IP)
    192.168.10.160 255.255.255.0   pubeth0    upgrade_01      Virtual  ONLINE
    192.168.10.161 255.255.255.0   pubeth1    upgrade_01      Virtual  ONLINE
    
    upgrade> cluster show 
    
    Node            State      CPU(15 min)    pubeth0(15 min)     pubeth1(15 min) 
                                    %        rx(MB/s) tx(MB/s)   rx(MB/s) tx(MB/s)
    ----            -----      -----------   -------- --------   -------- --------
    upgrade_01      RUNNING         11.52       0.67     0.06       0.60     0.00 
    upgrade_02      RUNNING          4.19       0.61     0.05       0.60     0.00 

    メモ:

    この例では、クラスタ名は upgrade、クラスタノード名は upgrade_01upgrade_02 です。

  2. クラスタのすべてのノードを再起動します。
  3. 目的のノードに RHEL 7.3 または 7.4 をインストールします。

    ターゲット Veritas Access クラスタへのオペレーティングシステムのインストールを参照してください。

    メモ:

    RHEL 6 がインストールされていた環境には同じディスクを選択することをお勧めします。他のディスクはプールの一部である可能性があり、データを損失する可能性があるため、それらのディスクは選択しないでください。

Veritas Access 7.3.1 をインストールするには

Veritas Access のインストールを確認するには

  1. コンソールの IP を使用して、CLISH にアクセスできるかどうかを確認します。
  2. CLISH で次のコマンドを実行してディスクにアクセスできるかどうかを確認します。
    storage disk list

    メモ:

    ディスクが CLISH 出力に表示されていない場合は、CLISH で storage scanbus force コマンドを実行します。

  3. CLISH で次のコマンドを実行してプールにアクセスできるかどうかを確認します。
    storage pool list

    メモ:

    プールが CLISH 出力に表示されていない場合は、CLISH で storage scanbus force コマンドを実行します。

  4. CLISH で次のコマンドを実行してファイルシステムにアクセスできるかどうかを確認します。
    storage fs list

    メモ:

    ファイルシステムが CLISH 出力に表示されていない場合は、CLISH で storage scanbus force コマンドを実行します。

  5. ファイルシステムがオンラインであることを確認します。ファイルシステムがオンラインでない場合は、CLISH で次のコマンドを実行してオンラインにします。
    storage fs online <fs name>

Veritas Access 設定をインポートするには

  1. 前提条件:

    ファイルシステムがオンラインであることを確認します。ファイルシステムがオンラインでない場合は、CLISH で次のコマンドを実行してオンラインにします。

    storage fs online <fs name>

    メモ:

    RHEL 6 でクラスタが Veritas Access に使用されていたものと同じ IP アドレスとクラスタ名を使用していることを確認します。

    インストール時に、RHEL 6 で Veritas Access に使用されていた VIP アドレスが追加されない場合は、Veritas Access を RHEL 7 にインストールした後に CLISH からそれらを追加し、設定をインポートします。

  2. エクスポートした設定ファイルを次の場所のクラスタノードに複製します。
    /opt/VRTSnas/conf/backup/
  3. CLISH で次のコマンドを実行して、利用可能なエクスポート済み設定を表示します。
    system config list
  4. CLISH にログインし、次のコマンドを使用してモジュール設定をインポートします。
    system config import local <config-filename> <module-to-import>

    次のモジュールをインポートできます。

    upgrade> system config import local 
    
    system config import local <file_name> [config-type] 
     -- Import the configuration which is stored locally
    
    file_name     : configuration file name
    config-type   : input type of configuration to import (network/admin/all/report/
    system/support/cluster_specific/all_except_cluster_specific/nfs/cifs/ftp/backup/
    replication/storage_schedules/storage_quota/storage_fs_alert/storage_fs_policy/
    compress_schedules/defrag_schedules/storage_dedup/smartio/target/object_access/
    loadbalance/opendedup) [all]
    
    upgrade> system config import local

    メモ:

    モジュール名は CLISH で自動提案されます。

LTR が設定されている Veritas Access クラスタのみのアップグレード後の手順

  1. ISO から、upgrade_scripts/postUpgrade_ltr_access731.py スクリプトを管理コンソールノードの / に複製します。

    メモ:

    これらの手順は、OpenDedup ボリュームが Veritas Access クラスタでプロビジョニングされている場合に必要です。

  2. postUpgrade_ltr_access731.py スクリプトを実行します。
  3. OpenDedup ボリュームがオンラインになっているノードごとに 1 回ずつ preUpgrade_ltr_access731.py スクリプトを実行します。

LTR のアップグレード後の問題のトラブルシューティング