Veritas NetBackup™ Appliance アップグレードガイド
NetBackup Appliance をアップグレードするための要件およびベストプラクティス
このトピックでは、アプライアンスソフトウェアのアップグレードを計画する際に参照すべき要件とベストプラクティスについて説明します。
現在、アプライアンス環境でソフトウェアバージョン 3.3.0.1、4.0、4.1、または 5.0 と、それらに関連付けられているメンテナンスリリースを使用していることを確認します。これらのバージョンのみがバージョン 5.1.1 への直接アップグレードをサポートしています。
Appliance Management Console からアップグレードを実行できます。すべてのアップグレードガイドラインを確認して、アップグレード前に必要な操作を実行したら、『Veritas Appliance Management ガイド』のアップグレードの手順を参照してください。
メモ:
Appliance Management Console は、現在、HA 設定のアプライアンス (ノード) のアップグレードをサポートしません。これらのアプライアンスのアップグレードには NetBackup Appliance シェルメニューを使用する必要があります。
アップグレードは、常に管理者ユーザーアカウントを使用して実行します。管理者以外のユーザーアカウントを使用してアプライアンスをアップグレードしないでください。
アップグレードする前に必ず完全なディザスタリカバリ (DR) バックアップを実行します。
プライマリサーバー
最新の完全な NetBackup カタログバックアップがあることを確認します。
MSDP の構成
重複排除プールのカタログバックアップポリシーを構成し、バックアップを正常に実行します。詳しくは、次の記事を参照してください。
デバイス証明書をエクスポートして再インポートします。
アップグレードするいずれかのアプライアンスで IPSec 機能を設定している場合、アップグレードの完了後にこの機能が設定解除され、デバイス証明書が保持されない可能性があります。この問題を回避するには、アプライアンスをアップグレードする前にデバイス証明書をエクスポートする必要があります。アプライアンスの IPsec 機能を設定するには、ベリタステクニカルサポートにお問い合わせください。
Network > Security > Export コマンドを使用してこのタスクを実行します。Export コマンドは、このコマンドを実行するときに指定した場所に 2 つの
.pfx
ファイル (serialnumber.pfx
と.serialnumber.pfx
) をコピーします。次のように、アップグレードする前にデバイス証明書をエクスポートします。
NetBackup Appliance シェルメニュー にログインして、次のビューに移動します。
Network > Security > Export
次のエクスポートオプションの詳細を入力します。
Export [EnterPasswd][PathValue]
[EnterPasswd] は、[パスワードを入力しますか? (Do you want to enter a password?)]という質問への回答に使うフィールドです。yes または no を入力する必要があります。
[PathValue] は、エクスポートした証明書を保存する場所です。
エクスポートが完了したら、アプライアンス以外の場所に両方の
.pfx
ファイルのバックアップを作成します。アップグレードが完了したら、デバイス証明書を再インポートします。アプライアンスの IPsec 機能を設定するには、ベリタスのサポートにお問い合わせください。
アップグレード後のタスク を参照してください。
以前にダウンロードしたリリースアップデート、クライアントパッケージ、クライアントアドオンを削除します。
アップグレード中に
/inst
パーティションに十分な容量を確保するため、以前にダウンロードしたリリースの更新、クライアントパッケージ、およびクライアントアドオンのすべてをアプライアンスから削除します。ベストプラクティスとして、すべての Appliance およびクライアントをアップグレードした後に、ダウンロードしたパッケージを必ず削除してください。以前にダウンロードしたパッケージを削除しておらず、アプライアンスの
/inst
ディレクトリに十分な空き領域がない場合、プレフライトチェックと Appliance Upgrade Readiness Analyzer ツールにより、アップグレードが拒否されます。アップグレードを開始するための十分な領域があっても、古いクライアントのアドオンが削除されていないとアップグレードが失敗する場合があります。高可用性 (HA) ノードでパッケージをダウンロードした場合は、両方のノードからパッケージを削除する必要があります。NetBackup Appliance Web コンソール
NetBackup Appliance シェルメニュー
アップグレードするアプライアンスで、[管理 (Manage)]、[ソフトウェアアップデート (Software Updates)]の順に選択します。
[ダウンロードしたソフトウェアアップデート (Downloaded Software Updates)]表で、リスト内のリリースアップデート、クライアントパッケージ、またはクライアントのアドオンの左にあるラジオボタンをクリックし、[削除 (Delete)]をクリックします。
アップグレードするアプライアンスで Manage > Software > List Downloaded コマンドを入力して、ダウンロードしたリリースアップデートおよびクライアントパッケージのすべてを確認します。
ダウンロードした各リリースの更新およびクライアントパッケージを削除するには、Manage > Software > Delete update_name コマンドを入力します。
update_name
はリリースアップデートまたはクライアントパッケージのファイル名です。すべてのダウンロードしたクライアントのアドオンの一覧を表示するには、Manage > Software > List AddOns コマンドを入力します。
ダウンロードした各クライアントのアドオンを削除するには、Manage > Software > Rollback eeb_name コマンドを入力します。
eeb_name
はクライアントのアドオンのファイル名です。メモ:
クライアントのアドオンのファイル名を入力するときは、
.rpm
拡張子を含める必要があります。
アプライアンスの場合も、従来の NetBackup のアップグレードと同じアップグレードの順序に従います。NetBackup OpsCenter を使用する場合は、最初にアップグレードします。次に、アプライアンスのアップグレードをプライマリサーバーアプライアンスから始めて、その後すべてのメディアサーバーアプライアンスをアップグレードします。
複数のメディアサーバーをアップグレードする場合は、個別のメディアサーバーごとにアップグレードプロセスを実行する必要があります。
HA 設定のアプライアンスメディアサーバー (ノード) は、一度に 1 台ずつ更新します。両方のノードで、同じアプライアンスソフトウェアバージョンを使用している必要があります。1 台のノードをアップグレードしたら、他方のノードをすぐにアップグレードする必要があります。
NetBackup Appliance の HA 設定のアップグレードについてを参照してください。
従来の NetBackup プライマリサーバーがアプライアンスメディアサーバーと併用されている場合、そのプライマリサーバーにはメディアサーバーアプライアンスと同じか、それ以降のバージョンの NetBackup が必要です。たとえば、メディアサーバーアプライアンスをバージョン 5.1.1 にアップグレードする前に、まず NetBackup プライマリサーバーをバージョン 10.1.1 にアップグレードします。
対応する NetBackup ソフトウェアのバージョンについて を参照してください。
アプライアンスのメディアサーバーアップグレードの間、NetBackup プライマリサーバーがアクティブで動作していることを確認します。さらに、NetBackup のプロセスがプライマリサーバーとメディアサーバーの両方で開始されているか、または実行されていることを確認します。
STIG 機能が有効になっているアプライアンスをアップグレードするか、このアプライアンスに EEB をインストールする必要がある場合、午前 4 時から午前 4 時半の間には計画しないでください。このベストプラクティスに従うと、
AIDE
データベースと監視対象ファイルの自動アップデートの中断を防ぐことができます。自動アップデートが中断されると、アプライアンスで複数の警告メッセージが生成される可能性があります。NetBackup クライアントではアプライアンスと同じか、それ以前のソフトウェアバージョンを使用する必要があります。クライアントはアプライアンスよりも新しいバージョンでは動作できません。たとえば、NetBackup バージョン 10.1.1 のクライアントを使用できるのは、バージョン 5.1.1 以降のアプライアンスサーバーのみです。クライアントのアドオンもクライアントバージョンと同じにする必要があります。
対応する NetBackup ソフトウェアのバージョンについて を参照してください。
NetBackup Appliance シェルメニューまたは AMS (Appliance Management Console) を使用したバージョン 3.2 以降へのアップグレードでは、アップグレード中の ECA の配備はサポートされません。アップグレードが正常に完了したら NetBackup の ECA を有効にできます。詳しくは、『NetBackup Appliance コマンドリファレンスガイド』を参照してください。さらに、
mongodb
、tomcat
、nginx
などのアプライアンスインフラストラクチャサービスに ECA を構成できます。詳しくは、『NetBackup Appliance セキュリティガイド』を参照してください。アプライアンスソフトウェアバージョン 4.0 以降、ゲストユーザーと既存のローカルユーザーはユニバーサル共有または CIFS 共有にアクセスできません。バージョン 4.0 以降にアップグレードした後、次の操作により、これらの共有へのアクセス権を付与できます。
ゲストユーザー: 新しいローカルユーザーを作成してゲストユーザーを置き換えます。
既存のローカルユーザー: これらのユーザーのパスワードを変更します。
NetBackup 管理コンソールの互換性のあるバージョンを使用して、NetBackup サービスを管理します。
NetBackup 管理コンソールには後方互換性があります。パッチリリース (x.x.x.x) コンソールは、1 番目と 2 番目の数字が同一の NetBackup のメジャーリリース (x.x) またはマイナーリリース (x.x.x) と互換性があります。
SSD パーティションや ISO パーティション内のイメージはアップグレード後に更新されます。