Veritas NetBackup™ for NDMP 管理者ガイド

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Product(s): NetBackup (8.1.1)
  1. NetBackup for NDMP の概要
    1. NetBackup for NDMP について
      1.  
        NetBackup for NDMP の機能
      2.  
        NetBackup for NDMP の用語
    2.  
      ネットワークデータ管理プロトコル (NDMP) について
    3. NDMP バックアップの形式
      1.  
        NDMP ローカルバックアップ
      2.  
        NDMP 3-Way バックアップ
      3.  
        Media Manager ストレージユニットへのバックアップ (リモート NDMP)
    4.  
      NetBackup の NDMP ポリシーについて
    5.  
      NetBackup ストレージユニットについて
    6. 異なるホストへのテープドライブの割り当てについて
      1.  
        ロボット制御について
    7.  
      NDMP バックアップ処理について
    8.  
      NDMP リストア処理について
    9.  
      ダイレクトアクセスリカバリ (DAR) について
    10.  
      Snapshot Client の補足情報
    11.  
      NDMP の多重化について
    12.  
      Replication Director の NDMP サポートについて
    13.  
      NDMP を使用した Replication Director の制限
    14.  
      NetApp clustered Data ONTAP (cDOT) に対する NDMP のサポートについて
  2. NetBackup for NDMP のインストールについての注意事項
    1.  
      NetBackup for NDMP のインストール前提条件
    2.  
      アップグレード前の既存の NetApp の cDOT 構成について
  3. NDMP に接続されたデバイスへの NDMP バックアップの構成
    1.  
      NDMP に接続されたデバイスの構成について
    2.  
      NAS (NDMP) ホストへの NetBackup アクセスの認証
    3.  
      3-Way バックアップとリモート NDMP のアクセス権について
    4. [メディアおよびデバイスの管理 (Media and Device Management)]の構成について
      1.  
        NDMP ホストに直接接続されたロボットの追加
      2.  
        テープドライブの追加
      3.  
        デバイス構成の確認
    5.  
      デバイスの構成ウィザードを使った NDMP ファイラの設定
    6.  
      ボリュームの追加について
    7.  
      NDMP パスワードとロボット接続の検証について
    8.  
      NDMP ストレージユニットの追加
    9. NDMP ポリシーの作成について
      1.  
        NDMP ポリシーの[属性 (Attributes)]タブオプション
      2.  
        NDMP のアクセラレータが有効な場合の NDMP ポリシーの [スケジュール] タブオプション
      3.  
        NDMP ポリシーの[クライアント (Clients)]タブオプション
      4. NDMP ポリシーのバックアップ対象オプション
        1.  
          NDMP ポリシーのバックアップ選択項目のワイルドカード文字
        2.  
          ALL_FILESYSTEMS 指示句と VOLUME_EXCLUDE_LIST 指示句
      5.  
        バックアップ対象リスト内の環境変数について
      6.  
        NetApp cDOT バックアップポリシーに適しているホストの選択について
      7.  
        NDMP ポリシーのスケジュールのバックアップ形式について
    10. DAR の有効化または無効化について
      1.  
        ファイルおよびディレクトリのリストアでの DAR の無効化
      2.  
        ディレクトリのリストアのみでの DAR の無効化
    11.  
      クラスタ環境での NetBackup for NDMP の構成
  4. NetBackup メディアサーバーへの NDMP バックアップ (リモート NDMP) の構成
    1.  
      リモート NDMP について
    2.  
      Media Manager ストレージユニットへの NDMP バックアップの構成
  5. NDMP ダイレクトコピーの構成
    1. NDMP ダイレクトコピーについて
      1.  
        NDMP ダイレクトコピーを使うための前提条件
      2.  
        VTL を使用した NDMP ダイレクトコピー
      3.  
        VTL を使用しない NDMP DirectCopy
    2.  
      NDMP ダイレクトコピーの構成
    3. NDMP ダイレクトコピーを使ったバックアップイメージの複製
      1. イメージの複製に NDMP ダイレクトコピーを使うための要件
        1.  
          イメージ複製の NetBackup ポリシーの形式
      2.  
        NetBackup 管理コンソールでの NDMP ダイレクトコピーの開始
  6. NDMP のアクセラレータ
    1.  
      NDMP の NetBackup アクセラレータについて
    2. NDMP のアクセラレータのトラックログについて
      1.  
        NDMP のアクセラレータのトラックログをリダイレクトする方法
    3.  
      NDMP バックアップジョブ詳細ログのアクセラレータメッセージ
    4.  
      NDMP のアクセラレータの NetBackup ログ
  7. リモート NDMP とディスクデバイス
    1.  
      リモート NDMP とディスクデバイスの概要
    2.  
      リモート NDMP の構成
  8. Shared Storage Option (SSO) の使用
    1.  
      Shared Storage Option (SSO) を使用する NetBackup for NDMP について
    2.  
      NetBackup for NDMP を使った SSO の設定
    3.  
      NetBackup デバイスの構成ウィザードを使用して NDMP ホストを構成する方法
  9. バックアップおよびリストアの手順
    1.  
      NDMP のバックアップとリストアについて
    2.  
      NDMP ポリシーによる手動バックアップの実行
    3.  
      サーバーからの NDMP リストアの実行
  10. トラブルシューティング
    1. NetBackup for NDMP ログについて
      1.  
        NetBackup for NDMP ログの表示
      2.  
        NDMP バックアップレベル
    2.  
      NetBackup for NDMP の操作上の全般的な注意事項と制限事項
    3. NetBackup for NDMP トラブルシューティングの推奨事項
      1.  
        NDMP メディアおよびデバイスのトラブルシューティング (Windows の場合)
      2.  
        NDMP メディアおよびデバイスのトラブルシューティング (UNIX の場合)
      3.  
        NDMP ダイレクトコピーのトラブルシューティング
      4.  
        NetBackup for NDMP を使ったダイレクトアクセスリカバリ (DAR) のトラブルシューティング
    4. ロボットテストについて
      1.  
        TL8 ロボットテストの例 (Windows の場合)
      2.  
        TLD ロボットテストの例 (UNIX の場合)
      3.  
        TLH ロボットテストの例 (UNIX の場合)
  11. NetBackup for NDMP のスクリプトの使用
    1.  
      NetBackup for NDMP スクリプトについて
    2.  
      ndmp_start_notify スクリプト (UNIX の場合)
    3.  
      ndmp_start_notify.cmd スクリプト (Microsoft Windows の場合)
    4.  
      ndmp_end_notify スクリプト (UNIX の場合)
    5.  
      ndmp_end_notify.cmd スクリプト (Microsoft Windows の場合)
    6.  
      ndmp_start_path_notify スクリプト (UNIX の場合)
    7.  
      ndmp_start_path_notify.cmd スクリプト (Microsoft Windows の場合)
    8.  
      ndmp_end_path_notify スクリプト (UNIX の場合)
    9.  
      ndmp_end_path_notify.cmd スクリプト (Microsoft Windows の場合)
    10.  
      ndmp_moving_path_notify スクリプト (UNIX の場合)
    11.  
      ndmp_moving_path_notify.cmd スクリプト (Microsoft Windows の場合)

アップグレード前の既存の NetApp の cDOT 構成について

ここでは、NetApp の cDOT システムで NetBackup をアップグレードする方法について説明します。 NetApp の cDOT システムを使用している場合、NetBackup 7.7 以降にアップグレードする前に次の情報を確認する必要があります。

NetApp クラスタが node-scope-mode に設定され、NetBackup 7.7 以降をまだインストールしていない場合は、アップグレードを行う前に、次のように環境をセットアップしておく必要があります。

  • バックアップポリシーで使用されるクライアント名がノード管理 LIF になっている。

  • LIF をホストするノードによってホストされているボリュームだけがバックアップまたはリストア対象になっている。 ポリシーのクライアントリストに、各ノードのノード管理 LIF が含まれている。

  • ノードに接続しているテープデバイスがバックアップまたはリストア対象となっている。

    • デバイス構成で使用されている NDMP ホスト名がノード名 (ノード管理 LIF) になっている。

    • テープデバイスが、接続されているノードにだけ対応している。

NetBackup 7.7 以降にアップグレードした後、Node Scope Mode を無効にして、NetBackup の cDOT 機能を有効にするまで、アップグレード前と何も変わりません。

NetBackup の cDOT 機能の使用を開始するには、次の手順に従います。

  1. カタログをバックアップします。

  2. (省略可能) 次の処理を示す詳しいイメージカタログレポートを作成します。

    • NDMP ホスト名、ポリシー、バックアップ対象など、新しい cDOT バックアップポリシーを作成するときに使用できる情報の収集

    • 新しい cDOT 環境で以前の cDOT バックアップをリストアするときに検索するクライアント名の決定

  3. クラスタへのアクセス権限を持つすべての NetBackup メディアサーバーをアップグレードします。 アップグレードは同時に実行する必要はありませんが、次の手順に進む前に完了させておく必要があります。

  4. Node Scope Mode を無効にすることにより、クラスタ上の Vserver 対応モードを有効にします。 クラスタ専用のマニュアルを参照してください。

  5. クラスタに接続されているテープデバイスがある場合、デバイス設定で NDMP ホストとしてクラスタ管理 LIF を使用するようテープデバイスを再設定する必要があります。 [メディアおよびデバイスの管理 (Media and Device Management)]の構成について

    注意:

    NetBackup は、デバイス設定でクラスタ管理 LIF の使用だけをサポートします。

    メモ:

    複数のテープデバイスが置かれるクラスタ内の各ノードに対し、クラスタのそのノードで利用できるように、すべてのテープデバイスを設定してください。 1 つのテープデバイスにアクセスできるノードは、すべてのテープデバイスにアクセスできる必要があります。

  6. バックアップ用に使われる各データ LIF 用に、クラスタ上で NDMP サービスを有効にします。 詳しくは、NetApp のマニュアルを参照してください。

  7. 必要に応じて、NetBackup アクセスに対してデータ LIF を承認します。NAS (NDMP) ホストへの NetBackup アクセスの認証

  8. クラスタのノード名を使用している古いストレージユニットについて、追加、削除、または更新を行います。

  9. クラスタをバックアップする古いポリシーについて、追加、削除、または更新を行います。

    • クライアント名としてデータ LIF かクラスタ管理 LIF のいずれかを使用する必要があります。 NetBackup はクライアント名に対してノード名の使用をサポートしません。

    • バックアップ選択項目の調整も必要な場合があります。

    メモ:

    クライアントとしてデータ LIF を使うと、このクライアントでデータ LIF の Vserver に関連付けられたすべてのボリュームが保護され、カタログ化されます。 クライアントとしてクラスタ管理 LIF を使うと、このクライアントでクラスタ全体のすべてのボリュームが保護され、カタログ化されます。

  10. 古いイメージを読み込むには、代替クライアントリストアを使用することが必要になる場合があります。 代替クライアントリストアについて詳しくは、『NetBackup 管理者ガイド UNIX、Windows および Linux』を参照してください。

NetApp クラスタが Vserver 対応モードに設定され、NetBackup 7.7 以降をまだインストールしていない場合は、アップグレードを行う前に、次のように環境をセットアップしておく必要があります。

  • クラスタが Vserver 対応モードになっています。 クラスタ対応バックアップ (CAB) 拡張はファイラで有効になっています。 NetBackup は CAB 拡張を使用しません。

  • バックアップポリシーで使われるクライアント名は、Vserver またはクラスタ管理 LIF と関連付けられているデータ LIF です。

  • データ LIF をホストするノードによってホストされる (Vserver に属する) ボリュームだけがバックアップまたはリストア対象になっている。

  • クラスタに接続されているテープデバイスはバックアップまたはリストア対象になっていない。

NetBackup 7.7 以降にアップグレードした後、動作が異なってしまうので、いくつかの変更が必要です。 NetBackup は CAB 拡張を使用し、デフォルトで有効になるようになっています。 このことにより、以下のことが発生します。

  • NetBackup は Vserver に属するすべてのボリュームを使用します。

  • NetBackup はボリューム親和性を使用します。

この変更の結果として、以下のことが発生します。

  • ALL_FILESYSTEMS 指示句が同じ Vserver に対する複数のポリシーで使用されている場合、NetBackup は、複数の異なるポリシーにより同じボリュームを複数回バックアップする可能性があります。 さらなる増分バックアップの信頼性は低下する可能性があります。

  • マルチストリームのバックアップジョブは、状態コード 99 で失敗するようになります。 失敗ジョブに対してジョブ詳細に次のメッセージが表示されます。

    12/10/2014 14:42:11 - Error ndmpagent (pid=29502) NDMP backup failed, 
    path = /vs02/vol1:PARAMETER:AFFINITY=4ac6c4b6-7e99-11e4-b3b6-1779f43af917

    これは、NetBackup のいくつかのコンポーネントが Vserver 対応モードのクラスタを使用するよう指示されていないために起こる現象です。 cDOT 機能をできるだけ早くアップグレードし、有効にすることを強く推奨します。

cDOT 機能の使用を開始するには、次の手順に従います。

  1. カタログをバックアップします。

  2. 詳細なイメージカタログレポートを作成します (後の読み込み操作のときに参照できます)。

  3. クラスタへのアクセス権限を持つすべての NetBackup メディアサーバーをアップグレードします。 すべてのメディアサーバーを同時にアプグレードして、一貫した動作を保持する必要があります。

  4. NetBackup で設定される既存の各 LIF に対して、tpautoconf -verify ndmp_host コマンドを実行します。 このコマンドは LIF に対する資格情報を備えているメディアサーバーから実行する必要があります。 コマンドを正常に実行した後、nbemmcmd コマンドにより、次の例に似た出力が表示されます。

    servername1@/>nbemmcmd -listsettings -machinename machinename123 -machinetype ndmp
    NBEMMCMD, Version: 7.7
    The following configuration settings were found:
    NAS_OS_VERSION="NetApp Release 8.2P3 Cluster-Mode"
    NAS_CDOT_BACKUP="1"
    Command completed successfully.
    
    NAS_OS_VERSION displays the NetApp Version.
    NAS_CDOT_BACKUP tells us if NetBackup uses the new cDOT capabilities.

    メモ:

    新しい Vserver が追加される場合、tpautoconf -verify ndmp_host コマンドは必須ではありません。

  5. これで、NDMP クラスタにデバイスを追加し、クラスタ管理 LIF を使用してアクセスできるようになります。 デバイスを追加する場合、そのデバイスを検出する必要があります。

  6. 新しく検出されたデバイスに対してストレージユニットを追加します。

  7. 必要に応じてクラスタを参照するポリシーを追加、削除、または更新します。 Vserver 対応モードのクラスタの使用を開始します。

cDOT 機能をすぐに有効にする必要がない場合、たとえば、メディアサーバーのアップグレードを段階的に実行する場合、以下の操作によって、cDOT 機能を無効にできます。

  1. NDMP ホストにアクセスできるすべてのメディアサーバー上に次のタッチファイルを作成します。 これにより、NetBackup は、そのメディアサーバー用のすべて NDMP ホストに対して CAB 拡張を無効にします。

    • Windows の場合: install_path\NetBackup\db\config\DISABLE_NDMP_CDOT

    • UNIX の場合: /usr/openv/netbackup/db/config/DISABLE_NDMP_CDOT

  2. 1 つ以上の NDMP ホスト名で (行別) メディアサーバー上に次のファイルを作成することによって、特定 NDMP ホストに対して CAB 拡張を無効にできます。

    • Windows の場合: install_path\NetBackup\db\config\DISABLE_NDMP_CDOT_HOST_LIST

    • UNIX の場合: /usr/openv/netbackup/db/config/DISABLE_NDMP_CDOT_HOST_LIST

      ファイル内容の例は次のとおりです。 NetBackup は Filer_1 と Filer_2 に対してのみ CAB 拡張を無効にします。

      Filer_1 
      
      Filer_2

      cDOT 機能を有効にするには、これらのファイルを削除し、前のアップグレード手順で説明したすべてのステップを実行する必要があります。