Enterprise Vault™ ユーティリティ
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- Policy Manager 初期設定ファイルの例
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プレースホルダの移行
メモ:
プレースホルダを移行する前に、ディレクトリデータベース、ボルトストアデータベース、移行元パスの下のフォルダ階層のバックアップがあることを確認してください。宛先パスの下のフォルダ階層がアーカイブファイルを含んでいたら、これもバックアップします。
プレースホルダとアーカイブポイントをソースフォルダ構造から移行先フォルダ構造 (たとえば別のボリュームまたはファイルサーバー上) に移行するには、-pm パラメータを指定して FSAUtility を使います。
このオプションはプレースホルダとアーカイブポイントを移動しますが、アーカイブのファイルを移動しません。移行されたプレースホルダは元の場所のアーカイブファイルにリンクを保持します。したがって、このオプションは、プレースホルダを移動する場合、FSAUtility 移動 (-m) オプションより速いソリューションを提供します。アーカイブの移動、ボルトストアの統合またはアーカイブとファイルサーバーの連携を行う場合は -m オプションを使います。
このオプションはサブフォルダのプレースホルダを常に再帰的に移行しますが、これはプレースホルダが有効なアーカイブポイントの下に存在する場合です。このオプションは移行先サブフォルダを必要ならば作成します。
プレースホルダの移行を実行する前に、FSAUtility は、移行元の場所と移行先の場所のアーカイブポイントの間に競合がないかチェックします。 その後、次の処理を記載順に実行します。
プレースホルダを移動します。 FSAUtility は、移行先の場所にプレースホルダを作成した後で移行元の場所のプレースホルダを削除します。 移行では、ファイルの所有権と NTFS 権限に関する情報が含まれた、プレースホルダファイルのセキュリティ記述子は保持されます。 プレースホルダファイルに関連付けされた代替データストリームもすべて保持されます。
アーカイブポイントを移行先の場所に移動します。
新しいフォルダパスでディレクトリデータベースを更新します。
プレースホルダの移行の次の必要条件に注意してください。
ソースボリュームと宛先ボリュームの両方を管理コンソールで FSA 対象として指定する必要があります。
同じ Enterprise Vault サーバーがソースボリュームのボルトストアと宛先ボリュームのボルトストアを管理する必要があります。FSAUtility は、同じストレージサービスコンピュータが両方のボルトストアを管理することを確認できなければ、説明メッセージを表示して終了します。
宛先ボリュームが NetApp ファイルサーバーにある場合は、移行先のファイルサーバーの FPolicy に登録されている Enterprise Vault サーバーから FSAUtility コマンドを実行してください。たとえば、
NetAppFiler1\volumeA
からNetAppFiler2\volumeB
にプレースホルダを移行するには、NetAppFiler2
に登録されている Enterprise Vault サーバーから FSAUtility を実行する必要があります。アーカイブポイントがあるフォルダでソースフォルダ構造から消失しているものがあれば、FSAUtility は移行を続行しません。
ソースフォルダのサブフォルダにプレースホルダを移行できません。
移行元パスのフォルダ階層と一致するフォルダのアーカイブを宛先パスがすでに含んでいたら、FSAUtility が移行を続行しないことに注意してください。この制限はスプリットアーカイブを防ぎます。スプリットアーカイブでは、移行されたプレースホルダを含むファイルが、他のアーカイブファイルの別のボルトストアに存在します。宛先パスには、アーカイブされたことがないパス、または移行元パスと同じフォルダ構造のアーカイブファイルがあるフォルダを含んでいないパスを指定してください。たとえば、図: FSAUtility のプレースホルダの移行:フォルダ構成の例 に示すソースフォルダ構造と移行先フォルダ構造の例を考慮します。
次のいずれかが該当すれば、FSAUtility は移行を続行しません。
アーカイブファイルがあるアーカイブポイントがソースボリュームと宛先ボリューム両方のルート階層に存在します。
アーカイブファイルがあるアーカイブポイントが次のフォルダのいずれかで、両方のフォルダ構造に存在します。
フォルダ 1
サブフォルダ 1
フォルダ 2
FSAUtility は、アーカイブファイルがあるアーカイブポイントの重複がなければプレースホルダを移行できます。たとえば、次のいずれかに該当する場合、移行は行われます。
移行先フォルダ構造のフォルダ 5 とフォルダ 6 のみに、アーカイブファイルがあるアーカイブポイントがあります。
アーカイブファイルがあるアーカイブポイントがソースフォルダ構造のフォルダ 2 にありますが、移行先フォルダ構造のフォルダ 2 にはありません。
FSAUtility はイベントログに次のイベントを記録します。
The start of a placeholder migration
Whether a migration completes without errors, or with errors.
また、プレースホルダの移行中に、FSAUtility は適切なメッセージをコンソール上に表示して、DTrace ログ内と Reports\FSAUtility\EV_FILESYSTEM_UTILITY_LOG_DateTime.xml
ファイル内のエラーを含む詳細エントリを記録します。
プレースホルダの移行が失敗すれば、宛先パスのファイルはアーカイブしないでください。これを行うと、そのパスのアーカイブ済みデータは複数のアーカイブにわたって分割されることがあります。プレースホルダの移行を再試行して、正常に完了できるかどうかを確認します。
メモ:
Dell EMC Celerra/VNX のプレースホルダにこのオプションを使う前に、プレースホルダの識別に適した手順を実行するように FSAUtility が設定されていることを確認してください。
FSAUtility -pm -s UNC_path -d UNC_path [-cs] [-csf] [-f] [-l log_level] [-i]
ここでは、次のとおりです。
-s UNC_path はソースフォルダのパスを指定します。パスは、管理コンソールでボリューム対象を追加したときに使った形式でボリュームを指定する必要があります。
-d UNC_path は対象フォルダのパスを指定します。フォルダへのこのパスはすでに存在する必要があります。パスは、管理コンソールでボリューム対象を追加したときに使った形式でボリュームを指定する必要があります。
-cs はフォルダのセキュリティ記述子を移行先の新しいフォルダにコピーします。 移行先のフォルダの既存のセキュリティ記述子は上書きされません。このオプションは -csf と使うことができません。 -cs も -csf も指定しない場合、フォルダのセキュリティ記述子はコピーされません。
-csf は移行元のフォルダから移行先のフォルダにフォルダのセキュリティ記述子をコピーします。このとき、移行先のフォルダのセキュリティ記述子が存在している場合は上書きします。このオプションは -cs と使うことができません。 -cs も -csf も指定しない場合、フォルダのセキュリティ記述子はコピーされません。
-f が指定されていると、宛先に同じ名前のプレースホルダまたはファイルがすでに存在するときプレースホルダの移行が強制実行されます。宛先にある既存のプレースホルダまたはファイルが最初に削除され、その後、新しいプレースホルダまたはファイルが作成されます。
-l log_level は成功した処理と失敗した処理の両方をログに記録する (0) か、失敗した処理のみをログに記録する (1) かを指定します。デフォルトでは、FSAUtility によって、失敗した処理のみがログに記録されます。
-i を指定すると、FSAUtility はプレースホルダの移動時に発生するエラーをすべて無視します。具体的なエラーは次のとおりです。
ファイルがプレースホルダかどうかを判断できない。
権限の問題やディスク領域の不足などの結果として移行先の場所にプレースホルダを作成できない。
移行元の場所からプレースホルダを削除できない。
-i パラメータを省略した状態でプレースホルダ移動エラーが発生すると、FSAUtility はそのエラーを記録し、すべてのプレースホルダの移動を試みた後に停止します。 アーカイブポイントの移動やディレクトリデータベースの更新には進みません。 この場合は、プレースホルダ移動エラーの原因を解決した後に FSAUtility -pm を再実行する必要があることがあります。
-i パラメータを指定した状態でプレースホルダ移動エラーが発生すると、FSAUtility はそのエラーを記録しますが、移行の残りのステップ、つまりアーカイブポイントの移動とディレクトリデータベースの更新を実行します。 アーカイブポイントの移行中またはデータベースの更新中に発生するエラーは無視されません。 FSAUtility はすべてのエラーをログファイル
Reports\FSAUtility\EV_FILESYSTEM_UTILITY_LOG_DateTime.xml
に記録し続けます。-i を指定してプレースホルダ移動エラーが発生した場合、必要に応じて、コマンドが移行を完了した後にこれらのエラーを修正できます。 具体的には、次の操作を実行できます。
移行元の場所のプレースホルダを削除する。
-c オプションを使用して、未移行のプレースホルダを移行先の場所で再作成する。
プレースホルダの再作成を参照してください。
これらの方法を使って未移行のプレースホルダを再作成しても移行元のプレースホルダのセキュリティ記述子は保持されません。また、移行元のプレースホルダに関連付けられていた代替データストリームも再作成されません。
メモ:
プレースホルダの移行を初めて実行するときは -i パラメータを省略することを推奨します。 移行が失敗し、その原因は一部のプレースホルダを移動するときに発生したエラーであるという報告があった場合、FSAUtility にそれらのエラーを無視させる場合は -i パラメータを使ってコマンドを再実行できます。
次のコマンドは最初のフォルダ構造から 2 番目のフォルダ構造にアーカイブポイントと共にプレースホルダを移行します。 このコマンドは新しく作成されたフォルダのセキュリティ記述子をソースフォルダからコピーします。同じ名前のファイルやプレースホルダがすでに存在する場合、これらを新しいプレースホルダで上書きします。 FSAUtility はプレースホルダを移動するときにエラーを無視しません。
FSAUtility -pm -s \\myserver\users\user1 -d \\server2\share\user1 -cs -f
レポートモードで -pm を実行できません。
プレースホルダの移行の後、FSAUtility の他のオプションはファイルシステムアーカイブタスクが 1 回以上フォルダを処理するまで宛先フォルダで動作しません。
移行操作では、ソースフォルダツリーにカットアンドペーストされたプレースホルダを含むソースフォルダツリーのプレースホルダをすべて移行します。ただし移行が行われる前に、カットアンドペーストされたプレースホルダと関連付けられるアーカイブファイルがソースツリーのアーカイブで利用可能でなければ、その後ファイルはアーカイブにありません。
ソースフォルダにアーカイブポイントがあり、ソースフォルダと宛先フォルダで名前が異なる場合、プレースホルダの移行後、ファイルシステムアーカイブタスクがボリュームを処理するまでアーカイブの名前は宛先フォルダに一致する名前に変更されません。
ボルトストアが宛先フォルダと同じ名前のアーカイブをすでに含んでいれば、移行後に、同じ名前の 2 つ目のアーカイブを確認できます。アーカイブの統合はありません。
プレースホルダと対応するファイルの移動を参照してください。