Enterprise Vault™ ユーティリティ

Last Published:
Product(s): Enterprise Vault (14.4)
  1. このマニュアルについて
    1.  
      Enterprise Vault ユーティリティについて
    2.  
      管理者権限での Enterprise Vault コマンドラインユーティリティの実行
    3. Enterprise Vault についての詳細情報の入手方法
      1.  
        Enterprise Vault トレーニングモジュール
  2. ArchivePoints
    1.  
      ArchivePoints について
    2.  
      ArchivePoints の構文
    3.  
      ArchivePoints の例
  3. Audit Viewer
    1.  
      Audit Viewer について
    2.  
      Audit Viewer による監査データのレポートの実行
    3.  
      Audit Viewer の検索結果のコピー
    4.  
      Audit Viewer の設定の変更
  4. バックトレース
    1.  
      Backtrace について
    2.  
      バックトレースのデフォルト設定
    3.  
      バックトレースのレジストリ値
    4.  
      バックトレースのファイル名の形式
    5.  
      バックトレースの例
  5. CenteraPing
    1.  
      CenteraPing について
    2.  
      CenteraPing の構文
  6. Domino Archive Exporter
    1.  
      Domino Archive Exporter について
    2.  
      Domino Archive Exporter の構文
    3.  
      Domino Archive Exporter の例
  7. Domino Profile Document Tool
    1.  
      Domino Profile Document Tool について
    2.  
      Domino Profile Document Tool の構文
    3.  
      Domino Profile Document Tool の例
  8. Domino の保持計画ツール
    1.  
      Domino の保持計画について
    2.  
      Domino の保持計画ツールの権限
    3.  
      Domino の保持計画の定義
    4.  
      EVDominoRetentionPlans.exe の構文
  9. DTrace
    1.  
      DTrace について
    2.  
      コマンドラインからの DTrace の実行
    3.  
      管理コンソールからの DTrace の実行
    4.  
      DTrace ログについて
    5.  
      DTrace のトラブルシューティング
  10. EVDominoExchangeMigration ツール
    1.  
      EVDominoExchangeMigration ツールについて
    2.  
      EVDominoExchangeMigration ツールでのクライアントの必要条件
    3.  
      Windows Server ファイアウォールの例外リストへの EVDominoExchangeMigration ツールの追加
    4.  
      EVDominoExchangeMigration ツールと Binary Tree
    5.  
      Quest Notes Migrator for Exchange と EVDominoExchangeMigration ツールの使用
    6.  
      EVDominoExchangeMigration ツールでの他の移行ソフトウェアの必要条件
    7. EVDominoExchangeMigration ツールの実行
      1.  
        EVDominoExchangeMigration ツールの構文
      2.  
        EVDominoExchangeMigration ツールのログファイル
      3.  
        EVDominoExchangeMigration ツールの制限事項
  11. EVDuplicateCleaner
    1.  
      EVDuplicateCleaner について
    2.  
      EVDuplicateCleaner の前提条件
    3.  
      EVDuplicateCleaner の設定
    4.  
      EVDuplicateCleaner の実行
    5.  
      EVDuplicateCleaner を実行した後の破損したショートカットの修正
  12. EVEARemovalUtility
    1.  
      EVEARemovalUtility について
    2.  
      EVEARemovalUtility の前提条件
    3.  
      EVEARemovalUtility の実行
    4.  
      EVEARemovalUtility の構文
    5.  
      EVEARemovalUtility の出力とログファイルの形式
    6. EVEARemovalUtility の使い方の例
      1.  
        EVEARemovalUtility の例: 単一ファイルの処理
      2.  
        EVEARemovalUtility の例: フォルダとそのサブフォルダの処理
  13. EVFSASetRightsAndPermissions
    1.  
      EVFSASetRightsAndPermissions について
    2.  
      EVFSASetRightsAndPermissions の実行
  14. EVrights
    1.  
      EVrights について
    2.  
      EVrights の構文
  15. EVservice
    1.  
      EVservice について
    2.  
      EVservice の前提条件
    3.  
      EVservice の構文
    4.  
      EVservice のリストファイル形式
  16. EVSPShortcutManager
    1.  
      EVSPShortcutManager について
    2.  
      EVSPShortcutManager を実行するために必要な権限
    3.  
      EVSPShortcutManager の構文
    4.  
      EVSPShortcutManager の例
  17. EVSVR
    1. EVSVR について
      1.  
        EVSVR のチェックポイント機能について
      2.  
        CIFS パーティションと NTF パーティションでの EVSVR 操作の実行に関する注意事項
    2.  
      EVSVR の起動
    3.  
      EVSVR コマンド
    4.  
      EVSVR アプリケーションの状態
    5.  
      EVSVR 操作ファイルの作成
    6.  
      チェックポイントを有効にした EVSVR 操作ファイルの編集
    7.  
      EVSVR 操作の実行
    8. EVSVR 操作の設定について
      1. EVSVR でのレポート操作
        1.  
          EVSVR ディレクトリレポートオプション
        2.  
          EVSVR のディレクトリとボルトストアレポートオプション
        3.  
          EVSVR フィンガープリントレポートオプション
        4.  
          EVSVR パーティションレポートオプション
        5.  
          EVSVR StorageQueue レポートオプション
        6.  
          EVSVR ボルトストアレポートオプション
      2. EVSVR での確認操作
        1.  
          EVSVR ArchiveObjects 確認操作の確認レベル
        2.  
          適切な EVSVR 確認操作の選択
        3.  
          例: EVSVR によるボルトストアデータベース内の保存セットの確認
      3. EVSVR での修復操作
        1.  
          EVSVR ArchiveObjects 修復操作の修復レベル
        2.  
          特定の EVSVR 修復操作実行時のデータ損失リスク
        3.  
          適切な EVSVR 修復操作の選択
        4.  
          EVSVR 修復手順
    9. 1 つの EVSVR 操作からの出力を別の操作の出力として使用
      1.  
        EVSVR アイテム一覧のファイルについて
      2.  
        アイテム一覧の処理をサポートする EVSVR 操作
    10. EVSVR 出力ログファイルの表示
      1.  
        EVSVR ログファイルのチェックポイント情報について
      2.  
        EVSVR ログファイルのアイテム一覧の情報について
      3.  
        特定の EVSVR 修復操作実行時のログファイルの追加情報
    11. 対話モードでの EVSVR の実行
      1.  
        DumpSaveset コマンド
      2.  
        DumpSISPart コマンド
      3.  
        ExtractSavesets コマンド
      4.  
        GetNativeItem コマンド
      5.  
        ListSavesetLocations コマンド
      6.  
        EVSVR ログファイルのメッセージの確認に関する注意事項
    12.  
      CAB コレクションを処理する場合の EVSVR パフォーマンスの向上
  18. FSARunNow
    1.  
      FSARunNow について
    2.  
      FSARunNow の実行
    3.  
      FSARunNow の構文
    4.  
      FSARunNow の例
  19. FSAUndelete
    1.  
      FSAUndelete について
    2.  
      FSAUndelete の実行
    3.  
      FSAUndelete の構文
    4.  
      FSAUndelete の例
  20. FSAUtility
    1.  
      FSAUtility について
    2.  
      FSAUtility の実行
    3. FSAUtility と Dell EMC Celerra/VNX プレースホルダの使用について
      1.  
        Dell EMC Celerra/VNX のプレースホルダを識別するために FSAUtility が使用する API 呼び出しの設定
      2.  
        FSAUtility.exe.config ファイル設定の例
    4. FSAUtility オプション
      1.  
        アーカイブポイントの再作成
      2.  
        プレースホルダの再作成
      3.  
        プレースホルダと対応するファイルの移動
      4.  
        プレースホルダの移行
      5.  
        孤立したプレースホルダの削除
      6.  
        アーカイブファイルの復元
      7.  
        プレースホルダに対応するファイルの呼び戻し
  21. NTFS to Centera Migration
    1.  
      NTFS to Centera Migration について
    2.  
      NTFS to Centera Migration を使った移行ジョブの管理
    3.  
      NTFS to Centera Migration を使った移行ジョブの作成
    4.  
      NTFS to Centera Migration を使ったアクティブなジョブの削除
    5.  
      NTFS to Centera Migration を使った移行後の移行元のファイルの削除
    6.  
      NTFS to Centera Migration のログファイル
  22. Permissions Browser
    1.  
      権限ブラウザについて
    2.  
      権限ブラウザの実行
    3.  
      権限ブラウザに表示される情報について
  23. Policy Manager (EVPM)
    1.  
      Policy Manager について
    2.  
      Policy Manager の構文
    3.  
      Policy Manager 初期設定ファイルの Unicode ファイルとしての保存
    4.  
      Policy Manager 初期設定ファイルの構文
    5. Policy Manager 初期設定ファイルのセクションとキー名
      1.  
        Policy Manager 初期設定ファイルの [Directory] セクション
      2.  
        Policy Manager 初期設定ファイルの [Archive] セクション
      3.  
        Policy Manager 初期設定ファイルの [ArchivePermissions] セクション
      4.  
        Policy Manager 初期設定ファイルの [Filter] セクション
      5.  
        Policy Manager 初期設定ファイルの [Mailbox] セクション
      6.  
        Policy Manager 初期設定ファイルの [Folder] セクション
      7.  
        Policy Manager 初期設定ファイルの [PublicFolder] セクション
      8.  
        Policy Manager 初期設定ファイルの [PSTdefaults] セクション
      9.  
        Policy Manager 初期設定ファイルの [PST] セクション
      10.  
        Policy Manager 初期設定ファイルの [PSTcheckpoint] セクション
      11.  
        Policy Manager 初期設定ファイルの [NSFDefaults] セクション
      12.  
        Policy Manager 初期設定ファイルの [NSF] セクション
      13.  
        Policy Manager 初期設定ファイルの [NSFCheckPoint] セクション
    6. Policy Manager 初期設定ファイルの例
      1.  
        Policy Manager 初期設定ファイルの例 1
      2.  
        ポリシーマネージャ初期設定ファイルの例 2
      3.  
        ポリシーマネージャ初期設定ファイルの例 3
      4.  
        Policy Manager 初期設定ファイルの例 4: PST 移行
      5.  
        Policy Manager 初期設定ファイルの例 5: NSF 移行
      6.  
        Policy Manager 初期設定ファイルの例 6: フォルダの権限
    7. プロビジョニング API による Policy Manager スクリプトの実行について
      1. Policy Manager スクリプト用のプロビジョニング API のスクリプトのプロパティ
        1.  
          プロビジョニング API を使用したポリシーマネージャスクリプトの例
      2. Policy Manager スクリプト用のプロビジョニング API の詳細設定
        1.  
          Policy Manager スクリプト用のプロビジョニング API の詳細設定の SetScript メソッド
        2.  
          Policy Manager 用のプロビジョニング API の詳細設定のスクリプト例
        3.  
          ポリシーマネージャのプロビジョニング APIの詳細設定を使用して、メールボックスでのスクリプトの使用を有効化する例
      3.  
        ポリシーマネージャスクリプト用のプロビジョニング API インターフェースメソッド
      4.  
        Policy Manager スクリプト用のプロビジョニング API のエラー処理
  24. ResetEVClient
    1.  
      ResetEVClient について
    2.  
      ResetEVClient の構文
  25. Vault Store Usage Reporter
    1.  
      Vault Store Usage Reporter について
    2.  
      Vault Store Usage Reporter の起動
    3.  
      Vault Store Usage Reporter のショートカットリンクの設定
    4.  
      Vault Store Usage Reporter によって表示される使用状況の概略について
    5.  
      IIS 認証方法が Vault Store Usage Reporter のために正しく設定されていることの確認

プレースホルダの移行

メモ:

プレースホルダを移行する前に、ディレクトリデータベース、ボルトストアデータベース、移行元パスの下のフォルダ階層のバックアップがあることを確認してください。宛先パスの下のフォルダ階層がアーカイブファイルを含んでいたら、これもバックアップします。

プレースホルダとアーカイブポイントをソースフォルダ構造から移行先フォルダ構造 (たとえば別のボリュームまたはファイルサーバー上) に移行するには、-pm パラメータを指定して FSAUtility を使います。

このオプションはプレースホルダとアーカイブポイントを移動しますが、アーカイブのファイルを移動しません。移行されたプレースホルダは元の場所のアーカイブファイルにリンクを保持します。したがって、このオプションは、プレースホルダを移動する場合、FSAUtility 移動 (-m) オプションより速いソリューションを提供します。アーカイブの移動、ボルトストアの統合またはアーカイブとファイルサーバーの連携を行う場合は -m オプションを使います。

このオプションはサブフォルダのプレースホルダを常に再帰的に移行しますが、これはプレースホルダが有効なアーカイブポイントの下に存在する場合です。このオプションは移行先サブフォルダを必要ならば作成します。

プレースホルダの移行を実行する前に、FSAUtility は、移行元の場所と移行先の場所のアーカイブポイントの間に競合がないかチェックします。 その後、次の処理を記載順に実行します。

  • プレースホルダを移動します。 FSAUtility は、移行先の場所にプレースホルダを作成した後で移行元の場所のプレースホルダを削除します。 移行では、ファイルの所有権と NTFS 権限に関する情報が含まれた、プレースホルダファイルのセキュリティ記述子は保持されます。 プレースホルダファイルに関連付けされた代替データストリームもすべて保持されます。

  • アーカイブポイントを移行先の場所に移動します。

  • 新しいフォルダパスでディレクトリデータベースを更新します。

プレースホルダの移行の次の必要条件に注意してください。

  • ソースボリュームと宛先ボリュームの両方を管理コンソールで FSA 対象として指定する必要があります。

  • 同じ Enterprise Vault サーバーがソースボリュームのボルトストアと宛先ボリュームのボルトストアを管理する必要があります。FSAUtility は、同じストレージサービスコンピュータが両方のボルトストアを管理することを確認できなければ、説明メッセージを表示して終了します。

  • 宛先ボリュームが NetApp ファイルサーバーにある場合は、移行先のファイルサーバーの FPolicy に登録されている Enterprise Vault サーバーから FSAUtility コマンドを実行してください。たとえば、NetAppFiler1\volumeA から NetAppFiler2\volumeB にプレースホルダを移行するには、NetAppFiler2 に登録されている Enterprise Vault サーバーから FSAUtility を実行する必要があります。

  • アーカイブポイントがあるフォルダでソースフォルダ構造から消失しているものがあれば、FSAUtility は移行を続行しません。

  • ソースフォルダのサブフォルダにプレースホルダを移行できません。

移行元パスのフォルダ階層と一致するフォルダのアーカイブを宛先パスがすでに含んでいたら、FSAUtility が移行を続行しないことに注意してください。この制限はスプリットアーカイブを防ぎます。スプリットアーカイブでは、移行されたプレースホルダを含むファイルが、他のアーカイブファイルの別のボルトストアに存在します。宛先パスには、アーカイブされたことがないパス、または移行元パスと同じフォルダ構造のアーカイブファイルがあるフォルダを含んでいないパスを指定してください。たとえば、図: FSAUtility のプレースホルダの移行:フォルダ構成の例 に示すソースフォルダ構造と移行先フォルダ構造の例を考慮します。

図: FSAUtility のプレースホルダの移行:フォルダ構成の例

FSAUtility のプレースホルダの移行:フォルダ構成の例

次のいずれかが該当すれば、FSAUtility は移行を続行しません。

  • アーカイブファイルがあるアーカイブポイントがソースボリュームと宛先ボリューム両方のルート階層に存在します。

  • アーカイブファイルがあるアーカイブポイントが次のフォルダのいずれかで、両方のフォルダ構造に存在します。

    • フォルダ 1

    • サブフォルダ 1

    • フォルダ 2

FSAUtility は、アーカイブファイルがあるアーカイブポイントの重複がなければプレースホルダを移行できます。たとえば、次のいずれかに該当する場合、移行は行われます。

  • 移行先フォルダ構造のフォルダ 5 とフォルダ 6 のみに、アーカイブファイルがあるアーカイブポイントがあります。

  • アーカイブファイルがあるアーカイブポイントがソースフォルダ構造のフォルダ 2 にありますが、移行先フォルダ構造のフォルダ 2 にはありません。

FSAUtility はイベントログに次のイベントを記録します。

  • The start of a placeholder migration

  • Whether a migration completes without errors, or with errors.

また、プレースホルダの移行中に、FSAUtility は適切なメッセージをコンソール上に表示して、DTrace ログ内と Reports\FSAUtility\EV_FILESYSTEM_UTILITY_LOG_DateTime.xml ファイル内のエラーを含む詳細エントリを記録します。

プレースホルダの移行が失敗すれば、宛先パスのファイルはアーカイブしないでください。これを行うと、そのパスのアーカイブ済みデータは複数のアーカイブにわたって分割されることがあります。プレースホルダの移行を再試行して、正常に完了できるかどうかを確認します。

メモ:

Dell EMC Celerra/VNX のプレースホルダにこのオプションを使う前に、プレースホルダの識別に適した手順を実行するように FSAUtility が設定されていることを確認してください。

FSAUtility と Dell EMC Celerra/VNX プレースホルダの使用についてを参照してください。

構文

FSAUtility -pm -s UNC_path -d UNC_path [-cs] [-csf] [-f] [-l log_level] [-i]

ここでは、次のとおりです。

  • -s UNC_path はソースフォルダのパスを指定します。パスは、管理コンソールでボリューム対象を追加したときに使った形式でボリュームを指定する必要があります。

  • -d UNC_path は対象フォルダのパスを指定します。フォルダへのこのパスはすでに存在する必要があります。パスは、管理コンソールでボリューム対象を追加したときに使った形式でボリュームを指定する必要があります。

  • -cs はフォルダのセキュリティ記述子を移行先の新しいフォルダにコピーします。 移行先のフォルダの既存のセキュリティ記述子は上書きされません。このオプションは -csf と使うことができません。 -cs -csf も指定しない場合、フォルダのセキュリティ記述子はコピーされません。

  • -csf は移行元のフォルダから移行先のフォルダにフォルダのセキュリティ記述子をコピーします。このとき、移行先のフォルダのセキュリティ記述子が存在している場合は上書きします。このオプションは -cs と使うことができません。 -cs -csf も指定しない場合、フォルダのセキュリティ記述子はコピーされません。

  • -f が指定されていると、宛先に同じ名前のプレースホルダまたはファイルがすでに存在するときプレースホルダの移行が強制実行されます。宛先にある既存のプレースホルダまたはファイルが最初に削除され、その後、新しいプレースホルダまたはファイルが作成されます。

  • -l log_level は成功した処理と失敗した処理の両方をログに記録する (0) か、失敗した処理のみをログに記録する (1) かを指定します。デフォルトでは、FSAUtility によって、失敗した処理のみがログに記録されます。

  • -i を指定すると、FSAUtility はプレースホルダの移動時に発生するエラーをすべて無視します。具体的なエラーは次のとおりです。

    • ファイルがプレースホルダかどうかを判断できない。

    • 権限の問題やディスク領域の不足などの結果として移行先の場所にプレースホルダを作成できない。

    • 移行元の場所からプレースホルダを削除できない。

    -i パラメータを省略した状態でプレースホルダ移動エラーが発生すると、FSAUtility はそのエラーを記録し、すべてのプレースホルダの移動を試みた後に停止します。 アーカイブポイントの移動やディレクトリデータベースの更新には進みません。 この場合は、プレースホルダ移動エラーの原因を解決した後に FSAUtility -pm を再実行する必要があることがあります。

    -i パラメータを指定した状態でプレースホルダ移動エラーが発生すると、FSAUtility はそのエラーを記録しますが、移行の残りのステップ、つまりアーカイブポイントの移動とディレクトリデータベースの更新を実行します。 アーカイブポイントの移行中またはデータベースの更新中に発生するエラーは無視されません。 FSAUtility はすべてのエラーをログファイル Reports\FSAUtility\EV_FILESYSTEM_UTILITY_LOG_DateTime.xml に記録し続けます。

    -i を指定してプレースホルダ移動エラーが発生した場合、必要に応じて、コマンドが移行を完了した後にこれらのエラーを修正できます。 具体的には、次の操作を実行できます。

    • 移行元の場所のプレースホルダを削除する。

    • -c オプションを使用して、未移行のプレースホルダを移行先の場所で再作成する。

      プレースホルダの再作成を参照してください。

    これらの方法を使って未移行のプレースホルダを再作成しても移行元のプレースホルダのセキュリティ記述子は保持されません。また、移行元のプレースホルダに関連付けられていた代替データストリームも再作成されません。

    メモ:

    プレースホルダの移行を初めて実行するときは -i パラメータを省略することを推奨します。 移行が失敗し、その原因は一部のプレースホルダを移動するときに発生したエラーであるという報告があった場合、FSAUtility にそれらのエラーを無視させる場合は -i パラメータを使ってコマンドを再実行できます。

次のコマンドは最初のフォルダ構造から 2 番目のフォルダ構造にアーカイブポイントと共にプレースホルダを移行します。 このコマンドは新しく作成されたフォルダのセキュリティ記述子をソースフォルダからコピーします。同じ名前のファイルやプレースホルダがすでに存在する場合、これらを新しいプレースホルダで上書きします。 FSAUtility はプレースホルダを移動するときにエラーを無視しません。

FSAUtility -pm -s \\myserver\users\user1 -d \\server2\share\user1 -cs -f

メモ
  • レポートモードで -pm を実行できません。

  • プレースホルダの移行の後、FSAUtility の他のオプションはファイルシステムアーカイブタスクが 1 回以上フォルダを処理するまで宛先フォルダで動作しません。

  • 移行操作では、ソースフォルダツリーにカットアンドペーストされたプレースホルダを含むソースフォルダツリーのプレースホルダをすべて移行します。ただし移行が行われる前に、カットアンドペーストされたプレースホルダと関連付けられるアーカイブファイルがソースツリーのアーカイブで利用可能でなければ、その後ファイルはアーカイブにありません。

  • ソースフォルダにアーカイブポイントがあり、ソースフォルダと宛先フォルダで名前が異なる場合、プレースホルダの移行後、ファイルシステムアーカイブタスクがボリュームを処理するまでアーカイブの名前は宛先フォルダに一致する名前に変更されません。

  • ボルトストアが宛先フォルダと同じ名前のアーカイブをすでに含んでいれば、移行後に、同じ名前の 2 つ目のアーカイブを確認できます。アーカイブの統合はありません。

関連項目

プレースホルダと対応するファイルの移動を参照してください。