Enterprise Vault™ Exchange Server アーカイブの設定
- このマニュアルについて
- Exchange Server フォームの配布
- メールボックスからのアーカイブの設定
- Enterprise Vault メールボックスアーカイブ設定前の注意事項
- Exchange Server メールボックスのアーカイブポリシーの定義
- Exchange Server アーカイブ設定時のメールボックスポリシー設定
- [全般]タブ (Exchange Server アーカイブのメールボックスポリシー設定)
- [アーカイブルール]タブ (Exchange Server アーカイブのメールボックスポリシー設定)
- [アーカイブ処理]タブ (Exchange Server アーカイブのメールボックスポリシー設定)
- [ショートカットの内容]タブ (Exchange Server アーカイブのメールボックスポリシー設定)
- [メッセージクラス]タブ (Exchange Server アーカイブのメールボックスポリシー設定)
- [ショートカットの削除]タブ(Exchange Server アーカイブのメールボックスポリシー設定)
- [インデックス]タブ (Exchange Server アーカイブのメールボックスポリシー設定)
- [詳細]タブ (Exchange Server アーカイブのメールボックスポリシー設定)
- [対象]タブ (Exchange Server アーカイブのメールボックスポリシー設定)
- Exchange Server アーカイブ設定時のメールボックスポリシー設定
- Exchange Server アーカイブのデスクトップポリシーの定義
- Exchange サーバーアーカイブのデスクトップポリシー設定
- Exchange Server アーカイブ対象の追加
- Exchange サーバーをアーカイブするための Exchange プロビジョニングタスクの追加
- Exchange メールボックスのアーカイブタスクの追加
- Enterprise Vault サイトのデフォルト設定のレビュー
- Exchange Server アーカイブでのカスタマイズされたショートカットの使用
- Exchange Server アーカイブの自動メッセージの編集について
- Exchange Server アーカイブ設定時のタスク制御サービスとアーカイブタスクの起動
- メールボックスの Exchange Server アーカイブの有効化
- Exchange Server アーカイブサーバーへの Outlook アドインのインストール
- PSTDisableGrow の上書き
- Exchange Server メールボックスアーカイブのユーザーの作業
- ユーザーのデスクトップの設定
- ボルトキャッシュと仮想ボルトの設定
- ボルトキャッシュと仮想ボルトについて
- ボルトキャッシュの内容の扱い方
- ボルトキャッシュの同期
- ボルトキャッシュを使う場合の事前キャッシング
- ボルトキャッシュウィザード
- ボルトキャッシュと仮想ボルトの設定
- ボルトキャッシュの詳細設定
- ダウンロードするアイテムの経過日数の限度 (Exchange のボルトキャッシュの設定)
- ダウンロードしたアイテムの経過日数の限度をロック (Exchange のボルトキャッシュの設定)
- 手動アーカイブの挿入 (Exchange のボルトキャッシュの設定)
- オフラインストアが必要 (Exchange のボルトキャッシュの設定)
- 一時停止間隔 (Exchange のボルトキャッシュの設定)
- アイテムごとのスリープ (Exchange のボルトキャッシュの設定)
- 事前アーカイブ (Exchange のボルトキャッシュの設定)
- ルートフォルダ (Exchange のボルトキャッシュの設定)
- ルートフォルダの検索パス (Exchange のボルトキャッシュの設定)
- セットアップウィザードを表示 (Exchange のボルトキャッシュの設定)
- 同期するアーカイブの種類 (Exchange のボルトキャッシュの設定)
- WDS 検索の自動有効化 (Exchange のボルトキャッシュの設定)
- 仮想ボルトの詳細設定
- 1 回の同期におけるアーカイブ要求の最大数(Exchange 仮想ボルト設定)
- アイテムをアーカイブする最大試行回数 (Exchange の仮想ボルトの設定)
- 1 回の同期でアーカイブされるデータの最大量(Exchange 仮想ボルト設定)
- 1 回の同期における削除要求の最大数 (Exchange の仮想ボルトの設定)
- アーカイブするアイテムの最大サイズ(Exchange 仮想ボルト設定)
- 1 回の同期におけるアイテム更新の最大数 (Exchange の仮想ボルトの設定)
- 内容がない場合の操作の最大合計サイズ (Exchange の仮想ボルトの設定)
- アーカイブするアイテムの最大合計サイズ(Exchange 仮想ボルト設定)
- 閲覧ウィンドウに内容を表示 (Exchange 仮想ボルトの設定)
- 同期をトリガするアイテムの数のしきい値(Exchange 仮想ボルトの設定)
- 同期をトリガするアイテムの合計サイズのしきい値(Exchange 仮想ボルトの設定)
- ユーザーがアイテムをアーカイブ可能(Exchange 仮想ボルトの設定)
- ユーザーが別のストアにアイテムをコピー可能 (Exchange の仮想ボルトの設定)
- ユーザーがアーカイブ内のアイテムをコピー可能(Exchange 仮想ボルトの設定)
- ユーザーがアイテムを削除 (復元不可) 可能 (Exchange の仮想ボルトの設定)
- ユーザーがアイテムを再編成可能 (Exchange 仮想ボルト設定)
- パブリックフォルダのアーカイブ設定
- パブリックフォルダのアーカイブについて
- パブリックフォルダからアーカイブを設定する場合のボルトストアとパーティションに関する注意事項
- パブリックフォルダアーカイブの作成
- パブリックフォルダタスクの追加
- パブリックフォルダポリシー設定について
- Exchange パブリックフォルダポリシー設定
- [全般]タブ(Exchange パブリックフォルダポリシー設定)
- [アーカイブルール]タブ (Exchange パブリックフォルダポリシーの設定)
- [アーカイブ処理]タブ (Exchange パブリックフォルダポリシーの設定)
- [ショートカット]タブ (Exchange パブリックフォルダポリシーの設定)
- [メッセージクラス]タブ (Exchange パブリックフォルダポリシーの設定)
- [詳細]タブ (Exchange パブリックフォルダポリシーの設定)
- [対象]タブ (Exchange パブリックフォルダポリシーの設定)
- [ショートカットの削除]タブ(Exchange パブリックフォルダポリシー設定)
- Exchange パブリックフォルダポリシー設定
- パブリックフォルダのアーカイブ対象の追加
- パブリックフォルダへのアーカイブ設定の適用
- パブリックフォルダタスクのスケジュール設定
- アーカイブ対象パブリックフォルダの削除に関する注意事項
- ジャーナルメッセージのアーカイブの設定
- エンベロープジャーナリング
- Exchange Server 2013 以降用の Enterprise Vault Office Mail App の設定
- Microsoft Office メールアプリケーションについて
- Enterprise Vault について Office Mail App
- Enterprise Vault Office Mail App のポリシー設定とオプション
- Enterprise Vault Office Mail App の使用に必要な HTTPS の初期設定
- Enterprise Vault Office Mail App の配備
- Office Mail App 向けの PowerShell cmdlet について
- New-App cmdlet を使用した Office Mail App の配備について
- Enterprise Vault Office Mail App 用の New-App コマンドパラメータについて
- 個々のユーザーへの Enterprise Vault Office Mail App の配備
- 複数ユーザーへの Enterprise Vault Office Mail App の配備
- 個々のユーザーに配備した後の Enterprise Vault Office Mail App について
- 組織内への Enterprise Vault Office Mail App の配備
- 組織に配備した後の Enterprise Vault Office Mail App について
- Office Mail App の使用を有効にするためにアップグレードした後のメールボックスの同期
- Enterprise Vault Office Mail App のユーザーのコンピュータに関する追加の必要条件
- 特定のデバイスタイプに対する Enterprise Vault Office Mail App の無効化と再有効化
- ユーザーまたは組織のための Enterprise Vault Office Mail App の削除、無効化、再有効化
- Enterprise Vault Office Mail App のトラブルシューティング
- Enterprise Vault Office Mail App: クライアントのトレース
- Enterprise Vault Office Mail App: サーバーのトレース
- Enterprise Vault Office Mail App の配備の確認
- Enterprise Vault Office Mail App マニフェストファイルが作成されない
- Enterprise Vault Office Mail App を組織レベルで配備できない
- Enterprise Vault Office Mail App のウィンドウは空白またはエラーメッセージを含んでいます
- Enterprise Vault Office Mail App の処理が失敗し、エラーメッセージが表示されます
- Outlook RPC over HTTP クライアントから Enterprise Vault へのアクセスの設定
- OWA および Outlook への外部アクセスのためのファイアウォールソフトウェアの使用
- フィルタ処理の設定
- フィルタについて
- ジャーナルの選択の設定
- ジャーナルのグループ化の設定
- カスタムフィルタの設定
- 分散 Enterprise Vault 環境でのカスタムフィルタについて
- Exchange Server ジャーナルカスタムフィルタのレジストリ設定
- Exchange Server メールボックスカスタムフィルタのレジストリ設定
- Exchange Server パブリックフォルダカスタムフィルタのレジストリ設定
- カスタムフィルタルールセットの概要
- デフォルトのカスタムフィルタの動作の制御について
- カスタムフィルタのルールセットファイルの一般的な形式について
- カスタムフィルタのルール処理について
- カスタムフィルタのメッセージ属性フィルタについて
- カスタムフィルタの添付ファイル属性フィルタ
- カスタムフィルタへのメッセージフィルタと添付ファイルフィルタの適用方法
- カスタムフィルタのルールセットファイルの例
- カスタムプロパティと内容カテゴリの設定
- Custom Properties.xml の一般的な形式について
- カスタムプロパティでの追加 MAPI プロパティの定義
- 内容のカテゴリについて
- サードパーティのアプリケーションでのカスタムプロパティの表示方法の定義
- カスタムプロパティの要素と属性の概略
- カスタムプロパティの例
INCLUDES と ALLOWOTHERS 演算子を使った複雑なフィルタの作成について
AUTHOR、RECIPIENTS、SUBJECTS、および NAMEDPROP メッセージ属性に複数の値を使い、かつ演算子 INCLUDES= と ALLOWOTHERS= を使って属性値の一致方法を定義すると、より複雑なフィルタを作成できます。
INCLUDES= には次の値を指定できます。
INCLUDES="NONE" は、属性に指定した値を含まないメッセージに一致することを意味します
INCLUDES="ANY" は、属性に指定した値を 1 つ以上含むメッセージに一致することを意味します
INCLUDES="ALL" は、属性に指定したすべての値を含むメッセージに一致することを意味します
INCLUDES= 演算子を指定しない場合は、INCLUDES="ANY" が指定されたと見なされます。
ALLOWOTHERS= には次の値を指定できます。
ALLOWOTHERS="N" は、フィルタに指定した値だけを含み、その他の値は含まないメッセージに一致することを意味します
ALLOWOTHERS="Y" は、フィルタに指定した値を含む場合、その他の値が含まれていてもメッセージに一致することを意味します
ALLOWOTHERS= 演算子を指定しない場合は、ALLOWOTHERS="Y" が指定されたと見なされます。
このセクションでは、RECIPIENTS メッセージ属性を併せた INCLUDES= と ALLOWOTHERS= 演算子の使用方法を例示します。
次の例では、受信者リストに一覧表示された 3 つの電子メールアドレスがすべて含まれ (INCLUDES="ALL")、かつこれらのアドレスだけである (ALLOWOTHERS="N") 場合に、メッセージがルールに一致します。
<RULE ... > <RECIPIENTS INCLUDES="ALL" ALLOWOTHERS="N"> <EA>john.doe@ourcompany.com</EA> <EA>ken.brookes@ourcompany.com</EA> <EA>len.scott@ourcompany.com</EA> </RECIPIENTS> </RULE>
次の例では、一覧表示された電子メールアドレスのいずれかが含まれ (INCLUDES="ANY")、かつそれ以外は含まれない (ALLOWOTHERS="N") 場合に、メッセージがルールに一致します。
<RULE ... > <RECIPIENTS INCLUDES="ANY" ALLOWOTHERS="N"> <EA>john.doe@ourcompany.com</EA> <EA>ken.brookes@ourcompany.com</EA> <EA>len.scott@ourcompany.com</EA> </RECIPIENTS> </RULE>
次の例では、受信者リストに一覧表示された電子メールアドレスのいずれも含まれない (INCLUDES="NONE") 場合に、メッセージがルールに一致します。一致したメッセージには、受信者リストに他のアドレスが含まれることがあります (ALLOWOTHERS="Y")。
<RULE ... > <RECIPIENTS INCLUDES="NONE" ALLOWOTHERS="Y"> <EA>john.doe@ourcompany.com</EA> <EA>ken.brookes@ourcompany.com</EA> <EA>len.scott@ourcompany.com</EA> </RECIPIENTS> </RULE>
単一のルール内部で肯定一致と否定一致の両方を指定する場合、複数のメッセージ属性のエントリを含めて、必要に応じて INCLUDES="NONE" または INCLUDES="ALL" を使えます。次に例を示します。
<RULE ... > <RECIPIENTS INCLUDES="NONE"> <EA>john.doe@ourcompany.com</EA> <EA>len.scott@ourcompany.com</EA> </RECIPIENTS> <RECIPIENTS> INCLUDES="ALL"> <EA>Ken.Brookes@ourcompany.com</EA> <EA>robert.hill@ourcompany.com</EA> </RECIPIENTS> </RULE>
この例では、受信者リストに john.doe@ourcompany.com または len.scott@ourcompany.com が含まれないが、
<RECIPIENTS INCLUDES="NONE" ...</RECIPIENTS>
ken.brookes@ourcompany.com と robert.hill@ourcompany.com の両方が含まれる場合に、メッセージが一致します。
<RECIPIENTS INCLUDES="ALL" ... </RECIPIENTS>
INCLUDES= と ALLOWOTHERS= の値を異なる組み合わせで使うと、非常に複雑なフィルタを設定できます。
表: さまざまな演算子値の組み合わせを使った場合の効果 に、次のフィルタ例で演算子 INCLUDES= と ALLOWOTHERS= に値の異なる組み合わせを設定した場合に、さまざまなメッセージをフィルタした結果を示します。
<RULE ... ACTION="ARCHIVE_ITEM">
<RECIPIENTS INCLUDES="NONE|ANY|ALL"
ALLOWOTHERS="N|Y">
<EA>Ann@example.com</EA>
<EA>Bill@example.com</EA>
</RECIPIENTS>
</RULE>Ann@example.com と Bill@example.com は、一致させる受信者アドレスです。
表: さまざまな演算子値の組み合わせを使った場合の効果
演算子値セット | メッセージ 1: 受信者は Ann です | メッセージ 2: 受信者は Ann、Bill です | メッセージ 3: 受信者は Ann、Bill、Colin です | メッセージ 4: 受信者は Bill、Colin です | メッセージ 5: 受信者は Colin です |
|---|---|---|---|---|---|
INCLUDES="NONE" + ALLOWOTHERS="Y" | 不一致 | 不一致 | 不一致 | 不一致 | 一致 |
INCLUDES="NONE "+ ALLOWOTHERS="N" | 不一致 | 不一致 | 不一致 | 不一致 | 不一致 |
INCLUDES="ANY "+ ALLOWOTHERS="Y" | 一致 | 一致 | 一致 | 一致 | 不一致 |
INCLUDES="ANY" + ALLOWOTHERS="N" | 一致 | 一致 | 不一致 | 不一致 | 不一致 |
INCLUDES="ALL" + ALLOWOTHERS="Y" | 不一致 | 一致 | 一致 | 不一致 | 不一致 |
INCLUDES="ALL" + ALLOWOTHERS="N" | 不一致 | 一致 | 不一致 | 不一致 | 不一致 |
表の列見出しに 5 種類のテストメッセージの受信者を示します。簡潔にするため、列見出しで受信者は Ann、Bill、Colin とします。
1 列目は、INCLUDES= 演算子と ALLOWOTHERS= 演算子に設定されたさまざまな組み合わせを示します。
「不一致」は、左列に示される演算子の組み合わせが設定された場合に、列見出しに示された受信者に送信されたメッセージがフィルタルールを満たさないため、アーカイブされない (つまりルール処理が適用されない) ことを意味します。
「一致」は、左列に示される演算子の組み合わせが設定された場合に、列見出しに示された受信者に送信されたメッセージがフィルタルールを満たすため、アーカイブされることを意味します。
図: メッセージ 1 で INCLUDES="NONE" かつ ALLOWOTHERS="N" の場合 と図: メッセージ 1 で INCLUDES="ANY" かつ ALLOWOTHERS="Y" の場合 に、表: さまざまな演算子値の組み合わせを使った場合の効果 のシナリオのうち 2 つで発生する処理を示します。