Veritas InfoScale™ 8.0.2 仮想化ガイド - Solaris
- 第 I 部 Solaris 仮想化で使われる Veritas InfoScale Solutions の概要
- 第 II 部 ゾーン
- InfoScale Enterprise Solutions による Solaris ネイティブゾーンのサポート
- ゾーンでの VCS のサポートについて
- ゾーンへの VCS の設定
- ゾーンに VCS を設定する際の前提条件
- ゾーンルートの場所の決定
- アプリケーション用のサービスグループの設定
- 非グローバルゾーンへの VxVM ボリュームのエクスポート
- ゾーン環境での Oracle RAC の InfoScale SFRAC コンポーネントサポートについて
- InfoScale での非グローバルゾーンサポートに関するソフトウェア制限
- InfoScale Enterprise Solutions による Solaris ネイティブゾーンのサポート
- 第 III 部 Oracle VM Server for SPARC
- InfoScale Enterprise Solutions による Oracle VM Server for SPARC のサポート
- Oracle VM Server for SPARC 配備モデル
- Oracle VM server for SPARC に ソリューションを配備することの利点
- 機能
- 分割 InfoScale スタックモデル
- ゲストベース InfoScale スタックモデル
- 層状 InfoScale スタックモデル
- システム必要条件
- Oracle VM Server for SPARC 環境での InfoScale のインストール
- ゲストドメインのストレージのプロビジョニング
- ソフトウェアの制限事項
- 既知の問題
- Oracle VM Server for SPARC 環境で複数ノードの CVM を使用するための Cluster Server サポート
- VCS: Oracle VM Server for SPARC を高可用性用に設定する
- Oracle VM Server for SPARC 環境の VCS について
- Oracle VM Server for SPARC 環境での Cluster Server の設定モデル
- VCS 環境の Oracle VM Server for SPARC ゲストドメインの移行
- ライブ移行の概要
- 複数の I/O ドメインを使用した VCS for Oracle VM Server for SPARC の設定について
- 複数の I/O ドメインからのサービスを使って論理ドメインを管理するための VCS の設定
- ストレージサービスの設定
- 複数の I/O ドメインからのサービスを監視するためのサービスグループの設定
- AlternateIO リソースの設定
- 論理ドメインのサービスグループの設定
- SFRAC による Oracle VM Server for SPARC 環境のサポート
- FSS 環境でのライブ移行のサポート
- 仮想化環境における SmartIO の使用
- InfoScale Enterprise Solutions による Oracle VM Server for SPARC のサポート
- 第 IV 部 参照先
Veritas Volume Manager スナップショットを使った論理ドメインブートディスクのクローン作成
ここでは、VxVM スナップショットを使って既存の論理ドメインからブートディスクのクローンを作成する手順とサードミラーブレークオフスナップショットの使用について説明します。
Veritas Volume Manager ボリュームをゲストドメインのブートディスクにするプロビジョニングを参照してください。
図: Veritas Volume Manager スナップショットを使って論理ドメインブートディスクのクローンを作成する例 Veritas Volume Manager スナップショットを使った論理ドメインブートディスクのクローン作成の例を示します。
この手順の前提条件として、LDOM1 のブートディスクは、大容量ボリューム /dev/vx/dsk/boot_dg/bootdisk1-vol
に保持されているものとします。
この手順に含まれる操作は、次のとおりです。
新しい論理ドメインの設定を形成するための、論理ドメインの設定のクローン作成。
この操作は Solaris 論理ドメインの手順であり、次のコマンドを使って行うことができます。
# ldm list-constraints -x
# ldm add-domain -i
論理ドメイン設定のクローン作成による、新しい論理ドメイン設定の形成について詳しくは、Oracle 社のマニュアルを参照してください。
『Oracle VMServer for SPARC 管理者ガイド』を参照してください。
設定のクローンの作成後、ブートディスクのクローンを作成して、それを新しい論理ドメインにプロビジョニングします。
LDOM1 とは設定が異なる新しい論理ドメインを作成する場合には、設定のクローンを作成するこの操作をスキップして目的の論理ドメイン設定を別個に作成します。
Veritas Volume Manager スナップショットを使ってブートディスクのクローンを作成するには
- ソースボリューム bootdisk1-vol のスナップショットを作成します。このスナップショットを作成するには、ボリューム内の既存の ACTIVE プレックスの一部を利用するか、または次のコマンドを実行してボリュームに新しいスナップショットのミラーを追加できます。
primary# vxsnap [-b] [-g diskgroup] addmir volume \ [nmirror=N] [alloc=storage_attributes]
vxsnap addmir 属性を使ってミラーの数の変更を指定しないかぎり、
vxsnap addmir
コマンドはデフォルトで 1 つのスナップショットミラーをボリュームに追加します。ミラーは完全に同期されるまで SNAPATT 状態のままです。-b オプションを使うと、同期をバックグラウンドで実行できます。同期が完了すると、ミラーは SNAPDONE 状態になります。たとえば、次のコマンドでは 2 つのミラーをディスク mydg10 と mydg11 上のボリューム bootdisk1-vol に追加します。
primary# vxsnap -g boot_dg addmir bootdisk1-vol \ nmirror=2 alloc=mydg10,mydg11
vxsnap addmir コマンドに -b オプションを指定すると、次の例に示すように vxsnap snapwait コマンドを使ってスナップショットプレックスの同期が完了するまで待機できます。
primary# vxsnap -g boot_dg snapwait bootdisk1-vol nmirror=2
- サードミラーブレークオフスナップショットを作成するには、次の形式の vxsnap make コマンドを使います。
注意:
vxsnap コマンドを実行してスナップショットを取得する前に、ゲストドメインをシャットダウンしてください。
primary# vxsnap [-g diskgroup] make \ source=volume[/newvol=snapvol] \ {/plex=plex1[,plex2,...]|/nmirror=number]}
次のいずれかの属性を指定し、元のボリューム内の 1 つ以上の既存のプレックスを切り離すことにより新しいスナップショットボリューム snapvol を作成します。
プレックス(plex)
ブレークオフする既存ボリューム内のプレックスを指定します。この属性は ACTIVE 状態のプレックスにのみ使えます。
nmirror
ブレークオフするプレックスの数を指定します。この属性は SNAPDONE 状態のプレックスにのみ使えます。そのようなプレックスは vxsnap addmir コマンドを使ってボリュームに追加された可能性があります。
ボリュームにある 1 つ以上の ACTIVE または SNAPDONE プレックスから作成されるスナップショットは定義上、すでに同期されています。
バックアップを目的とする場合には、1 つのプレックスのスナップショットボリュームで十分です。
次に例を示します。
primary# vxsnap -g boot_dg make \ source=bootdisk1-vol/newvol=SNAP-bootdisk1-vol/nmirror=1
ここで、ソースは bootdisk1 Vol、新しいボリュームは SNAP-bootdisk1-vol、nmirror 値は 1 です。
スナップショットボリュームのブロックデバイスは
/dev/vx/dsk/boot_dg/SNAP-bootdisk1-vol
になります。 /dev/vx/dsk/boot_dg/SNAP-bootdisk1-vol
ボリュームを仮想ディスクとしてエクスポートするサービスを設定します。primary# ldm add-vdiskserverdevice \ /dev/vx/dsk/boot_dg/SNAP-bootdisk1-vol vdisk2@primary-vds0
- 最初に、エクスポートしたディスクを ldom1 に追加します。
primary# ldm add-vdisk vdisk2 \ SNAP-bootdisk1-vol@primary-vds0 ldom1
primary# ldm bind ldom1 primary# ldm start ldom1
- ldom1 を起動し、そのプライマリブートディスク vdisk1 から ldom1 をブートします。
primary# ldm bind ldom1 primary# ldm start ldom1
- 新しい仮想ディスクデバイスノードのエントリが
/dev/[r]dsk
ディレクトリに表示されない場合には、ゲストドメインで devfsadm コマンドを実行します。ldom1# devfsadm -C
vdisk2 が c0d2s# デバイスです。
ldom1# ls /dev/dsk/c0d2s* /dev/dsk/c0d2s0 /dev/dsk/c0d2s2 /dev/dsk/c0d2s4 /dev/dsk/c0d2s6 /dev/dsk/c0d2s1 /dev/dsk/c0d2s3 /dev/dsk/c0d2s5 /dev/dsk/c0d2s7
- c0d2s0 に存在するルートファイルシステムをマウントし、すべての c#d#s# エントリが c0d0s# に変更されるように
/etc/vfstab
エントリを修正します。これを行う必要があるのは、LDOM2 が新しい論理ドメインであり、オペレーティングシステムデバイスツリーの最初のディスクが常に c0d0s# という名前になるためです。 - LDOM1 を停止し、そのプライマリブートディスク vdisk1 から LDOM1 をバインド解除します。
primary# ldm stop ldom1 primary# ldm unbind ldom1
vfstab
ファイルを変更した後でファイルシステムのマウントを解除し、ldom1 から vdisk2 をバインド解除します。primary# ldm remove-vdisk vdisk2 ldom1
- vdisk2 を LDOM2 にバインドしてから LDOM2 を起動してブートします。
primary# ldm add-vdisk vdisk2 vdisk2@primary-vds0 ldom2 primary# ldm bind ldom2 primary# ldm start ldom2
LD のブート後もコンソールには LDOM1 と表示されますが、これはホスト名や IP アドレスなど、他のホスト固有のパラメータがまだ LDOM1 のものと同じであるためです。
ldom1 console login:
- パラメータを変更するには、LDOM2 をシングルユーザーモードにして sys-unconfig コマンドを実行します。
- LDOM2 を再ブートします。
再ブート時には、ホスト名や IP アドレスなどのホスト固有のパラメータを設定するようにオペレーティングシステムから要求されます。このとき、LDOM2 に対応する値を入力する必要があります。
- これらすべてのパラメータの指定が完了すると、LDOM2 が正常にブートします。