NetBackup™ アップグレードガイド
- 概要
- アップグレード計画
- プライマリサーバーのアップグレード
- メディアサーバーのアップグレード
- NetBackup の MSDP のアップグレード
- クライアントのアップグレード
- VxUpdate を使用した NetBackup 配備の管理
- 付録 A. 参照先
NetBackup 10.0.0.1 へのアップグレードの計画方法
NetBackup 10.0.0.1 へのアップグレードの準備段階で複数の要素を検討する必要があります。
NetBackup 9.1 では、ほとんどの NetBackup デーモンとサービスを root 以外のユーザーとして起動できるようになりました。Veritas は、root 以外のユーザーとして NetBackup サービスを開始することをお勧めします。権限の少ないユーザーを使用する場合は、それに応じて計画する必要があります。ユーザーアカウントが、ディザスタリカバリファイル、外部認証局 (ECA) ファイル、一時ファイルのパスにアクセスできることを確認します。
ユーザーが NetBackup 9.1 より前の環境から NetBackup 9.1 以降の環境にアップグレードすると、クラウド保護計画が変更されます。アップグレード前の環境に、異なる種類のクラウドプロバイダの複数のクラウド資産を含む保護計画が 1 つある場合、その計画はアップグレード後にクラウドプロバイダの種類ごとに 1 つの保護計画に分割されます。資産は、クラウドプロバイダの種類に基づいて、新しい保護計画間で分散されます。たとえば、Amazon、Azure、Google 資産を含む WeeklyBackups 保護計画があった場合、次のように分割されます。
WeeklyBackups: Amazon の資産のみが含まれます。
WeeklyBackups_azure: Azure の資産のみが含まれます。
WeeklyBackups_gcp: Google の資産のみが含まれます。
NetBackup 8.1 のアップグレードには、メディアサーバー重複排除プール (MSDP) のローリング変換が含まれています。
デフォルトでは、ローリング変換はシステムがビジー状態ではないときに実行されます。つまり変換は、バックアップ、リストア、CRQP、CRC チェック、圧縮などが非アクティブのときに実行されます。この変換では、通常のシステム操作への影響は予想されていません。ローリング変換が完了すると、変換後のシステムと新しいインストールの間で違いはありません。ローリング変換に関する詳しい情報を参照できます。
NetBackup 8.1 での MSDP のアップグレードの考慮事項を参照してください。
MSDP ローリングデータ変換についてを参照してください。
役割ベースのアクセス制御 (RBAC) を使用する場合は、セキュリティ管理者を指定する必要があります。詳細情報を参照できます。
NetBackup Web ユーザーインターフェースについてを参照してください。
『NetBackup Web UI 管理者ガイド』を参照してください。
NetBackup 8.0 より、NetBackup プライマリサーバーには、重要なバックアップ操作をサポートするための構成済み Tomcat Web サーバーが含まれます。この Web サーバーは、権限が制限されているユーザーアカウント要素の下で動作します。これらのユーザーアカウント要素は、各プライマリサーバー (またはクラスタ化されたプライマリサーバーの各ノード) で使用できる必要があります。詳細情報を参照できます。
NetBackup マスターサーバー Web サーバーのユーザーとグループの作成を参照してください。
メモ:
ベリタスは、NetBackup Web サービスに使用するユーザーアカウントの詳細を保存することを推奨します。プライマリサーバーのリカバリでは、NetBackup カタログのバックアップが作成されたときに使われたものと同じ NetBackup Web サービスのユーザーアカウントとクレデンシャルが必要です。
注意:
セキュアモードで NetBackup PBX を実行する場合は、Web サービスユーザーを PBX の権限を持つユーザーとして追加します。PBX モードの判別と、正しくユーザーを追加する方法について詳しくは、次をご覧ください。
NAT が有効になっている NetBackup 8.2 Linux クラスタのアップグレードによって NAT の状態が誤って識別されます。その結果、10.0.0.1 へのアップグレード後に NAT は無効になります。NetBackup 10.0.0.1 へのアップグレードが完了したら、NAT を再度有効にする必要があります。アップグレード後の手順に、より詳しい情報が含まれています。
NetBackup 10.0.0.1 へのアップグレードのインストール後の手順を参照してください。
btrfs
ファイルシステムから NetBackup データベースへの移行Veritas は、btrfs
ファイルシステムでは NetBackup データベースのインストールまたはアップグレードをサポートしていません。NetBackup データベースが btrfs
ファイルシステムに存在する場合、アップグレードを開始する前に、サポートされているファイルシステム (ext4
または xfs
) にデータベースを移動します。データベースファイルは、プライマリサーバーのディレクトリ /usr/openv/db
に存在します。アップグレード前のデータベースの移動について、詳しい情報を参照できます。NetBackup 10.0.0.1 へのアップグレードのプレインストール手順を参照してください。
NetBackup 9.1 のアップグレードでは、キー強度が 2048 ビットの新しい root CA が配備されます。2048 ビットより大きい証明書キーサイズを使用するには、インストールを開始する前にプライマリサーバーの NB_KEYSIZE 環境変数を設定します。
例:
NB_KEYSIZE = 4096
メモ:
マスターサーバーで FIPS モードが有効になっている場合は、NB_KEYSIZE 環境変数の値として指定できのは 2048 ビットまたは 3072 ビットのみです。
注意:
使用環境のキーサイズは慎重に選択する必要があります。大きいキーサイズを選択すると、パフォーマンスが低下する場合があります。使用環境に適したキーサイズを判断するには、あらゆる要素を考慮する必要があります。
CA の移行と証明書キーサイズについて詳しくは、『NetBackup セキュリティおよび暗号化ガイド』を参照してください。
表: アップグレード処理の概要はアップグレード手順の概要を示しています。
表: アップグレード処理の概要
手順 |
詳細 |
詳細情報 |
---|---|---|
1 |
オペレーティングシステムの必要条件を見直し、コンピュータがすべての必要条件を満たしていることを確認します。 |
UNIX および Linux の場合のアップグレード要件を参照してください。 Windows および Windows クラスタのインストールおよびアップグレード要件を参照してください。 Windows クラスタのアップグレードの要件を参照してください。 |
2 |
Web サーバーのユーザーアカウントとグループアカウントが作成され、有効になっていることを確認します。 |
詳細情報を参照できます。 NetBackup マスターサーバー Web サーバーのユーザーとグループの作成を参照してください。 |
3 |
アップグレード処理を開始する |
プライマリサーバーのアップグレードについて を参照してください。 |