Cluster Server 8.0 Agent for Oracle インストールおよび設定ガイド - Solaris
- Cluster Server agent for Oracle の導入
- Cluster Server agent for Oracle について
 - Oracle ASM のエージェントについて
 - Oracle の VCS エージェントのサポート対象ソフトウェア
 - エージェントが Oracle の高可用性を保証するしくみ
 - Oracle 用 Cluster Server エージェントの機能について
- Oracle エージェント関数
- Oracle エージェントの起動オプションと停止オプション
 - PDB の起動オプションと停止オプション
 - コンテナデータベース(CDB)の起動モードに基づくプラグ可能なデータベース(PDB)の推奨起動モード
 - 従来のデータベースおよびコンテナデータベース内の Oracle エージェントに対する監視オプション
 - プラグ可能なデータベースの監視
 - 詳細監視での Oracle エラーコードの操作
 - Cluster Server agent for Oracle の Info エントリポイント
 - Cluster Server agent for Oracle の Action エントリポイント
 - Oracle エージェントによる診断監視のサポートのしくみ
 
 - Netlsnr エージェント関数
 - ASMInst エージェントの機能
 - ASMDG エージェントの機能
 
 - Oracle エージェント関数
 - VCS clusterにおける標準的な Oracle 設定
 - VCS clusterでの Oracle 設定について
 
 - Oracle のインストールと設定
- VCS 環境での Oracle のインストール
 - VCS 環境に Oracle をインストールする前に
 - Oracle のインストールのための VCS の必要条件について
 - VCS のための Oracle インストールタスクについて
 - VCS 環境での ASM バイナリのインストール
 - クラスタの最初のノードでの Oracle ASM の設定
 - 残りのノードでの ASM の構成と起動
 - クラスタの最初のノードへの Oracle バイナリのインストール
 - Oracle データベースの設定
 - $ORACLE_BASE/admin/SID ディレクトリのコピー
 - Oracle ASM の初期化パラメータファイルのコピー
 - Oracle データベースへのアクセスの確認
 
 - Oracle 用エージェントのインストールと削除
 - Oracle 用 VCS サービスグループの設定
 - Oracle 用 VCS サービスグループの管理
 - プラグ可能データベース (PDB) の移行
 - Cluster Server agent for Oracle のトラブルシューティング
 - 付録 A. リソースタイプの定義
 - 付録 B. 設定例
- Oracle enterprise agent の設定例について
 - Oracle 単一インスタンスの設定例
 - 複数の Oracle インスタンス(単一リスナー)の設定例
 - 複数のインスタンス(複数リスナー)の設定例
 - 共有サーバーサポートの Oracle の設定例
 - Solaris ゾーンの Oracle インスタンスの設定例
- 単一 Oracle インスタンスにおける、ローカルディスク上のゾーンルート
 - 単一 Oracle インスタンスにおける、共有ディスク上のゾーンルート
 - 複数 Oracle インスタンスにおける、ローカルディスク上のゾーンルート
 - 複数 Oracle インスタンスにおける、共有ディスク上のゾーンルート
 - 共有サーバーサポートの Oracle インスタンスにおける、ローカルディスク上のゾーンルート
 - 共有サーバーサポートの Oracle インスタンスにおける、共有ディスク上のゾーンルート
 - プロジェクト環境の Oracle インスタンス
 - ローカルディスクまたは共有ディスク上のゾーンルートの VCS 設定ファイルの例
 
 - Oracle ASM の設定例
 - main.cf の Oracle プラグ可能なデータベース(PDB)リソースの設定例
 - main.cf の移行可能な Oracle プラグ可能データベース (PDB) リソースの設定例
 - systemD でサポートされる Oracle の設定例
 - systemD でサポートされる ASMInst の設定例
 
 - 付録 C. ベストプラクティス
 - 付録 D. Oracle の VCS cluster での SPFILE の使用
 - 付録 E. 単一インスタンスのデータベース環境での OHASD
 
Oracle に対する詳細監視の設定
Oracle リソースの詳細監視では、データベース内のテーブルに対して更新トランザクションを実行することによって、トランザクションに対するデータベースの準備が整っているかどうかを確認します。この更新アクションは、Cluster Server agent for Oracle に付属する 2 つのスクリプト、SqlTest.pl と SimpleTest.pl によって実行されます。これらのスクリプトは、/opt/VRTSagents/ha/bin/Oracle/ ディレクトリの下にあります。どちらのスクリプトも、データベースを監視するためにタイムスタンプを更新します。
SqlTest.pl スクリプトは、タイムスタンプを更新する前に、データベースがオープンしているかどうかチェックします。データベースが制限モード、非活動モードまたはサスペンドモードであることが判明した場合も、監視成功と返されます。この場合は、基本監視のみが行われます。SimpleTest.pl スクリプトは、データベースのチェックは行わず、テーブルに対する更新ステートメントを実行するだけです。
Oracle に対して詳細監視を有効にするには、Oracle データベースにテストテーブル(タイムスタンプ付きの)を作成する必要があります。エージェントは、このテストテーブルを内部的に使用します。 テストテーブルではその他のトランザクションを実行しないことをお勧めします。詳細監視用スクリプト MonScript が存在し、root にこのスクリプトの実行許可がある必要があります。ユーザーが監視スクリプトを作成するか、エージェント付属のスクリプトを使えます。監視スクリプトのリターンコード 100 は、異常終了を意味します。リターンコードの 101 - 110 は、正常終了を意味します。
詳細監視の設定例では、付属のスクリプトを基に、詳細監視で使うテーブルの作成とテストの方法と詳細監視を有効にする方法を示します。
Oracle に対する詳細監視を設定するには
- VCS 設定を書き込み可能にします。
# haconf -makerw
 - 不完全な再設定によって VCS が自動的に処理を行うのを避けるために、サービスグループをフリーズします。
# hagrp -freeze service_group
 - Oracle ユーザーでログインします。
# su - <Owner>
 - ORACLE_HOME と ORACLE_SID の環境変数を設定します。
# export ORACLE_HOME=<Home>
# export ORACLE_SID=<Sid>
 - sqlplus ユーティリティを起動してデータベーステーブルを設定します。
$ORACLE_HOME/bin/sqlplus /nolog
 - データベース管理者として、sqlplus プロンプトに次の文を挿入してテストテーブルを作成します。
従来のデータベースおよびコンテナデータベースの場合:
connect / as sysdba create user <User> identified by <Pword> default tablespace USERS temporary tablespace TEMP quota 100K on USERS; grant create session to <User>; create table <User>.<Table> ( tstamp date ); insert into <User>.<Table> (tstamp) values (SYSDATE);
メモ:
CDB リソースの場合、ユーザー名の先頭に C## を付加する必要があります。
PDB の詳細監視を有効にするには、sqlplus プロンプトに次の文を挿入してテストテーブルを作成します。
$ORACLE_HOME/bin/sqlplus /nolog connect / as sysdba
CDB の共通ユーザーを作成してない場合は作成します。
create user <User> identified by <Pword> default tablespace USERS temporary tablespace TEMP quota 100K on USERS; grant connect to <User> container=all; alter session set container=PDBName create table <User>.<Table> ( tstamp date ); insert into <User>.<Table> (tstamp) values (SYSDATE);
メモ:
PDB の詳細監視を行わない場合でも、VCS Agent for Oracle には CDB と PDB 両方の詳細監視の共通ユーザーが必要です。
 - データベーステーブルが使えることをテストするには、CDB または従来のデータベースで次の操作をします。
$ORACLE_HOME/bin/sqlplus /nolog connect / as sysdba connect <User>/<Pword> update <User>.<Table> set(tstamp)=SYSDATE; select TO_CHAR(tstamp, 'MON DD, YYYY HH:MI:SS AM') from <User>.<Table>;
PDB の場合
alter session set container=PDBName; update <User>.<Table> set ( tstamp ) = SYSDATE; select TO_CHAR(tstamp, 'MON DD, YYYY HH:MI:SS AM') from <User>.<Table>; exit
 - 次の VCS コマンドを使って Oracle リソースに対する詳細監視を有効にします。
# hares -modify OracleResource User <User> # hares -modify OracleResource Pword <Pword> # hares -modify OracleResource Table <Table> # hares -modify OracleResource MonScript "./bin/Oracle/SqlTest.pl"
# hares -override OracleResource LevelTwoMonitorFreq # hares -modify OracleResource LevelTwoMonitorFreq 1
# haconf -dump -makero
# hagrp -unfreeze service_group
Cluster Manager(Java コンソール)を使ってこれらの属性を設定することもできます。