NetBackup™ for MariaDB 管理者ガイド

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Product(s): NetBackup & Alta Data Protection (11.0)

NetBackup for MariaDB 使用時のエラーのトラブルシューティング

問題を解決するための一般的なガイドライン

表: 問題を解決するための一般的な手順 に、NetBackup for MariaDB Agent の使用中に発生する可能性がある問題を解決するのに役立つ、一般的な手順を示します。

表: 問題を解決するための一般的な手順

手順

操作

説明

手順 1

エラーメッセージの確認.

通常、エラーメッセージは、適切に行われなかった処理を示しています。コマンドラインにエラーメッセージが表示されなくても、問題が発生している疑いがある場合、ログやレポートを確認します。これらに、問題を直接示すエラーメッセージが含まれている場合があります。ログとレポートは、トラブルシューティングに不可欠な手段です。

手順 2

問題発生時に実行していた操作の確認.

次について質問します。

  • 試行された操作。

  • 使用した方法。

  • 使用していたサーバープラットフォームおよびオペレーティングシステムの種類。

  • サイトでプライマリサーバーとメディアサーバーの両方を使用している場合、プライマリサーバーとメディアサーバーのどちらであるか。

  • クライアントの種類 (クライアントが関連する場合)。

  • 過去にその操作が正常に実行されたことがあるかどうか。正常に実行されたことがある場合、現在との相違点。

  • Service Pack のバージョン。

  • 最新の、特に NetBackup を使用する際に必要な修正が行われたオペレーティングシステムソフトウェアを使用しているかどうか。

  • デバイスのファームウェアのバージョン。公式のデバイス互換性リストに示されているバージョン以上かどうか。

手順 3

すべての情報の記録.

重要になる可能性がある情報を入手します。

  • NetBackup のログ。

  • NetBackup for MariaDB ログに固有のログ。

  • NetBackup XBSA に固有のログ。

手順 4

問題の修正.

問題を特定した後、情報を使用して問題を修正します。

手順 5

ベリタスのテクニカルサポートに問い合わせてください。

問題を解決できない場合は、テクニカルサポートにお問い合わせください。

ログを使用したエラーのトラブルシューティング

エラーのトラブルシューティングを行うには、NetBackup のログを参照してください。これらのログは次の場所にあります。

NetBackup プライマリサーバーのログは次の場所にあります。

  • install_path\NetBackup\logs\bprd

  • install_path\NetBackup\logs\bpcd

  • install_path\NetBackup\logs\user_ops\dbext\logs

bprdbpcd のログファイルを有効にする必要があります。詳しくは『 NetBackup トラブルシューティングガイド』を参照してください。

NetBackup クライアントに固有のログは次の場所にあります。

  • install_path\NetBackup\logs\nbmariadb

NetBackup XBSA に固有のログは次の場所にあります。

  • install_path\NetBackup/logs/exten_client

NetBackup のエラーのトラブルシューティング

NetBackup のエラーのトラブルシューティングについて詳しくは、『NetBackup トラブルシューティングガイド』および『NetBackup コマンドリファレンスガイド』を参照してください。

NetBackup for MariaDB のエラーのトラブルシューティング

表: NetBackup for MariaDB のエラーのトラブルシューティング では、操作の実行中に発生するエラーと、問題のトラブルシューティング方法の一覧を示します。

表: NetBackup for MariaDB のエラーのトラブルシューティング

問題

説明

解決方法

nbmariadb のバックアップが次のエラーで失敗します。

mariadb ライブラリをロードできません (Unable to load mariadb library)

この問題は、"-l" スイッチを使用する nbmariadb コマンドにライブラリパスが指定されていないか、ライブラリパスは指定されているが libmariadb.so (Linux) または libmariadb.dll (Windows) が指定されていない場合に発生する可能性があります。

次を確認してから、再度バックアップを実行します。

  • libmariadb.so (Linux) または libmariadb.dll (Windows) ファイルを含めた、正しい MariaDB ライブラリパスが指定されていることを確認します。

  • (Linux) libmariadb.so を使用できない場合は、libmariadb.so.<n> を指す libmariadb.so という名前のシンボリックリンクを作成します。

  • (Windows) libmariadb.dll が、MariaDB のインストール先の bin ディレクトリにない場合は、lib ディレクトリで見つかる場合があります。

nbmariadb のバックアップが次のエラーで失敗します。

データベースに接続できません。(Unable to connect to the database)

無効なデータベースユーザー名、ポート番号、またはパスワードを指定した nbmariadb コマンドを実行すると、mariadb バックアップは失敗します。

  • nbmariadb コマンドの "-u" スイッチを使用してデータベースユーザー名を指定します。

  • nbmariadb コマンドの "-portnum" スイッチを使用してデータベースポート番号を指定します。

  • my.cnf ファイル (Linux) または my.ini ファイル (Windows) を使用して、データベースパスワードを指定します。

MariaDB 環境パスワードの認証を参照してください。

nbmariadb のバックアップが次のエラーで失敗します。

xbsa.dll をロードできません (Unable to load xbsa.dll)

環境変数パスが NetBackup の bin ディレクトリに更新されていない場合、nbmariadb のバックアップが失敗します。

nbmariadb のバックアップを実行するには:

  • 環境変数パスを NetBackup_install_path/bin に更新します。

nbmariadb のバックアップが次のエラーで失敗します。

XBSA を開始できませんでした (XBSA initiation failed)

コマンドラインに必須パラメータが指定されていない場合、nbmariadb バックアップが失敗します。

nbmariadb のバックアップを実行するには:

  • 有効なプライマリサーバー名、ポリシー名、スケジュール形式をコマンドラインから構成します。

  • nbmariadb エージェントと NetBackup プライマリサーバーとの間で通信エラーがないかどうかを確認します。

    詳しくは、『NetBackup 管理者ガイド Vol. 1』を参照してください。

(Windows) VSS スナップショットの作成に失敗しました (VSS snapshot creation failed)

nbmariadb 操作を実行する権限をユーザーが持っていない場合、nbmariadb のバックアップが失敗することがあります。

管理者モードで cmd.exe を実行します。

nbmariadb のリストア操作を実行しても、ターゲットの NetBackup クライアントからデータをリストアできません。

NetBackup のクライアント名とターゲットディレクトリが更新されていない場合、nbmariadb のリストアが失敗します。

リストアが成功した場合:

  • ターゲットディレクトリが有効で、空になっていることを確認します。

  • リストアを NetBackup ソースクライアントから開始します。

  • NetBackup のクライアント名とターゲットディレクトリのパラメータを設定します。

nbmariadb のバックアップが次のエラーで失敗します。

(Linux) LVM のスナップショット作成中にエラーが発生しました (Error creating LVM snapshot)

ボリュームグループにスナップショット用の十分な容量がない場合、nbmariadb のバックアップが失敗することがあります。

ボリュームグループの容量を確認するには

  1. ボリュームの容量を表示するには、次のコマンドを実行します。

    $vgs

    コマンドによりボリュームグループの詳細が表示されます。

  2. 適切なスナップショットサイズを指定します。スナップショットは、インスタンスのサイズと同等以上のサイズでなければなりません。

正常なバックアップ後のエラーメッセージ:

<volume_group>/<snapshot_name> 0 / 4096 (29393616896) 後の読み取りエラー: 入力エラーまたは出力エラー。(&lt;volume_group>/&lt;snapshot_name> Read failure after 0 of 4096 at 29393616896: input or output error.)

または

<volume_group>/<snapshot_name> 0 / 4096 (4096) 後の読み取りエラー: 入力エラーまたは出力エラー。

(&lt;volume_group>/&lt;snapshot_name>: read failure after 0 of 4096 at 4096: input or output error.) ボリュームグループにスナップショットが含まれる場合に、nbmariadb のバックアップからこれらのエラーが返されます。バックアップを再度実行する前に、スナップショットをリストしてから削除できます。

メモ:

nbmariadb で作成された LVM スナップショット名の先頭には mariadbsnap が付きます。

スナップショットを削除するには:

  1. 既存のスナップショットを一覧表示するには、次のコマンドを実行します。

    $lvs

    コマンドによりスナップショットの詳細が表示されます。

  2. スナップショットを削除するには、次のコマンドを実行します。

    $ lvremove -f <volume_group>/<snapshot_name>

Linux (LVM) の nbmariadb バックアップが次のエラーで失敗します。

スナップショットのマウント解除中にエラーが発生しました - デバイスまたはリソースがビジー状態です (Error unmounting the snapshot-Device or resource busy)

または

snapshot-mariadbsnap_<timestamp> の削除中にエラーが発生しました (Error removing the snapshot-mariadbsnap_<timestamp>)

スナップショットやデバイスをマウント解除しようとしたとき、または既存のスナップショットを削除するときに、nbmariadb のバックアップが失敗します。

スナップショットをマウント解除するには

  1. マウントされているすべてのファイルシステムを一覧表示するには、次のコマンドを使用します。

    $ mount-l

  2. スナップショットがまだある場合は、次のコマンドを使用してマウントディレクトリを作成します。

    $mount<mount_directory>

    メモ:

    このディレクトリは /mnt/<snapshot_name> に作成されます。スナップショットの接頭辞名は mariadbsnap です。

  3. マウントディレクトリを削除するには、次のコマンドを実行します。

    $rm -rf <mount_directory>

  4. スナップショットを手動で削除するには、次のコマンドを実行します。

    $ lvremove -f <volume_group>/<snapshot_name>

リストアが成功しても、MariaDB サービスを開始できません。

リストア操作が成功するのは、MariaDB のマイナーバージョンが同じマシンにバックアップをリストアする場合のみです。

たとえば、MariaDB バージョン 10.2.x からファイルをバックアップした場合は、MariaDB バージョン 10.2.x のコンピュータにファイルをリストアする必要があります。

  • データのバックアップ元の MariaDB バージョンが、データのリストア先コンピュータの MariaDB バージョンと同じであることを確認してください。