NetBackup™ クラウド管理者ガイド
- NetBackup Cloud Storage について
- クラウドストレージについて
- NetBackup のクラウドストレージベンダーについて
- Amazon S3 クラウドストレージの API 形式について
- NetBackup 認定の Amazon S3 クラウドストレージベンダー
- Amazon S3 ストレージ形式の要件
- Amazon S3 クラウドプロバイダのユーザーに必要な権限
- Amazon S3 のクラウドストレージプロバイダのオプション
- Amazon S3 のクラウドストレージのオプション
- Amazon S3 のサーバーの詳細な構成オプション
- Amazon S3 クレデンシャルブローカーの詳細
- Amazon S3 対応クラウドプロバイダのプライベートクラウドについて
- Amazon S3 ストレージクラスについて
- NetBackup による Amazon 仮想プライベートクラウドサポート
- 長期保持のための Amazon のデータの保護について
- Amazon S3 Intelligent Tiering (LIFECYCLE) を使用したデータの保護
- NetBackup での Amazon IAM ロールの使用について
- NetBackup における Amazon S3 クラウドコネクタの文字制限について
- Amazon Snowball および Amazon Snowball Edge を使用したデータの保護
- Amazon Snowball クライアントを使用した Amazon Snowball 用 NetBackup の構成
- Amazon S3 API インターフェースを使用した Amazon Snowball 用 NetBackup の構成
- 複数の Amazon S3 アダプタの使用
- ファイルインターフェースを使用した Amazon Snowball Edge 用の NetBackup の構成
- S3 API インターフェースを使用した Amazon Snowball Edge 用 NetBackup の構成
- Amazon Snowball および Amazon Snowball Edge の SSL の構成
- S3 API インターフェースを使用した場合のバックアップ後の手順
- Microsoft Azure クラウドストレージ API 形式について
- OpenStack Swift クラウドストレージの API 形式について
- NetBackup のクラウドストレージの構成
- NetBackup でクラウドストレージの構成を開始する前に
- NetBackup のクラウドストレージの構成
- Cloud のインストール要件
- [拡張性のあるストレージ (Scalable Storage)]プロパティ
- [クラウドストレージ (Cloud Storage)]プロパティ
- NetBackup CloudStore Service Container について
- ホスト名ベースの証明書の配備
- ホスト ID ベースの証明書の配備
- クラウドバックアップ用のデータ圧縮について
- クラウドストレージのデータ暗号化について
- NetBackup クラウドストレージの暗号化の NetBackup KMS について
- NetBackup クラウドストレージの暗号化の外部 KMS について
- クラウドストレージサーバーについて
- クラウドストレージのオブジェクトのサイズについて
- クラウドストレージの NetBackup メディアサーバーについて
- クラウドストレージのストレージサーバーの構成
- クラウドストレージサーバープロパティの変更
- NetBackup クラウドストレージサーバーのプロパティ
- クラウドストレージのディスクプールについて
- クラウドストレージのディスクプールの構成
- NetBackup クラウドストレージ暗号化の KMS キー名のレコードの保存
- クラウド環境へのバックアップメディアサーバーの追加
- クラウドストレージ用のストレージユニットの構成
- NetBackup アクセラレータバックアップと NetBackup 最適化合成バックアップについて
- NetBackup アクセラレータをクラウドストレージで有効にする
- 最適化合成バックアップをクラウドストレージで有効にする
- バックアップポリシーの作成
- クラウドストレージディスクプールプロパティの変更
- 証明書失効リスト (CRL) に対する証明書の検証
- NetBackup クラウドの認証局 (CA) の管理
- 監視とレポート
- 操作上の注意事項
- トラブルシューティング
- 統合ログについて
- レガシーログについて
- NetBackup クラウドストレージログファイル
- libcurl ログの有効化
- NetBackup 管理コンソールを開けない
- クラウドストレージの構成上の問題のトラブルシューティング
- NetBackup の拡張性のあるストレージのホストプロパティを利用できない
- NetBackup CloudStore Service Container への接続が失敗する
- クラウドストレージのディスクプールを作成できない
- クラウドストレージを作成できません
- クラウドストレージサーバーへのデータ転送が、SSL モードで失敗する
- Amazon GovCloud クラウドストレージの設定が非 SSL モードで失敗する
- Google Nearline ストレージからのデータリストアは失敗する場合がある
- フランクフルト地域でクラウドストレージ構成のバックアップが失敗することがある
- クラウド圧縮オプションを使うクラウドストレージ構成のバックアップが失敗することがある
- 認証バージョン V2 でのストレージ領域のフェッチの失敗
- スナップショットの親ジョブからのバックアップが状態コード 160 で失敗する
- クラウドストレージの操作上の問題のトラブルシューティング
- クラウドストレージバックアップが失敗する
- NetBackup CloudStore Service Container の停止と起動
- nbcssc (レガシーメディアサーバー)、nbwmc、nbsl のプロセスを再起動するとすべての cloudstore.conf 設定が元に戻される
- NetBackup CloudStore Service Container の起動とシャットダウンのトラブルシューティング
- GLACIER リストアジョブのキャンセル後に bptm プロセスの終了に時間がかかる
- Amazon Glacier Vault のイメージクリーンアップエラーの処理
- 孤立したアーカイブの手動によるクリーンアップ
- Amazon Glacier Vault からのリストアが 1 つのフラグメントで 24 時間より長くかかる
- GLACIER_VAULT からのリストアが Oracle データベースで 24 時間より長くかかる
- Amazon IAM アクセス権がないために発生するエラーのトラブルシューティング
- リストアジョブの開始時刻がバックアップジョブの終了時刻と重なるとリストアジョブが失敗する
- Azure アーカイブからのリストアの後処理が失敗する
- Amazon Snowball および Amazon Snowball Edge の問題のトラブルシューティング
- 索引
クラウドストレージのオブジェクトのサイズについて
バックアップ中、NetBackup はバックアップイメージデータを「オブジェクト」と呼ばれるチャンクに分割します。各オブジェクトをクラウドストレージに移動するために、オブジェクトごとに PUT 要求が実行されます。
カスタムのオブジェクトサイズを設定すると、クラウドストレージとの間で送受信される PUT 要求と GET 要求の量を制御できます。PUT 要求と GET 要求の数を少なくすると、要求に対して課金されるコストを減らすことができます。
オブジェクトサイズのカスタム値は、クラウドストレージサーバーの作成時に指定できます。クラウドストレージプロバイダ、ハードウェア、インフラストラクチャ、期待するパフォーマンス、およびその他の要因を考慮して値を決定してください。クラウドストレージサーバーのオブジェクトサイズは、一度設定すると変更できません。別のオブジェクトサイズを設定するには、クラウドストレージサーバーを再作成する必要があります。
クラウドでの NetBackup のパフォーマンスは、オブジェクトのサイズ、並列接続の数、読み取りまたは書き込みバッファのサイズの組み合わせによって決まります。
バックアップ操作とリストア操作のパフォーマンスを向上するため、NetBackup はクラウドストレージへの複数の並列接続を使用します。NetBackup のパフォーマンスは並列接続数によって異なります。並列接続数は読み取りまたは書き込みバッファのサイズとオブジェクトのサイズから算出されます。
読み取りまたは書き込みバッファのサイズ (ユーザー設定) ÷ オブジェクトのサイズ (ユーザー設定) = 並列接続の数 (算出)。これらの決定要因の関連を次の図に示します。
これらの決定要因の関連を次の図に示します。
並列接続数を決定する際は、以下の要因を考慮します。
クラウドストレージプロバイダによって許可される並列接続の最大数
NetBackup とクラウドストレージ環境の間のネットワークで利用可能な帯域幅
NetBackup ホストで利用可能なシステムメモリ
オブジェクトのサイズを大きくすると、並列接続の数は減ります。並列接続の数は、アップロードやダウンロードの速度に影響します。
読み取りまたは書き込みバッファのサイズを大きくすると、並列接続数が増加します。同様に、並列接続数を少なくしたい場合は、読み取りまたは書き込みバッファのサイズを小さくします。ただし、ネットワーク帯域幅と利用可能なシステムメモリを考慮する必要があります。
クラウドプロバイダは、バックアップまたはリストアの処理中に開始した PUT 要求と GET 要求の数に対して課金します。オブジェクトのサイズが小さいほど、PUT 要求または GET 要求の数は多くなり、結果的にコストが高くなります。
データ転送で一時的なエラーが発生した場合、NetBackup は、再試行を何度か実行して、失敗したオブジェクトを転送しようとします。エラーが続くと、完全なオブジェクトが再び転送されます。また、レイテンシとパケット損失が大きい場合は、パフォーマンスが低下することがあります。レイテンシとパケット損失の問題は並列接続数を大きくすると解決することがあります。
NetBackup では、クライアント側でいくつかのタイムアウトが設定されています。アップロード操作が算出された最低の NetBackup データ転送速度より (オブジェクトのサイズが大きいために) 遅くなる場合は、NetBackup でエラーが発生している可能性があります。
重複排除がサポートされていないレガシー環境では、接続数が少ないと、並列で行われるダウンロードの数は以前の接続数の場合より少なくなります。
たとえば、旧バージョン (8.0 以前) のイメージからリストアする場合にオブジェクトのサイズが 1 MB のときは、(1 つの接続につき) 16 MB のバッファは完全には使用されず、メモリは消費されます。オブジェクトのサイズを大きくしても、利用可能な読み取りまたは書き込みバッファサイズのメモリのため、接続数には制限があります。
デフォルト設定は以下のとおりです。
表: 現在のデフォルト設定
|
クラウドストレージプロバイダ |
オブジェクトのサイズ |
デフォルトの読み取りまたは書き込みバッファのサイズ |
|---|---|---|
|
Amazon S3 と Amazon GovCloud |
16 MB (固定) |
400 MB (16 MB から 1 GB に設定可能) |
|
Azure |
4 MB (固定) |
400 MB (4 MB から 1 GB に設定可能) |