Veritas NetBackup™ for NDMP 管理者ガイド
- NetBackup for NDMP の概要
- NetBackup for NDMP について
- NDMP バックアップの形式
- 異なるホストへのテープドライブの割り当てについて
- NetBackup for NDMP のインストールについての注意事項
- NDMP に接続されたデバイスへの NDMP バックアップの構成
- [メディアおよびデバイスの管理 (Media and Device Management)]の構成について
- NDMP ポリシーの作成について
- DAR の有効化または無効化について
- NetBackup メディアサーバーへの NDMP バックアップ (リモート NDMP) の構成
- NDMP ダイレクトコピーの構成
- NDMP のアクセラレータ
- リモート NDMP とディスクデバイス
- Shared Storage Option (SSO) の使用
- バックアップおよびリストアの手順
- トラブルシューティング
- NetBackup for NDMP のスクリプトの使用
アップグレード前の既存の NetApp の cDOT 構成について
ここでは、NetApp の cDOT システムで NetBackup をアップグレードする方法について説明します。 NetApp の cDOT システムを使用している場合、NetBackup 7.7 以降にアップグレードする前に次の情報を確認する必要があります。
NetApp クラスタが node-scope-mode に設定され、NetBackup 7.7 以降をまだインストールしていない場合は、アップグレードを行う前に、次のように環境をセットアップしておく必要があります。
バックアップポリシーで使用されるクライアント名がノード管理 LIF になっている。
LIF をホストするノードによってホストされているボリュームだけがバックアップまたはリストア対象になっている。 ポリシーのクライアントリストに、各ノードのノード管理 LIF が含まれている。
ノードに接続しているテープデバイスがバックアップまたはリストア対象となっている。
デバイス構成で使用されている NDMP ホスト名がノード名 (ノード管理 LIF) になっている。
テープデバイスが、接続されているノードにだけ対応している。
NetBackup 7.7 以降にアップグレードした後、Node Scope Mode を無効にして、NetBackup の cDOT 機能を有効にするまで、アップグレード前と何も変わりません。
NetBackup の cDOT 機能の使用を開始するには、次の手順に従います。
カタログをバックアップします。
(省略可能) 次の処理を示す詳しいイメージカタログレポートを作成します。
NDMP ホスト名、ポリシー、バックアップ対象など、新しい cDOT バックアップポリシーを作成するときに使用できる情報の収集
新しい cDOT 環境で以前の cDOT バックアップをリストアするときに検索するクライアント名の決定
クラスタへのアクセス権限を持つすべての NetBackup メディアサーバーをアップグレードします。 アップグレードは同時に実行する必要はありませんが、次の手順に進む前に完了させておく必要があります。
Node Scope Mode を無効にすることにより、クラスタ上の Vserver 対応モードを有効にします。 クラスタ専用のマニュアルを参照してください。
クラスタに接続されているテープデバイスがある場合、デバイス設定で NDMP ホストとしてクラスタ管理 LIF を使用するようテープデバイスを再設定する必要があります。
注意:
NetBackup は、デバイス設定でクラスタ管理 LIF の使用だけをサポートします。
メモ:
複数のテープデバイスが置かれるクラスタ内の各ノードに対し、クラスタのそのノードで利用できるように、すべてのテープデバイスを設定してください。 1 つのテープデバイスにアクセスできるノードは、すべてのテープデバイスにアクセスできる必要があります。
バックアップ用に使われる各データ LIF 用に、クラスタ上で NDMP サービスを有効にします。 詳しくは、NetApp のマニュアルを参照してください。
必要に応じて、NetBackup アクセスに対してデータ LIF を承認します。
クラスタのノード名を使用している古いストレージユニットについて、追加、削除、または更新を行います。
クラスタをバックアップする古いポリシーについて、追加、削除、または更新を行います。
クライアント名としてデータ LIF かクラスタ管理 LIF のいずれかを使用する必要があります。 NetBackup はクライアント名に対してノード名の使用をサポートしません。
バックアップ選択項目の調整も必要な場合があります。
メモ:
クライアントとしてデータ LIF を使うと、このクライアントでデータ LIF の Vserver に関連付けられたすべてのボリュームが保護され、カタログ化されます。 クライアントとしてクラスタ管理 LIF を使うと、このクライアントでクラスタ全体のすべてのボリュームが保護され、カタログ化されます。
古いイメージを読み込むには、代替クライアントリストアを使用することが必要になる場合があります。 代替クライアントリストアについて詳しくは、『NetBackup 管理者ガイド UNIX、Windows および Linux』を参照してください。
NetApp クラスタが Vserver 対応モードに設定され、NetBackup 7.7 以降をまだインストールしていない場合は、アップグレードを行う前に、次のように環境をセットアップしておく必要があります。
クラスタが Vserver 対応モードになっています。 クラスタ対応バックアップ (CAB) 拡張はファイラで有効になっています。 NetBackup は CAB 拡張を使用しません。
バックアップポリシーで使われるクライアント名は、Vserver またはクラスタ管理 LIF と関連付けられているデータ LIF です。
データ LIF をホストするノードによってホストされる (Vserver に属する) ボリュームだけがバックアップまたはリストア対象になっている。
クラスタに接続されているテープデバイスはバックアップまたはリストア対象になっていない。
NetBackup 7.7 以降にアップグレードした後、動作が異なってしまうので、いくつかの変更が必要です。 NetBackup は CAB 拡張を使用し、デフォルトで有効になるようになっています。 このことにより、以下のことが発生します。
NetBackup は Vserver に属するすべてのボリュームを使用します。
NetBackup はボリューム親和性を使用します。
この変更の結果として、以下のことが発生します。
ALL_FILESYSTEMS 指示句が同じ Vserver に対する複数のポリシーで使用されている場合、NetBackup は、複数の異なるポリシーにより同じボリュームを複数回バックアップする可能性があります。 さらなる増分バックアップの信頼性は低下する可能性があります。
マルチストリームのバックアップジョブは、状態コード 99 で失敗するようになります。 失敗ジョブに対してジョブ詳細に次のメッセージが表示されます。
12/10/2014 14:42:11 - Error ndmpagent (pid=29502) NDMP backup failed, path = /vs02/vol1:PARAMETER:AFFINITY=4ac6c4b6-7e99-11e4-b3b6-1779f43af917
これは、NetBackup のいくつかのコンポーネントが Vserver 対応モードのクラスタを使用するよう指示されていないために起こる現象です。 cDOT 機能をできるだけ早くアップグレードし、有効にすることを強く推奨します。
cDOT 機能の使用を開始するには、次の手順に従います。
カタログをバックアップします。
詳細なイメージカタログレポートを作成します (後の読み込み操作のときに参照できます)。
クラスタへのアクセス権限を持つすべての NetBackup メディアサーバーをアップグレードします。 すべてのメディアサーバーを同時にアプグレードして、一貫した動作を保持する必要があります。
NetBackup で設定される既存の各 LIF に対して、tpautoconf -verify ndmp_host コマンドを実行します。 このコマンドは LIF に対する資格情報を備えているメディアサーバーから実行する必要があります。 コマンドを正常に実行した後、nbemmcmd コマンドにより、次の例に似た出力が表示されます。
servername1@/>nbemmcmd -listsettings -machinename machinename123 -machinetype ndmp NBEMMCMD, Version: 7.7 The following configuration settings were found: NAS_OS_VERSION="NetApp Release 8.2P3 Cluster-Mode" NAS_CDOT_BACKUP="1" Command completed successfully. NAS_OS_VERSION displays the NetApp Version. NAS_CDOT_BACKUP tells us if NetBackup uses the new cDOT capabilities.
メモ:
新しい Vserver が追加される場合、tpautoconf -verify ndmp_host コマンドは必須ではありません。
これで、NDMP クラスタにデバイスを追加し、クラスタ管理 LIF を使用してアクセスできるようになります。 デバイスを追加する場合、そのデバイスを検出する必要があります。
新しく検出されたデバイスに対してストレージユニットを追加します。
必要に応じてクラスタを参照するポリシーを追加、削除、または更新します。 Vserver 対応モードのクラスタの使用を開始します。
cDOT 機能をすぐに有効にする必要がない場合、たとえば、メディアサーバーのアップグレードを段階的に実行する場合、以下の操作によって、cDOT 機能を無効にできます。
NDMP ホストにアクセスできるすべてのメディアサーバー上に次のタッチファイルを作成します。 これにより、NetBackup は、そのメディアサーバー用のすべて NDMP ホストに対して CAB 拡張を無効にします。
Windows の場合: install_path\NetBackup\db\config\DISABLE_NDMP_CDOT
UNIX の場合: /usr/openv/netbackup/db/config/DISABLE_NDMP_CDOT
1 つ以上の NDMP ホスト名で (行別) メディアサーバー上に次のファイルを作成することによって、特定 NDMP ホストに対して CAB 拡張を無効にできます。
Windows の場合: install_path\NetBackup\db\config\DISABLE_NDMP_CDOT_HOST_LIST
UNIX の場合: /usr/openv/netbackup/db/config/DISABLE_NDMP_CDOT_HOST_LIST
ファイル内容の例は次のとおりです。 NetBackup は Filer_1 と Filer_2 に対してのみ CAB 拡張を無効にします。
Filer_1 Filer_2
cDOT 機能を有効にするには、これらのファイルを削除し、前のアップグレード手順で説明したすべてのステップを実行する必要があります。