NetBackup™ NAS 管理者ガイド
- 第 I 部 NAS バックアップについて
- 第 II 部 NAS-Data-Protection (D-NAS) の使用
- D-NAS の概要
- D-NAS の計画とチューニング
- D-NAS 構成の前提条件
- ボリュームのマルチホストバックアップ
- NAS ボリュームの D-NAS ポリシーの構成
- アクセラレータの使用
- ベンダー変更追跡の使用
- D-NAS ポリシーを使用したレプリケーション
- D-NAS バックアップからのリストア
- トラブルシューティング
- トラブルシューティング
- ログレベルの設定
- Linux プラットフォームのログディレクトリ
- Windows プラットフォームのログフォルダ
- 複数ストリームリストアのログフォルダ
- スナップショットからのリストアが状態 133 で失敗する
- スナップショットからのバックアップがエラー 50 で失敗する
- スナップショットの親ジョブからのバックアップがエラー 4213 (スナップショットのインポートに失敗しました (Snapshot import failed)) で失敗する
- バックアップホストプールの作成が「ホストリストのフェッチに失敗しました (Failed to fetch host list)」というエラーで失敗する
- スナップショットジョブが失敗し、スナップショットコマンドがボリューム名を認識しない
- NetApp NAS ボリュームのアクセラレータが有効になっている増分バックアップ
- スナップショット方式: 自動
- バージョン 10.3 より前のバックアップホストで VCT 対応でないインデックス付けジョブが次に実行される場合に、完全 VCT 対応インデックス付けジョブが実行される
- NAS データ保護ポリシーのスナップショットからのバックアップジョブがエラー 927 で失敗する
- エラーコード: 930: NAS 共有のバックアップに使用するAll_Media_Server_Poolでサポートされているメディアサーバーが利用できません。
- NAS アレイボリュームからの複数ストリームのリストアは、状態 174「Media Manager - システムエラーが発生しました (174 Media Manager - system error occurred)」で失敗します。
- NAS ジョブが「ストリームが共有メモリにアタッチされるまで 600 秒間待機した後、クローラプロセスがタイムアウトしました。(Crawler process timed out after 600 seconds waiting for streams to attach with shared memory.)」のエラーで失敗する
- 第 III 部 NDMP の使用
- NetBackup for NDMP の概要
- NetBackup for NDMP について
- ネットワークデータ管理プロトコル (NDMP) について
- NDMP バックアップの形式
- NetBackup の NDMP ポリシーについて
- NetBackup ストレージユニットについて
- 異なるホストへのテープドライブの割り当てについて
- NDMP バックアップ処理について
- NDMP リストア処理について
- ダイレクトアクセスリカバリ (DAR) について
- Snapshot Client の補足情報
- NDMP の多重化について
- Replication Director の NDMP サポートについて
- NDMP を使用した Replication Director の制限
- NetApp clustered Data ONTAP (cDOT) に対する NDMP のサポートについて
- NetBackup for NDMP のインストールについての注意事項
- NDMP に接続されたデバイスへの NDMP バックアップの構成
- NDMP に接続されたデバイスの構成について
- NAS (NDMP) ホストへの NetBackup アクセスの認証
- 3-Way バックアップとリモート NDMP のアクセス権について
- [メディアおよびデバイスの管理 (Media and Device Management)]の構成について
- デバイスの構成ウィザードを使用した NDMP ファイラの設定
- ボリュームの追加について
- NDMP パスワードとロボット接続の検証について
- NDMP ストレージユニットの追加
- NDMP ポリシーの作成について
- バックアップ対象リスト内の環境変数について
- NetApp cDOT バックアップポリシーに適しているホストの選択について
- NDMP ポリシーのスケジュールのバックアップ形式について
- DAR の有効化または無効化について
- クラスタ環境での NetBackup for NDMP の構成
- NetBackup メディアサーバーへの NDMP バックアップ (リモート NDMP) の構成
- NDMP ダイレクトコピーの構成
- Accelerator for NDMP
- リモート NDMP とディスクデバイス
- NetBackup for NDMP での Shared Storage Option (SSO) の使用
- NDMP の NAS アプライアンス情報
- NAS アプライアンスのサポートについて
- ベンダーに固有でない情報
- ベンダー固有の情報
- バックアップおよびリストアの手順
- トラブルシューティング
- NetBackup for NDMP のスクリプトの使用
- NetBackup for NDMP スクリプトについて
- ndmp_start_notify スクリプト (UNIX の場合)
- ndmp_start_notify.cmd スクリプト (Microsoft Windows の場合)
- ndmp_end_notify スクリプト (UNIX の場合)
- ndmp_end_notify.cmd スクリプト (Microsoft Windows の場合)
- ndmp_start_path_notify スクリプト (UNIX の場合)
- ndmp_start_path_notify.cmd スクリプト (Microsoft Windows の場合)
- ndmp_end_path_notify スクリプト (UNIX の場合)
- ndmp_end_path_notify.cmd スクリプト (Microsoft Windows の場合)
- ndmp_moving_path_notify スクリプト (UNIX の場合)
- ndmp_moving_path_notify.cmd スクリプト (Microsoft Windows の場合)
- NetBackup for NDMP の概要
D-NAS のサイズの決定に関するガイドライン
D-NAS 環境のサイズは、ビジネス要件に基づいています。サイズの変更はストレージアレイによって異なります。また、保護する NAS データの特性によっても異なります。NetBackupメディアサーバーをバックアップホストとして使用するように D-NAS ポリシーを構成できます。その結果、D-NAS バックアップ処理は、パフォーマンスとスループットの両方の点で有機的に拡張される場合があります。
D-NAS ポリシーを実行すると、NetBackupはバックアップホストの nbcs (クローラ) プロセスと bpbkar プロセスを使用します。メディアサーバーで bpbrm と bptm を使用します。 実行中の各プロセスは CPU サイクルを消費します。nbcs プロセスは CPU を最も使用します。nbcs はマルチスレッドクローラです。バックアップ操作とインデックス操作中に NAS 共有をトラバースします。複数の nbcs プロセスが、NAS ボリュームのバックアップ操作とインデックス付け操作の並列実行ジョブを処理します。1 つの nbcs プロセスは、1 つの NAS ボリュームバックアップに対応します。複数のバックアップホストを使用して 1 つの NAS ボリュームをバックアップする場合、各バックアップホストは個別の nbcs プロセスを使用します。
クローラプロセスはマルチスレッドです。複数のスレッドは、D-NAS ポリシーの実行中に 1 つの NAS 共有をトラバースします。これにより、nbcs プロセスの CPU 使用率が急増する可能性があります。CPU の使用は、nbcs プロセスによって使われるスレッドの数を減らすことによって軽減できます。bp.conf ファイルで MULTI_THREADED_CRAWLER_THREADS パラメータを設定できます。これにより、各 nbcs プロセスで使用されるスレッド数が変更されます。デフォルト値は 20 であり、1 から 200 の範囲で値を指定できます。NAS バックアップに使用されるバックアップホストでこのパラメータを設定する必要があります。これは、NetBackupバージョン 10.4 以降のホストに適用されます。
単一の NAS 共有のバックアップジョブによって使用されるメモリの量は、D-NAS ポリシーで構成されているストリームの数によって異なります。ホスト上の各バックアップストリームは、1 つの bpbrm、bptm、bpbkar プロセスを使用します。たとえば、ポリシーが 10 のストリームを使うように設定されている場合、1 つの NAS 共有バックアップは bpbrm、bptm、bpbkar プロセスの 10 個のインスタンスを実行します。nbcs プロセスは 1 つだけ実行されます。
bpbrm、bptm、bpbkar のプロセスによって使われるメモリの量は静的であり、あまり変動しません。nbcs プロセスによって使用されるメモリは、特定のデータ特性によって異なります。これには、ファイルシステムの階層、ファイルの数、NAS 共有内のフォルダが含まれます。NAS 共有に非常に密度の高いディレクトリ構造がある場合、nbcs プロセスはピーク時に 200 MB のメモリを使用します。NAS 共有のディレクトリに何百万ものファイルがあるフラット階層がある場合、nbcs はピーク時に 20% から 30% の追加メモリを使用します。メモリ使用量がピークに達するとは限らず、バックアップの進行に伴って減少する点に注意してください。データの特性によっては、メモリ消費のスパイクが発生することがあります。
メモリ使用量はすべてのバックアップ形式で同じです。これには、インデックスタスク、最初の完全バックアップ、増分バックアップ、加速された完全バックアップが含まれます。
表: 5、10、20 のバックアップストリームを使用する単一 NAS バックアップのメモリ消費
NAS 共有のメモリ消費 | 5 つのバックアップストリームのメモリ (MB) | 10 個のバックアップストリームのメモリ (MB) | 20 個のバックアップストリームのメモリ (MB) |
|---|---|---|---|
バックアップホスト上 | 115 + 200 (クローラ) | 230 + 200 (クローラ) | 460 + 200 (クローラ) |
メディアサーバー上 * | 780 | 1560 | 3120 |
メモリ消費量の合計 (概算) | 1095 | 1990 | 3780 |
* スナップショット操作からのインデックスには、メディアサーバーのメモリ消費のみが適用されます。
表 表: 5、10、20 のバックアップストリームを使用する単一 NAS バックアップのメモリ消費を使って D-NAS バックアップに必要なおおよそのメモリを推定できます。この表を使って、D-NAS バックアップのためにプロビジョニングする必要があるバックアップホストとメディアサーバーホストの数を推定することもできます。これは、NAS バックアップジョブのスケジュール設定にも役立ちます。次に例を示します。
バックアップ中に、10 のストリームと 10 個の NAS 共有を含むポリシーは、約 38 GB のシステムメモリを使用します。
バックアップ中に、20 のストリームと 10 個の NAS 共有を含むポリシーは、約 38 GB のシステムメモリを使用します。
次の場合を検討します。
1 つのホストがメディアサーバーとバックアップの両方として機能する場合、そのホストですべてのメモリ使用量が発生します。
NAS 共有バックアップにマルチホスト機能を使用すると、クローラのメモリ使用率がすべてのバックアップホストに均等に分散されます。
D-NAS バックアップのバックアップストリームの合計数が 200 を超える場合は、複数のメディアサーバーを使用します。